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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕
日時: 2011/05/30 23:07:23
名前: 孝(たか)

とうとうシンクロ解禁。

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガールは不可。

雲魔物系はOK

ブラックマジシャンはOK

古代の機械系神楽坂編終了したので使用可能。

エレメンタルヒーロー系はOK

イービルヒーローは不可。

D・HERO系不可

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを"魂のカード"として受け取るのはありです。


そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"が可能です。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.113 )
日時: 2011/09/17 16:09:04
名前: カイナ

鮫島「ふむ、しかしまだあちらは準備に時間がかかりそうですしね……」
十代「準備?」
カイ「あれだろ」

鮫島の言葉に十代が首を傾げるとカイがある一方向を指し示し、十代達はついそっちの方を見る。そこには見慣れない数台のカメラが設置されており、慌しくスタッフ達も動き回っている。

三沢「まさかテレビでも入るのか?」
明日香「あら? あのスタッフが着ている上着……万丈目グループって……」

三沢が腕組みをしながら言うと明日香が気づいたようにスタッフを指差しながら呟き、それを聞いた全員がスタッフの上着に注目する。スタッフは全員慌しく動き回っているため見えにくいがそれには確かに万丈目グループと書かれていた。

???「その通りだ。久しぶりだな」

十代「万丈目!!!」

そこに現れた少年――万丈目準の姿を見た十代が嬉しそうな声を上げ、万丈目はゲスト来賓席を見る。そこには二人の男性の姿が座っているのが見えた。

万丈目「今回のデュエルは万丈目グループがテレビ放送を行う。大方俺を宣伝道具にしようというところだろう……だが、俺はそんな事どうでもいい」

万丈目はそこまで言うと勢いよく十代を指差す。

万丈目「遊城十代、俺は今度こそ貴様に勝利する!」
十代「おう! 俺も負けないぜ!!」

万丈目の言葉に十代もにっと笑いながら返し、それを見ると万丈目は踵を返して歩き去っていく。

隼人「なんか、万丈目君変わったんだな……」
翔「うん。クールになったしなんていうか、王者の風格を感じるっす……」

それを見てポカンとしながら隼人と翔はそう呟き、翔は続けて十代の方を向いた。

翔「でもすごいっすねアニキ! デュエルがテレビ放送されるなんて!」
美海「翔、あなたも代表なのを忘れてない?」
翔「……あっ! いや、なんか実感湧かなくって……」

翔の言葉を聞いた美海がどこか呆れたように尋ねると翔はそこで思い出したように声を出し、てへへと笑う。それに十代達はしょうがないなぁというように笑い、翔もまた笑い声を出した。

翔「でも、テレビ放送を行うなんてほんとに凄いなぁ……」
カイ「そうか? 万丈目家の人間が代表としてデュエルを行うならば社名宣伝においてこういう手は有用だし、ひいてはデュエルアカデミアの宣伝にもなりうる。双方にメリットが存在するし、万丈目グループは確かカード業界にも進出しようとしていたはずだからな。その足がかりというとこだろう」

翔の言葉にカイがそう言うと全員がポカーンとなる。

明日香「随分詳しいわね……」
カイ「ん? あ、ああ、まあ、ほら俺情報屋だからさ。あはは……」

明日香の言葉にカイはぎくりと身を震わせ、直後誤魔化し笑いをしてそう返す。それに全員がふ〜んと首を傾げているとカイはふぅとため息をつき、さっき万丈目が見ていた二人の男性――万丈目の兄こと長作と正司――を睨みつける。

カイ(ああ、詳しいよ……なまじ関係者だっただけにね。だからこそ、あんたらがやりそうな事も手に取るように分かる……だが、悪いがあんたらの最悪手段だけは潰させてもらうよ。万丈目グループ)

カイは心中でそう呟くとそっと十代達の輪を抜け出る、と一緒にカノンノも歩いてきた。

カノンノ「どーするの?」
カイ「一台でもカメラを奪えば、最悪放送中止だけは免れっ!?」

カノンノの問いにカイは完全に策を練ってたせいかあっさりばらしてしまう。

カノンノ「ふ〜ん……やっぱり、放送中止とかは許せないの?」
カイ「うっせ……どうも苦手なんだよ、会社のためにわざと負けたり、社名がかかってるから負けるなうるせえの。デュエルは互いに全力で戦うからこそ価値があるんだろうに、それをわざと隠すのは許せない」
カノンノ「流石だね、レディアントコーポレーション社長ご子息様」
カイ「……だ、黙ってろ」

カノンノの言葉にカイははぁとため息をついてそう返し、それを聞いたカノンノがくすくすと笑いながら言うとカイは照れたように顔を赤くしてそう呟いた。そして二人はデュエル場を出て行く、彼らの目的を達するために。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.114 )
日時: 2011/09/17 18:09:30
名前: 孝(たか)

氷牙「……その必要は無いぞ。」

『!?』

カイとカノンノが出ようとした時、出入り口の影に隠れていた氷牙が現れた。

カイ「い、いつからそこに?」

氷牙「中止が〜辺りから居たな。」

カイ「……なんてタイミングで聞かれてるんだよ俺orz」

カノンノ「ご、ごめんカイ。私のせいで…」

カイ「いや、カノンノのせいじゃない。俺の不注意だ。」

氷牙「はいはい。イチャラブはそこまでにしておけ。」

カイ「??そこまでイチャ付いたか?」

カノンノ「どうだろう??」

氷牙「(無自覚とは恐ろしいな…)ま、さっきも言った通り。お前らが邪魔をしなくても、放送が中止になる事は無い。」

カノンノ「え?それはどう言う…」

カノンノが氷牙に聞き出そうとするが…

氷牙「既に手は打ってあるってぇ事だよ。まぁ、万丈目の試合が終わる時になればわかる。」

クックック…と、黒い笑いを携えてその場から移動した。

カイ「……戻るか?」

カノンノ「うん…そうだね。」

氷牙「あ、そうそう。」

カイ「はい?」

カノンノ「なんですか?」

氷牙は振り返った二人に、あるものを飛ばす。

パシッ…

カイ「カード?」

カノンノ「それも、シンクロモンスター?」

氷牙「カイのは、お前んとこのお袋さんから頼まれた物を家の親父が完成させたもんだ。お前だけのカード…『ダイガスタ・ウィンド・ドラゴン』。」

カイ「ダイガスタ・ウィンド・ドラゴン…」

そこには翡翠色に光り輝く龍が威圧感を放っている。

氷牙「んで、カノンノ。お前のが、『ライトロード・エンジェル ウリエル』。ライトロードのシンクロモンスター第一号だ。」

カノンノ「ウリエル……」

そこには、白を基調にし、赤いラインの入った鎧と、剣を携えた騎士型の天使が神々しい光を放っていた。

氷牙「ま、今度感想聞かせてくれや。」

そういって、氷牙は会場に去っていった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.115 )
日時: 2011/09/19 15:12:39
名前: カイナ

カノンノ「なんだろ?」
カイ「さあな」

????「貴様ら、ちょっと待ったぁっ!」

氷牙からカードを受け取った二人は首を傾げてそれをデッキにあっさりと組み込む。すると突然二人の背後からそんな声が聞こえ、二人は振り向く。そこには金色の髪をした、ノース校の制服に身を包んだ少年が立っていた。

カイ「氷牙先生は何か案あるらしいし、とりあえず俺らは席に戻るか」
カノンノ「そだね〜」

しかし二人はあっさり無視して少年の横をすり抜ける。

????「無視すんなアアァァァッ!!!」
カイ「んだようるさいなぁ、道に迷ったんならノース校の席はあっちだあっち」
????「違うッ!!!」

少年の怒号にもカイは全く意を介さずにノース校の席を指差す。というかスタジアムの構造上道に迷うどころかよほど目が悪くない限りどこがノース校の席かおおよその位置は分かる。

ジャック「俺様を無視するとはいい度胸だな、このノース校キング、ジャック・アトラス様を!!!」
カイ「はいはい、なんか用か四月一日(わたぬき)」
ジャック「誰が四月一日だ!!! そんな事はどうでもいい、お前、この可愛い子とどんな関係だ!?」

少年ことジャックはカノンノを指差しながらそう言い、それにカイがはぁとばかりの表情を見せるとカノンノはきょとんと首を傾げた。

カノンノ「私とカイは付き合ってる恋人同士だよ? あと言ったら幼馴染で、私はカイの家の主治医の娘なの」
カイ「カノンノ、あんまり人に個人情報を教えてはいけませんってロックスに言われてるだろ?」

カノンノの無防備な言葉にカイがツッコミを入れ、カノンノはあっと声を出す。しかしジャックはぶるぶると震えている。

ジャック「この俺様に恋人がいないのに貴様のような凡夫に可愛い恋人がいるなど許せん! しかも人前でいちゃつきやがってぇぇっ!!!」

カイ「イチャつく?」
カノンノ「誰が、いつ、どこで?」

ジャックの言葉にカイとカノンノはもう真顔で首を傾げる、二人にとっては単なるじゃれあい、少なくともいちゃつきに分類されるような行動ではなかった。そしてそれがジャックの怒りという火に油を注ぐ。

ジャック「貴様ぁ、俺様とデュエルしろぉ!!!」
カイ「デュエル? まあ、いいぜ。交流戦までに終わらせる。カノンノ、悪いが客席戻って席取っといてくれ」
ジャック「よっしゃあこっち来い!!!」
カイ「四月一日、そっち行き止まりだ。人気のないところでやりたいから着いて来てくれ」
ジャック「あ、ああ……ってだから誰が四月一日だ!!!」

ジャックのカイを指差しながらの怒号にカイは冷静に頷いて返すとジャックは振り返って歩き出す。しかし土地勘がないためかジャックが行く先は完全に行き止まり、それを知っているカイは彼を呼び止めてそう言い、歩き出す。それにジャックはああと頷いてカイの後をついて歩いていった。そして二人は人気の全くないスタジアムの裏庭へとやってくる。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.116 )
日時: 2011/09/19 15:15:05
名前: カイナ

ジャック「ふはははは! このキング、ジャック・アトラスに勝負を挑むとはこの命知らずが!!!」
カイ「てめえから売ってきた喧嘩だろうが……まあいい」
ジャック・カイ「「デュエル!!!」」

ジャックの高笑いにカイは呆れたように息を吐きながら返した後、二人の掛け声が響き渡る。
そしてそれから数分後……

ジャック「死ねぃ! 天刑王ブラック・ハイランダーでガスタ・スクイレルを攻撃!」
カイ「罠発動[風霊術―雅]! 俺の場に存在する風属性モンスター、ガスタ・スクイレルをリリースし、ブラック・ハイランダーをエクストラデッキに戻す!」
ジャック「なんだと!? ちぃっ、ターンエンドだ!」

生者を裁く悪魔がガスタの地に住むリスを切り刻もうとするが、突如そのリスが不思議な竜巻に包まれて消滅し、その竜巻に巻き込まれた悪魔もその姿を消す。それを見たジャックは驚いたように目を見開き、舌打ちを叩くとターンを終えた。一応彼の場にはレベル3チューナー、ダーク・リゾネーターが守備表示で存在しているがその表情は相当げんなりしているようだ。

カイ「あのダーク・リゾネーター、精霊か?」
ウィンダ[みたいだね]
カイ「って話しかけんなバカ!!」
ウィンダ[大丈夫だって。あのキモ男私ら見えてないもん、多分リゾちゃんの事も見えてないと思うな]

カイが目を細めて呟くと彼の所有している精霊――ガスタの巫女ウィンダ、ちなみに今はフィールドで守備表示を取っている――が頷き、その姿を見たカイが驚いたように且つ声を潜めて叫ぶとウィンダは大丈夫と返す。ちなみに彼女がジャックの事をキモ男と呼んでいる理由は簡単、カイは彼女を始めガスタの民の使い手――正確にはサイキック族も使用するが――でありその民であるウィンダやカームを見たジャックはなんか気持ち悪い表情でハァハァという息を漏らしているのだ、はっきり言ってキモイだけである。

カイ「ふーん。まあいいや、俺のターンドロー……んじゃ、俺は[サイコ・ウォールド]を攻撃表示で召喚し、速攻魔法[緊急テレポート]を発動! デッキからレベル3以下のサイキック、即ちレベル2の[サイ・ガール]を特殊召喚!」

カイの場に二体のモンスターが姿を現す、とジャックは驚いたように目を見開き声を出した。

ジャック「サイ・ガールだと!? 貴様、ロリコンか!?」
カイ「誰がロリコンじゃコラァッ!!!……いくぜ、レベル2のガスタの巫女ウィンダとレベル4のガスタの静寂カームにレベル2のサイ・ガールをチューニング! ガスタの地に眠りし龍よ、今こそその封印を解き我らの力となれ! シンクロ召喚!! 吹き荒れろ、[ダイガスタ・ウィンド・ドラゴン]!!!」

ジャックの言葉に怒鳴り返した後、カイは気を取り直してシンクロ召喚を行う。それと共にカイの場に揃っていた三人の女性が風の中で重なり合い、その風の中から翡翠色に光り輝く龍が姿を現した。

ジャック「なっ、なっ、なんだ、このカードは……しかも、何故……」
カイ「サイコ・ウォールドでダーク・リゾネーターを攻撃! ダーク・リゾネーターは一ターンに一度戦闘じゃ破壊されない。さぁ、吹き荒れろ、ダイガスタ・ウィンド・ドラゴン!! 風龍波ぁっ!!!」
ダーク・リゾネーター[に゛ゃあああぁぁぁぁっ!!!]

サイコ・ウォールドの一撃をダーク・リゾネーターは受け止めるが続けてのダイガスタの龍の風による一撃には耐え切れず、木っ端微塵に砕け散る。しかしそれによる彼の断末魔の声をカイは苦しい表情で聞いていた。

カイ「カードを一枚セットし、ターンエンドだ」
ジャック「くっ、ザコが! しかし貴様、このキングと同等に渡り合えるとはな、褒めてやる!」LP200
カイ「……悪い、ノース校ではこういうプレイングとこういう状況ですら同等という風習があるのか? 互いの健闘を称えあうならまだ分からんでもないが……」LP2200

カイのターンエンド宣言を聞きながらジャックはくっと唸り、続けて偉そうな声でそう言うとカイは冷静にそうツッコミを入れる。確かにジャックの場はがら空きに比べてカイの場には攻撃力3000オーバーのモンスターと下級でもトップクラスの攻撃力モンスターがいるし伏せカードは二枚、さらにライフポイントの差もある。ちなみにさらに言ってしまえばカイのライフポイントが減っている理由はサイキック族特有のライフコストによるもののみ、ジャックからの戦闘ダメージは一ポイントたりとも受けていなかった。一応カイの手札は尽きているのに対しジャックの手札は二枚ほど残っているが、アドバンテージが勝っているとすればそれくらいだ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.117 )
日時: 2011/09/19 15:17:05
名前: カイナ

ジャック「黙れ! キングの真の力を見せてやろう! ドロォー!!!」

ジャックは叫び声と共にカードを引き抜く。

ジャック「魔法発動、[強欲な壷]! カードを二枚ドロー!!」

彼が引き当てたのは二枚のドローを可能とする汎用性の高い魔法カード。そしてそれによって引いた二枚のドローカードを見るとにやりと笑った。

ジャック「ふははははは! 雷よ、蹂躙するがいい! 魔法発動[サンダー・ボルト]!!!」
カイ「馬鹿な!? おい、そのカードは禁止カードだぞ!?」
ジャック「公式大会でもないこんな野良デュエルで律儀に禁止制限を守るのは愚か者だけだ! よく言うだろう!? 正直者が馬鹿を見るとなぁ!」

ジャックが発動したのは公式大会では使用を禁じられたパワーカード、サンダー・ボルト。それを見たカイが驚愕の表情で声を上げるとジャックは高笑いを上げながらそう言い、落ちていく雷がカイの場のモンスターを全て破壊していく。

ジャック「手札のレベル1モンスター、ダーク・バグを墓地に送り、[パワー・ジャイアント]を攻撃表示で特殊召喚! このカードは手札のレベル四以下のモンスターを墓地に送る事で特殊召喚でき、その特殊召喚時に捨てたモンスターのレベルだけこのモンスターのレベルを下げる!」

パワー・ジャイアント レベル:6→5

ジャックの場に現れた巨人の攻撃力はちょうどカイのライフと同等、しかしジャックはくっくっと嫌らしく笑っていた。

ジャック「その伏せカードは逆転の一手というところか? ならばその希望も粉砕してくれる! 魔法発動[ハーピィの羽根箒]!!!」

また禁止カード、その箒から放たれた疾風がカイの伏せカードへと向かっていく、とカイはその風を睨みつけて伏せカードを発動した。

カイ「リバースカードオープン[ガスタのつむじ風]! このカードは俺の場にモンスターが存在しない時のみ発動が可能となり、俺の墓地に存在するガスタモンスター二体を選択してデッキに戻す事により、デッキから守備力1000以下のガスタモンスターを一体特殊召喚する。俺は墓地のガスタの巫女ウィンダとガスタの静寂カームをデッキに戻し、守備力1000の[ガスタの賢者ウィンダール]を守備表示で特殊召喚!……っぶねぇ、ハーピィの羽根箒を先に使われてたら負けてた……」
ジャック「ちぃっ! パワー・ジャイアントでウィンダールを攻撃!!」

カイの場にギリギリでガスタの民の賢者である男性が姿を現す。それを見たジャックは舌打ちを叩いた後攻撃を指示、巨人の拳の一撃がウィンダールを破壊した。

カイ「悪い、旦那……」
ジャック「しぶとい! だが貴様の手札は次に引く一枚のみ、一時しのぎに過ぎんわ! まあこのキングをそれなりに楽しませた事は褒めてやらんでもないがなぁ!!」

カイは破壊されたウィンダールを見ながらそう呟き、ジャックが高笑いをしながらそう叫んでいるのを一瞥すると彼を睨みつける。

カイ「黙れ、ターンエンドか? エンドなのか?」
ジャック「ひぃっ!? タ、ターンエンドだ!」
カイ「悪いが、俺の種族は世界を救い、不可能を可能にするべく生まれたんだ……見せてやるよ、不可能を可能とする、奇跡の軌跡を……ドロォーッ!!!」

カイの脅すような言葉を聞いたジャックは情けない声を上げながらエンド宣言を行い、それを聞いたカイは静かにそう言うとデッキからカードを引き抜く、その時カードの軌跡が光を描いた。そしてカイは引き当てたカードを素早く発動する。

カイ「魔法発動[ミラクルシンクロフュージョン]! 自分のフィールド、墓地から融合素材モンスターをゲームから除外することで、シンクロモンスターを融合素材とする融合モンスターをエクストラデッキから融合召喚する! ダイガスタ・ウィンド・ドラゴンは墓地に存在する時その種族をサイキック族として使用する。サイキックシンクロモンスター、ダイガスタ・ウィンド・ドラゴンとサイキック族、ガスタの賢者ウィンダールを奇跡融合! こいつが究極の念導兵器だ!! 同調融合、[アルティメットサイキッカー]!!!」

黒く濁った渦の中から巨大な念導兵器が姿を現す。その姿を見たジャックは口をぽかんと開けてガクガクと震えており、カイはジャックの場を指差す。

カイ「バトル! アルティメットサイキッカーでパワー・ジャイアントを攻げ――」
放送[えー、ただいまからデュエルアカデミア交流戦を始めます。各校生徒は中央スタジアムに集合、なお各校代表選手は中央スタジアムステージに集まってください。繰り返します……]

カイが攻撃宣言を行おうとした直前校内放送が交流戦のスタートを放送し、放送が始まったせいで思わずカイは言葉を止めてしまう。そしてそれを聞いたジャックは地獄に仏と言わんばかりにソリッドビジョンを消した。

カイ「あっ、テメエ!?」
ジャック「デュエルを途中で終わらせるのはキングとしては実に不本意だが生徒として学校の規律は守らねばならん! というわけでこのデュエルは貴様に預けよう! さらばだ!! ふははははは!!!」

思わずカイが声を荒げるとジャックは矢継ぎ早にそう言って素早く走り去っていく。それを見たカイはチッと舌打ちを叩くとカードをデッキに戻し、カノンノの待つスタジアムに走っていった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.118 )
日時: 2011/09/20 02:25:48
名前: 孝(たか)

友好デュエル開始前…

控室にて…


準「それで…どう言うつもりなんだ。兄さん達…?」

長作「決まっているだろう。この企画は、俺達の約束を実行に移すプランにすぎない。」

準「プラン…?」

万丈目の顔が不機嫌に歪む。

正司「そうだ!世界に万丈目帝国をつくるのが、俺達の夢!!」
長作「そこで今日は、お前をプロモートし、お前をデュエル界のスターにするのが、今回の目的。」

正司「準…クロノス教諭とかに聞いたが、お前三か月前にこのアカデミアを退学になったらしいな?」
準「退学?ちょっと待ってくれ。俺は退学になどなっていない!ちゃんと休学届を提出した!」

実の所、万丈目の言っている休学届とは…

学園を去る時に大徳寺に書かされた手紙の事であったりする。

まぁ、教師である氷牙が受け取っているので、休学届と言っても過言ではないだろう。

正司「退学だろうが休学だろうが、この学園を去った事には変わりない!いいか準!お前は我ら兄弟の”落ちこぼれ”!!」
長作「我が万丈目グループ主催でテレビ中継するからには、”絶対に負ける事は許さん”!!」

そうして、次男の修司がトランクケースを掲げる。

正司「ここには、俺と兄者が金に物を言わせて手に入れたカードが山と入っている!これを使い、最強のデッキを組み上げるのだ!!!!いいな準。決して万丈目グループに泥を塗るような事はするなよ。準。」

「「準!!」」

そうして、万丈目の兄達は万丈目に脅迫概念を与えるのであった。


ダダダダダダダダダダダダ!!!!

いつもの如く、十代爆走中!

十代「もおおお!テレビ中継するなら、もっと早く言ってくれよ!」
ヴィオ「ほんとだよね!」

そう言って廊下をひた走る二人。
正確には、走っているのは十代だけで、ヴィヴィオは十代におぶさって十代の寝癖を直しているのだった。

十代「寝癖は!」
ヴィオ「OK!」
十代「顔は!?」
ヴィオ「直しようがない!」
十代「判った!」

ヴィヴィオよ。それは貶しているのか?褒めてるのか?

ちょうど二人が男子トイレを通過しようとする。

??「駄目だ!駄目だ!駄目だ!」

十代「俺の顔駄目なのか!?」
ヴィオ「代ちゃんの事じゃないと思うよ…」

男子トイレ…

万丈目「駄目だ!クソォ!!」

鏡を叩きながら項垂れる万丈目。

万丈目「勝て…勝て…俺は兄弟の落ちこぼれじゃない…そんな言葉に惑わされるな…勝て…勝て…次も、その次も、その次も次も…勝って勝って勝ち抜け…兄さん達はそれしか言ってくれない…」

十代「…………」
ヴィオ「…………」

万丈目「ううう…誰も、俺の背負っている物の重さなんか判りはしない…勝てと言うだけだ…いつも、勝てと…く…うう…勝て…勝て…勝てぇ!!」

両手をついて泣き崩れる。

それを見た二人は、黙ってその場から静かに離れて行った。


開始時刻…

生徒一同『『『『『『わああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!』』』』』』

ナレーター『さぁ皆さん!いよいよ始まります!!世紀の学園対抗デュエル大会!!拍手も応援も宜しく!!』

アナウンサーがマイク片手に煽る。

ノース生徒『『『『万丈目サンダー!!サンダー!サンダー!!』』』』

市之瀬「今年も勝った方が、例の褒美…よろしいかな?」
鮫島「勿論。この日が楽しみで、一年を送っているのですからな。ハハハ」

市之瀬「ハハハ」
「「ハハハハハハ!!」」


その頃…選手生徒達は…

翔「いよいよっすね。アニキ」
十代「………」
アルフ「?どうしたの十代君?」
焔「珍しく緊張でもしてるのか?」

十代「いや、そう言うのじゃないんだ。ただ…今の万丈目を尊敬してるだけさ。」
アルフ「……確かに、以前とは何かが違うね。」
十代「あぁ…たった一人で、他校の頭とって、ここに殴り込んできたんだからな。」

翔「修行がうまくいったって事っすかね?」
焔「じゃ、万丈目の相手は、十代で決まりだな。」

十代「あぁ!任せてくれ!」
翔「残りはどうするッすか?確か、シングル・タッグ・シングルで行うって言ってたっス。」

鏡夜「それなら、先鋒のシングルを焔君で、タッグを翔君とアルフ君にすれば?」
「「「「鏡夜さん(先生)!?」」」」

鏡夜「十代君が万丈目君と戦うのが決まったなら、同じ機械族で縛りをつけた方が、事故も少ないと思うし、何より、焔君のデッキは、VとMの二種類を使っているから、十代君とタッグを組むならまだしも、機械族の二人と組むよりは、単体の方がいいはず。」

『『なるほどぉ…』』


因みに、ノース代表は、万丈目が大将と言うのは決まったが、黒亜とジャックが喧嘩して中々決まらなかったが、黒亜の焔が出る試合は自分が出ると言い、それならシングル・タッグどちらでも構わないと言うので決着がついた。

鮫島「ではこれより!デュエルアカデミア本校!」
市之瀬「ノース校!」
「「対抗デュエル大会の開催を宣言する!!」」

鮫島「クロノス教諭!デュエリストの紹介を!」

カメラがクロノスをアップで捉える。

クロノス『あわわわわ……信じられないノーネェ!私の姿ーが、今、全国に流れているナンーて!ではこれより、デュエルアカデミア本校!ノース校!対抗試合を始めるノーネェ!』

『『『『『『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!』』』』』』


クロノス『まず紹介するのーは、アカデミア本校…ドロップアウトボー…じゃなかった…雷堂!焔!』
焔「よっしゃぁ!応援宜しく!」

クロノス『続いて、空時!アルフ!』
アルフ「宜しくお願いします!」

『『『キャアアアアアアアアアアアア!!!!アルフ様あああああああああ!!!!』』』
『『『『『(リア充しね、リア充しね、リア充しねええええええええええええええ!!!!!!!!)』』』』』

女子の歓声と共に会場の男子達から怨差の籠った視線がアルフに向けられた。

クロノス『続いーて、丸藤!翔!!』
翔「が、ががが、ガンバルッス」

カチコチに緊張していた。

クロノス『最後ーに、遊城ぃ十代!!』
十代「ワクワクしてきたぜ!!!」

クロノス『次は、ノース校の紹介ナノーネェ!!』
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.119 )
日時: 2011/09/21 02:01:05
名前: ヘルマン

クロノス『まずは、雷堂!黒亜ぁぁ!奇しくも、兄弟対決ナノーネェ!?』
黒亜「ふん!今日こそ、お前を倒す!焔ぁ!!」

堂々と宣戦布告する黒亜。

クロノス『続いてーハ…間桐!慎二ぃ!!』
慎二「ふふっ…宜しく。」

ニヒルな笑みで女子に視線を向けるが、殆どの女子達はアルフ一筋なのだ。

クロノス『次にィ…ジャ』
ジャック「いらん!俺様の紹介は俺様が行う。」

そう言って、ジャックはクロノスからマイクを強引に奪う。

ジャック『キングは一人!この俺!ジャック・アトラスだ!!!!』

『『『『『ざけんなゴラアアアアアアアアア!!!!』』』』』

「噛ませ犬の分際でキングを名乗るなあああああ!!」
「キングを名乗るのならキング・オブ・デュエリスト武藤遊戯を倒してから言いやがれ!!」

ジャック『ふん!言われるまでもない!武藤遊戯など、このキングが一瞬の内に下してくれるわ!』

カイ「さっき俺に負けそうになった奴が言える台詞じゃねぇな…」

ぼそりと誰にも聞こえないように呟くカイだった。

万丈目「最後は俺だな。」
ジャック「ふん。受け取れ」

そう言ってマイクを万丈目に向かって投げ渡す。

万丈目『お前達!俺の名を覚えているか!俺が此処を去った事を、自業自得と思った奴!居なくなって清々したと思っている奴!俺の事を忘れた奴!!俺は…帰ってきた!!!いいか!よく聞け!そしてその心に刻み込め!!俺の名は!一!!十!!百!!千!!万丈目さんダアアアアア!!』

『『『サンダー!サンダー!万丈目サンダアアアアアアアアア!!!!!』』』

万丈目サンダー降臨!!!


クロノス『それでーハ!第1試合を始めるノーネ!第1試合は、シングルデュエル!本校は…』

焔「俺が出ます!」

クロノス『うむ。では、ノース校は…』

黒亜「俺だ!!!!焔とは俺が戦う!と言うかやらせろおおおおおおおお!!!!!!」

クロノス『うむ。第1試合!!雷堂焔VS雷堂黒亜!!!デュエル開始ぃ!!!』


『『デュエル!!!!!!』』
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.120 )
日時: 2011/09/23 17:26:43
名前: カイナ

焔「俺の先攻、ドロー!」

デュエル開始宣言の直後焔がカードをドローし、手札に入れると別のカードを手に取る。

焔「速攻魔法[手札断札]! 互いに手札を二枚捨て、デッキからカードを二枚ドローする」
黒亜「いきなりの得意プレイか!」

焔の言葉を聞いた黒亜はくくっと笑い、互いに手札交換を行う。

焔「[幻影の魔術士]を攻撃表示で召喚! カードを二枚セットしてターンエンドだ」手札二枚

幻影の魔術士 攻撃力:600

黒亜「俺のターン、ドロー!……俺は[ジェムレシス]を攻撃表示で召喚し、効果発動! デッキからジェムナイトモンスター、[ジェムナイト・ガネット]を手札に加える!」

ジェムレシス 攻撃力:1700

三沢「ほう、ジェムナイトか」
風華「ジェムナイト?」
三沢「その全てが地属性で統一されており、通常モンスターが主力を占めるがその真価は様々な融合素材から融合召喚できる融合モンスター。さらにデュアルモンスターも存在しており、なかなか多彩なシリーズになっている」
風華「へ、へー」

三沢の呟きに風華が聞くと三沢はすぐに解説、それに風華は顔を赤くしながらそう呟いていた。

カイ「ジェムナイト、か……平穏を願う鉱石の民……」

一方、カイはジェムナイトに何か思い入れでもあるのか寂しげな目で呟いており、カノンノも一瞬それに目をやるがすぐにデュエルフィールドに目を戻した。

黒亜「墓地の[ジェムナイト・フュージョン]の効果発動! このカードは墓地に存在する場合、墓地に存在するジェムナイトモンスターを一体ゲームから除外する事により手札に戻す事が出来る! 俺は[ジェムナイト・クリスタ]をゲームから除外し、ジェムナイト・フュージョンを手札に戻す!」
焔「なっ!?」

明日香「上手い!」
三沢「手札断札の効果を逆に使い、ハンドアドバンテージを取ったか!」

黒亜のプレイングに焔が驚きの声を上げると観客席の二人も思わずそう言っており、その二人の雰囲気に一瞬風華は嫉妬の目を向けていた。

黒亜「魔法カード[ジェムナイト・フュージョン]を発動! 手札の[ジェムナイト・ガネット]とジェムナイトモンスター[ジェムナイト・オブシディア]を融合し、[ジェムナイト・ルビーズ]を融合召喚! さらにオブシディアが墓地に送られた場合墓地のレベル四以下の通常モンスターを特殊召喚できる。俺はレベル四の[ジェムナイト・ガネット]を特殊召喚!」

ジェムナイト・ルビーズ 攻撃力:2500
ジェムナイト・ガネット 攻撃力:1900

十代「すげぇ!!」
ヴィヴィオ「あ、あのコンボ、融合のディスアドバンテージが実質ほぼ0になってる!?」

黒亜の場には三体のモンスターが一気に並び、しかも手札はまだ四枚も残っている。さらに墓地にはジェムナイトモンスター、オブシディアが存在しているためジェムナイト・フュージョンはいつでもサルベージ出来る。

黒亜「ジェムナイト・フュージョンの効果発動! ジェムナイト・オブシディアをゲームから除外し、ジェムナイト・フュージョンを手札に加える。そしてジェムナイト・フュージョンを発動! 手札の[ジェムナイト・エメラル]と炎族[ジェムナイト・ガネット]を融合し、[ジェムナイト・マディラ]を融合召喚!」

ジェムナイト・マディラ 攻撃力:2200


カノンノ「後攻ワンターン目でモンスター四体、その上二体は融合モンスター!?」
カイ「手札は後二枚残ってやがるしマディラの効果はやべえ……」

黒亜「こいつが俺の新たな切り札! ジェムナイト・マディラは自身の攻撃宣言時、ダメージステップ終了時まで相手の魔法・罠・効果モンスターの発動を封じる!」
焔「何!?」

十代「クロノス先生のアンティークギアよりすげえ!?」
クロノス「ドロップアウトボーイ!? 今何言ったノーネ!?」

黒亜の宣言を聞いた焔が目を見開くと十代もそう言い、それに聞き捨てならないとクロノスが声を上げる。

焔「ちっ、トラップ発動[奈落の落とし穴]! ジェムナイト・マディラを破壊し、ゲームから除外!」
黒亜「何ッ!?」
焔「ジェムナイト・エメラルにはお前のフィールドの通常モンスター一体のリリースとエメラルの除外により墓地のジェムナイト融合モンスターを特殊召喚する効果を持つ。それを封じるための除去除外カード、入れといて助かった……」

直後焔のカードが発動、その力によってマディラは奈落へと送られ、焔は黒亜のデッキを分析しているように言うと黒亜はチッと舌打ちを叩く。

黒亜「相変わらず、気に入らねえ! ジェムナイト・ルビーズで幻影の魔術士を攻撃!!」
焔「ぐうぅっ! 幻影の魔術士の効果発動! このカードが戦闘によって破壊され墓地に送られた時、デッキから攻撃力1000以下のHEROを一体守備表示で特殊召喚する。その効果にチェーンしてリバースカードオープン[出幻]! 俺の場のモンスターが破壊された時、デッキからV・HEROを特殊召喚する。俺はデッキから[V・HERO グラビート]を特殊召喚! そして幻影の魔術士の効果でデッキから[V・HERO ポイズナー]を守備表示で特殊召喚! さらに、俺がダメージを受けた事により墓地のV・HERO、ミニマム・レイとマルティプリ・ガイを永続魔法扱いとして俺の魔法・罠ゾーンに呼び出す!」LP4000→2100

V・HERO グラビート 守備力:2000
V・HERO ポイズナー 守備力:700

黒亜「くそぉっ! ジェムナイト・ガネットでポイズナーを攻撃、撃破! カードを一枚伏せてターンエンドだ!」手札一枚

炎の力を操るジェムナイトが毒の幻影英雄を破壊、黒亜はカードを一枚伏せてターンを終えた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.124 )
日時: 2011/09/24 02:05:06
名前: ヘルマン

焔「エンドフェイズ時に速攻魔法『サイクロン』!お前の伏せカードを破壊させて貰うぜ!」

黒亜「なんだと!?」

黒亜はまんまと伏せカードを破壊されてしまった。

焔「『輝石融合』か…手札かフィールドのジェムナイトを融合させる罠カード…あぶねぇ…」
黒亜「ちっ…運のいい奴め。」

焔「俺のターン!ドロー!魔法カード『強欲な壺』を発動!更に2枚ドロー!更に魔法カード『幻影融合』!自分の魔法&罠カードゾーンから、融合モンスターカードによって決められた「V・HERO」と名のついた融合素材を墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する!俺は、魔法・罠ゾーンの「マルティプリ・ガイ」と「ミニマム・レイ」を融合!来い!『V・HEROアドレイション』!!」

アドレATK2800

黒亜「ふっ…惜しかったな!幻影融合ではなく、普通の融合だったなら、3体の融合でトリニティーを出せていただろうに…」

焔「……黒亜。この間、デュエルモンスターズのルール改変で、エラッタされたカードがあるのは知っているよな?」

黒亜「?あぁ。だが、それがどうした。」

黒亜が何を突然と言った風に聞き返す。

焔「その時から、通常魔法「融合」では永続魔法扱いのモンスターは融合素材として扱えなくなったんだよ。」

(あくまでこのリレー内の設定です。)

黒亜「…………」

その事実を知らなかった黒亜は先程自分が述べた事に対して恥じた。

黒亜「……だから俺はお前が嫌いなんだああああああああああ!!!」

焔「いきなり訳わかんねぇよ!?自分で勝手に失敗したんだろうが!?他人のせいにすんな!!」

黒亜「ううう、うるせぇ!!!決めた!ぜってぇお前は此処で倒す!」

焔「それは無理だな」

黒亜「なんだと?」

焔「既にお前を倒す方程式は完成している!」


三沢「俺の名言を取るなぁ!!!」

風華「そうだそうだ!勝手にとるなぁ!!」

氷牙「まぁ落ち付けお前ら。」

焔が三沢の名言をパクリ、三沢が少々怒る。

それに続いて風華も怒る。

そんな二人を宥める氷牙だった。


焔「手札から魔法カード『融合』発動!場の「V・HEROグラビート」と、手札の2枚の「V・HERO」を融合!来い!『V・HEROトリニティー』!!!」

トリニティーATK2500

黒亜「なに!?」

焔「そして、3体で融合されたトリニティーは融合召喚されたターン、攻撃力が倍になる!」

トリニティーATK2500→5000

焔「アドレイションの効果発動!相手の場のモンスターを1体選択し、自分の場のこのカード以外の「HERO」1体を選択して発動する。選択された相手の場のモンスターの攻守は、エンドフェイズまで選択された「HERO」の攻撃力分ダウンする!俺は、「ルビーズ」と「トリニティー」を選択する!」

ルビーズATK2500→0

黒亜「馬鹿な…そんな…」

焔「バトルだ!トリニティーで、ルビーズを攻撃!」

黒亜「嘘だああああああああ!?!?!」

焔「”トリニティー・クラッシュ”!!!」

黒亜「ぐああああああああああああ!?!?」LP4000→0

クロノス『決着ウウウウ!!勝者!本校雷堂焔ァァァァァァァ!ナノーネェ』

焔「いよっしゃぁ!!1勝いただきぃ!!」

焔がガッツポーズを取った後、右手を勢いよく掲げた。


本校生徒『『『『おおおおおおおおおおおおおお!!!!!』』』』
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.128 )
日時: 2011/09/24 14:50:55
名前: カイナ

クロノス「第一回戦勝者、雷堂焔! なノーネ!」

黒亜「くそぉ、くそおおぉぉぉっ!!!」

クロノスの宣言の後、膝をついて崩れ落ちた黒亜は思い切り声を荒げて床をガンガンと殴る。その気迫に思わず翔やアルフはもちろん十代すらびびるが黒亜が振り上げた右腕を素早く近づいた焔が掴む。

焔「いい加減落ち着けって。それに、結構腕上げたと思うぜ? マディラの融合召喚はマジでびびった」
黒亜「焔……うるさいっ!」

焔の言葉に黒亜は一瞬目を丸くするが焔の手を振り払うとどこかに走り去っていく。焔はそれを見るとやれやれというようにため息をつき、デュエルリングを下りた。

十代「焔……いいのか?」
焔「慣れてるっての。まあ、後で探しとくけどな」

十代の言葉に焔はふっと笑いながら言い、黒亜が走り去っていったのを見ながらそう続ける。その言葉が終わるのと入れ替わるようにクロノスが声を上げた。

クロノス「では、第二回戦を始めるノーネ! 第二回戦はタッグデュエル! 本校から戦うは空時アルフ! ア〜ンド、丸藤翔! なノーネ!!」

クロノスはそう言うや否やノース校の紹介に移る前にマイクをポケットに入れて両耳を塞ぎ、アカデミア本校男子やエルフィ達一部女子も同じように耳を塞ぐ。

アルフファンクラブメンバー『きゃああああぁぁぁぁっ!!! アルフ様あああぁぁぁぁっ!!!』
ノース校メンバー『ぎゃあああぁぁぁぁっ!!??』

直後アカデミア本校名物アルフファンクラブメンバーのアルフに対する声援――文字通りどころの問題じゃなくマジでスタジアムを揺らすほどの力を持つ――が響き、すっかり対応に慣れてしまった本校メンバーはいいが知らなかったノース校メンバーは交流戦という大会のため当社比十倍はありそうな騒音をモロにその身に受け大声に脳が耐え切れなかったらしく数人は気絶した。ちなみに元アカデミア本校生徒だった万丈目サンダーはアルフファンクラブの成長を見越していたのか耳栓を用意していたため腕組みをしているという一見無防備な状態ながら完全に無傷で済んでいる。

ももえ「アルフ様ー! ぜひともご勝利をー!!」
ジュンコ「そこのレッド! もしアルフ様の足引っ張ったらぜぇったいに許さないからね!! アルフ様ぁ、頑張ってくださぁーいっ!」

全員の声援が消え、ももえとジュンコが声援と翔に対する脅しのような声を出す。ちなみにジュンコは翔に対する脅しこそ凄いドスが聞いていたがアルフへの声援になった瞬間ころっと猫撫で声に変わるという見事な変わり身ならぬ変わり声を披露していた。
その声援を受けながら二人はデュエルリングに上がるが翔は若干耳を塞いでいるのに対しやはり声援を受ける張本人アルフはすっかり慣れてしまったのか笑顔で「声援ありがとー」や「頑張るねー」と女子達に笑顔で返している。

クロノス「し、失礼したノーネ。対してノース校チーム、間桐慎二! ア〜ンド、ジャック・アトラス!」

騒音の如く声援が消えてからクロノスは改めてノース校メンバーの紹介に移る。それと共に慎二とジャックはデュエルリングに上がるが、その二人からは凄まじい殺気が放たれていた。

慎二「ふっ、ふふっ、無性にむかつくよ……」
ジャック「キングたるもの、常に冷静でいなければ話にならんが……今回ばかりは大賛成だ!」
慎二・ジャック「「空時アルフ!! ぶっ潰す!!!」」

二人の利害が完全に一致した瞬間だった。

アルフ「凄い気迫、絶対に勝ちに行くっていう執念を感じ取れるよ!……翔君! 僕達も全力でいくよ!」
翔「正直、僕もあっちに回りたい気分ッス……」

その殺気を感じ取ったアルフはその理由を勝って同点に戻して大将戦に回すという気合と勘違いしたのか真剣な目でそう言うが彼のパートナーである翔はうつむいて深いため息をつきながらそう呟き、デュエルディスクを展開する。

四人『デュエル!!!』

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