Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.11 ) |
- 日時: 2014/09/07 18:43:57
- 名前: カイナ
- タニヤ「……お受けします、恋の成就」LP800
三沢「タニヤっち……ぐ……」LP0
そこには、立っていたタニヤと膝をついた後倒れた三沢の姿があった。
翔「そ、そんな、なんで!? なんでライフが0になるはずのタニヤが無傷でライフが残るはずの三沢君のライフが0になってるの!?」 万丈目「……! タニヤの場を見ろ!!」
後ろのどたばたなんのそので観客モードの翔が驚愕の声を上げると万丈目ははっとした表情でタニヤの場を見ろと叫ぶ。彼女の場には、最後の伏せカードが翻っていた。
タニヤ「カウンター罠[地獄の扉越し銃]。ダメージを与える効果が発動した時に発動する事ができ、自分が受けるその効果ダメージを相手に与える」
タニヤが呟くと共に、倒れた勢いで三沢の衣服から出てきた七星門の鍵がいずこかに消え去る。
十代「三沢!!」 風華「タニヤァーッ!!!」
十代が三沢を心配するように叫び、風華がタニヤ目掛けて憎しみのこもった声を荒げる。
タニヤ「バース!」
しかしタニヤが声を上げると共に先ほどの虎が姿を現し、ぐるると唸り声を上げる。
レオ「下がってろ、お前ら」
だがこちらにも猛獣と戦える者は存在する。そう言わんばかりにレオ、氷牙、鏡夜の武術派教師トリオが前に出た。
????「……」
しかし、さらにその前に立ちふさがらんとばかりに白き虎が姿を現す。その姿を見たヴィヴィオが、いや、全員がまさかとばかりに目を見開いた。
ヴィヴィオ「ムックル!!」 タニヤ「知っているのか……コロシアムの建設中に迷い込んでな。なかなか利口で義理堅いやつだ」
ヴィヴィオが声を上げ、タニヤが頬を吊り上げながら呟く。
氷牙「ムックル……」 ムックル「ぐるる……」
氷牙はムックルを見ながら寂しげに呟き、次の瞬間、ドサッ、と大袈裟に膝をつくと項垂れ、地面に両手を付ける。
氷牙「ダメだ……俺には、俺にはムックルと戦うなんて出来ないっ……」 タニヤ「ここは引いてもらおう。心配せずともこの子の保護先が分かったからには近い内にそちらに向かわせる。もちろん〜、三沢っちはタニヤのお婿さんにするけどね〜♪」
風華「そうはいくかー!!!」 アルフ「はいはい風華ちゃん落ち着いてねー」
タニヤの前半凛々しく後半乙女チックな声質での言葉に風華が「ギシャー」といわんばかりの様子で叫ぶがアルフが後ろから羽交い絞めにする。
鏡夜「……二人も人質が取られてたらしょうがないね」 レオ「……ここは退くしかない、か」
三沢一人ならまだしも今回敵に回ったムックルも事実上は人質のようなもの。さらにこっちの最大戦力の一人が戦闘不能に陥ったことによる形勢の不利を判断し退却を決断。
風華「で、でもそんなの――」 メリオル「ごめんなさいね」
風華がアルフを振り払ってレオ達に叫ぶが、その隙をついて背後を取ったメリオルが首筋に手刀を入れて彼女を気絶させ、そのまま彼女をおぶる。ちなみにムックルが敵に回ったことにショックを受けている氷牙は鏡夜が肩を貸している……ムックルでこれならヴィヴィオが敵に回ったらどうなるのか若干興味が湧くのは気のせいだろうか。
レオ「……今回は退く。だが、三沢は大事な生徒であり俺達の仲間だ……いずれ取り戻す」 タニヤ「いいだろう」
レオはタニヤに木刀を向けて捨て台詞を残し、一行はコロシアムを後にする。
タニヤ「お婿さんゲットー♪」
タニヤの、その勝利を嬉しがるような歓声を背にしながら。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.12 ) |
- 日時: 2014/09/11 15:47:59
- 名前: 孝(たか)
- その後・・・コロシアムが完成した事で生徒と教師が全員アカデミアに帰還する事が出来た。
・・・三沢1人を除いて。
だが、ここにも1つ問題があった・・・
ジュウウウウウウ・・・野菜と肉をいためる音
氷牙「・・・・・・・・・・・」ボ〜〜〜〜〜
グツグツグツグツ・・・鍋物を煮込む音
氷牙「・・・・・・・・・・・」ポケ〜〜〜〜
トトトトトトトト・・・素早く包丁で切る音
氷牙「・・・・・・・・・・・」
それを全て無表情且つ無感情で行う氷牙。
不気味でしかない。
レオ「・・・・・・やばいな」 翔「そうっすね。色んな意味で・・・」
翔は顔を青くした状態で冷や汗をかいている。 何故なら・・・氷牙が料理をする手を止めない為に、どんどん山積みと言っていい程の料理が出来ているのだ。
十代「ガツガツガツガツ・・・食っても食ってもへらねぇぜ!」 焔「しかも無感情で料理しているせいか、美味いけど物足りない味だし・・・」モグモグモグモグ・・・
アルフ「やっぱり、ムックルが敵側についたのが堪えてるみたいだね。」ハフハフ・・・ ライ「まさかムックルがねぇ・・・いやまぁ確かに他の虎と比べたら従順で義理堅いけど・・・」ムグムグ・・・
レオ「こりゃ早いとこなんとかしないとな・・・」ボリボリボリ・・・ ヴィオ「うっぷ・・・さすがに私も、お腹いっぱいかも・・・」ケプ・・・
これだ・・・いつもは計算つくされためちゃ美味料理も、無感情に作り続けているせいか普通に美味しい程度の味になり、しかもいつもよりも大量にあるのだ。
カイ「既に無意識で手を動かしているようにしか見えないな。」サクサク・・・ カノンノ「けぷ・・・うう。太っちゃうかも・・・」けぷ・・・
大食いの男たちはまだ食べる事が出来るが、既に彼ら以外のレッドの生徒はお腹パンパンである。
そこへ・・・ズドンッ!!!!!
鏡夜「ん・・・まだ動くか・・・」
ズガンッ!!!ボコンッ!!!ドガンッ!!!
森で使った100tハンマーを都合4度頭部に叩きつける。 普通ならとっくに頭蓋骨陥没で死んでいるだろう。
しかし・・・それでも氷牙は無傷だった。
鏡夜「仕方ない・・・ふんっ!!」
ゴキリ!!!!!
100tハンマーをしまうと、背後から氷牙の首を絞めると、ゴキリと首を極めた。
そうして、漸く氷牙は停止した・・・息もしていない。
剣一「わああああああああああ!?!?ちょっと!?鏡夜の兄貴息の根止まってますがな!?旦那ああああああああああ!!?!?!?」
急いで首を元に戻して人工呼吸器で酸素を送ったりと色々やって蘇生する。
氷牙は息を吹き返すと、自分で首の調子などをキチンとした治療で治すと・・・
氷牙「あれ?俺、何してたんだっけ?」
ずっと無意識だったせいか自分が何をしてどうなっていたのか理解して居なかったようだ。
鏡夜「無表情・無感情・無意識で生徒の胃を破壊しようとした。」 氷牙「・・・・・・やっちまったぁ・・・」
氷牙はその場で膝と手をつき、ズ〜〜ンと闇を背負う。
彼にとって家族が居なくなると言うのはそれほどまでにショックな出来事なのだ。
風華「ガツガツガツガツガツ・・・ボリボリボリボリ・・・(タニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰す)」
こっちはこっちで殺気を振りまきながら自棄食いしている風華だ。 彼女は自棄食いの時は暴食となり、限界を超えて食べ続ける。
しかし、その時ばかりは決して太らず、何処に栄養が回っているかも不明だ。
あっちもこっちも面倒事ばかりが増える。 このままではいけないと思うのだが、解決するにはタニヤを倒し、三沢とムックルを取り戻す事だけだ。
だが、タニヤは男しか相手にしないと宣言しているが、妻の居るレオ、婚約者の居る鏡夜、彼女持ちのカイ・翔・ライ、落ち込み過ぎてムックルが敵にまわっているせいで役立たずの氷牙は論外。
そこまで考えてレオはふと気付く・・・別にタニヤの条件のむ必要なくね?と・・・
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.13 ) |
- 日時: 2014/09/15 23:38:26
- 名前: ミクニップ
- 剣一「うん?何か思いついたのかレオっち」
レオ「誰がレオっちだ。…思いついたも何も、別にタニヤの出した条件飲む必要無いんじゃないか?」
十代「?どういう事だよレオさん」 レオ「いや普通に考えて見ろよ。俺達の目的はセブンスターズを倒す事であって、別に敵であるタニヤの婿になる為じゃ無いだろうが。伊達や酔狂じゃあるまいし、相手の出した条件に乗ってやる義理も無いだろう」
そう言われ、大人以外のメンバーが気が付く。確かに自分らの目的は七精門の鍵をセブンスターズから守る事。それだったら女性メンバーでも十分戦う理由になる。
鏡夜「だとしたら、いったい誰が戦うんだい?流石に今回の相手は前の雑魚吸血鬼よりは強いよ?」 レオ「うーん、其処なんだが…」
そう言ってレオは一端鏡夜から目を離し、ある方向に目を向けると…
風華「…(タニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤ潰すタニヤつぶsあsdfghjkl;:」くぇrちゅいおp@「)」 ド ド ド ド ド ド
鬼神です。鬼神がいます。怒りと憎悪等で歪んで凶悪になった顔つきと、その身から溢れ出る殺意と怒りの波動でヴィヴィオや姉妹達を怯えさせ、泣かせながら、鬼神が今にでも襲いかかりそうな、狂気的な笑みを浮かべてこっち見てます。正直言って下手なモンスターやホラー映画よりも数倍怖いです。
レオ「…アレ以外選んだら多分殺されそうだ」 鏡夜「OK把握」 剣一「ウチの女共は色恋沙汰になるとマジで怖いからなぁ…」
女という生き物が本気で怒った時の恐ろしさを嫌でも理解している男性陣に、この時ばかりは却下という言葉は出なかった。
一方、此方はとあるコロシアムの一部屋。
タニヤ「………」
気絶した三沢を石のベッドに寝かせて介抱し、愛おしそうに三沢の顔に触れながら目覚めるのを待つタニヤ。その顔に邪念などなく、純粋に微笑んでいる。
???「…何故俺を使わなかった?」
突如、何所からか声が聞こえ、部屋が暗くなる。タニヤのそばで寝ていたバースとムックルはすぐさま起き上がり威嚇するも、タニヤの静止を聞いて大人しくなる。
タニヤ「…何の話だ?私にはさっぱり解からん」 ???「とぼけるな。…あのデュエルの時、貴様は[俺]を引いたにも関わらず使おうとすらしなかった」 タニヤ「偶々だろう。あの時は貴様を使わずとも勝てると踏んだ。たったそれだけだ」
その言葉の後、タニヤ達の前に[ソレ]が現れた。ボロボロのマントを着込んだ[ソレ]は、タニヤ達から向けられる殺気を物ともせずに淡々と話を進める。
???「余り俺達を舐めて貰っては困るな。俺達は貴様の心の中を探る事など造作も無い事だ。だからあの時、貴様が俺を使うのを拒んだのも知っている」 タニヤ「…悪趣味極まりないな」
悪態をつくタニヤに対しても気にせずに語るマント。其処には人間らしさも欠片もなく、不気味なオーラのみが漂っている。
???「…忘れるなよタニヤ。貴様はセブンスターズの一人であり、俺の宿主だ。カギを1つ手に入れたとはいえ、貴様自身の使命を忘れたとは言わさんぞ」 タニヤ「黙れ。私は誇り高きアマゾネスの長だ。貴様等の目的など知った事か」
これ以上言っても無駄だと悟ったのか、マントは消え失せ、部屋は再び明るくなる。
―……忘れるな。俺は常に見ているぞ
タニヤ「…そんなモノ。嫌でも解かっているさ」
マントが消える直前に口にした言葉に対して悪態をつくタニヤ。それを見た虎2頭は心配そうに彼女を見つめるも、タニヤに頭を撫でられ嬉しそうに喉を鳴らす。
タニヤ「フフッ、心配させてしまったな。私は大丈夫だ」
自分の事を心配してくれる2頭に対して笑顔で答えるタニヤ。だがその笑顔には何所か悲しみも潜め、あまり大丈夫そうには見えないのも確かだ。 …実を言えば、タニヤはセブンスターズの中では異端の部類に入る人物でもある。これまでのメンバーが積極的に三幻魔を復活させようと魂やら鍵やらを収集しているのに対し、彼女は余りそういう事をしようとしない。その原因としては、彼女が三幻魔復活よりも婿探しを優先しているからというのもそうなのだが、それと同じ位かそれ以上の目的がある。
タニヤは純粋に勝負がしたいだけである。
三沢に惚れたというのは多分本当だ。でなければここまでやる事は無いだろう。だがそれ以上にタニヤ自身は[自分を心の底から燃え上がらせてくれる好敵手]を探す為に一時的にセブンスターズとなっただけなのである。なので彼女にとって三幻魔なんぞ其処等の石ころ並にどうだっていいのである。…だが、アイツが出て来た以上はそれも難しくなる。最悪の場合洗脳されるだろう。それでも構わない。強い奴と戦えるなら。だが…
タニヤ「三沢っち…」
それでも三沢は別だ。此処に来て最初に戦った彼にタニヤは惚れた。真っ直ぐな眼、計算高いプレイング、そして中々のセンス。どれもタニヤを惚れさせるには十分だった。だから余計に思った。このまま彼を傍に置けば絶対に利用される事は明白。アマゾネスとして、そして一人の女としてそれだけは何としても避けたかった。…だから彼女は
タニヤ「…御免ね、三沢っち」
タニヤは一筋の涙を流した。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.14 ) |
- 日時: 2014/10/10 04:18:12
- 名前: 孝(たか)
- 翌朝・・・
氷牙「9995!・・・9996!・・・9997・・・9998・・・9999!・・・10000!!・・・ふぅぅ・・・っ!」
早朝午前6時。 氷牙は日課である素振りを終えていた。・・・ただしどう見ても普通の素振りではない・・・
太い鉄の棒に1つ1tの重りが8つも取り付けられた物を”片手で”振りまわしていたのだ。
いつもの事だが・・・彼の筋肉組織はどう言う構造になっているのか興味をそそられる。
氷牙「・・・ん?」
そんな氷牙は、不意に聞こえるノシノシと大型の動物がゆっくりと大地を踏みしめ、歩いてくる音を聞き取る。
音の方へ視線を向けると・・・遠くに白い毛並みを持つ動物が此方へと歩み寄って来ていた。
そう、それは・・・ムックルだ。
氷牙「ムックル!?」 「ぐるるる〜」
そう、タニヤの所に居た筈のムックルが帰って来たのだ。 帰ってくるなりしゃがんで迎えてくれた氷牙の胸に頭を擦り寄せ、喉を鳴らす。まるで、ただいま。という様に・・・。
氷牙「ムックル・・・良く帰ってきたな。だがどうし・・・三沢!?」
何を隠そう、ムックルは未だ眠りについている三沢を背に乗せて帰って来たのだ。
人質扱いである筈の1人と一匹をタニヤは早々に開放した事になる。
氷牙「一体、何がどうなってるんだ?タニヤの狙いはなんなんだ?まるで訳が判らない!」 「ぐるる〜」
そう言って、ムックルは一鳴きすると、自分の喉元を見せる。
氷牙「む?これは・・・手紙?」
ムックルの喉元・・・首輪のしてある部分に手紙が挟まっていたのだ。
氷牙「・・・・・・”アマゾネスの長の名において、人質を解放する。私の要求はただ一つ。強者との1対1の純粋なる決闘のみ。どうか聞き入れてほしい。相手の性別は問わない”アマゾネスの長タニヤ。・・・なるほど・・・。正々堂々、1対1の真剣勝負を挑むという事か。ムックル。ここに書かれている事に、嘘偽りは無いんだな?」 「ぐるっ!」
氷牙の質問に、ムックルは頷く事で答える。・・・本当に賢い虎である。
午前8時・・・七星門の鍵の守護者一同がレッド寮地下広場に集合する。
風華「氷牙の小父さん!三沢は!三沢は無事なの!?」 氷牙「・・・あ〜無事と言えば無事なんだが・・・その・・・」
風華から視線を逸らしながら氷牙は言い淀む。
風華「何かあったの!?」 氷牙「・・・見た方が早いな・・・」
そう言って、氷牙は三沢の居る部屋に向かう。
三沢「・・・タニヤっち・・・」ポヘ〜
そこには、憂いを帯びた三沢がポヘ〜と骨抜きにされた姿だった。
氷牙「・・・完全に恋煩いだ。」 風華「!!?!?!?!!」ガ〜〜〜〜ンっ!!
その姿と氷牙の判断に、絶句する風華。
鏡夜「完全に堕ちてるね。」 剣一「ありゃぁフラグ完全に建ってるな。」 レオ「ルート確定って奴だな。」
三者三様。三沢の状態を見て完全に攻略済みと言っていい程に三沢がタニヤに惚れた事を確信した。
氷牙「因みにどれくらいかと言うと・・・ほれ、トマトジュース飲むか?」
そう言って、氷牙が取り出したのは・・・”タバスコ”だった。
十代「ちょ!?それってタバ」 三沢「あ〜〜〜ゴックン。はぁ・・・タニヤっち」
止めようとした十代に気付きもせず、三沢はタバスコを一気に飲み干し、袖で口元を拭う。 そして、何もアクションを取らない。
万丈目「なんて奴だ・・・」 明日香「何もかも、眼に入らないくらいに、タニヤに惚れこんでいるって言うの?」
翔「一体半日足らずで何が起こったって言うんすか・・・」汗 風華「そ、そんな・・・三沢が・・・」
よもや激辛調味料の代表であるタバスコを一気飲みして無反応になる程、タニヤに夢中になっている様だ。
そんな三沢を見てぶつぶつと呟きながら呆けていた風華は、次の瞬間・・・ゆらりと幽鬼のように立ち上がると、顔を伏せながら断言する。
風華「みんな・・・タニヤの相手は・・・私にさせて・・・」 氷牙「いや、それは・・・っ!?!?!?!?!」
ゾクゥッ!!!
表情は見えないが、氷牙、鏡夜、レオ、剣一、メリオル、凛、カイ、カノンノは感じ取る。
風華から尋常ではない程の殺気と、怨差と、嫉妬と、悲しみを・・・。
氷牙「おおお、おち、落ち付け風華!!怒りからは何も生まれない!悲劇しか生まない!」 レオ「そそそ、そうだぞ!まずは落ち付け、な?な!」 剣一「ききき、気を、気を静めろ風華!それ以上気を高ぶらせちゃダメだ!?」
鏡夜「わぁお・・・凄い殺気・・・僕の血も疼いてきちゃった(笑)」 凛「お義兄様、今はそんな事を言っている場合じゃありませんよ!」 メリオル「全く・・・風華ちゃん。落ち着きなさい!そんな見苦しい姿を三沢君に晒す気!?」
男たちは1人を除いて狼狽するばかりで、メリオルの一喝で少しだけ風華の雰囲気が落ち着く。
恐らく、見苦しい・三沢・晒す。が決め手になったのだろう。
そうして、三沢1人を残して地下広場に戻る一同。
もう、彼女を止めることはできない。
この瞬間、一同は風華にやらせるしかないと決めざるを得なかった・・・。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.16 ) |
- 日時: 2014/10/29 19:58:19
- 名前: カイナ
- カイナ「注意:No.15は諸事情によりないものとしてお考えください」
そして時間を飛ばし時刻は夜の20時。今日が休日だった為、打倒タニヤに向けての女性陣によるデッキ調整及び風華を落ち着かせる為に時間を全て費やし、風華を筆頭にタニヤの待つコロシアムへやって来た一同。コロシアムの門を開け、中に入るとそこには、コロシアムの中央で腕を組みながら相手の到着を待っていたタニヤの姿がそこにあった。
タニヤ「随分と遅かったじゃないか。待ち草臥れてそのまま寝てしまう所だったぞ」 風華「…」
タニヤの軽口にも動じず、何時もは見せない真剣な顔つきで中央へと向かい、彼女と対峙する風華。
タニヤ「ほぅ…?随分と背が小さい女だが、お前が私とデュエルしてくれるのか?」 風華「あら、心配してくれるの?けど大丈夫。アタシ之でも結構タフだからね。ちょっとやそっとじゃヘバりゃしないわ」 タニヤ「それは結構なことだ。もしデュエルの最中に倒れられたら私とて面倒だ」 風華「ご心配どうも。…アンタこそ、アタシにボッコボコに殺られてその図体でピーコラ泣き言言われても困るわ」
タニヤ「ははっ!之でもそん所其処等の奴よりかは鍛えてはいるから滅多な事じゃ泣かないさ。…女が泣いていいのは、失恋した時か出産した時、そして愛する人の腕の中に居る時だけさ」 風華「見た目に似合わず詩人ねぇ。…ま、そういうアンタは乙女というよりは漢女(おとめ)じゃないの?」 タニヤ「フフッ。違いないな」
二人が対峙してから笑顔で交わされる軽口の言い合いに、先程まで殺気バリバリ張り巡らせていた風華にビビっていた男共は一瞬安堵する。…が、逆に女達はそれより真剣な表情で見つめる。
凛「(…ねぇ、皆さん。見た感じどう思います?)」 メリオル「(どうもこうも…殺気自体は鳴りを潜めたけれど、笑ってはいるけれどあの眼は完全に殺す気満々ね。)」 ヴィヴィオ「(タニヤの方もそれ解かってるね。前よりも鋭い目をしてる。けど…)」 カノンノ「(何だろう…凄く悲しそうな眼…。それも恋を諦めた経験した女の それみたい…)」 桃・美海『(同意)』
男以上に女を知っている女性陣による観察力は、タニヤの心に秘める何かを読み取った。…そしてそれは今、正に彼女の前に立っている風華も同じだった。
風華「…けれど結構ムカつくわねアンタ。まるで失恋した生娘みたいじゃない。…アタシそういうの反吐が出るんだよね」 タニヤ「フッ…。人生色々あるものさ。時には何かを諦めなければならない時もあるからな」 風華「…本当にムカつくわね。アタシの一番大嫌いなタイプよ。アンタみたいな女」
両者はディスクを構える。これ以上の言葉は不要。後はデュエルで語るのみだ。
タニヤ「まずはここに二つのデッキがある。右は勇気のデッキ。左は知恵のデッキだ。好きな方を選ぶといい」 風華「当然、勇気のデッキ!知恵は確かに必要だけど、それを知る為に踏み込む勇気が無ければどうしようもないからね!」
知恵を得るためには勇気が必要。それはそうだ。世の中には図鑑という物がある。 これは、誰かが調べなければ作ることができない代物である。特に、毒を持った動植物などの図鑑が良い例であろう。
何も知らないで不用意に手を出して命を落とした者も居た筈だ。 大昔、科学も化学も生まれていない頃はどうだろうか? 薬草と毒草の違いは?有毒無毒の違いは? 初めてキノコや河豚などを食した者はどうなった?
上げればキリがないだろう。知恵を得るためには失敗を覚悟する程の勇気が必要なのだ。
タニヤ「その通りだ。何をするにも知恵が無ければならないが、その知恵を得るためには一歩を踏み出す勇気が必要になる。知恵と勇気は表裏一体と心得よ。では・・・」
「「デュエル!!」」
風華「先攻はアタシ!ドロー!・・・フィールドにカードが存在しない時、このカードは手札から特殊召喚出来る!来て![BF‐逆風のガスト]!守備表示!」
ガスト:DEF1400
風華「更に、チューナーモンスター[BF‐疾風のゲイル]を特殊召喚!この子は、ゲイル以外の[BF]が表側表示で存在する時、手札から特殊召喚出来る!レベル2のガストに3のゲイルをチューニング!”剣の名を持ちし黒き烈風よ!煌めく星の如く、天に座せ!”シンクロ召喚![BF−煌星のグラム]!!」
ゲイル:ATK1300
☆2+☆3=☆5
グラム:ATK2200
タニヤ「いきなりシンクロか・・・それも、通常召喚も残している。」 風華「まだまだこんなものじゃないよ!グラムの効果発動!グラムがシンクロ召喚に成功した時、手札からチューナー以外でレベル4以下のBFを効果を無効にして特殊召喚する!おいで、[BF−精鋭のゼピュロス]!更に、手札から[BF‐極北のブリザード]!」
ゼピュロス:ATK1600 ブリザード:ATK1400
風華は休む間もなく次々とBF達を呼び出し、更にブリザードの効果まで発動する。
風華「ブリザードの効果!召喚時に、墓地からBF1体を守備表示で呼び戻す!来て、ガスト!そして、レベル4のゼピュロスに、レベル2のブリザードをチューニング!”漆黒の力!大いなる翼に宿りて、神風を巻きおこせ!”シンクロ召喚!吹きすさべ[BF‐アームズ・ウィング]!!」
アームズ・ウィング:ATK2300
風華「これがアタシの全力だ!ターンエンド!」手札2
怒涛の勢いで上級のシンクロBF2体と、低級BF1体を揃えてターンを終える風華。これに対し、タニヤも舌を巻く。
タニヤ「速いな。よもや2体ものシンクロモンスターを呼び出すとは・・・少々侮り過ぎたよ。私のターン、ドロー!!」手札6
タニヤはデッキからドローすると、手札に加えて思考する。そして、徐に1枚手に取るとディスクに叩きつける。
タニヤ「私は、[アマゾネスの聖戦士]を召喚する。このカードは、私のフィールドのアマゾネスモンスター1体につき、100ポイント攻撃力が上昇する。更に、フィールド魔法[アマゾネスの里]を発動する。このカードがある限り、私のアマゾネスモンスターの攻撃力は200ポイント上昇する」
聖戦士:ATK1700→1800→2000
タニヤ「そして、魔法カード[アマゾネスの緊急招集]を発動。私のフィールドにアマゾネスモンスターが存在する時、手札からレベル4以下のアマゾネスモンスターを1体特殊召喚出来る。現れろ、[アマゾネスペット虎]!攻撃表示!ペット虎は私のアマゾネス1体につき、400ポイント攻撃力が上昇する。私のフィールドには2体のアマゾネスがいる。」
ペット虎:ATK1100→1900→2100 聖戦士:ATK2000→2100
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.17 ) |
- 日時: 2014/10/30 22:13:58
- 名前: ヘルマン
- タニヤ「更に私は、魔法カード[アマゾネスの呪詛師]を発動!このカードは、ターン終了時まで私の「アマゾネス」1体と、お前のモンスター1体の元々の攻撃力を入れ替える!私は、ペット虎とアームズ・ウィングの攻撃力を入れ替える!」
風華「げっ!?」
女の子にあるまじき驚き方でアームズ・ウィングを見る風華。だが、どこか演技しているようにも見える。
ペット虎:ATK2100→3300 アームズ:ATK2300→1100
タニヤ「バトルだ!聖戦士でアームズ・ウィングに攻撃!」 風華「この瞬間!手札から罠カード発動!!!」 タニヤ「なんだと!?」
子供達『『『手札から罠!?』』』 大人達『『『手札から罠!?』』』 一同『『『『『『手札から罠!?!?』』』』』』
一同は大事なことなので2度叫ぶ。それに対して風華は悪戯が成功した時の様な笑みを浮かべて手札のカードを発動する。
風華「罠カード[ブラック・ソニック]!このカードは、アタシのフィールドの「BF」が3体のみの場合、手札からも発動できるんだ!その効果は・・・相手がアタシのBFに攻撃宣言した時に発動できる・・・それは、相手フィールドの表側攻撃表示モンスターを”全て除外する”!」
十代「モンスターを全部除外!?」 万丈目「しかも、条件さえ揃えば手札からも発動できるだと!?」
アルフ「さ、流石BF・・・」汗 ライ「インチキ効果の最先鋒」汗
味方である筈の者達からインチキと言われる始末。まぁ仕方がないだろう。
風華「インチキって言わないでよ!?文句があるなら作った人に言いなよ!?少なくとも、殆どのカードの発動を無効にする光と闇の竜使ってる万丈目やチートドローの十代にだけは言われたくないよ!?」
十代「え?そうか?」 万丈目「む・・・確かに。」
少しばかり目に涙を溜めながら叫ぶ風華に、万丈目は納得してすまなそうに返し、十代に至っては自分のチート臭いドロー力が凄いとも思っていない。両極端な反応だった。
風華「という訳でアンタのアマゾネス達には舞台から降りてもらうよ!」 タニヤ「そうはいかん!手札から速攻魔法[禁じられた聖槍]を発動!モンスター1体の攻撃力を800下げる代わりに、他の魔法・罠の効果を受け付けなくする!私は、ペット虎を対象に発動する。」
ペット虎:ATK3300→1900
聖槍の効果によって、アマゾネスの里の恩恵を失い、更には仲間のアマゾネスが消えてしまった事で、1400ポイントもダウンするペット虎。 だが、アマゾネスの呪詛師で入れ替わった数値は元々の数値として扱われている為に下がる事は無かった。
風華「ちっ・・・だけど、聖戦士には消えてもらうよ!」 タニヤ「だが攻撃は止まらない!行け!ペット虎!」 風華「ここで、ガストの効果!BFを攻撃する時、そのモンスターの攻撃力をダメージステップの間だけ300下げる!」
ペット虎:ATK1900→1600
ペット虎がアームズ・ウィングに飛びかかると、首筋に勢い良く噛みつき、戸惑いなく引きちぎる!!
風華「うわ・・・グロッ!?きゃあああああああ!?」LP4000→3500 タニヤ「カードを1枚伏せて、ターンエンド。これにより、聖槍と呪詛師の効果が切れる。」手札0
ペット虎:ATK1600→1900→1700
タニヤは手札を使いきったが、それでもなお闘気は失われるどころか高揚している様に見える。
風華「アタシのターン。ドロー!!アタシは、[BF‐漆黒のエルフェン]をリリース無しで召喚!この子はアタシのフィールドにBFがいる時、リリースを必要としない!更に、召喚に成功した時、相手モンスターの表示形式を変更できる!ペット虎を守備表示へ変更!」 タニヤ「良いだろう。」
エルフェン:ATK2200 ペット虎:ATK1700→DEF1500
風華「バトル!エルフェンでペット虎を攻撃!”ブラック・クレセント”!!」
エルフェンの巨体から繰り出される神速の突進がペット虎に叩きこまれる。
タニヤ「この瞬間、アマゾネスの里の効果発動!アマゾネスモンスターが戦闘で破壊され墓地に送られた時、破壊されたアマゾネスモンスターのレベル以下のアマゾネスをデッキから特殊召喚する事が出来る! ただし、この効果は1ターンに1度しか使用できない。ペット虎のレベルは4。よって私は、レベル4の[アマゾネスの訓練生]を特殊召喚!里の効果により、攻撃力が200上昇する。」
訓練生:ATK1500→1700
風華「続けてバトル!グラムで訓練生に攻撃!」 タニヤ「甘いぞ!罠カード[アマゾネスの弩弓隊]!相手フィールドのモンスター全てを表側攻撃表示に変更し、攻撃力を500ポイント下げ、全て攻撃しなければならない!」
グラム:ATK1700 ガストDEF1400→ATK900→400
風華「ちっ仕方ない。攻撃続行!訓練生と相打ち!ガストで追撃!」 タニヤ「くぅっ!?」LP4000→3600
弩弓隊によって攻撃力が訓練生と並んだために相打ちとなり、ガストのただでさえ低い攻撃力が更に下げられてしまう。 だが、関係ないとでも言う様に風華は攻撃命令を出す。
風華「カードを1枚伏せて、ターンエンド!」手札0
これにより、互いの手札は0。タニヤのフィールドにはアマゾネスの里のみに対し、風華のフィールドはガスト、エルフェンと伏せが1枚。
タニヤの次のドロー如何によっては一気に状況が変わる事だろう。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.18 ) |
- 日時: 2014/11/08 05:48:22
- 名前: 孝(たか)
- タニヤ「私のターン。ドロー!・・・・・・ふっ。魔法カード[強欲な壺]!デッキから2枚ドローする!」手札2
風華「この局面で強欲・・・」
手札を使いきっている時にこの引き。デュエリストとしての誇りの高さ故か、アマゾネスの長を務めるだけあって実力は確かの様である。
タニヤ「っ!?」
しかし、タニヤが引いたカードを見た途端、驚愕に目を見開きながら苦虫を噛み潰した様に表情を歪める。
タニヤ「何故・・・この、カードが・・・がぁっ!?」
引いたカードに驚いていると、突然タニヤが苦しみ出す。
タニヤ「あ、が・・・!?キサマ、邪魔を、スルな!?」 風華「どうしたのよ?さっさと続けなさ・・・!?この、気配・・・ベアトリクスの時と同じ!?」
様子がおかしいタニヤに声を掛けた途端、風華は・・・いや、この場にいる全員が異変に気付く。
ベアトリクスの時と同じように、胸の奥がザワツク寒気を・・・。
『くく・・・くくくく・・・言った筈だぞタニヤ。我々は、いつも、”見ている”と・・・』
突如タニヤの片目が漆黒に染まり、刺青まで浮き上がり、タニヤの口から低い男の様な声が響く。
タニヤ「キ、きさま!?ぐうううううっ!?」
タニヤは激痛を起こしたのか腕を抑えると、掻き毟る様に皮膚を抉る。
ギリ、ガリ、と血を滲ませながらも止めないタニヤ。
タニヤ「が・・・あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」
遂にタニヤは痛みに耐えきれずに上を向くと悲鳴を挙げ、掻き毟った傷と血が黒く染まり、猿の様な痣へと変化する。
タニヤ?『かはぁ・・・漸く、手に入れたぞ。この身体・・・!!!』
深く短い息を吐くと、上げていた頭を下げて風華へ視線を向ける。 そこには、両目とも黒く染まり、先程までとは打って変わって口の両端を吊上げ妖しく嗤うタニヤ・・・否、ダークシグナータニヤの姿があった。
風華「ダグナー化した!?」 タニヤ?『くはははは・・・小娘、キサマの放つ嫉妬、怨み、怒り。実に心地よかったぞ?おかげで、コヤツの身体を奪い取るのも容易となった』
風華に指差した後、親指を自分に向けるタニヤ?は、何がおかしいのかニヤニヤと嗤っている。
風華「アンタ・・・地縛神ね!?」 クシル『如何にも。我が名は、地縛神”Cusillu”!!』
鏡夜「Cusillu・・・クシル・・・確か、ケチュア語で猿を意味していた筈。」 氷牙「ハチドリ、巨人、蜥蜴の次は猿か・・・」
十代「ハチドリはフィールドアウトでライボルとバーン効果を持ってたな。」 カイ「巨人は戦闘破壊してバーンだな。」 アルフ「蜥蜴は自壊以外で破壊されるとブラホ効果だったよね?・・・発動する機会なんて無かったけど。」
今までに戦ってきたダークシグナー達の扱っていた地縛神の効果を思い出す一同。
猿にはどんな効果があるのか見極めようとデュエルを行く末を見つめるのだった。
クシル『くははは・・・ではお見せしよう!我が姿を!![終末の騎士]を守備表示で召喚!効果により、デッキから闇属性モンスターを1体墓地へ送る。』
終末の騎士:DEF1200
風華「闇属性・・・そうか!今まで出てきた地縛神は全部闇属性!だったら終末の騎士で簡単に墓地に送れる?!」
レオ「なるほど。タニヤは地縛神を引いたんじゃない。地縛神の闇の力を込められた終末の騎士で間接的に感染したのか!?」 メリオル「用意周到な奴ね・・・つまり、奴の手札にあるカードは・・・」
クシル『我は我自身を墓地に送り、魔法カード[死者蘇生]を発動!!さぁ!この場に満ちたデュエルエナジーを吸収し、5000年の眠りより目覚めよ!我が肉体よ!![地縛神Cusillu]!!!』
『ォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!』
地縛神Cusillu:ATK2800
宙に浮いた地縛神のコアにエネルギーが充填され、その姿を一瞬で変貌させる。
そう、巨大な・・・とても巨大な猿の姿へと・・・
クシル『くははははははははは!!!!!ゆけぇい!我自身で小娘にダイレクトアタック!!』 風華「通すかボケザルゥ!!罠発動![攻撃の無敵化]!アタシは、この効果で、戦闘ダメージを0にする効果を選択!3度も同じ効果を見てるんだ!そう簡単に地縛神の直接攻撃を受けると思うなよ図体だけのバカザルがっ!?」
怒り心頭で風華はブチ切れる。当然だ。三沢を賭けた?大事な乙女の純情デュエルに横槍を刺されて黙っていられるようなら風華は今この場に立ってはいない。
風華「恋する乙女が1人の男の為にしたデュエルを横槍入れて邪魔して、ただで済むと思わないでよ!!つーかタニヤ!!アンタも何簡単に乗っ取られてんのよ!?アンタの三沢に対する思いはその程度の奴に乗っ取られる様なちっぽけなものだったの!?フザケンジャねえええええええええええええええええええええ!!!!!そんなちっぽけな思いに負けたアタシが馬鹿みたいじゃないか!?悔しかったらさっさと目を覚ましてみろってのよこのゴリラ女があああああああ!!アタシのターン!ドロー!!!!!」
勢い良くカードを引き、それを見た風華は一気に叩きつける。
風華「アタシは、チューナーモンスター[BF‐銀盾のミストラル]を召喚!!レベル6のエルフェンに、レベル2のミストラルをチューニング!!」
ライ「レベルの合計は・・・8!!」 焔「来るぜ!風華のエース!」
風華「黒き疾風よ!アタシの思いをその翼に現出させなさい!シンクロ召喚!舞い上がれ、《ブラックフェザー・ドラゴン》!!」
ブラックフェザー:ATK2800
『キュワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』
まるで刃の様な翼を広げる黒き玄翼の竜。
ヒィィィィイイイイイイイイイインッ!!
そこへ、ブラックフェザー・ドラゴンのカードを掲げている右腕に竜の尾を模した赤い痣が浮かび上がる。
この瞬間、風華は赤き竜に選ばれし者・・・ブラックフェザー・ドラゴンを操りしドラゴンテイルのシグナーに覚醒するのだった。
風華「行くよブラックフェザー!あんな空気も読めないバカザルをぶっ飛ばして、ゴリラ女の目を覚まさせてやるんだ!!」
『キュワアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!』
風華の思いに応え、ブラックフェザーは任せろと雄叫びを挙げるのだった。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.19 ) |
- 日時: 2014/12/11 18:07:19
- 名前: 孝(たか)
- 風華「地縛神は共通の効果に攻撃対象に出来ない効果があったね・・・バトル!ブラックフェザーで終末の騎士に攻撃!!”ノーブル・ストリーム”!!」
地縛神の共通効果はフィールド魔法が必要な事、ダイレクトアタックが可能な事、攻撃対象にならない事、そして更に個体別に効果がある。 故に、例え同じ攻撃力のブラックフェザー・ドラゴンでも、Cusilluに攻撃する事は出来ない為、伏せカードも手札もないクシルに躊躇する必要もないので終末の騎士を先に片付ける風華。
風華「ターン、エンド・・・」手札0 クシル『我のターン。ドロー!!くくく・・・我が力を見せてやろう!我は速攻魔法[スケープ・ゴート]を発動!羊トークンを4体特殊召喚する!』
羊トークン:DEF0×4
クシル『バトル!!我自身で、ブラックフェザー・ドラゴンに攻撃!!』 風華「なっ!?ダイレクトアタックが出来るのにわざわざブラックフェザー・ドラゴンに!?迎え撃って!”ノーブル・ストリーム”!!」
Cusilluとブラックフェザー・ドラゴンの攻撃力は互いに2800。つまりは相打ちとなる。
焔「まさか、コカ・パク・アプと似た様にモンスターとの戦闘が必要な効果なのか?」
いち早くCusilluの個体別効果に感づいたのは意外にも焔であった。それと同時に、Cusilluとブラックフェザー・ドラゴンの攻撃が激突し、同時に破壊される。
クシル「この瞬間!効果発動!Cusilluが戦闘によって破壊される場合、代わりにこのカード以外の我のモンスター1体をリリース!」
今にもフィールドから消えようとしていたCusilluは、羊トークンを生贄として、フィールドに留まる。 しかし、次の瞬間・・・
風華「きゃああああああああああああああああああ!?」LP3500→1750 剣一「風華!!」 ヴィオ「ふーちゃんのライフが半分になった!?」
Cusilluがフィールドにとどまり、ブラックフェザー・ドラゴンが消滅すると、突如として風華のライフが半分に削られた。
クシル『くくく・・・これこそが我が力。戦闘破壊される場合に、代わりのモンスターを身代わりにし、相手のライフを半分にするのだ!』 鏡夜「羊トークンは、その為の餌か!?」 氷牙「克也と同じ様な事しやがって・・・!!」
城之内も漆黒の豹戦士パンサーウォリアーのコストにして使用する事もある為、仲間と同じ方法を胸糞悪い地縛神が使用した事で気分を害するのだった。
クシル『くくく・・・怨め、憎め!それが我らの糧となる!!ターンエンド!』手札0 風華「ア、タシのターン。ドロー!!へ、へへへ・・・ちょっと危ないけど、背に腹は代えられないか。魔法カード[天よりの宝札]!互いのプレイヤーは手札が6枚になる様にドローする!」
神楽坂「両者の手札は互いに0・・・」 エルフィ「起死回生を狙うなら、ここしかチャンスが無い・・・!」
2人の手札が潤沢になり、このターンで決めるか仕掛けなければ風華は・・・そんな思いが観戦組の不安を煽る。 しかし、風華はこの程度でへこたれる程・・・軟弱ではない。
風華「仕掛ける!墓地から[BF−精鋭のゼピュロス]の効果を発動!フィールドのカード1枚・・・ガストを手札に戻し、ゼピュロスを特殊召喚!その後、アタシは400のダメージを受ける。うぐぅっ!?」LP1750→1350
少々のダメージを受けながらも、墓地からレベル4のモンスターを自己蘇生する風華。何かを狙っている様だが・・・?
風華「更に、[BF−黒槍のブラスト]を特殊召喚!」 十代「レベル4のモンスターが2体!」 カノンノ「そして、BFは鳥獣族・・・だとすれば!」
エクシーズモンスターが出た事で、最もデッキが強化されてのは・・・他でもない風華である。
風華「アタシは、レベル4のゼピュロスとブラストでオーバーレイ!!2体の鳥獣族でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!”絶対零度の力を宿せし鳥獣よ!今こそその力で悪しき力を封じよ!”氷点に座せ![零鳥獣シルフィーネ]!!」
シルフィーネ:ATK2000 ORU2
風華「更に、魔法カード[星屑のきらめき]!墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を選択して、そのモンスターと同じレベルになる様に墓地のモンスターを除外する事で、特殊召喚出来る!ブラックフェザー・ドラゴンを選択!墓地からエルフェンとブリザードを除外!再び現れなさい![ブラックフェザー・ドラゴン]!!」
BFD:ATK2800
風華「まだまだあああああ!!![BF‐東雲のコチ]を召喚!更に2体目のブラストを特殊召喚!そしてこの2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚![ラヴァルバル・チェイン]!!そのまま効果発動!ユニット1つ(コチ)を取り除き、デッキからカード1枚を選んで墓地に送る!デッキから[BF‐大旆のヴァーユ]を墓地へ!そしてヴァーユの効果を発動!墓地に存在するレベル6のアームズ・ウィングとレベル1のヴァーユを除外!エクストラデッキからレベル7のBF・・・[BF‐アーマード・ウィング]を効果を無効にして特殊召喚!!」手札3(1枚はガスト)
アーマード:ATK2500(効果無効) チェイン:ATK1800 ORU2→1
一瞬にして2体のエクシーズモンスターと2体のシンクロモンスターを揃えて見せる風華。BF使いの名に恥じない展開能力である。
クシル『ほぉ・・・小娘と言えど、流石はシグナーと言ったところかだが、このターンで我を倒す事は出来ぬ!』 風華「甘いよ・・・甘すぎるよ地縛神!!大福にガムシロップかけた位に甘々だよ!!」
十代「いや、それは確かに甘すぎるけど・・・」 翔「そ、想像したら胃が持たれて来たッス」
特に甘党という訳でもない男勢が口と腹部を抑えて顔を青くする。
風華「ここで、零鳥獣シルフィーネのモンスター効果を発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手フィールド上の表側表示のカード全ての効果を無効にする!”パーフェクト・フリーズ”!!」 クシル『我の表側表示を全てだと!?』
零鳥獣シルフィーネの効果により、地縛神Cusilluとアマゾネスの里の効果が失われる。
風華「更に、無効にした後にシルフィーネは自分以外の表側表示カード1枚につき、300ポイント攻撃力がアップする!」
現在、表側表示で存在するカードは・・・
地縛神Cusillu アマゾネスの里 羊トークン×3 アーマード・ウィング ラヴァルバル・チェイン ブラックフェザー・ドラゴン
の、八枚である。
風華「よって、攻撃力は8の300倍で、2400ポイントアップだよ!」
シルフィーネ:ATK2000→4400
クシル『攻撃力・・・4400だと!?』 風華「因みに、シルフィーネの効果は次のアタシのスタンバイフェイズまで適用される!」 クシル『くっ・・・だが、このターンで我を倒す事は・・・』 風華「最初からアンタなんかお呼びじゃないのよ!さっさとゴリラ女の身体から出ていけ!!!シルフィーネで地縛神に攻撃!”アイス・レイ”!!」
シルフィーネのパーフェクト・フリーズによって効果を消された地縛神に、自身を守る術など・・・無い!!
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.20 ) |
- 日時: 2014/12/19 04:43:03
- 名前: 孝(たか)
- クシル『莫迦な!?この我が・・・地縛神の我が・・・こんな、こんな小娘にいいイイイイいいいいイイイイ!?!?』
『ォォォォォォォオオオオオオオオ・・・オオオ・・・オ?』
チュインッ!!!
シルフィーネの煌めく氷の一閃が地縛神Cusilluの胸部を貫く。しかし、貫かれた胸部をぺたぺたと触れ、ニタリと嗤う地縛神Cusillu。
まるで、「なんなんだぁ?今のはぁ?」とでも言っている様だ。
だが・・・次の瞬間・・・ピシャアアアアアン!!・・・一瞬にして地縛神Cusilluは氷に閉ざされ・・・ピシッ・・・バキキキキキ・・・バガアアアアアアアアアアアンッ!!!・・・亀裂が入いると抵抗もなく木っ端微塵に吹き飛んだ。
クシル『グガアアアアアアアアアアアアアアア!!?!!???!』LP3600→2000
己が肉体である地縛神を砕かれもがき苦しむクシル。
クシル『ガハッ・・・小、むす、めぇ・・・!?よくも・・・ヨクモヨクモヨクモヨクモモモモモモモオオオオオオオオオオオオ!!!!』
黒く染まった血の様な涙を流しながら腕を伸ばし、風華を睨むクシル。
風華「アーマード・ウィング!ラヴァルバル・チェイン!ブラックフェザー・ドラゴン!残った羊トークンを攻撃!!」
風華はその様な事は気にも止めずにフィールドの仲間達にトークンを駆逐させる。
クシル『ぐぅぅ・・・だ、だが・・・これで貴様の攻撃できるモンスターは』 風華「何勘違いしているのさ?」 クシル『ウキ?』
風華はクシルを見下す様に八重歯を見せながら嗤う。それに動揺したのか猿の地縛神であるせいか、鳴き声の様に返事をするクシル。
風華「まだ、アタシのバトルフェイズは終了してないよ!手札から速攻魔法![スワローズ・ネスト]を発動!私の場の鳥獣族・・・アーマード・ウィングをリリースして、デッキからリリースしたモンスターと同じレベルのモンスターを特殊召喚する!!」
十代「アーマード・ウィングのレベルは7・・・あれ?BFにレベル7の鳥獣族っていたか?」 焔「あ〜確か[激震のアブロオロス]ってのがいた筈だ。」 三沢「・・・確かにそうだが。アブロオロスは特殊召喚出来ないモンスターだ。」 ライ「だとすると・・・!?三沢!?いつからそこに居た!?」
今はレッド寮の地下にある寝室でタニヤを思いながらボーっとしていた筈の三沢がいつの間にかこの場に居た事に気付き、ライと同様に一同驚く。
三沢「何か、胸騒ぎがしたんだ。突然禍々しい気配がしたと思えば、ふっと風華君の事が浮かんで・・・そうしたら居ても立っても居られなくなってな。大急ぎでこの場にやってきたんだ。」
見れば三沢の額や首元に汗の後がある。それが、ここまで全速力で向かってきた証拠だろうと納得する一同。
三沢「そんな事より、2人のデュエルだ。見れば、タニヤがダークシグナーの様に見えるが・・・」 神楽坂「正確に言えば、地縛神がタニヤに乗り移ったんだ。で、風華さんがシグナーに覚醒して一気に追い詰めたところだ。」
そこへ、神楽坂が簡潔に状況を説明する。それを聞いて納得した三沢は再び視線を2人に戻す。
三沢「さて、今風華君がリリースしたアーマード・ウィングはレベル7の鳥獣族。だとすると・・・この状況で出せるモンスターは、4種類だ。」
カノンノ「え?たったの4種類!?」 三沢「今現在でレベル7の鳥獣族はアーマード・ウィングを含めてたったの7枚。」
アーマード・ウィング、ストーム・シューター、BF‐激震のアブロオロス、神鳥シムルグ、霞の谷の巨神鳥、剣闘獣オクタビウス、ダークシムルグ。
三沢「以上7種類が確認されているレベル7の鳥獣族だ。その内、激震のアブロオロスと神鳥シムルグは特殊召喚出来ないモンスター。そしてアーマード・ウィングはシンクロモンスターだから除外するとして、残ったのは4種類だ。更に、風華君のデッキはBF。その中で最も相性が良いのは・・・闇属性と風属性を必要とする・・・」
風華「[ダーク・シムルグ]を特殊召喚!!」
ダーク・シムルグ:ATK2700
クシル『攻撃力・・・2700!?』
三沢「どのモンスターも今のタニヤのLP2000を超えるモンスターだが・・・以前聞いた事がある。風華君のデッキは・・・純正BFではなく、BFの中でも1・2を争うと言われる・・・アロマBFエクシーズだと。アロマ・・・つまり、魔封じの芳香とダーク・シムルグによるセットロック。BFやエクシーズが出る前はダーク・シムルグが切り札だと言っていたからね。」
エルフィ「そっか!ダーク・シムルグは別に召喚制限がある訳じゃない!墓地の風と闇を除外して特殊召喚する事が出来る効果を持つモンスターでしかない!」 レオ「入っていても不思議ではないし、元は風華のエースモンスター・・・なるほど、納得だ。」
それを聞いて一同納得し、苦笑する。
風華「とっとと・・・目を覚ましなさいよ!タニヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!」
ビシッとクシル・・・タニヤに腕を伸ばしてダーク・シムルグに攻撃支持を出す風華。 その叫びを聞いたダーク・シムルグは、両翼を大きく羽ばたかせて突風を生み出し・・・自ら突撃していった。
クシル『ああ・・・ヤメ、ヤメロオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?!』 風華「判決・・・」
風華は右手の人差し指と中指を立てると大きく左から右へ胸の前で横一線した後、クシルに背を向けて横に切った腕を上に掲げ、一気に振り下ろす。
風華「・・・私刑!!」
死刑ではなく、私刑。法が裁くのではない、私が裁く。所謂リンチである。
風華「女の戦いに、出しゃばるから・・・こうなるんだよ」
背を向けたまま、流し眼でダーク・シムルグによって吹き飛ばされたクシルを睨む風華だった。
クシル『ゴ・・・は・・・』LP2000→0
クシルは倒れ伏し、ライフが0を刻み・・・風華の勝利が確定した。
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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.21 ) |
- 日時: 2015/01/16 22:26:21
- 名前: カイナ
- クシル『莫迦な・・・この、我が・・・』
風華「しつ・・・こい!!」
風華が腕を振り降ろすと、ブラックフェザー・ドラゴンが再び羽ばたき、溜めこんだ力を一気に解き放つようにブレス・・・”ノーブル・ストリーム”をタニヤに乗り移っているクシルに向けて解き放つ。
クシル『おのれ・・・シグナー・・・おのれ・・・赤き竜・・・グギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!!?』
タニヤには一切の衝撃を与えず、精神体のクシルのみを吹き飛ばして見せた。
風華「全く。世話妬かせるんじゃないわよ」 タニヤ「ふっ・・・お前には――」 風華「風華よ。」 タニヤ「――風華には、借りが出来たな」 風華「ふふん。アタシの貸しは高いよ?」
無理矢理に身体を乗っ取られていたタニヤは呻きながらも風華の手を取って身体を起こす。
タニヤ「・・・受け取れ。戦利品だ」
そう言って、タニヤは三沢との戦いで手に入れた七星門の鍵を風華に差し出す。
風華「ん。確かに。・・・身体の方は?」 タニヤ「心配無い。アマゾネスの長たる者、其処まで軟ではないさ」
しかし、立ちあがろうにもやはり力が入らないのかすぐに膝を着いてしまう。そこへ・・・
三沢「2人とも、大丈夫か?」
このデュエルの一番の切欠とも言える三沢がやって来て、タニヤに肩を貸す。 風華では身長差があり過ぎて余計に辛く、其処まで身長差が無い三沢の助けは正直ありがたいものだった。
タニヤ「いや〜ん三沢っち!私の為に駆けつけてくれたのねぇ〜ん!」 風華「タニヤ!アンタまた猫被って!!」
一瞬で猫撫で声で三沢にすり寄るタニヤ。自身に憑いていた地縛神が消えた事で、一度は諦めた恋も一瞬で燃えあがらせるのだった。
ギャーギャーと2人で三沢を取り合っていると・・・このデュエルを最初から最後まで見ていた他のギャラリーも苦笑いをしながら3人に駆け寄っていくのだった。
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