Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.220 ) |
- 日時: 2011/12/03 05:51:06
- 名前: 孝(たか)
- 夏休み4日目。そして…焔にとって運命の3日目!
氷牙「それでは、これから待ちに待った小テストを始める。」
焔「はい!」
元気よく、気合たっぷりに返事を返す焔。
氷牙「行くぞ焔!知識の貯蔵は十分か!?」
焔「ばっちこいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!」
少々テンションがおかしくなっている二人だった。
氷牙「問題は10問!10点満点中8点が合格ラインだ!因みに、誤字脱字があった場合×とする!」
焔「判りました!」
氷牙「では……始め!!!」
第1問。
伝説のデュエリスト海馬瀬戸が「青眼の究極竜」に巨大化を装備させ、元々の攻撃力を倍にした。 自分は、「E・HEROガイア」を召喚し、効果で「青眼の究極竜」の攻撃力を半分吸収し、「青眼の究極竜」の攻撃力を半減させた。 攻撃宣言時、自分は更に「収縮」を「青眼の究極竜」を対象に発動させた。 この時、「青眼の究極竜」の最終的な攻撃力は幾つ?
第2問。
「命削りの宝札」・「手札断札」・「手札抹殺」・「氷結界の龍ブリューナク」・「アームド・ドラゴンLV7」 以上のカードで、「暗黒界シリーズ」の効果が適用する事が可能なカードを全て上げよ。 また、適用できないカードの理由をあげよ。
第3問。
「ホーリーエルフ」+「ムドラ」+「ライトロードハンター ライコウ」+「ノーブル・ド・ノワール」+「恋する乙女」+「ウィクトーリア」+「ブランチ」+「ツイスター」+「ハードアームドラゴン」=? ヒント 「タクヒ」 「テーヴァ」 「ヨルムンガルド」 「ミノタウロス」
第4問。
「スキル・ドレイン」発動時「スターダスト・ドラゴン」は自身の効果を発動出来るか否か。 その理由を答えよ。
第5問。
只今絶賛絶版中「ワイト」のステータスを全て答えよ。
第6問。
バトルシティの決勝トーナメントが行われた場所を答えよ。
第7問。
レベル4以下で通常召喚できないモンスターを5体あげよ。
第8問。
伝説のデュエリスト城之内克也のフェイバリットカードを3枚あげよ。
第9問。
伝説のデュエリスト・決闘王武藤遊戯のみが使ったとされるカードを1つあげよ。
第10問。
デュエリストに必要な物を5つあげよ。
焔「(デュエルモンスターズの問題しかねええええええええええええええええええええええ!?!?基本の5教科とか一切無視!?!?)………………汗汗」
まさかの不意打ちに冷や汗を流す焔だった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.221 ) |
- 日時: 2011/12/05 01:07:38
- 名前: ミクニップ
- わりぃ、用事でパソコン使えなかった。…てか、確か7問以上正解したらじゃなかったっけ?
焔「(オイオイオイ…!まさか全部デュエル関係かい!?…まぁいいや、とりあえずやってみっか…。えっと、まず一問目の答えは…)」
問1、答え…2250
焔「(究極竜の元々の攻撃力は4500。巨大化で倍になったんなら、その攻撃力は9000…だが、ガイアの効果で吸収されたんなら、攻撃力は4500に逆戻りする。さらにそれに収縮で半分になったってんなら、4500÷2で、答えは2250になる。楽勝楽勝っと)」
問2、答え…適用カード…[手札抹殺]、[命削りの宝札] 不適用カード…[手札断殺]、[アームド・ドラゴン LV7]、[氷結界の龍ブリューナク] 理由…暗黒界の効果は、[コストとして捨てた場合や、[墓地に送る]]には適応しないから。
焔「(暗黒界はカードの効果によって墓地へ捨てられた場合に発動する効果。だけど[コストとして捨てた場合や、[墓地に送る]には適応しない]んだよね此…。だから[命削りの宝札]と[手札抹殺]は機能するが、[墓地に送る]の[手札断殺]や[アームド・ドラゴン LV7]や、[コストとして捨てる]ブリューナクは無理)」
問3、答え…焔の好物は? 俺、坦々麺とか辛いのが好物
焔「(別に此普通に聞けばいいんじゃねぇか?暇だったのかおっちゃん?)」
問4、答え…発動可能 理由…スキルドレインはフィールド上の表側表示で存在する効果モンスターの効果を消す効果だが、[コストを支払う事はできる]。スターダストの効果は[自身をコストにして発動する効果]のため、発動は可能。
焔「(これは皇牙の爺ちゃんから聞いた事あるから知ってる)」
問5、答え 通常モンスター 星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200 どこにでも出てくるガイコツのおばけ。攻撃は弱いが集まると大変。
焔「(…ここだけの話、俺あっちで妹とデュエルした時に、妹のアンデットデッキのエグさでちょっとアンデットにはトラウマあったりすんだよな此…)」
問6、答え…飛行船の上
焔「(…昔父さんと一緒にバトルシティ決勝見た事あったから覚えてる)」
問7、答え…レアメタル・ドラゴン、ラーバモス、インフェルノ、オプション、ギガンテス
焔「(とりあえず、俺が知ってる奴の中から厳選してみたが…)」
問8、答え…真紅眼の黒竜、時の魔術師、人造人間−サイコ・ショッカー
焔「(後々知ったけど、城之内のデッキって殆ど運任せだったらしいが…どんだけ強運だったんだあの人?…ちなみに、ベビードラゴンもそうだったりする)」
問9、答え…ブラック・マジシャン・ガール
焔「(ちなみに俺はブラマジガールよりヒータとか好きだけどな)」
問10、答え…デッキ、デュエルできる場所、カードを愛する心、ドロー運、金
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.222 ) |
- 日時: 2011/12/05 03:37:20
- 名前: 孝(たか)
- 開始から約40分程が経過した。
焔「出来ました!」
氷牙「ほんじゃ、答え合わせだ。一問目は?」
一問目から答えを言わせる氷牙。
焔「2250です。」
氷牙「はずれだ。」
焔「え!?」
楽勝と思っていた答えがまさかのはずれに驚愕する焔。
氷牙「いいか。巨大化も収縮も、”元々の数値”を対象にしている。この場合の元々の数値とは、ステータスに記載されている数値が基本となる。ここまではいいか?」
焔「はい。」
氷牙「まず、巨大化で倍になり9000になる。」
焔「ガイアの効果で半分になって、4500に戻ります。」
氷牙「そうだな。ここからが重要だ。”元々の数値”を対象にする効果が発生した場合、一度変化した数値をリセットし、元々の数値から+−する。その後で永続効果の上昇下降を行う。」
焔「あ!しまった!?」
その時点で自らの失敗を悟る焔。
氷牙「つまり、初期の数値、4500を半減させ、2250にし、永続効果である装備魔法巨大化を適用。しかも、巨大化も元々の数値を対象とするため、またリセットし、4500から倍の9000となる。」
焔「ということは……答えは9000!?」
まさか半減させる筈の効果を使ったのに、元の9000に戻るとは想像もしなかったのだ。
氷牙「それも違う。」
焔「あれぇ!?」
だがそれすらも即座に否定した。
氷牙「実は、この問題は意見が分かれていてな。答えが複数存在する。そのため、この問題の答えは、”2250”、”6750”、”または調整中”の三つを書いて初めて正解となる。」
焔「そ、それってつまり……」
氷牙「うむ。超引っ掛け問題だ。正解する方が難しい。」
焔「まさか一問目からごく自然に超難問を出してくるなんて」
氷牙「それがテストというものだ。」
したり顔で返す氷牙は意地が悪い。
氷牙「次は二問目だが…うむ。正解。これも一応引っ掛けだが、キチンと暗黒界の対象を把握してる証拠だな。」
焔「へへ!」
褒められて嬉しいのか鼻の下を擦る仕草をする焔。
氷牙「三問目はぶっちゃけサービス問題だから四問目いくぞ。」
焔「……予想はしてましたよ。」
氷牙「ふむ。まさかこの問題を解けるとは正直思わなかった。一度しかスターダストの効果を説明していなかったからな。リリース部分がコストか効果範囲かは教えてなかったしな。」
焔「あ〜実は前に皇牙爺ちゃんに聞いて…」
氷牙「お。関心関心。スターダストをどうすれば封じる事が出来るか。それを知りたかったわけだ」
焔「えぇ、まぁ。いつかまた相手にした場合を考えて……」
氷牙「うむうむ。まぁスターダストの効果を封じるなら、”生け贄封じの仮面”とか”神の警告”やバウンスや除外で対応すれば済むけどな。」
焔「あっさりバラした!?」
氷牙「その程度で攻略されるほど、俺のデッキは弱くないぞ?」
ニッコリ笑顔が逆に恐い。
氷牙「五問目のワイトよく知ってたな?誰もが皆雑魚のレッテルを貼って見向きもしないのに……プロの骨塚は使ってるが…」
焔「………ワイトデッキにはトラウマが…」
氷牙「わかった。もう何も言うな。」
二人の背に哀愁が漂っていた。
氷牙「六問目は……ん〜間違いじゃないが正解でもないんだよなぁ。」
焔「え?」
氷牙「飛行船の上かぁ……せめてバトルシップと答えてほしかった。ま、一応正解にしとこう。」 焔「ほっ」
一応ではあるが正解を貰ってホッとする焔だった。
氷牙「七〜九問目も特に問題はないな。因みに、八問目にはギルフォード・ザ・ライトニングやネイキッド・ギアフリードなんかもあるぞ。」
焔「天使のサイコロや悪魔のサイコロも範囲内ですか。」
氷牙「うむ。十分範囲内だ。」
そしていよいよラスト問題。
氷牙「ちょ、おま、最後の二つはリアルすぎるぞ。もっと夢持とうぜ?」
焔「夢では食っていけません」
氷牙「リアルすぎる!?」
焔「因みに氷牙さんの答えは?」
氷牙「デッキを信じ、愛する心。最後まで諦めないこと。油断、慢心をしない事。仲間。やるなら徹底的に。」
焔「最後がなんか怖い気が…」
氷牙「気にしたら負けだ。」
と、言うわけで……
10問中9問正解。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.223 ) |
- 日時: 2011/12/05 11:45:50
- 名前: カイナ
- カイナ「炎の剣士と鉄の騎士ギア・フリード、おまけに魔導騎士ギルティアをお忘れなく!!! 僕の考え方ではフェイバリットカードとは強いのみにあらず、そのデュエリストの象徴となるカード、それならばギルティアはギリギリだけど炎の剣士とギア・フリードも充分に――」
レオ「闇の支配者ゾークのダイレクトアタック、ダークフェノメノン!!!」 カイナ「――ぎゃああああぁぁぁぁぁっ!!!」
大徳寺「おや、何をやってるんですニャ?」 レオ「ゴミ掃除」
アカデミアのとあるデュエル場、レオはそこでゴミ目掛けてマイフェイバリットデーモン、闇の支配者ゾークでダイレクトアタックを仕掛けそのゴミを消し炭にする。それからその場にやってきた大徳寺先生の問いにレオは静かにそう返した。
大徳寺「そ、そうですかニャ……それより、そろそろ午後の補習授業開始の時間ですニャ」 レオ「ああ、分かった。今行く」
レオの冷たさを感じる言葉に大徳寺先生は冷や汗を流しながら返した後そう続け、その言葉にレオはそう言ってデッキをデッキケースに戻し、デュエルディスクを待機モードに移行させるとデュエル場を下りていった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.224 ) |
- 日時: 2011/12/16 07:19:01
- 名前: 孝(たか)
- あれから二日が経過した夏休み6日目の朝である。
アンヴィレント家の前には10人乗りのワゴン車が2台。
氷牙が運転する予定のワゴン車には、ヴィヴィオ・十代・カイ・カノンノ・ライ・アルフ・凛・氷牙(運転手)。 剣一が運転する予定のワゴン車には、焔・風華・美海・桃・佐助・鋼希・万丈目・剣一(運転手)。
それぞれ荷物を積みつつ乗り込み、出発の時を待つ。
氷牙「それでは、青森県に向けて出発!!」
『『『『『『おおおおおおおおおおおお〜〜〜♪』』』』』』
渋滞に会う事もなく、スムーズに高速道路を走る二台のワゴン車。 氷牙達のワゴン車では、しりとり・トランプ・UNO等で時間を潰している。
剣一達のワゴン車では、モン〇ンや神喰いに分かれて獲物を狩りたてている。 何故に酔わない?
それから3時間ほどして、最初のドライブスルー。 旅の醍醐味と言えば、ドライブスルーでも買えるご当地物の土産や食べ物であろう。
最初は茨城県である。
渋滞どころか車の通りが全くなかったせいか随分と早く二つも県を跨いだものだ。 夏の茨城と言えば、メロンやこんにゃく・金砂郷のそばや梅、ワカサギやウナギと言ったところだろう。
と言う訳で、ちょっと早い昼食は金砂郷のそばとデザートにメロンを召し上がりましたwwww
適当にお菓子や飲料を買い、トイレを済ませてドライブスルーを後にした。
会話やトランプ等がずっと続く訳がなく、お昼寝をする者や、音楽を聴く者とまちまちになる者もいる。
更にそこから4時間が経過する。
多少車が増え始めた為、それなりに移動スピードも落ちる。 そうして迎えた2度目のドライブスルーは…
栃木を越え、とうとう東北地方…福島に到達! 福島と言えば、饅頭や喜多方ラーメンであろう!
流石にずっと座りっぱなしは体に悪いので軽く柔軟と羽根を伸ばす。 特に運動をしている訳でもないので適当に飲み物と柏屋のお饅頭。
十代「・・・あ。」 ヴィオ「どうしたの代ちゃん?」
十代の視線にふと何かが目に止まる。 それは……言わずもがなカードパックである。
どんなところでもカードは売っているのである。 と言う訳で、一行は2〜3パック購入したのである。
ヴィオ「代ちゃん。何が出たの?」 十代「ああ、見てくれよ。俺の相棒、ハネクリボーのサポートカードだぜ!」
そう言って、十代は『クリボーを呼ぶ笛』を見せるのだった。
万丈目「……(良いカードだ。)」
そう思い、万丈目は手に入れたカード『マテリアル・ドラゴン』を早速デッキに入れていた。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.230 ) |
- 日時: 2011/12/16 19:08:19
- 名前: カイナ
- カイ「ここだな、やっと着いたか」
カノンノ「わー、立派な旅館だねー」
色素の薄い緑色の髪をざっくばらんな短髪にしている青年――カイとピンク色の髪を短いサイドポニーにしている少女――カノンノは立派にたたずむ旅館を見てそう感想を漏らしていた。
カイ「二人きりの旅行なんて、久しぶりだな」 カノンノ「私達からすれば、日本アカデミアへの編入も旅行じゃない?」 カイ「目的を忘れんな……ああ、二人きり……だったんだよな……」
カイの言葉にカノンノがくすくすと笑いながら返すとカイが真剣な目でたしなめるように続け、それからどこか遠い目をしながら呟く。
ライ「よっしゃー! ロイヤルストレートフラッシュ!」 十代「だーくっそー! フォーカード!」 アルフ「うぅ、スリー・オブ・ア・カインド……やっぱ引きじゃ二人に勝てない……」 ヴィヴィオ「でもライってトランプの時だけ妙に引きいいよね……あ、私ツーペアだった」
ライ「ん〜、やっぱクィーンズ・ナイトとかをデッキに入れてるからじゃねえかな? 俺がトランプの引き良くなったの紅葉先生から絵札の三剣士達をもらってからだし」 十代「かもな〜。ところでアルフ、スリー・オブ……なんだ? 要するにスリーカードだろ?」 アルフ「ああ、スリーカードって言って通じるのは日本だけなんだよ。他の国ではスリーカードのことはスリー・オブ・ア・カインドって言って、同じようにフォーカードはフォー・オブ・ア・カインド、ファイブカードはファイブ・オブ・ア・カインドって呼称するんだ」 ヴィヴィオ「そうなんだ〜」
二人きりで旅行に来た恋人同士な雰囲気をかもし出していた――というか実際二人は恋人同士である――二人の後ろでは十代達がポーカーで盛り上がっていた。ちなみに数分前までデュエルモンスターズをやっていたが気分転換というところだろう。それでもドロー力の強い十代と何故かトランプが強いライの独壇場になりかけているが。 焔のテストが終了した後、カイとカノンノは夏休みを過ごすために観光も兼ねて旅館へ行く計画を立てており、十代達もそれに同伴――当然旅費は氷牙持ち――してやってきていた。
氷牙「お前ら、ポーカーもその辺で終わりにしとけ」 四人『はーい』
風華「フフフ……焔、降参したらどう?」 焔「そっちこそ……」
剣一「お前らもそろそろインディアンポーカー止めろ」
美海「……翔……」
ちなみにその横では風華と焔がインディアンポーカーをしており、さらにその横では美海が暇そうに小説を読んでいた。ちなみに小説のしおりに使っているのが翔の写真を加工したものやぼそりと呟いた台詞辺り彼女もバカップルの片鱗を見せ始め、あるいは禁断症状を起こしかけている。 それからメンバーはカイと氷牙、剣一を先頭にして旅館に入って行く。
カイ「こんにちは、予約していたカイ・レディアントとカノンノ・グラスバレー」 氷牙「それと、先日急遽予約を行った氷牙・アンヴィレント一行」 剣一「雷堂一家だけどー」
???「あ、はいはーい」
来客の声を聞いたのか旅館の奥の方からそんな女性の声が聞こえ、とたとたと足音が聞こえてくる。
???「遠くからようこ、そ……」 ライ「あ……」
旅館の制服だろうか和服を着た、ピンク色の髪が少しウェーブがかっている少女はライを見た瞬間表情を固め、ライも気づいたように目を見開く。
ツァン「オシリスレッドの変態男!!!」 ライ「誰が変態だ!!!」 凛「オベリスクブルーのツァン・ディレさん!?」 カイ「ディレ?……ああ、この宿が実家の方か?」
少女――ツァンの驚いたような声にライは心外だと言わんばかりに怒鳴り、凛も驚いたように声を上げるとカイは納得したように頷く。どうやらこの旅館はツァン・ディレの実家らしい。
?「ツァン、どうしたんですか?」 ツァン「だー紫っ! 来ちゃダメー!!」 紬「あら、ライ様。ご機嫌麗しゅう」 ライ「あ、紬さん」
また奥の方から女性の声が聞こえ、近づいてくる足音にツァンが声を上げるが時既に遅くその少女――綺麗な黒髪をおかっぱにして、ツァンのものと同じ着物を見事に着こなしている――はやってくると顔見知りであるライに挨拶を行い、ライも軽く右手を挙げて少女――紬紫に挨拶を返す。するとツァンが紬の前に立ちはだかった。
ツァン「ところで! なんであんたがここにいるの!?」 ライ「なんでって……氷牙さんに連れてきてもらったからとしか言いようがないよな?」 十代「ああ」
ツァンの声にライは困ったように頭をかいた後十代の方を見て尋ね、それに十代もああと頷く。
凛「ところで、ライ君ってツァンさんと紬さんと面識あったの?」 紬「はい。以前私が体調を崩してしまった時、ライ様は私を助けてくださり、保健室に付き添ってもらっただけではなく女子寮まで送ろうと申し出てくれたのです」 ツァン「それで、ボクが途中で紫を引き受けたの」
凛の問いに紬が答え、ツァンはそう引き継いで締めくくると何故かライをギロリと威嚇するように睨みつけ、その理由が分からずライは困ったように頬をかく。
カノンノ「あ、あの〜……」 紬「あぁ、玄関で申し訳ありません。今お部屋にご案内いたします……」 ツァン「あ、紫は荷物持たなくていいから……」 ライ「荷物、俺が持っとくよ。倒れたら危ないしさ」 紬「ご心配していただき、ありがとうございます」
そこに困ったように笑いながらカノンノが尋ねると紬は気づいたようにそう言い、客である彼らの荷物を持とうとするがそこにツァンがそう言い、ライも微笑みながらそう返す。それに紬がぺこりと頭を下げるとツァンはまたライをギロリと睨みつけた。それから案内のツァンと紬を先頭に彼らは旅館を歩いていき、最後尾を歩いている風華はふと口を開いた。
風華「ツァンさん、なんでライを睨んでるんだろうね?」 焔「考えられるとすれば、話の流れ的にツァンは紬さんの幼馴染ってとこだろ? それが心配なのかあるいは……」 風華「いや〜、面白そうだね〜」
風華と焔はそう言い合いながらにやにやと笑い、それに気づいた美海、佐助、鋼希は呆れたようにため息をついていた。
紬「こちらがアンヴィレント様ご家族様のお部屋、その右隣が雷堂様ご家族のお部屋、氷牙先生のお向かいのお部屋がカイ様とカノンノ様のお部屋になります」 ツァン「それで、氷牙先生達の左隣の部屋が空時兄弟と十代と万丈目の部屋ね?」
紬がすらすらと説明していく横でツァンが相も変わらずライを睨みながら説明する。それを聞くと氷牙は少し考えてから口を開いた。
氷牙「……カイ、カノンノ」 カイ・カノンノ「「はい?」」 氷牙「夜はちゃんと寝ろよ?」 カイ「なっ!?……あ、当たり前じゃないですか!!!」
ふと名前を呼ばれたカイとカノンノは首を傾げながら尋ね返し、それに氷牙はにやりと笑みを浮かべながら返す。それを聞いた瞬間カノンノの顔が真っ赤に染まりあがり、カイも顔を赤くしながら叫び返す。焔や風華はそれを見て吹きかけており、対称的に十代、ヴィヴィオ、ライ、アルフの四人は不思議そうに首を傾げていた。それからふとツァンが気づいたように尋ねる。
ツァン「そういえばさ、あんたって女子に知り合いいたでしょ? 天使族の」 ライ「ああ、エルフィ?」 ツァン「彼女はどうしたの? 同郷の幼馴染だって聞いてたけど」 ライ「エルフィは友達の補習に付き合ってる。えーっと誰だっけ?」 アルフ「確か大庭ナオミさんって名乗ってたよ」 ツァン「大庭……」 風華「ナオミ……」
ツァンの問いにライはそう言った後アルフに聞き、アルフがその名を出すとツァンと風華は唖然とした表情でそう呟く。
ライ「で、補習が終わったらナオミさんの実家に泊まるんだってさ」 ツァン「へ、へぇ〜……大丈夫なのかな?」 ライ「大丈夫大丈夫、聞く話によるとナオミさんちってお父さんがジャーナリストで長期の単身赴任してるらしくてさ、部屋は空いてるそうだしナオミさん凄い喜んでたって言ってたぜ?」 風華「そ、そうじゃなくて……」 美海「新学期までエルフィが無事なら良いけど……」 ライ・アルフ・十代・ヴィヴィオ「「「「?」」」」
ライの言葉にツァンが頬を引きつかせながら呟くとライはその意味を理解していないのか笑いながら返し、風華が言いにくそうに返すと美海が目を逸らしながら呟く。それに四人が首を傾げた。
紬「では、もしも何かありましたら私どもをお呼びください」 ツァン「言っておくけど、つまんない用事で紫を呼び出したらタダじゃおかないからね?」
紬が礼儀正しく礼をしてからそう言うとツァンがやはりライを睨みつけながら続け、二人はその場を歩き去っていく。それを見送ってから一行はそれぞれの荷物を置きに案内された部屋に入っていった。 ―――――――――――――――――――― さて、こんなもんですか。んで旅行編は何をやらす予定ですか? 僕青森なんてリンゴの名産地って以外全然知りませんよ。ヤクザとの旅館の土地を賭けたデュエルは最後に回すべきですし、というか初っ端からんなもんやらせたくないですし。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.234 ) |
- 日時: 2011/12/18 06:36:00
- 名前: 孝(たか)
- 氷牙「ほい。レベル5になったパワー・ジャイアントに3のジャンクをチューニング。スターダストをシンクロ召喚。更にクリエイト・リゾネーターを特殊召喚して、1のチューニング・サポーターとシンクロ。アームズ・エイド。スターダストに装備。3500になったスターダストで、フレイム・ウィングマンを撃破。エイドの効果でダメージ。」LP4000
十代「だああああ!?また負けたぁorz」LP2500→0
ついて早々部屋のテーブルでデュエルしてました。 こいつらに旅の疲れとか無いのだろうか?
ライ「次は俺だ!」 焔「いや、此処は俺が!」 氷牙「はっはっは!二人纏めて掛ってきな!」
ロー戦士ビートとMVヒーロー使いを同時にあしらおうとする辺り、まだまだ現役を貫く勢いの氷牙。
対するこちらは…
剣一「ほい。剣闘獣ヘラクレイノスの効果で、手札1枚を捨てて、その魔法を無効。」 アルフ「パーミッション能力!?」
剣一「へへん。と言う訳で、攻撃続行。この瞬間、2枚の伏せオープン!幻獣の角。獣と獣戦士の専用装備罠で、攻撃力を800上昇させ、モンスター撃破すると1枚ドロー出来る。攻撃力4600のヘラクレイノスで、マーシャルを撃破。」LP3500
アルフ「負けちゃったorz」LP1000→0
こっちもテーブルでデュエルしてました。汗
凛「では、ブレード・ガンナーでマテリアル・ドラゴンに攻撃です。」 準「罠発動!次元幽閉!攻撃モンスターを除外する!」
凛「ブレード・ガンナーの効果。このカードを対象にする魔法・罠が発動した時、手札1枚をコストに無効にします。」
準「ならば、マテリアル・ドラゴンの効果!手札1枚をコストに、破壊を無効に!」
凛「残念。ブレード・ガンナーの効果は、無効にするだけで破壊は含みませんので、マテリアル・ドラゴンの効果は発動しません♪」LP3200
準「しまった。」LP500→0
こっちは窓辺のテーブルで椅子に座りながらやってました。 こいつ等どこまでデュエルが好きなんだ。汗
旅行に来てまでデュエルする意味あるのかよ。汗
因みに、カイ&カノンノは邪魔される前に下町にデートに行きました。
因みの因みに、氷牙達がデュエルしているのは、カイ達のデートを邪魔させない為に十代達を足止めするのが目的である。
氷牙曰く。「恋せよ乙女。楽しめ若人。若い内は思い立ったが吉日だ!恋仲を邪魔する奴は、粉砕する♪」 凛曰く。「恋人同士は二人っきりで楽しむものです。楽しんできてくださいね♪」
剣一曰く。「風華達はきっちり見張っておくから、気にせず旅行を満喫して来い。邪魔はさせないからよ♪」
と言う事らしい。
因みに、青森と言えば、リンゴが有名だが、実は本マグロや焼酎、ニンニクなどでも有名なのだ。
”ねぶた祭り”や”なまはげ”も有名ではあるが、残念だが今は夏なので時期が違う。
だが、森や山がそれなりに多く残っているので、タダ散歩するだけでも十分に楽しめるだろう。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.242 ) |
- 日時: 2011/12/26 16:12:16
- 名前: カイナ
- カノンノ「カイー、次あっちー」
カイ「はいはい」
カノンノの心底楽しそうに笑顔を浮かべながらぴょこぴょことあっちこっちを走り回る行動にカイはくっくっと少し笑いながら歩いて後を追う。
?????「おや、そこにいるのはレディアントコーポレーションの御曹司じゃないかな?」 カイ「!?」
突然かけられた声、それも自らの立場を呼ばれるというものにカイが驚いたようにそっちに目を向ける。そこには嫌らしい笑みを浮かべた、これまた嫌らしそうな性格をしていそうな男性が立っていた。
カイ「おや、これはキュモールサマ。いつもオセワニナッテオリマス」
それを見たカイは瞬時に笑みを顔に貼り付けて男性――キュモールを見る。それにキュモールはニヤリと嫌らしい笑みを浮かべる。
キュモール「偶然だねぇ、視察か何かかい?」 カイ「イエイエ、俺はまだ親の庇護を受けている子供ナノデ。ここへはちょっとした旅行デスヨ」 キュモール「へぇ。それにしても……」
キュモールの言葉にカイが貼り付けた笑みでどことなく棒読み口調に言うとキュモールはにやにやと笑い、前の方にいるカノンノを見る。
キュモール「まだあんな下民の小娘にご執心とはねぇ」 カイ「あいにく差別には興味ないんで、立場だのなんだの知ったこっちゃない。それに互いの両親公認だしね。ま、俺は母子家庭だけど」 キュモール「ふん、変わり者もほどほどにしたらどうだい?」
キュモールのどこか見下したような言葉にカイは彼もまた相手を見下すような視線を相手に悟られぬ程度に出しながら返し、キュモールはふんと鼻を鳴らして嫌味たらしく言い、カイは一瞬僅かにその目を鋭く研ぎ澄ませると再度笑みを顔に貼り付けた。
カイ「ところで、キュモールサマは何故ココヘ?」 キュモール「ん? ああ、うちの会社で新しい事業を始めようと思ってね。土地探しでいい場所を見つけたんだが。そこの買収に手間取っているようで」 カイ「それはタイヘンで」 キュモール「ああ。全く、老舗旅館だかなんだか知らないが、とっとと買収してしまえばいいものを」
キュモールの言葉を聞きながらカイは冷たい目を見せる。
キュモール「まあ、そういうわけで僕は君と違って忙しいんだ。じゃあね」 カイ「エエ」
自分から声をかけてきたにも関わらずキュモールは嫌味たらしくそう言うとすたすたと歩き去っていき、カイは貼り付けた笑みで頷く。そして彼がいなくなるとカイは途端に露骨なまでに嫌そうな表情を見せた。
カイ「チッ、生まれだけで人を差別するような俗物が」 ウィンダ[カイ兄様、誰?]
カイは一瞬でキュモールに毒を吐き、彼の所有精霊――ウィンダが顔を出すとカイは肩をすくめた。
カイ「今の俺の実家の取引先の一つだよ。人間的には最悪なくせに家はそれなりのとこだからある程度気を使う必要がある、面倒な相手だ。こういうとこうっとうしいんだよな、この立場ってのは」 ウィンダ[ふ〜ん?] カイ「ま、ウィンダは知らなくていいような事だよ」
カノンノ「カーイー!」 ライコウ[ワンッワンッ!]
カイ「さてと、カノンノが呼んでるし行くか」 ウィンダ[はーい]
カイの説明にウィンダは頭の上に「?」マークでも浮かべるようなきょとんとした表情で首を傾げ、カイは優しく笑いながらそう返す。するとカノンノと彼女の精霊ことライコウの呼び声が聞こえ、カイはそう言うと歩き出し、ウィンダも元気よくそう返すとその後を追った。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.244 ) |
- 日時: 2011/12/27 09:42:07
- 名前: 孝(たか)
- 数時間後…
氷牙「WAWAWA・忘れ物〜〜♪」
部屋に備え付けられた浴衣に着替えた氷牙達は、温泉に入ろうとみんなで向かったのだが、氷牙がバスタオルを忘れたので取りに引き返していた。
因みに、浴場に行くためにはロビーを通る必要がある。
ツァン「帰ってください!!以前から言っているように、此処を売るつもりはありません!」 キュモ「は。こんな古びた老舗旅館に客など来るか。さっさと売り渡した方が、この土地の為だろうに。」
ツァン「ふざけないで!!この旅館は、お祖父ちゃんの代から続いてきたんだから!ボクの代で終わりにするなんてできる訳がないじゃない!?」
何やらツァン・ディレの怒鳴り声が聞こえてきたので小走りで向かう氷牙。
氷牙「お〜いツァン。どうした〜?若い時から怒ってると肌が荒れるぞ〜。」
会話を聞いておいて呑気な声で話に加わる氷牙。
キュモ「ふん。こんな旅館に客が居るとはな。どこの下民か知らないが、我々のビジネスに口出しするな。」 ツァン「何がビジネスよ!?こっちが断ってる時点でビジネスも何も無いでしょう!?」
氷牙「確かにそうだな。断ってる時点で契約は成り立たねぇし、あまりしつこいと営業妨害で訴えられても文句は言えん。大人しく帰れ。」
しっしっと手を振る氷牙に、キュモールが切れた。
キュモ「下民は黙っていろ!!ちっ。大人しく立退いていればよかったと後悔するがいい!おい!やれ!!」
ブロロロロロ!!!
突然ブルドーザーが走ってきた。
キュモールは最初からこのつもりだったのだろう。金の力で世間を黙らせ、自分の意のままにする。典型的な最悪上流階級者がとる手段だ。
ツァン「やめてえええええええええええええ!!!」 氷牙「………撃て。」
氷牙は携帯を取り出すと、タダ一言だけそう呟いた。
チュドオオオオオオオオオオオオン!!!
どこからともなくミサイルがブルドーザーに撃ち込まれた。
キュモ「な!?み、ミサイルだと!?」
キュモールは突然の事態に驚愕している。
氷牙「御苦労。撤去作業に入れ。」 『了解しました。アンヴィレント家メイド隊!作業開始!』
『『『ラジャー!!』』』
まずは運転手を引きずり降ろし、簀巻きにした。
ミサイルによって破損したブルドーザーを分解撤去し、穴の開いた地面を埋め立てて何事もなかったように直した。 この間、僅か30分という匠も吃驚な世界新であろう。
キュモ「き、ききき、貴様!?何者だ!?こんな事をして、タダで済むと思っているのか!?」
氷牙を指差して吠えるキュモール。
氷牙「……はぁ。タダで済まないのはお前の方だろう小僧。こんな山奥で何をするか知らないが、許可も無く取り壊しなんざ犯罪行為もいいところだろうが。どこの企業か知らないが、此処は日本だ。下手すりゃ外交問題にもなりかねないんだぞ。」
正論で迎え撃つ氷牙。だが、自分もミサイルを撃っている事を忘れてはいないだろうか?
キュモ「う、五月蝿い!?どうせ此処は我々の物になるのだ、それが速いか遅いかの違いだ。」 氷牙「な訳ねぇだろうが。馬鹿か小僧。企業で最も大事な信頼性を無視した行動が良い訳ねぇだろうが。今すぐ帰らねぇなら、てめぇの会社……潰すぞ?」
これでもかと言う程低い声と殺気でキュモールを脅す氷牙。
キュモ「ふ、ふふふ。こんな錆びれた旅館にしか泊まれないような下民が、どうやって我々の財団を潰す気だ!?”やれるものならやってみろ”!?」 氷牙「そうか。じゃぁお言葉に甘えて…あ、ツァン。こいつどこの企業から来たんだ?」
直接キュモール本人に聞かず、ツァンに聞く氷牙。
ツァン「えっと、確か…KM財団とか言ってた。」 氷牙「KM財団?って事は…あいつの息子か。え〜と、KM。KMと…あった。」
軽い調子で応え、プルルルルとどこかに携帯を繋げる氷牙。
『はい。こちらKM財団です。』 氷牙「あ、どうもどうも。私、アンヴィレント財閥の氷牙と申します。実は以前そちらの会長とした契約の話で…」
笑顔満載で会話する氷牙。
『あ、アンヴィレント財閥!?しょ、少々お待ち下さい!?』
待ち受け用の音楽が流れ、僅か1分後。
『もしもし!?氷牙様ですか!?私です!』 氷牙「おう。お久〜。なぁ、確かお前息子がいたよな?」 『は、はい。そうです!アレキサンダーと言いますが…』
氷牙「性格が名前負けしてるぞ。それでさ。そいつに、日本で何かの仕事を任せたりとかしたか?」 『え?えぇ、確かに。バカ息子に日本の東北方面に宿泊ホテルを建設させるために向かわせましたが…』
氷牙「いやさぁ…お前んとこのバカ息子が、契約も成立していないにもかかわらず既に建っている老舗旅館をぶっ壊して我が物にしようとしてたからよぉ…とりあえず止めたんだわ。ちょうど俺宿泊してたし。」 『な!?あんのバカ息子…』
氷牙「それでな?今すぐ立ち退かないなら会社潰してやろうかと思って脅したらよ。”やれるもんならやってみろ”なんて言うもんだからさぁ…潰させて貰うわ。」 『おおおお、お待ちください!!?』
始終笑顔で、しかも軽い口調で言う氷牙を慌てて止めるKM財団の会長。
氷牙「ん?何だ?辞世の句でもあるのか?」 『い、いいえ!?そうではなく!実は、あのバカ息子にはホトホト呆れていまして…どうかお灸を据えては貰えないでしょうか!?』
氷牙「ほぉ…貴様。自分がどう言う立場か理解している発言か?」
目を細め、声のトーンを落として電話越しにてKM財団の会長を脅す氷牙。
『もも、勿論です!その土地には二度と手を出しません!それに、後日改めて直々に謝罪を申し上げます!!』
氷牙「……ふむ。まぁ良いだろう。引き受けた。今後、二度とこのような事が無い様気をつける事だ……次は、無い。」
『は、ははぁっ!!氷牙様の寛容さに、痛み入ります!』 氷牙「ではな。」
プチっ。
キュモ「ふふん。どうやら自分の愚かさに気付いた様だな下民よ!」 氷牙「今の会話を聞いてそう思えるならミジンコ以下の知能しか無い様だな。」
トゥルルルルルルル…
そして、キュモールの携帯だ鳴る。
キュモ「おや。ダディーから電話か。ふん。下民の生涯もこれまでだな。」
そうして、電話を取るキュモール。それが、自らの終焉だとも気付かずに…。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第V幕 ( No.245 ) |
- 日時: 2011/12/30 22:11:57
- 名前: カイナ
- キュモール「ああダディ、お願いがあるんだけど――」
『このバカモノがぁっ!!』 キュモール「えっ!?」 『あの氷牙様に向かってなんという口を!? 一度灸を据えてもらうがいい!』 キュモール「ダディ!? どういう事!?」 『問答無用だ!!』
キュモールと電話相手の父はそう話し合うというか父の一方的なまくし立ての後一方的に電話を切られ、キュモールは唖然とした表情を隠しきれない。
カイ「ただいまーってあれ? キュモール、なんでコイツがここに?」
とそこにタクシーで帰ってきたカイは唖然としているキュモールを見て訝しげな目を見せ、氷牙に説明を求めるような目を向ける。するとキュモールがグリンとカイの方に顔を向けた。
キュモール「カァーイィー」 カイ「あん?」 キュモール「下民に執心といえ仮にもこの僕に並ぶ家柄の君が何故こんな寂れた旅館に!? ここはそれほどまでのところなのかい!?」 カイ「……さあ? どうなんだ? ツァンさん?」 ツァン「ん〜……お爺ちゃんからの代で一応老舗旅館って名目で常連客もそれなりにいるけど……まあ、有名旅館と言えないのは確かね」
キュモールの迫りながらの言葉にカイは彼の顔面を押さえつけて引き剥がしながらツァンに尋ね、それにツァンは少し考えると割とあっさりそう返す。それにキュモールはまた唖然とした表情を見せる。
カノンノ「ところで、これどういう事ですか?」 氷牙「んまー話せば長いような長くないような……」 キュモール「と、とにかくだ! カイ、こいつらをここから立ち退かせるのを手伝え!! さもなくば例の件を代表である僕の独断で白紙に戻す!!」 カイ「例の……ああ、あれか。ちょっと待ってろ」
カノンノの問いに氷牙が悪戯っぽく笑いながら返すとキュモールはまるで脅迫するようにカイに迫り、それを聞いたカイは何か思い出すような表情を見せた後思い出したように拍手を打ち、またキュモールを引き剥がすと携帯電話を取り出して電話をかけ始める。
ツァン「せ、先生といいあいつらといい……何?」 氷牙「ああ、カイは名乗ってなかったっけな。ま、もう少しすりゃ分かるだろ」 ツァン「?」
ツァンの言葉に氷牙は割りとあっさりそう返し、それにツァンは首を傾げる。その間にカイの電話が通じた。
クラトス『私だ』 カイ「久しぶり、クラトスさん。でも名乗らないと分からないよ? 社長直属の秘書なのにそのくらいの礼儀は――」 クラトス『――レディアントコーポレーション社長直通の特別電話にかけてくるのは社長自身かカイ、貴様ぐらいだ。わざわざ名乗る必要もなかろう』
電話に出た相手にカイは駄目出しを始めるがクラトスは丁寧な口調どころか素に近い口調で返し、それにカイは肩をすくめる。
カイ「ま、そりゃそうだ……エデンは?」 クラトス『三日前に仕事が終わったーと言って嬉しそうに日本の大阪に食い倒れとやらに行ったが。こっちはまだ後始末に追われているというのにまったく暢気な……しかもあれからエデンが出かけてから仕事も山積みになってきている……』 カイ「あ、そう。それでKM財団のアレキサンダー・フォン・キュモールが代表になってるあれだけど」 クラトス『ああ、例の半永久機関についてか』 カイ「そうそう。まだ構想段階だけど、実現化の折にはKM財団が資金援助を行うあれ。それについての全権限を何も言わずに俺に渡してくれる?」 クラトス『さらっととんでもない事を言うな、貴様は』 カイ「交渉してる暇はないんで最後の手段使おうか? 権力乱用」 クラトス『せめてきちんとした言葉で表せ。そうすれば承認してやる」
カイとクラトスはそう言いあい、クラトスの提案にカイはチッと舌打ちを叩いた。
カイ「気取った言い方は苦手なんだけどな、ゴホン……これより、レディアントコーポレーションで構想している半永久機関企画はレディアントコーポレーション副社長、カイ・レディアントが全権を掌握する!」 クラトス『承認した。エデンには私から話を通しておこう』 カイ「おう。んじゃ」
カイが宣言し、クラトスが社長に代わって承認するとカイはおうと返して電話を切る。それを聞いたツァンはぽかんというような表情を見せていた。
ツァン「レ、レディアントコーポレーション?」 氷牙「なんだツァン、知ってるのか?」 ツァン「話に聞いた事ある、現社長エデン・レディアントが独創的な発想と展開でたった一代にして急成長を行った企業だって……まさか」 氷牙「ああ、カイはその実子にして一人息子の副社長だ。ま、本人はアカデミアに来る際その立場を隠してたけどな」
ツァンがぽかんとしながら言うと氷牙は説明、そしてカイは携帯をしまうとにやりと笑みを浮かべた。
カイ「さてと、これで例の企画は俺の自由になった。後でちょっと商談といきませんか? 氷牙先生……いえ、現在の俺はレディアントコーポレーションの副社長、その立場を考えるとあなたの事はこう呼ぶべきですね。アンヴィレントファイナンシャル社長、氷牙・アンヴィレント殿?」 キュモール「アンヴィッ!?」
カイの言葉を聞いてようやくキュモールは自分が誰に対していたのか分かったのか驚愕の目を見せ、ガタガタガタと震え出すが直後声を荒げた。
キュモール「あ、ありえない! ダディが言うには氷牙・アンヴィレントは今年で46、こんな若造なわけが!」 カイ「万丈目の兄貴みてえな事言うな……」
キュモールの思いついた言葉をそのまま並べ立てたような声にカイが呆れた声を出す、と氷牙の額に青筋が走った。
氷牙「若造に見えて悪かったな、ウチの家系は代々童顔なんだよ。俺は氷牙・アンヴィレント本人だ。ったく、KM財団には建て直しに協力してやった事もあるってのにそこの息子がまさか俺の顔を知らないとは、不勉強以前の問題だな」 キュモール「うぐぐ……」 氷牙「さてと、テメエの親父さんには一度灸を据えるように言われたが流石にこれは酷いからな。一つゲームでもしないか?」 キュモール「ゲーム?」
氷牙の提案にキュモールが目を細めた、その時だった。
ライ「氷牙さーん、忘れ物取りに行くだけでどれだけ遅れてる……って何この状況?」 氷牙「お、ライ。丁度良かった。キュモール、こいつとデュエルしろ」 ライ・キュモール「「は!?」」 氷牙「ライに勝てればお前の親父にうまくとりなしてやろう、だが負ければ……」
そこにやってきた少年――ライを見た氷牙は丁度良いというようにライの肩に手を置いてそう言い、それにライとキュモールが声を上げると氷牙は説明し、負ければという後にニヤリと黒い笑みを浮かべる。圧倒的な恐ろしさを彼らは感じた事だろう。
キュモール「ふ、ははは! な、ならそこの旅館の下民女も加えたタッグデュエルはどうだ!? こんな事もあろうかと僕は元プロデュエリストを連れてきているからね!」 氷牙「勝手にしろ」 ツァン「ふん、いい度胸じゃない!」 ライ「えーっと……話が見えないんだけど?」
キュモールがそう叫ぶと氷牙は冷めた声でそう返し、それにツァンが声を上げ、途中から来たためしょうがないが唯一話を理解していないライが頭をかきながら尋ねる。それに氷牙がああと頷いた。
氷牙「ああ、つまりかくかくしかじかまるまるうしうしと言う訳だ」 ライ「ああ、このキモ男がこの旅館を潰そうとしたから、社会人生命を絶つためにデュエルでコテンパンにしろって訳か。了解、友達の家を潰そうとした事は許せない、そのデュエル買った!」 カノンノ「小説って便利だね」
氷牙の合言葉を聞いたライがなんか余計な事まで理解して頷き、キッと表情を引き締めてそう言うとカノンノはなんか冷めた目で呟いた。 その間にキュモールが携帯で呼んだらしい男性――フード付きの上着を羽織っておりそのフードを深く被っているため顔は窺い知れない――はまるで幽霊のように気配なくキュモールの横に歩き寄る。
「……」
そして黙ったままデュエルディスクを起動させた。それを見たライとツァンも大急ぎで部屋からデュエルディスクとデッキを持ってきて起動させる。キュモールもその間に部下に持ってこさせたデュエルディスクとデッキを準備した。
四人「「「「デュエル!!!」」」
そして四人の声が響き渡る。
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