Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.180 ) |
- 日時: 2011/11/03 09:37:18
- 名前: 孝(たか)
- 氷牙「おーし全員用意は良いか?」
氷牙が家族+αに向けて問いかける。
『はーーい!!』
氷牙「良し!番号!」
十代「1!」 ヴィオ「2!」 ライ「3!」 アルフ「4!」 凛「5!」 カイ「6!」 カノンノ「7!」 万丈目「……は、8/////」
万丈目が若干気後れしているが問題は無いだろう。
氷牙「うむうむ。全員揃ってるな!んじゃ、順番に乗り込め」
そう言って氷牙は後ろを指差す。
そこには……自家用ヘリが鎮座していた。
民間型ティルトローターBA609と呼ばれる6〜9人乗りのヘリである。
カイとカノンノが何故いるかと言うと、船で海を渡るより早く本島に着き、尚且つ氷牙の好意で余裕があるので一緒に乗せて貰える事に。
万丈目が居る理由は、帰郷ついでに紅葉の見舞いに行くという話を聞いて、一緒に行く事に。
夏休みの間、氷牙宅で下宿しても良いとの事。 最初は断っていたのだが、万丈目が根負けした。
ライとアルフが居るのに、エルフィや両親であるレオとメリオルが居ないのは…エルフィの友人が補習組で可哀相なので残る。
レオは補習組の面倒、メリオルはそのつき添い。
神鈴が帰郷しないのは、言わずもがな鏡夜が残る為である。
鏡夜は補習で60点以下の者達へのお仕置きを今か今かと満面の笑顔で楽しみに待っているとか…この間のジャックのせいで未だに怒りが収まっていないとか…南無。
と言う訳で、仕事を全て終わらせた氷牙と凛、ヴィヴィオのアンヴィレント親子。 幼馴染3人+ライバル1人+留学生2人を交えて。
氷牙「いざ行かん!日本の我が家へ!」
『『おおおおーーーー!!!』』 「「「お、おーーー」」」
気後れしているのは言わずもがな…
船で半日かかる工程を、4時間で済ませ、到着しました!
神奈川県は藤沢市!
そして氷牙は世界をまたに掛ける大社長とも来れば、やはり住む家は豪邸!と見せかけて…7LDKと一般よりは確実に大きいが、豪邸とまではいかない一軒家だった。
カイ「……案外普通の家に住んでるんですね…多少大きいけども…」 カノンノ「まぁ氷牙先生の事だからなんとなくは予想出来てたけど…」
苦笑する二人だが、残念なような、ホッとした様な表情だ。
氷牙「ふむ…なんか期待を裏切った様だな。」 カイ「あ、いえ。逆に助かります。豪邸とかあんま好きくないんで…」
どうやらカイは豪邸はあまり好かない様子。
十代「じゃぁ、俺は一旦家に戻るぜ。結構家空けてたから、掃除しないと…」
なんと、十代は掃除のできる子でした!
ヴィオ「あ、私も荷物置いたら手伝うよ!」 十代「マジか!助かるぜヴィオ!」
十代家の掃除を手伝うと自ら申し出るヴィヴィオに喜ぶ十代。
ライ「じゃぁ、俺達も掃除しに帰るか?」 アルフ「そうだね。たまにしか帰って来れないし、ある程度は掃除しておかないとね。」
氷牙「あぁ、安心しろ。家の優秀な”メイド”達に頼んで、お前らの家は綺麗にさせてあるから。」
そんな四人に安心しろとばかりに言う氷牙。
万丈目「メイド雇ってたんですか…(汗)」 氷牙「まぁな。と言っても、基本的には会社の方を任せてるし、留守の間だけ掃除をして貰ってるだけだがな。それに、十代の家は共働きで中々家に帰ってこれねぇから、ある程度掃除とかの教育も任せてた。」
万丈目「は…はぁ…」
もう呆気に取られるしかなかった万丈目だった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.182 ) |
- 日時: 2011/11/04 21:17:36
- 名前: ミクニップ
- 剣一「…本当にスゲェよな、旦那のやり方はよぉ…」
風華「♪」
ふと、十代達に遅れてやって来たのは、これまたげんなりした様子でやって来た雷堂一家。…一部は何だかウキウキしてるけど。
氷牙「オイオイ…。久々の本島だってのに一体どうしたんだよ?」 剣一「…親父の野郎、親戚から飛行機かっぱら…借りてくるって言ってたから、旦那みたいな自家用機期待してたのに…。よりにもよって予想斜め上のC-17なんぞよこしやがって…」 万丈目「グローブマスターIII!?米軍の輸送機借りたんですか!?」
C-17…マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が製造し、アメリカ空軍が保有・運用する主力の軍用大型長距離輸送機。 愛称はグローブマスターIII(Globe master III)。旧ダグラス・エアクラフト社の開発した輸送機C-74 グローブマスター・C-124 グローブマスターIIに由来。
氷牙「…相っ変わらずお前んトコの親父さん、色んな意味で凄いというか何というか…」 剣一「…それ以上言わないでくれ。空港に到着した後なんてもう…」 氷牙「大変だなお前も…。で?この後はどうすんだ?」
げんなりしてるピカに多少同情しながらも、とりあえず今後の予定を聞いてみる事に。
剣一「あぁ〜、とりあえず一旦家に帰る。店の状況も気になるし」 万丈目「店?店なんて開いてたんですか?」 剣一「パン屋だ。俺昔っからパン屋やりたかったし、教師がどっちかというと副業みたいなモンだし」 万丈目「それ教師としてどう何ですか…(汗)」
焔「う〜ん…。俺はとりあえず一旦父さんと家に帰ろうかな?バイクの免許もあっちで取ってきたから、掃除の後に十代達と一緒に病院に行くつもり」 桃「私も同じです」 佐助「右に同じ」 美海「…私は行く所がある」 風華「アタシ三沢帰省してるから暇だから十代達の手伝いでもしとく〜」 鋼希「…僕は彼女とデートがある」
…ん?
焔「待って鋼希、今何だか妙なワードがあったんだけど。…今何て?」 鋼希「…彼女とデート」 焔「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
衝撃の爆弾発言!
風華「…あ、そういえばほーにぃ知らないんだっけ?こーちゃん中学の時に交際始めたんだよ?」 焔「いやいやいや!それすっごい初耳だから!!というか相手は誰!?ホワァイ!?」 美海「シメオン製薬社長アークライトさんの娘で、[ニードレスガールズ]のリーダーのセツナ・アークライトさん」 焔「アークライトさんあの製薬会社の社長かよ!?よりにもよってアイドル!?鏡夜のおっちゃん並にマイペースなのにどんだけラッキーボーイ何だよ!?じゃあ佐助は?佐助はどうなのさ!?」
自分がいない間に起こってた事に本気で驚く焔。…で、件の佐助は…
佐助「…(泣)」 風華「あぁ〜…、好きな娘は居たんだけどねぇ…。何というかいかんせん相手が別の人物にゾッコンって言うか…」 美海「むしろ運が悪かった」 焔「もういい、相手が誰だかよーくわかったからそっとしといてやれ」
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.184 ) |
- 日時: 2011/11/04 23:34:02
- 名前: カイナ
- ライ「……あ、そういやカイってカノンノと旅行に行くんじゃなかったのか?」
カイ「ああ、旅館の予約はどうにか取れたんだが、先約の団体さんが帰って部屋が空くのが三日後らしいんだ。で、しょうがないからそれから諸用意とかに一日かかると考えて予約を取って、その日までは学校で過ごしてようかと思ったがこっちの方が面白そうだからな。しばらく世話になってから旅館に行くつもりだ」 カノンノ「うん。それにあの響紅葉さんに会えるなんてチャンス滅多にないもん!」
ライがふと思い出したようにカイに尋ねると彼はああと声を出してからそう説明し、それに続くようにカノンノが頷く。するとそれに十代が反応した。
十代「えっ? カイとカノンノ、紅葉さんを知ってるのか?」 カノンノ「当たり前だよ! デビューしてたった一年でトッププロまで上り詰めた正に天才! 最強のHERO使い! 会えるの楽しみだな〜」 カイ「その後持病が悪化したとかで引退したって聞いたが、十代達がその知り合いと知った時は驚いたぜ。まさかここで会えるとはな……」
十代の言葉にカノンノが目をキラキラさせながら頷き、カイもどこか楽しみのように笑みを浮かべながら頷く。それに万丈目が眉をひそめた。
万丈目「お前達……氷牙先生から聞いていないのか? 響紅葉は病気で意識不明なんだぞ」 カイ・カノンノ「「……え?」」
その言葉に二人の表情が固まる。すると十代は顔をうつむかせて呟いた。
十代「紅葉さん、俺達がアカデミアに入学する少し前から意識が戻らないんだ……」 氷牙「瓶田……主治医の話では、最悪一生意識が戻らない可能性すらあるらしい。まあ、カイ達が知らなくても無理はない、俺が情報規制したからな……公になってたら今頃大騒ぎだ。表向きには病気の長期療養を理由で引退した、という事になっているはずだが」
カイ・カノンノ「「あ……」」
十代に続けて氷牙が言うと流石に二人も言葉を失う、と次の瞬間十代はにっと微笑んだ。
十代「なーんてなっ。大丈夫だって、俺達には紅葉さんの教えと、紅葉さんから譲り受けた魂のカード達がある。俺達は信じてるんだ、俺達がデュエルを楽しむ心は紅葉さんに伝わってる。きっと、いつかその心が紅葉さんの目を覚まさせてくれるってさ!」
万丈目「魂のカード、か……」
十代の言葉を聞いた万丈目は静かにそう呟いて自分のデッキから光と闇の竜のカードを取り出し、静かに眺める。そして十代はさてっと声を出した。
十代「んじゃ、とっとと荷物を置いて軽く掃除したら皆で紅葉さんのお見舞いに行こうぜ!」 ヴィヴィオ・ライ・アルフ「「「おー!!!」」」
十代の言葉に一行のノリがいい幼馴染三人が声を合わせてそう返した。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.190 ) |
- 日時: 2011/11/09 20:15:23
- 名前: 孝(たか)
- 氷牙「そう言えば焔。免許取ったんだって?」
焔「ええまぁ。」
唐突に聞かれたのだが答える焔。
氷牙「種類は?」 焔「一応、普通自動二輪です。俺まだ16なんで。」
氷牙「小型限定か?」 焔「いえ、400ccの方です。」
氷牙「ふむ……バイク持ってのんか?」 焔「流石にまだ持ってないっすよ。出来れば自分で買いたいですね。」
氷牙「ほほぉ…なら、ちょっと来いよ♪」
『『『???』』』
二人の話に聞き耳を立てていた一同は首をかしげながらもついていった。
着いていったのは…自宅の地下車庫である。
焔「……地下に車庫まであるんですね…氷牙さん家(汗)」
もうなんでもありだと冷や汗をかく。
氷牙「確か電気は…あった。」
パチン……
車庫の明かりを点けると……そこには!!
立ち並ぶバイク、バイク、バイク!!
『『『『おおおおおおおおおおお!?!?!』』』』
男子達の目は輝かんばかりである。
十代「すっげーー!!バイクが沢山あるぜ!?」
ライ「ひぃ、ふぅ…12台!?」
バイクの数に驚いている。
氷牙「この辺りだな…これだこれだ♪」
氷牙はそう言って壁際の4台に近づく。
シルバーカラーのヤマハ ドラッグスタークラシック400cc オフロードバイク
ホワイトカラーのスズキ オフワンジェイピー400cc オフロードバイク
ブルーカラーのヤマハ WR250R アルミフレーム採用オフロードバイク
ホワイトカラーのヤマハ マウンテントレール セロー250
が並んでいた。
氷牙「多少鏡夜にエンジンや駆動系、マフラーを改造して貰って、馬力もあるし、エンジン音も静かだし、排気量も低い。…どうだ?」
焔「え、いや…どうだと言われても…(汗)」
主語を抜かれては答えようがないというものだ。
氷牙「……好きなのやろうか?」
焔「…マジで!?」
いきなりすぎて顎が外れるかもしれなかった。
氷牙「ここにに小テストがある。10点中8点取れたら好きな奴を1台プレゼントしてやろう。3日の猶予を与えるから、それまでに勉強しておくように…どうだ?」
焔「………や…」
氷牙「うん?」
焔「やるやるやる!!!!!絶対やる!!!」
うまくいけばタダでバイクを手に入れる事が出来るのだ。
やらない訳がない。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.191 ) |
- 日時: 2011/11/15 22:43:04
- 名前: カイナ
- 氷牙の驚いた提案の後、紅葉の見舞いのために氷牙と凛が車を出し始め、十代達はその間に荷物を置きに向かう。
焔「悪いけど俺はいいや、紅葉さんとみどりさんによろしく」 十代「おう。頑張れよな」
なお焔はこの通り、上手くいけば良いバイクが貰えるとなって小テストのための勉強を優先する事にしていた。まあそれでもよろしく伝えてくれと言うのは忘れていないが。 それからアンヴィレント夫妻が一台ずつ車を出し、十代、万丈目、ヴィヴィオ、ライ、アルフ、美海、佐助、風華、カイ、カノンノが車に乗ろうとする。
凛「……やっぱり無理じゃない?」 氷牙「……」
あいにくアンヴィレント家の出した車はせいぜい五人乗り程度、流石に病院にお見舞いに行くのにでかい車を使うというのも病院の人達を驚かせてしまうかもしれないためはばかられる。まあ詰めて乗れば乗れない事もないが……。そう氷牙達が考えているとカイが口を開いた。
カイ「大丈夫ですよ、俺とカノンノはタクシーで行きます。もう呼んだんで」 十代「早っ!?」 カイ「病院に行くまでにも友達同士話に花を咲かせたいかと思ってな。気にしないでくれ」 カノンノ「カイー、来たよー」
カイの言葉に十代が声を上げるとカイは肩をすくめて返し、カノンノの呼び声を聞くとそっちを向いて歩き出した。
カイ「おう。じゃ、病院で……あぁ、病院の名前って?」 氷牙「ここの中央病院って言えば分かるはずだが……分からなかったら連絡して来い、これ俺のアドレスだ。まあ出るのはヴィヴィオ辺りだろうがな、運転中の通話は危険だから絶対にしてはいけません」
カイの問いに氷牙はそう返した後少し考え、メモ用紙に何かをさらさらっと書くとカイに向かって投げる。カイがそれを人差し指と中指で挟むように受け取ると氷牙はそう続け、さらに標語のように締めた。それを聞いたカイは苦笑しながらカノンノと共にタクシーに乗り込む。
十代「カイ……」 氷牙「さ、俺達も行くぞ」
それを十代はどこか寂しそうな表情で見送り、氷牙がそう言うと十代はおうと返し、他のメンバーと共に車に乗り込む。 それから氷牙と凛が運転する二台の車は事故を起こす事のない安全運転で病院に到着し、一、二分程度遅れてカイとカノンノが乗ったタクシーも病院に到着、カイが料金を支払うとタクシーは走り去っていった。
氷牙「帰りはどうするつもりだ?」 カイ「またタクシーでも呼びますからご心配なく」
氷牙の言葉にカイはくすっと笑いながらそう返し、病院に向けて歩いていく。氷牙と凛は静かに顔を見合わせると我先にと病院に走っていった十代達の方を向いた。
氷牙「お前達! 病院内では走るなよ!」
そして氷牙がそう叫んでから二人も子供達の後を追った。 それから十代達は一つの病室前に辿り着き、十代は全員いる事をさっと見回して確認してからコンコンと病室のドアをノックした。
???「はい、どうぞ」
病室内から聞こえてきた女性の声、それを聞いてから十代はドアを開けた。そこには一人の青年がベッドで眠っている姿と、それを見守っている女性の姿があり、その女性の姿を見ると十代が口を開いた。
十代「久しぶり、みどりさん」 みどり「十代君も、ヴィヴィオちゃん達も久しぶり。そっちの子達は?」 万丈目「あ、俺は……万丈目……万丈目、準……です」
十代の言葉に女性――みどりは穏和な笑みを浮かべながら返し、初対面であろう万丈目、カイ、カノンノの方を見る。それに万丈目は何故かたどたどしく自己紹介をし、それに十代達が不思議そうな目を向けるとみどりはまた穏やかに微笑んだ。
みどり「そう……大きくなったのね、準君」 万丈目「!?」 十代「み、みどりさん!? 万丈目を知ってるの!?」 みどり「ええ。数年前、紅葉があるジュニア大会にゲストとして来ていた時の優勝者。強かったし、何よりデュエルをとても楽しんでいた。そんなあなたのために紅葉は一枚のカードをあげたわ。相反する二つの力、それを併せ持つ竜……光と闇の竜を」
みどりの発言に万丈目が固まり、十代が驚いたように声を上げる。それを聞いたみどりはまた微笑みながらそう説明を始め、それが終わると万丈目は震えながら声を出した。
万丈目「もう何年も前、たった一回だけしか会ってないのに……もう、忘れられてるかと思ってたのに……」 みどり「そんなはずないわ。紅葉も、準君はきっと十代君達と同じようにデュエルを楽しめるデュエリストに育つだろうっていつも言ってたから」 万丈目「あぁ……」
万丈目の震える声に対しみどりは優しげにそう言い、それを聞いた万丈目の目から涙が零れ出す。普段ならばすぐに何か理由をつけてその場を逃げるように去っていくはず、しかし万丈目は何もせずに立ち尽くし、涙を流しながら嬉しそうに微笑んでいた。
みどり「それで、あなた達は?」 カノンノ「あ、私、カノンノ・グラスバレーって言います」 カイ「俺は、カイ・レディアント……十代達とは……同じ寮の関係、です」
その次のみどりはカイとカノンノの方を見て尋ね、それにカノンノがそう返すとカイもそれに続くように名乗る。するとそれに十代が声を出した。
十代「カイ、お前間違ってるぜ? お前とカノンノは俺達の仲間じゃねえか」 カイ「……は? いや、だって、俺はお前達とは同じ寮って以外にあまり接点が……」 十代「何言ってんだ? 何かイベントの時いつも一緒に行動してるだろ? こうやって一緒に帰省してるしさ。そうだ! カイ達旅行に行くって言ったよな? 俺達も一緒に行っていいか!?」
十代の言葉にカイが驚いたように返すと十代はきょとんと首を傾げながら返し、それを聞いたカイは頬を引きつかせる。すると氷牙がカイの肩に手を置いた。
氷牙「お前が何を考えてるかは知らないが、少なくとも十代達はお前の事を仲間だと思っている……お前はその想いを無碍にするような奴じゃないと俺は思ってるぜ?」 カイ「……はいはい、そういう事にしときますよ」 氷牙「んじゃま、帰りはタクシー呼ばずに一緒に帰るとするか。詰めりゃ後二人くらいはどうってことない」
氷牙の言葉にカイはいつもの皮肉っぽい口調で返すものの頬を緩ませているのを隠しきれておらず、氷牙はくっくっと笑いながらそう返した。
十代「ところでみどりさん、紅葉さんは……」 みどり「まだ目を覚まさないわ……瓶田君ですら原因がまだ分かってないわ……」
十代の問いにみどりは残念そうな、悲しそうな表情で首を横に振る。それを聞いたメンバーの中に重い空気が流れた。すると十代が突然声を出す。
十代「そ、そうだ! みどりさん、デュエルやろうぜ!」 ヴィヴィオ「代ちゃん!?」 十代「俺、アカデミアに入学して強くなったからさ。紅葉さんにそれを見てもらうためにも、まずはみどりさんと戦いたいんだ!」 万丈目「そのデュエル、乗った。俺も……あの時より腕を上げた事を今こそ証明してみせる!」
その言葉にヴィヴィオが驚きの声を上げると十代は真剣な目でそう言い、それを聞いた万丈目も口を開く。それを聞いたみどりはふっと微笑むとデュエルディスクを取り出して左腕に装着、デッキも差し込んだ。
みどり「分かったわ。じゃあ、屋上に行きましょう」 十代「ああ!」
その言葉を聞いた十代は頷き、一行は屋上へと移動――凛は念のため病室に残った――し、みどりがデュエルディスクを起動すると十代と万丈目もデュエルディスクを起動させた。
万丈目「二対一、か……」 十代「万丈目、絶対に油断するなよ……」
やりにくそうに呟く万丈目に対し十代は真剣な表情でそう返し、それに万丈目が不思議そうに十代の方を見る。
氷牙「その通りだ。みどりはデュエルは実際にやるより教える方が好きだったからデュエル自体はあまりやっていない。だがその実力は俺達の中でも随一、何せ俺も凛もレオも、挙句紅葉はプロになってすら一度も勝ててない、言わば俺達の中で最強のデュエリストだからな」 みどり「あら、それは言いすぎじゃない?」 氷牙「そんなわけあるか」
その様子を見た氷牙の言葉にみどりが笑いながら返すが氷牙は一蹴、それを聞いた万丈目の表情にも真剣味が宿った。
みどり「デュエル方式は少々変則的だけどタッグフォースルールで構わないわね? ただし、プレイヤー一人につきモンスターゾーン、魔法・罠ゾーンは普段通り五個ずつ扱え、私は自らをパートナーとする関係上モンスターゾーン、魔法・罠ゾーンを十個として扱う。当然フィールド、墓地も共有ね?」 十代・万丈目「「ああ!」」
三人「「「デュエル!!!」」」
みどりの確認の言葉に二人がそう返し、その直後三人は声を合わせて叫んだ。 ―――――――――――――――――――― カイ「なんか俺変じゃねえか?」 カイは自らの目的のためわざと十代達から距離を取っており、同寮としての関係しか持ってないようにしていたけど心の底ではそれによる彼らとの距離をコンプレックスに思っていたという設定です。主要メンバー、特にこの夏休みメンバーはカイとカノンノを除いて大方幼馴染という設定ですからね、それを表に出してみました。ま、それはカイの杞憂で十代達はとっくの昔にカイも自分達の仲間として認識している、カイからすれば嬉しいやらミスってんのやら複雑な状況ですが。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.192 ) |
- 日時: 2011/11/15 22:43:40
- 名前: カイナ
- 十代「俺が先攻をもらうぜ、ドロー!」
一番にカードをドローしたのはやはりというか十代、彼はカードをドローし、手札に入れると別のカードを手に取った。
十代「俺は魔法カード[融合]を発動! 手札のスパークマンとクレイマンを融合し、[E・HERO サンダー・ジャイアント]を融合召喚!」
サンダー・ジャイアント 攻撃力:2400
十代「さらに[E・HERO ザ・ヒート]を攻撃表示で召喚、ヒートの攻撃力は俺の場のE・HERO一体につき200ポイント上昇する! カードを一枚セットしてターンエンドだ!」手札一枚
ザ・ヒート 攻撃力:1600→2000
みどり「さあ、特別授業の開始よ! 私のターン!」
十代の場に雷の融合英雄が姿を現し、その横に炎の属性英雄が姿を現し、さらにカードが一枚伏せられた状態でターンは終了。それを聞いたみどりはふっと笑いながらそう言い、カードをドローした。
みどり「私は[終末の騎士]を攻撃表示で召喚し、効果発動! 終末の騎士の召喚、反転召喚、特殊召喚に成功した時デッキから闇属性モンスター一体を墓地に送る。私は闇属性[ネクロ・ガードナー]をデッキから墓地に送るわ」
終末の騎士 攻撃力:1400
万丈目「闇属性デッキか?」 みどり「カードを三枚セットし、ターンを終了するわ」手札二枚 万丈目「俺のターン、ドロー! 俺は[アームド・ドラゴン LV3]を召喚し、魔法カード[超レベルアップ!!]を発動! このカードは俺のフィールド上に存在するLVモンスター一体を墓地に送り、手札を一枚捨てて発動する! このカードの発動のために俺のフィールド上から墓地に送ったLVモンスターに記されているモンスターを手札またはデッキからゲームから除外し、除外したモンスターに記されているモンスターを手札またはデッキから特殊召喚する。だが、このカードの効果により特殊召喚されたモンスターは急速な成長に身体がついていけず、特殊召喚ターンから一回目の俺の、今回の場合俺達のスタンバイフェイズまで攻撃力は半分となり、二回目の俺達のスタンバイフェイズまで効果が無効化される。俺は手札を一枚捨ててフィールド上のアームド・ドラゴンLV3を墓地に送り、LV3のテキストに記されているアームド・ドラゴンLV5をデッキよりゲームから除外、そしてLV5に記されているモンスター、[アームド・ドラゴン LV7]をデッキから特殊召喚!」
アームド・ドラゴン LV7 攻撃力:2800→1400
風華「おぉーっ! ワンターン目で万丈目君のスーパードラゴン!」
万丈目「サンダー・ジャイアントの効果発動! 俺は手札のカード一枚を墓地に送り、サンダー・ジャイアントの元々の攻撃力以下の攻撃力の相手モンスター一体を破壊する!!」 十代「ヴェイパー・スパーク!!」
風華が感嘆の声を上げると万丈目はそう言って十代の融合英雄の効果を発動、その放たれた雷が終末の騎士を破壊した。
万丈目「いきます! サンダー・ジャイアントでダイレクトアタック!」 十代「いっけー! ボルティック・サンダー!!」
バトルフェイズに入り、万丈目は十代のヒーローで攻撃を指示。もちろんその技名は十代が叫ぶ。
みどり「甘いわ、墓地のネクロ・ガードナーの効果発動! このカードをゲームから除外し、相手モンスター一体の攻撃を無効にする!」 万丈目「チッ、アームド・ドラゴンで攻撃、アームド・ヴァニッシャー!」
やはりというか、みどりはその攻撃に対してネクロ・ガードナーの効果を発動し、それを見た万丈目追撃を指示する。その瞬間みどりはパチィンと指を鳴らし、それと同時に彼女の伏せていたカードが一枚翻る。
みどり「トラップ発動[ダーク・ミスト]! このカードの発動時、手札から闇属性モンスターを二枚まで墓地に送る。このターン、墓地に送った闇属性モンスターと同じレベルのモンスターは攻撃出来ない。私はレベル7のダーク・シムルグとレベル4のダーク・クルセイダーを墓地に送る。よってこのターン同レベルのアームド・ドラゴンLV7とザ・ヒートは攻撃出来ない」 万丈目「くそっ! カードを一枚セットしてターンエンドだ!」手札二枚
翻ったカードから発された闇の霧がアームド・ドラゴンの攻撃を逸らさせ、ザ・ヒートからも攻撃目標を見失わさせる。それに万丈目はそう声を上げ、カードを一枚伏せるとターンを終えた。
みどり「私のターン、ドロー」
みどりは静かにカードをドローし、手札の中の一枚を見るとふっと笑みを浮かべた。
みどり「準君、まさか君があの伝説のレベルアップモンスターの一種、アームド・ドラゴンを手にしていたなんて驚いたわ」
風華「だから、メリオルさんが普通に持ってんじゃん、アルティメット・インセクト」
みどり「なら、今こそこのカードを見せる時!」
みどりの言葉に風華がツッコミを入れる。しかしみどりはそれを華麗にスルーしてドローカードの内一枚をデュエルディスクに置く。それと共に彼女の場に闇がうごめき、その闇の中から一体の巨竜が姿を現した。
万丈目「ア、アームド・ドラゴン?……」 十代「な、なんだ、これ?……」
それは全身が闇のような黒に染まったアームド・ドラゴン。その姿を見た二人はそう声を出し、みどりはくすりと怪しい笑みを浮かべた。
みどり「これが私の切り札の一枚、アームド・ドラゴンの暗黒の姿、ダーク・アームド・ドラゴン。その力は準君のLV7に匹敵するわ」 万丈目「LV7に!? 何故そんなモンスターをすぐに召喚出来るんだ!?」 みどり「もちろん、このカードの召喚方法は少し独特よ。そもそもこのカードは通常召喚が出来ない。このカードは、私の墓地に存在する闇属性モンスターが三体の場合のみ特殊召喚できる。私の墓地に存在するモンスターは闇属性、終末の騎士とダーク・シムルグ、ダーク・クルセイダーの三体、よってこのカードの特殊召喚条件は満たしているわ」 十代「うっそー……」
みどりの言葉に万丈目が目を見開いて叫ぶとみどりはふふっと笑いながら説明、それを聞いた十代は唖然とした表情でそう呟いた。
ダーク・アームド・ドラゴン 攻撃力:2800
みどり「反撃開始ね、ダーク・アームド・ドラゴンの効果発動! このカードも、モンスターカードを使う事による破壊効果を持つわ」
ライ「えぇっ!? でもみどりさん、もう手札がないし……」
みどり「だーれーが、手札からって言ったの? ダーク・アームド・ドラゴンの効果は、墓地の闇属性モンスター一体をゲームから除外する事により、相手フィールド上のカードを一枚破壊する効果。しかも一ターンの制限もない」 十代「ってことは……」 万丈目「みどりさんの墓地にいる闇属性モンスターは三体、三枚のカードを破壊することが出来る、というわけか……」
みどりの説明を聞いた十代が声を漏らすと万丈目が理解したように頷き、そう言う。それを聞いたみどりはまた笑った。
みどり「そういうこと。じゃあいくわよ、墓地のダーク・クルセイダーとダーク・シムルグをゲームから除外し、十代君の場のサンダー・ジャイアントとザ・ヒートを破壊! ダーク・ジェノサイド・カッター!」 十代「うあああぁぁぁぁっ!!!」
暗黒の武装龍の放った刃の如き衝撃波が十代の場のヒーローを破壊する。
みどり「いきなさい! ダーク・アームド・ドラゴンでアームド・ドラゴンLV7を攻撃! アームド・ダーク・ヴァニッシャー!!」 十代「リバースカード、オープン[ドレインシールド]! 相手モンスター一体の攻撃を無効にし、その攻撃力分ライフポイントを回復する!」 みどり「無駄よ、リバースカウンタートラップ[闇の幻影]! 私の場の闇属性モンスターを対象に取る魔法・罠、モンスター効果を無効にし破壊する!」 十代「げっ!?」 万丈目「ぐああぁぁぁっ!!」LP4000→2600
暗黒の武装龍が放つ暗黒の一撃を十代は伏せていた罠で回避しようとしたがみどりはそれを呼んでいたかのごとくカウンタートラップで迎撃、盾は闇に撃ち砕かれ、アームド・ドラゴンも闇に呑まれその余波が万丈目を襲った。
十代「ぐっ……相変わらず、強ぇ……」 万丈目「つ、強い……」 みどり「ターン終了」
十代と万丈目は自分の周りに発生した闇が消えてからみどりを見てそう呟き、みどりは静かにターンエンドを宣言した。 ―――――――――――――――――――― ふう、満足満足。みどりさんのデッキ勝手にダークモンスターにしちゃいましたが大丈夫ですかね? やっぱ上級系以外オリジナルな堕天使じゃやりにくそうなので。魔法・罠だけならまだ再現出来るけど……。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.195 ) |
- 日時: 2011/11/18 04:32:09
- 名前: ヘルマン
- 十代「俺のターン、ドロー!『強欲な壺』を発動!2枚ドロー!永続魔法『強欲なカケラ』を発動!このカードは、自分のドローフェイズにドローする度にカウンターを一つ置き、カウンターが2つ置かれたこのカードを墓地に送る事で、2枚ドロー出来る!更に、『E・HEROエアーマン』を召喚!第2効果を発動!デッキから「HERO」を1枚サーチ出来る!俺は、『E・HEROボルテック』をサーチ!」
次々に手札を展開させていく十代。
十代「『ミラクルフュージョン』を発動!墓地の「クレイマン」と、場の「エアーマン」を除外融合!来い!暴風の英雄!『E・HERO GreatTORNADO』!トルネードの効果で、みどりさんの場のモンスターは攻撃力と守備力が半減する!」
トルネATK2800 ダムドATK2800→1400
十代「バトルだ!!」 みどり「甘いわね!メインフェイズ終了時にリバースオープン!速攻魔法『異次元からの埋葬』を発動!除外されているモンスターを3枚まで墓地に戻すわ!」
そう言って、みどりは除外されたモンスター…「ネクロ・ガードナー」、「ダーク・シムルグ」、「終末の騎士」を墓地に戻した。
みどり「当然、今墓地に戻した「ネクロ・ガードナー」の効果を発動し、トルネードの攻撃を無効にする。」 十代「くっ…ターン、エンド」手札1(ボルテック)
みどり「私のターン!ドロー!「ダークアームド」の効果発動!墓地の「ダーク・シムルグ」を除外し、トルネードを破壊する!」 万丈目「今だ!リバースオープン!速攻魔法『禁じられた聖杯』!モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にし、攻撃力を400ポイントアップさせる!」
ダムドATK1400→1800
みどり「あら、やるわね準君。」 万丈目「偶々です。」
みどりはクスリと笑って、手札を使用する。
みどり「「ダーク・アームド」をリリースし、『邪帝ガイウス』をアドバンス召喚!「ガイウス」の効果!アドバンス召喚に成功した時、場のカードを1枚ゲームから除外する!「トルネード」を除外!」 十代「くっ…また場ががら空きに…」
みどり「ガイウスでダイレクトアタック!”闇の波動”!」
ガイウスが空間を歪めトルネードを次元の彼方へと吹き飛ばし、掌から闇の波動が放ち、十代達に攻撃する。
「「うわあああああああ!?!?」」LP2600→200
もはや、二人のライフは風前の灯だ。
みどり「ターンエンド。」手札0 万丈目「俺の、ターン。ドロー!」
十代「この瞬間、「強欲なカケラ」の効果発動!自分のドローフェイズにカードをドローした時、このカードに"強欲カウンター"を一つ乗せる!」
強欲カウンター0→1
万丈目「そして、『天使の施し』を発動!3枚ドローし…!?2枚捨てる!」
万丈目は3枚ドローした瞬間に、喜色に表情を変える。
万丈目「墓地に捨てた『輪廻竜サンサーラ』の効果発動!このカードを除外し、墓地のドラゴン族モンスター1体の召喚条件を無視して特殊召喚する!”深き闇より現われしドラゴン、今ここに闇による終焉をもたらせ!現れろダークエンド・ドラゴン”!!」
闇終ATK2600
万丈目「「ダークエンド」の効果発動!攻撃力と守備力を500下げる事で、モンスター1体を墓地に送る!「ガイウス」を墓地へ!”ダーク・イヴァポレイション”!」
闇終ATK2600→2100 DEF2100→1600
ダークエンドが闇のブレスを放つと、ガイウスは融けるようにその場から消え失せた。
万丈目「バトルに入る!」 みどり「この瞬間、罠発動!『針蟲の巣窟』!自分のデッキの上から5枚のカードを墓地に送るわ!」
みどりの宣言と共に、デッキの上から5枚のカードが墓地に送られた。
「ネクロ・ガードナー」「ダーク・リゾネーター」「ダーク・スプロケッター」「闇の誘惑」「終焉の精霊」の5枚が墓地に送られた。
みどり「2枚目の「ネクロ・ガードナー」の効果で、ダークエンドの攻撃を無効にするわ。」 万丈目「またしても…カードを2枚伏せ、ターンエンド!」手札1
十代と万丈目の切り札級を相手に、押されるどころか全て柳の様に受け流すみどり。
みどりはアカデミア生徒の中でも屈指の実力を持つ二人を、文字通り赤子同然の様に手玉に取っていた。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.196 ) |
- 日時: 2011/11/18 20:59:53
- 名前: カイナ
- みどり「私のターン、ドロー」
みどりは静かにそう言ってカードをドローする。そしてそのカードを見るとくすりと笑みを浮かべた。
みどり「魔法発動[天よりの宝札]、全てのプレイヤーは手札が六枚になるようにドローする」
カノンノ「このタイミングで!?」 氷牙「俺達の中で最強のデュエリストたる所以は卓越したタクティクスだけじゃない、このドローの腕も俺達の中で最高レベルなんだ」
みどりが引き当てた最強のドローソースカードを見たカノンノが声を上げると氷牙は静かにそう言う。その間に三人は手札を揃えていった。
みどり 手札:零枚→六枚 十代 手札:一枚→六枚 万丈目 手札:一枚→六枚
みどり「速攻魔法[禁じられた聖杯]を発動、ダークエンドの攻撃力を400ポイント上昇させ、効果を無効にする」 万丈目「なっ!?」
ダークエンド・ドラゴン 攻撃力:2100→3000
風華「なんでわざわざこのタイミングで?」 カイ「普通に考えればこのターンでダークエンドを破壊する手立てがあるって意味だろうな。それでなけりゃ墓地送りを封じるためとはいえわざわざダークエンドの攻撃力をリセットする意味が無い」
風華の言葉にカイがそう返す。それを聞いたみどりはくすりと微笑を浮かべた。
みどり「魔法カード[トレード・イン]を発動、手札のレベル8モンスター堕天使ゼラートを墓地に送りカードを二枚ドロー。そして魔法カード[死者蘇生]を発動! 墓地から[堕天使ゼラート]を特殊召喚!」 十代「来やがった! みどりさん最強の切り札!!」 万丈目「ダーク・アームド・ドラゴンを超えるだと!?」 十代「あ、いや、ダーク・アームド・ドラゴンは俺も今日初めて見たから分かんねえ……」 万丈目「……」
堕天使ゼラート 攻撃力:2800
みどりの場に闇に落ちた大天使ゼラートが姿を現し、それを見た十代が声を上げると万丈目が驚いたように返す。しかしそれに十代は苦笑いをしながらそう返し、それを聞いた万丈目は彼にジト目を向けた。
みどり「堕天使ゼラートの効果発動! 手札の闇属性モンスター一体を墓地に送り、相手モンスターを全て破壊する! ダーク・ヴァルキリアの命を糧とし、闇の裁きを与えよ! ダークネス・ジャッジメント!!」 堕天使ゼラート[グオアアァァァッ!!!] ダークエンド・ドラゴン[ギャアアアァァァァッ!!!] 万丈目「ダークエンド!!!」
みどりの言葉と共にゼラートは咆哮を上げ、その咆哮と同時に天空から降り注ぐ闇の裁きがダークエンドを破壊する。
みどり「堕天使ゼラートでダイレクトアタック! ダークエンジェル・アークブレイド!!」 万丈目「リバースカード発動[攻撃の無力化]! その攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!!」 みどり「お見事。リバースカードを四枚セットしてエンドフェイズ、ゼラートは破壊効果を使用したエンドフェイズに破壊されるわ。ターン終了」
万丈目はゼラートの攻撃をどうにか防ぎ、それを見たみどりは笑顔を浮かべてそう言うと残る手札を全て伏せてターンを終える。それを見た十代の顔を汗が流れた。
十代「俺のターン……ドロー!!!」
十代は不安を吹き飛ばすように声を上げてカードをドローする。しかし相手は自分の見てきた中で最強のデュエリスト、響みどり。その彼女が何の策もなしにターンを明け渡すなんて彼には考えられなかった。
十代「[強欲なカケラ]の効果発動! このカードはドローフェイズに通常のドローをする度にこのカードに強欲カウンターを一個乗せ、強欲カウンターが二つ以上乗っているこのカードを墓地に送ることでデッキからカードを二枚ドローする! 強欲カウンターが二つ乗った強欲なカケラを墓地に送り、カードを二枚ドロー!」
十代 手札:七枚→九枚
十代「そして俺は魔法カード[融合]を発動! 手札のフェザーマンとバーストレディを融合し、現れろ! マイフェイバリットヒーロー、[E・HERO フレイム・ウィングマン]!!」
フレイム・ウィングマン 攻撃力:2100
ライ「っし、来たぁ十代のフェイバリットヒーロー!」
十代「さらに[E・HERO ボルテック]を攻撃表示で召喚!」
ボルテック 攻撃力:1000
アルフ「よし! ボルテックは相手プレイヤーにダメージを与えた時、除外されているE・HEROを一体特殊召喚する効果がある!」 風華「つまり、フレイム・ウィングマンとボルテックで攻撃した後、ボルテックの効果でエアーマンを呼び出せば十代達の勝ちって訳だね!」
十代の場に現れたヒーローを見たライとアルフ、風華はそう解説を行うように喋り、十代はさらに手札を一枚取る。
十代「これがヒーローの戦いの舞台だ! フィールド魔法[摩天楼 ―スカイスクレイパー―]!!」
その言葉と共に病院の屋上は摩天楼へとその姿を変えていく。
十代「いくぜ、フレイム・ウィングマンでダイレクトアタック! スカイスクレイパー・シューットォ!!」 みどり「リバースカードオープン[リビングデッドの呼び声]! その効果で墓地から[堕天使ゼラート]を特殊召喚!」
堕天使ゼラート 攻撃力:2800
十代の指示を聞いたフレイム・ウィングマンは摩天楼に浮かぶ月を背中にするように飛び上がるとその身体に炎を纏わせてみどり目掛けて急降下する。それを見たみどりはリバースカードを発動、堕天使が彼女の場に蘇る。
十代「攻撃続行、そしてスカイスクレイパーの効果! 攻撃するE・HEROの攻撃力が攻撃対象モンスターより低い場合、ダメージ計算時のみ攻撃するE・HEROの攻撃力は1000ポイントアップする! さらにフレイム・ウィングマンは破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える効果がある!! (勝てる! みどりさんに、勝てる!!)」
十代はテンションを上げてそう叫び、心中で嬉しそうにそう続ける。それを見ているみどりはただ、笑顔だった。
みどり「……十代君、準君……惜しかったわね」
そしてただそうとだけ言うと右手を持ち上げて親指と中指を合わせる。これは彼女の癖だ、攻撃宣言時やカードを発動する時の癖。そしてパチィンという音と共にリバースカードが翻る。
みどり「リバースカードオープン、[サイクロン]! フィールド上の魔法・罠カードを一枚破壊する。私は摩天楼―スカイスクレイパー―を破壊!」 十代「!? そんな、スカイスクレイパーが!!」
突然現れた竜巻が摩天楼を吹き消していき、その竜巻に煽られてフレイム・ウィングマンのスピードが大幅にダウンする。
みどり「よって、摩天楼の効果による攻撃力上昇は行われず、フレイム・ウィングマンと堕天使ゼラートのバトルが行われる! 迎え撃ちなさい、ゼラート!」
みどりの指示を聞いたゼラートは天空に飛び上がり、炎と風のヒーローと闇に堕ちた大天使が空中で一瞬交差した後互いに離れていく。
フレイム・ウィングマン[オ、オ、オ……]
次の瞬間フレイム・ウィングマンは失速、その胴は完全に斬られており次の瞬間フレイム・ウィングマンの身体が爆散した。
十代・万丈目「「……」」LP200→0
そして二人のライフも尽き、二人はがくんと膝をつく。二人の前ではみどりが立っており、その横に堕天使ゼラートが降り立つ。
みどり「特別授業、終了ね」
みどりはにこりと笑顔を浮かべてそう締めくくった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.197 ) |
- 日時: 2011/11/19 05:23:22
- 名前: 孝(たか)
- それから数時間が過ぎ…夕方5時頃…
氷牙「んじゃ、俺達はそろそろ…」 みどり「あら?もう帰るの?もう少しゆっくりしていけばいいのに…」
氷牙があまり長居するのも迷惑だろうと思い、帰り支度を済ませる。
氷牙「こんな大勢でいつまでも病院に居たら、他の患者に迷惑だろう?」 みどり「元々貴方の病院でしょうが…」
後頭部にでっかい汗を流しながら呆れたように言うみどり。
氷牙「今は瓶田に任せてるから問題ないさ。よく言うだろう?”老兵は死なず、タダ消え去るのみ”ってな?」 みどり「貴方のどこを見て老体と見ろと?」
そんなこんなで…
十代「それじゃ、みどりさん。また時間が出来たら来るぜ!」 万丈目「次に来るときは、もっと腕を磨いてきます!」
落ち込む所かますますやる気になった二人。
みどり「ふふ。また返り討ちにしてあげるわ。」
ニッコリ笑顔でそう返すみどり。
カイ「紅葉さん。早く良くなるといいですね。」 みどり「ええ。ありがとう。」
十代「紅葉さんなら大丈夫さ!絶対元気になる!俺は信じてるからな!」 みどり「ふふ…そうね。それじゃあ皆、元気でね!」
子供達一同『『『はい!』』』
氷牙の車。 助手席に万丈目、後ろには十代・ヴィヴィオ・カイ・カノンノ。
凛の車。 助手席には風華、後ろにはライ・アルフ・美海・佐助が乗り込んだ。
氷牙「準。どうだった?デュエルチャンピオンに匹敵するデュエリストとのデュエルは…」 万丈目「……正直、驚嘆しています。まさか、二人掛かりでライフを1ポイントも削る事が出来なかったなんて…」
多少落ち込んでそうに見えるが、どちらかと言うと武者震いにも見える。
氷牙「ハハハ…(言えない…あれでもまだ手加減していたなんて…)ま、最強の壁は果てしないって奴だ。」
そうなのだ。みどりは今回、実力の半分程度しか出していない。
彼女が本気になれば、万丈目は自分のターンを迎える事なく敗北していたかもしれないのだから…。
氷牙「さて、今日の晩飯は……焼き肉とすき焼きどっちが良い?」
唐突に晩御飯のメニューを聞いてくる氷牙。
ヴィオ「私はすき焼き!特に二日目のすき焼きを丼にしたい!」 万丈目「(い、意外とワイルドだなヴィヴィオ君…汗)」
十代「う〜〜〜〜〜ん…俺は焼き肉かなぁ…でも二日目のすき焼き丼も捨てがたい…」 氷牙「ははははは!なら、庭でバーベキューにして、すき焼きを作り置きにして明日の昼飯にすき焼き丼にするか?」
「「さんせーーーーい!!」」
氷牙「カイ達もそれでいいか?」 カイ「あ、はい。全然大丈夫です。」
カノンノ「な、なんだかすみません。泊めて貰うばかりか食事まで…」 氷牙「準にも言ったが、遠慮する事なんて無いぞ。食事は大勢の方が美味い!」
そう言って、買い物をする為にデパートに寄る事にした。
後ろから付いてくる凛達もそこは夫婦。
言葉を交わすまでも無くツーカーの仲だ。
デパート内。
氷牙「んじゃ、俺達男子は晩飯の買い出しだ。二人一組でさっき渡したメモの通り集めてくる事。」 男子組「了解!」
氷牙「で、凛。ヒソヒソコソコソ(実は再来週に夏祭りがある。そこで、ヴィヴィオ達にはおめかしして貰おうと思う。)…と言う訳で、頼む。」 凛「ふふふ。お任せください♪さぁ、みんな!私達女子組は上に行きましょう!」
女子組「はーい!」
そうして女子組は生地を買いに上の方へ…
因みに、男子にばれない様に購入した着物の生地は配達で送って貰う事にした。
更に氷牙は電話で、高級霜降り和牛と高級豚肉をメイドに買って来させていた。
何とも抜け目のない男である。
そして帰宅から数分を要して……
ジュワーーーーーーーー!!
『『『『『いったっだきまーーーーす!!』』』』』
氷牙&凛「召し上がれ!」
こうして、帰省一日目は有意義に過ごすのであった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.199 ) |
- 日時: 2011/11/27 03:45:33
- 名前: ヘルマン
- 翌日……
夏休みと言えば…皆さんも経験があるかもしれない…
時間を気にせず昼まで寝る者…
十代「んが〜〜〜…くか〜〜〜〜」
幼馴染の男の子の家に忍び込んで、添い寝を決行する者…
ヴィオ「むにゃむにゃ…代ちゃん…ク〜…ク〜」
平時と同じように規則正しい生活を送る者…
凛「今日もいい天気です。絶好のお洗濯日和です。」
朝から仕事場の方から電話が世話しなく届く者…
氷牙「あぁ、そうだ。小豆は買え、塩は売れ。何?イラクで戦争?喧嘩両成敗だ。第三勢力として参戦、仕掛けた方は殲滅。被害を受けた方には救助を。」
し、仕事?…コホン…規則正しく、優雅に過ごす者…
準「…ふむ…やはり紅茶は良い。」
朝からイチャ付く者達…
カノンノ「はい、あ〜ん」 カイ「あむ。んぐんぐ…んまい。ただ、もう少し塩は控えめで良いんじゃないか?」
カノンノ「うん。判った。ありがとうw」
皆、楽しんでいるようだ……ん?
↑↑↑↑↑↑↑↑↑6行目に戻る。
ヴィオ「スピ〜〜」 十代「スカ〜」
……………………………?!?!
年若い男女二人が一つのベッドで寝ている。
もう一度言おう。
年若い男女二人が一つのベッドで寝ている。
アウトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!
十代「むにゃ…俺のターン…ジ・アースとZeroのコンボで殲滅ダイレクト〜〜」
うぎゃあああああああああああああああ?!?!??!!?!?
氷牙「ん????気のせいか…」
そしてお昼。
ヘルシーな野菜たっぷりすき焼き丼。 レタス・トマト・パプリカ・コーンのサラダ。 大根の味噌汁。 きゅうり・大根・白菜・ほうれん草の漬物。
氷牙「名づけて、お昼のすき焼き丼定食である。」 十代「氷牙さん?誰に話しかけてるんだ?」
氷牙の行動に疑問を持った十代が話しかける。
氷牙「気にするな。些細な事だ。」 凛「それじゃぁ皆さん…」
『『『『いただきます』』』』
手を合わせて食事前の礼儀を取って食べ始めるのだった。
因みに、この日は特に述べる事が無かったので、恙無く終了した。
さしたる問題と言えば、十代の入浴中にヴィヴィオが突入しようとしてカノンノに止められたくらいである。
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