トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕
日時: 2014/05/28 23:29:47
名前: 孝(たか)

シンクロ解禁。
エクシーズ解禁。

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール。

D・HERO系

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを受け取るのはありです。

以前まではモンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードでしたが、前幕よりエクシーズが解禁し能力覚醒により本来のエクシーズモンスターカードに進化しました。

そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"も可能です。
展開の都合上、”一部アニメ効果”のカードも使用しています。


遂にY幕か・・・・・・セブンスターズまだ半分も残ってるorz

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |

Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.91 )
日時: 2016/06/30 01:25:05
名前: ヘルマン

三沢「・・・先攻は俺からですね。俺のターン。ドロー!」手札6

 三沢はドローカードをチラリと眺めた後、手札に加えて別のカードを取る。

三沢「(さて、イカサマでデュエルを穢し、アンティーを強要する様な下衆に、引導を渡してやる。)俺は、モンスターをセット。ターンエンド」手札5
龍牙「おや?モンスターを伏せるだけかい?手札が悪いのかな?(まぁ良い。無いなら無いで好都合だ)では私のターン。ドロー!ふむ。私の場にモンスターがいない時、このカードは特殊召喚出来る。[フォトン・スラッシャー]!」

スラッシャー ATK:2100

三沢「攻撃力2100のモンスター。ただし、自分以外のモンスターが居る時、そのモンスターは攻撃宣言できないデメリットを持つ。」
龍牙「流石はラー・イエローの秀才と言われるだけあって、博識だね。では、バトルフェイズ!フォトン・スラッシャーでセットモンスターを攻撃!」

 フォトン・スラッシャーは持っていた剣で伏せられていたモンスターを刺し貫く。

三沢「セットモンスターは[巨大ネズミ]このまま効果発動。戦闘で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚する!出でよ![超重武者ビッグベン−K]!」

ビッグベン−K ATK:1000

龍牙「レベル8で攻撃力1000のモンスター」
三沢「ビッグベン−Kのモンスター効果!召喚・特殊召喚に成功した時、このカードの表示形式を変更できる。守備表示に変更!」

ビッグベン−K ATK1000→DEF3500

龍牙「守備力3500だと?!(チッ。だが、俺のエース、暗黒恐獣の前では、守備モンスターなど恐れるに足らず。)これは、倒すのに骨が折れそうですねぇ。私は、[魔導戦士ブレイカー]を召喚して、効果により、魔力カウンターをこのカードに1つ乗せます。更にカードを2枚伏せて、ターンエンド。」手札2

魔導戦士ブレイカー ATK:1600→1900 MC0→1

三沢「俺のターン。ドロー!俺は、[超重武者タマ−C]を召喚!このカードは、俺の場に[超重武者]以外のモンスターが存在せず、自分の墓地に魔法と罠が無い時に効果を発動できる。」
龍牙「ふむ。基本的に、序盤でしか使えない効果と言う訳だね。どうやら、引きも良いようだね」

 伏せカードに余程自信があるのだろう。余裕を持って冷静に振る舞っている。

三沢「相手フィールド上の表側表示のモンスター1体を対象として発動。このカードと、対象のモンスターを墓地へ送る!」
龍牙「なっ!?破壊ではなく墓地送り効果だと!?」
三沢「いいや。ただの除去じゃない。墓地へ送ったそのモンスター2体の元々のレベルの合計と同じレベルを持つ「超重武者」Sモンスター1体を
エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する効果だ!」
龍牙「シンクロ召喚扱いだと!?(クソがっ!だが、シンクロならば高攻撃力の筈。このカードならば)」

 流石にそこは驚かないわけにはいかなかったのか、軽く動揺が見てとれる。相手のモンスターを除去しつつシンクロするのだから当たり前と言えばそれまでだ。

三沢「雄叫び上げよ。神々しき鬼よ!見参せよ。悪のはびこる戦場(いくさば)に!シンクロ召喚!いざ出陣!レベル6![超重神鬼シュテンドウ−G]!!」

シュテンドウ−G DEF:2500

龍牙「待て!タマ−Cの効果で呼びだせるのは、超重武者のシンクロモンスターの筈!そのカードは、超重神鬼と書かれているぞ!」
三沢「シュテンドウ−Gは、ルール上、超重武者としても扱うルール効果持ちです。よって、このシンクロ召喚は成立します。更に、シュテンドウ−Gの効果発動!自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、このカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
龍牙「んなっ!?ハーピィの羽根帚を内蔵したモンスターだと言うのか!?ぐわっ!?」

 シュテンドウ−Gによって龍牙のカードが破壊される。そのカードは、リビングデッドの呼び声と、奈落の落とし穴である。
 レベル6のシンクロモンスターは、確かに高い攻撃力を持つカードは多い。しかし、シュテンドウ−Gの攻撃力は僅か500。奈落など恐れる事など無い。

三沢「では、バトルフェイズ!」
龍牙「な、何を言っているんだい?君のモンスターは全て守備表示。バトルフェイズに入る意味は」
三沢「ビッグベン−Kは、モンスターゾーンに存在する限り、自分フィールドの「超重武者」モンスターは、表側守備表示のままで攻撃できる。その場合、そのモンスターは守備力を攻撃力として扱いダメージ計算を行う。そして、シュテンドウ−G自身も、表側守備表示のまま、攻撃できる効果を持っています。」
龍牙「な、ななあっ!?それは、つまり、攻守共に3500と2500と同義じゃないか!?」

 まさに、この二体は[絶対防御将軍]というカードの完全上位互換と言えるだろう。

三沢「ビッグベン−Kで魔導戦士ブレイカーに攻撃!”パワー・ゲイザー”!!」

 ビッグベン−Kは、刺叉状の武器を持っているにもかかわらず、拳を地面に叩きつけると、その衝撃で地割れを起こし、魔導戦士ブレイカーは地の底へと落ちて行った。

龍牙「ぐあっ!?」LP4000→2400
三沢「これでトドメです。シュテンドウ−Gでダイレクトアタック!引導を渡せ!”鬼神の一撃”!!」
龍牙「手札から[バトル・フェーダー]を特殊召喚し、バトルフェイズを終了する!」手札1

バトル・フェーダー DEF:0

三沢「防がれましたか。俺はこれで、ターンエンドです。」手札5
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.92 )
日時: 2016/07/02 20:33:15
名前: ミクニップ

龍牙「私のターン、ドロー!(クソっ!初っ端から何たる失態だ!まさか絶対防衛将軍の様な効果を持ったモンスターが居たとは…!!)」


龍牙は表面上は冷静に見えるも、高攻撃力のモンスターで攻めてくるものとばかり思い込み、まさか守備表示で攻撃出来るモンスターを使用してくるなど想定してすらおらず、その結果出鼻を挫かれたものだから内心若干焦っていた。


龍牙「(…いやいや、落ち着くんだ。確かに油断はしたが、まだ巻き返す事は可能。そして何よりも俺には伏せカードとこの指輪がある。そう、何も焦る必要は無い!)」


だが、今の現状を考え、そして指輪の存在を過信し、若干ではあるが落ち着きを取り戻した。…ほんの一瞬だけ自分自身が指輪に目線を向けたのを三沢が見逃さなかった事など知るはずも無く。


龍牙「(守備表示だとミラーフォースは唯の死に札に成り下がるか。なら…)…私は、モンスターをセット。そしてカードを1枚セットしてターンエンド」手札0
三沢「俺のターン、ドロー!…俺は、手札から[超重武者ジシャ-Q]を召喚!」


ジシャ-Q 攻900


三沢「ジシャ-Qの効果発動!此奴の召喚成功時、手札からレベル4以下の[超重武者]を特殊召喚する!俺は手札から[超重武者テンB-N]を特殊召喚!」


テンB-N 攻800


三沢「テンB-Nの効果発動!此奴が召喚、特殊召喚に成功した場合、墓地からレベル4以下の[超重武者]1体を特殊召喚する!俺は墓地から[超重武者タマ-C]を特殊召喚!」


タマ-C 攻100


龍牙「またチューナーか…!」
三沢「さぁ、今こそ見せてやろう!この地のデッキのエースモンスターを!俺は、レベル4のジシャ-QとテンB-Nに、レベル2のタマ-Cをチューニング!」


☆4 + ☆4 + ☆2 = ☆10


三沢「荒ぶる神よ、千の刃の咆哮と共に砂塵渦巻く戦場に現れよ!シンクロ召喚!いざ出陣![超重荒神 スサノ-O]!」


スサノ-O 守3800


三沢の前に現れたのは、日本神話に出て来る荒神と同じ名を持つ、堂々と胡坐のまま長刀を担いだモンスターである。


龍牙「…守備表示で召喚されたという事は」
三沢「そう。スサノ-Oもまた[超重武者]として扱われ、守備表示で攻撃出来るモンスター!そして俺は、手札の[超重武者装留イワトオシ]の効果発動!このカードは、自分フィールドに存在する[超重武者]1体に装備させることで、装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える!」
龍牙「か、貫通効果の付与だと!?(…なぁ〜んちゃってぇ!残念だったな三沢ぁ!このターンで決着をつける気だろうが、そうはいかねぇ![装備魔法]なんぞ、この指輪にとっちゃ格好のカモなんだからさぁ!)」


 三沢がイワトオシを使用しようとするところを見た龍牙は、すかさず装置の電源を入れた。これで自信満々のが使えず、奴は無様に狼狽えるだろう。そんな光景を想像し、こみ上げてくる笑いを何とか堪える龍牙。自分がもう三沢の罠にかかってる等知らずに。


三沢「俺は、イワトオシをスサノ-Oに装備する!」


―ガキッッ!


龍牙「…………っは?」


 …自身の予想を大きく裏切り、目の前でさも当然の様にイワトオシを装備したスサノ-Oを見た龍牙の口から変な声が漏れた。


三沢「?どうかしたんですか先生」
龍牙「え、いや、その…あれ?」


 目の前の光景が若干信じられず、ついスサノ-Oと指輪を交互に見てしまう龍牙。だが装置はちゃんと作動している。なのに装備カードが装備出来た。…故に聞いてしまった。


龍牙「…あの、三沢君。ちょっと聞いていいかな?」
三沢「はい、何でしょうか?」
龍牙「君のそのイワトオシってカード…[装備魔法カード]の筈だよね?」
三沢「…あぁすみません。言い忘れてました。イワトオシは[装備魔法じゃなくて効果モンスター]ですよ?」
龍牙「っ!!!???」


 その言葉を聞いた途端、龍牙は頭を抱えてしまった。無理もないだろう。相手を舐め切っていた挙句にカードの確認を怠った為、取り返しのつかないミスを犯してしまったのだから。


三沢「…それにしても不思議ですよねぇ。龍牙先生」
龍牙「な、何かね…?」
三沢「何故、イワトオシが装備魔法かどうかを確認したのです?それにさっきからその指輪をちらちらと見てましたけど、まるでその指輪が何か重要な意味でもあるかの様なそぶりじゃないですか」


 そう、自分が狼狽えたせいで、指輪の存在がばれたのである。



三沢「…まぁいい。その話は後でたっぷりと聞かせて貰おう!バトルに移らせてもらう!俺は先ず、須佐の-Oでセットモンスターを攻撃!」
龍牙「ひぃっ!?お、俺は罠カード[和睦の使者]を発動!このターン私は戦闘ダメージを受けず、モンスターも破壊されない!」
三沢「チッ!…なら、俺はこのままターンエンドだ」手札3
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.93 )
日時: 2016/07/03 14:50:00
名前: カイナ

龍牙「お、私のターン、ドロー! 私は魔法カード[命削りの宝札]を発動! 手札が五枚になるようにデッキからドロー! 魔法カード[地砕き]を発動! 相手フィールドの守備力が一番高いモンスター一体を破壊する! 消え去れ、スサノ−O!!」

三沢「く……だが超重武者装留イワトオシのさらなる効果発動! フィールドから墓地へ送られた時、デッキから超重武者モンスター一体を手札に加える。俺は[超重武者装留−ダブルホーン]を手札に加える」

龍牙はドローカードをそのまま発動、手札を増やすと共に三沢の切り札の破壊に成功する。しかし三沢も負けじと超重武者のサーチを行った。

龍牙「ククク、私はバトルフェーダーとセットモンスターをリリースし、[暗黒恐獣]をアドバンス召喚!!」
暗黒恐獣 攻撃力:2600

さらに龍牙の場の二体のモンスターが光に包まれ、その光が一つになると弾け飛ぶ。その中から全身真っ黒な巨大恐竜が姿を現した。

翔「攻撃力2600……あれならまだシュテンドウ−Gが破壊されるだけで済むっす……」
タニヤ「いや……あれはまずい」
翔「ってうわぁっ!? タニヤさんいたんすか!?」

翔はほっと安堵の息を吐く。しかしその横でタニヤ――就業中なのか制服着用――が腕組みをしながら呟くと、気配に気づいていなかった翔は悲鳴を上げる。

翔「って、それより。何がまずいんすか?」
タニヤ「見れば分かる」

翔の質問に対しタニヤは静かにそう返し、翔もデュエルフィールドへと目を向ける。二体の超重武者に守られる三沢と、それに対峙する龍牙。しかし彼の暗黒恐獣は超重武者に目を向けず、三沢に目を向けているように翔の目には見えた。

龍牙「暗黒恐獣は相手フィールドに守備表示のモンスターしか存在しない時、ダイレクトアタックが出来る!」

翔「そんな!? っていう事はデッキにモンスターしかむぐっ!?」

龍牙の宣言に翔が口を滑らせそうになるが、すんでのところでタニヤが口を塞いでガードする。

龍牙「ゆけ、暗黒恐獣! 三沢大地にダイレクトアタックだ!!」

その指示を聞き、暗黒恐獣が超重武者の壁を踏み越えて三沢へと襲い掛かる。

三沢「ぬぅっ……だが、この瞬間手札の[超重武者ココロガマ−A]の効果発動! 自分の墓地に魔法・罠カードが存在せず、自分が戦闘ダメージを受けた時、カードを手札から特殊召喚する! この効果で特殊召喚されたターン、ココロガマ−Aは破壊されない!」LP4000→1400
超重武者ココロガマ−A 守備力:2100

大ダメージを受けてしまうが三沢は冷静に対処。新たな超重武者を展開し、守りを固めた。

タニヤ「きゃー! 三沢っちカッコイイー! 流石私の未来のお婿様〜♪」

三沢「タニヤ、来ていたのか……」

堅い守りを特徴とする超重武者を使ってなおダメージを想定していたプレイングにタニヤがハートマークを乱舞させながら歓声を上げ、三沢もそこでようやくタニヤに気づいて手を振り、歓声に応える。風華が入院していてこの場にいなかったからいいものの、もしもいたら再び風華とタニヤのキャットファイトが行われていただろう。

龍牙「チィ…(…優等生面しやがって、ちゃっかり女持ちかよ、ふざけやがって……ここでコテンパンにして、あのワイルド系の美女も俺の虜にしてやる…)…私はカードを三枚セットしてターンエンド」手札零枚
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.94 )
日時: 2016/07/03 14:50:10
名前: カイナ

三沢「俺のターン、ドロー! 来たか」

龍牙は心の中で悪態をつきながらターンエンドを宣言。三沢は勢いよくカードをドローし、ドローカードを見てニヤリと笑う。

三沢「今こそ、シンクロ召喚を得てさらに磨きをかけた不動のデュエルを見せる時! 俺は手札のモンスターカード[レベル・スティーラー]を墓地に送り、[クイック・シンクロン]を特殊召喚! さらにクイック・シンクロンのレベルを一つ下げる事で墓地の[レベル・スティーラー]を特殊召喚!」
クイック・シンクロン 守備力:1400
レベル・スティーラー 守備力:0

三沢の場に新たな二体のモンスターが並ぶ。

三沢「俺はレベル3のココロガマ−Aとレベル1のレベル・スティーラーに、レベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!!」

その宣言と共にクイック・シンクロンの目の前にルーレットのように回転する的が出現、クイック・シンクロンが早撃ちでその的を撃ち抜くと、回転のストップした的に穿たれた銃痕はジャンク・シンクロンを示す。
そしてクイック・シンクロンが四つの緑色の輪と変化し、三つの星となったココロガマ−A、一つの星となったレベル・スティーラーに重なり合う。

三沢「集いし闘志が怒号の魔神を呼び覚ます。光さす道となれ! シンクロ召喚! 粉砕せよ、[ジャンク・デストロイヤー]!!」
ジャンク・デストロイヤー 攻撃力:2600

口上、宣言と共に光が走り、三沢の場に怒号の魔神が呼び覚まされた。

翔「あれってライ君が得意とするシンクロンシンクロモンスター!?」
ライ「三沢もシンクロ使いで、低レベルの展開を得意としてるからな。使えるかと思って余ってたのを渡したんだ……いや、流石は三沢だな。すげえ」

翔の驚きの声にライが説明を行う。なおタニヤはハートマークを乱舞させながら「きゃー!」と歓声を上げていた。

三沢「ジャンク・デストロイヤーの効果発動! このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数までフィールド上のカードを選択して破壊できる! 俺がシンクロ素材としたのはチューナーのクイック・シンクロンを除き、ココロガマ−Aとレベル・スティーラーの二体! よってあなたの伏せカード二枚を破壊させてもらいます!! くらえ、タイダル・エナジー!!」
龍牙「な、なにぃ!? そ、そそそそうはいくかぁ! カウンタートラップ[大革命返し]!! フィールド上のカードを二枚以上破壊する効果モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、その発動を無効にしゲームから除外するぅ!!!」

怒号の魔神から放たれるエネルギーが龍牙の場で翻ったカードから放たれた光により跳ね返され、怒号の魔神を逆に粉砕する。

龍牙「ひ、ひゃははは、ざまぁみやがれぇ! さらにもう一枚のリバースカードオープン[ブレイクスルー・スキル]! このカードの効果によりビッグベン−Kの効果を無効にする! これで守備表示での攻撃は行えない! シュテンドウ−Gの守備力は暗黒恐獣以下、つまり暗黒恐獣の戦闘破壊は叶わず、次のターン暗黒恐獣の効果によるダイレクトアタックでお前は終わりだ!!」

龍牙はテンパってるせいか演技を若干隠せてない状態で三沢に吼える。もしダイレクトアタックを防ぐために超重武者を攻撃表示にしても、その超重武者を攻撃対象とした暗黒恐獣の攻撃による戦闘ダメージで三沢のライフは尽きる。すなわち、三沢はこれで詰んだも同然。龍牙はそう信じ、勝利を確信する。

三沢「龍牙教育実習生殿……このデュエル。既に勝利の方程式は整っている!」

そう叫び、三沢はデュエルディスクの魔法・罠ゾーンに一枚のカードを差し込んだ。

三沢「俺は手札の[超重武者装留ダブルホーン]をシュテンドウ−Gに装備! 超重合体!! シュテンドウ−Gダブルホーン!!」

三沢の宣言と共にシュテンドウ−Gの肩にダブルホーンが装着される。だが、ステータスに変わりはない。

三沢「バトルだ! ゆけ、シュテンドウ−G! 暗黒恐獣に攻撃!!」

龍牙「おやおや、勝負を捨てたんでしょうか?」

主の宣言を聞き、シュテンドウ−Gは手に持っていた刺叉を投げる構えを取る。攻撃力(今回の場合は守備力)の下回るモンスターでの攻撃に龍牙は嘲笑うような顔を隠そうともしない。しかし三沢は希望を手に笑っていた。

三沢「このダメージステップ開始時、手札の[超重武者装留バスター・ガントレット]の効果発動! 自分の墓地に魔法・罠カードが存在しない場合、自分の守備表示の超重武者の相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までにこのカードを手札から墓地へ送る事で、その戦闘を行う自分のモンスターの守備力はターン終了時まで元々の守備力の倍になる!!」
超重神鬼シュテンドウ−G 守備力:2500→5000

龍牙「な、なにいいいぃぃぃぃっ!!??」

実質的なリミッター解除と同義の効果に龍牙は悲鳴を上げる。シュテンドウ−Gが勢いよく刺叉を投げつけ、それが暗黒恐獣へと突き刺さる。その瞬間龍牙はすぐさまリバースカードを発動した。

龍牙「ダメージ計算時にトラップカード[ガード・ブロック]を発動! その戦闘によって発生する私への戦闘ダメージを0にし、デッキからカードを一枚ドローする!!」

龍牙はギリギリで生き残り、ドローカードを見て笑う。

龍牙(ブラック・ホール! このターンを生き延びた今、次のターンであいつの場を全て破壊。体勢を立て直してやる!)

三沢「まだだ! ダブルホーンを装備した超重武者は一度のバトルフェイズに二回の攻撃を可能とする!! ゆけ、ダイレクトアタックだ!」

龍牙「……は?」

だがその希望はあっけなく潰え、シュテンドウ−Gの巨体が呆けた表情の龍牙へと迫る。

龍牙「ぎゃあああぁぁぁぁっ!!!」LP2400→0

そして肩のダブルホーンを生かしたショルダータックルに龍牙の身体が吹き飛ばされ、同時に彼のライフが0を示した。
―――――――――――――――――――
とらえず終わらせてみました。次、神楽坂が戦うんでしたっけ?
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.95 )
日時: 2016/07/05 06:43:07
名前: 孝(たか)

龍牙「そ、そんな・・・魔法どころか、罠カードすら使っていないのに・・・」
三沢「それはそうですよ。何せこのデッキは、フルモンスターデッキ。そして墓地に魔法や罠が無い時こそ真価を発揮する。」
龍牙「フ、フルモンだと!?(クソが!だったらこの指輪が何の役にも立たない!?)」
三沢「いや、まさか俺と翔のあんな三文芝居にすら気付かないなんて、見ていて滑稽でしたよ?」

 三沢が答えた事で、漸く自分が無意味な事をしていたと気付く龍牙。しかも、このデュエルで自らボロを出しすぎたという事実もある。

三沢「ああ、それから・・・実を言うと、暗黒恐獣は”ワザと”召喚させました。」
龍牙「な、なんだと!?」
三沢「実は、スサノ−Oには、自分の墓地に魔法と罠が無い時、1ターンに1度、相手の墓地の魔法・罠を1枚、俺の場にセットする事が出来ます。しかも、相手ターンにも発動できるフリーチェーンの効果です。これを使用して居れば、貴方の墓地の奈落の落とし穴をセットしておくことも出来、更には貴方のターンでリビングデッドの呼び声もセットしておけば、例え破壊されていても、次の俺のターンでスサノ−Оは復活出来ていた。これが、どう言う事か分かりますよね?」

 そう、三沢は敢えてプレイミスをする事で、龍牙を試していた。アカデミアの教師たるもの、カードのテキストくらい把握しておく必要もあり、見本となるべきである。

 しかし、龍牙は相手を舐め過ぎてカード効果の確認を怠った。減点対象と言ってもいいだろう。

三沢「貴方は、イカサマに頼り過ぎるあまり、そのプレイングは稚拙すぎたんだ!」
龍牙「わ、私がイカサマをしていただと!どこにそんな証拠が」
三沢「ありますよ。貴方のその指輪。そして、貴方とデュエルした生徒達の大半が、その証拠だ」

 アレだけ三沢とのデュエルで指輪を気にしており、今までのデュエルで、”彼とのデュエルの時だけ魔法カードが発動しない”なんて事が立て続けに起きれば明らかにイカサマであると言っている様なものである。

龍牙「ふ、ふざけるな!私とデュエルした生徒が居るだけでイカサマ扱いな」
三沢「ならばどうして、貴方とのデュエルでだけ、魔法カードが発動しないなんてトラブルが起きたんですか?」
龍牙「そんな物、デュエルディスクの故障が」
三沢「偶然だと?48回中40回も、貴方とのデュエルの時だけ、偶然にも魔法カードだけ、発動しない。そんな物、確率的に考えてあり得ない!」

 それもそうだ。彼以外とデュエルして魔法が発動しないとなれば話が別だったかもしれない。罠だけが発動しないという事態が起きれば違ったかもしてない。

 龍牙とデュエルした時の龍牙以外のデュエルディスクだけ、魔法カードが認識されない。

 そんな偶然が、何度も頻繁に起きるなど、偶然で片付く話ではない。

三沢「本当に貴方がイカサマをしていないと言うのなら、貴方のその指輪を鑑定に出して貰いましょうか!」
龍牙「こ、これは大事な形見なんだ。軽々しく手放すなど」
剣一「へぇ・・・じゃぁ答えてくれるか?さっきから反応しっぱなしのこのジャミング感知器が示しているその指輪が誰の形見なのかを」

 ぬっ。と龍牙の背後から出てきた剣一がジャミング感知機を手に持ちながら邪悪な笑顔で見降ろしている。

龍牙「うわっ!?ど、どこから」
剣一「いや、メリオルに話しかけられるほんのちょっと前からずっとお前の背後に居たけど?序に、昨夜お前に宛がわれた部屋での独り言も、録音させてもらったぜ?」

『いやぁ〜本当に指輪様様だぜ。この指輪のお陰で俺は無敗。バカな糞餓鬼共からもレアカードを巻き上げられる。本当にウハウハだぜ』

 と、剣一の持つボイスレコーダーから龍牙の邪な本音が駄々漏れで再生されていた。

剣一「さぁ、答えてくれや龍牙教育実習生君?イカサマした挙句、生徒からレアカードを奪い取ったゲスな行動をとった畜生にも劣るデュエリストの風上にも置けないテメェの言い分をよぉ」

 ヤクザの若頭・雷堂組の剣一が、本気の殺気を龍牙に向けて解き放つ。
それだけで、龍牙は全身から冷や汗が流れ、脚もガクガクと震え、尻もちをつき、歯を小刻みにガチガチとならしている。

剣一「おい。さっさと答えろや屑。それともハジキで撃たれりゃ答えんのか?あ”あ”?!」

 仕舞には額に青筋がピキピキと浮かび上がり、その形相は鬼すらも裸足で逃げそうなほどに歪んでいた。

龍牙「ひ、ひいいいいいいいいいい・・・」

 ずりずりと這って逃げ出そうとする龍牙だが、恐怖に慄いてちっとも進んでいなかった。

鏡夜「はいそこまで。逃げようなんて思わないでよ?このデュエルアカデミアで、イカサマして、レアカードを子供から奪うなんて事をしておいて、おめおめと逃げ切れると思ってたの?」

 ニッコリと、綺麗な、しかし、見る者に・・・否、対峙した者だけには強烈な殺気が放たれた死の笑顔・・・微笑みの死神(死の宣告者)が立ちはだかっていた。

龍牙「あ、あわわわわわ・・・」
鏡夜「まぁでも、チャンスを与え無いってのも酷な話だよねぇ?最後のチャンス、乗ってみる?あ、拒否権何か無いけどね?拒否したらその時点で罰を与えるだけだし?別に難しい事じゃないよ?そこの生徒とデュエルして勝つだけでいいから?勿論するよね?しないとか言わないよね?まさかここまで来て逃げ出すなんてアカデミアの教師を目指してたくせに生徒から逃げ出すとかあり得ないから。ああでもイカサマしてる時点で教師になんかなれるわけないか?もういっそこのまま罰受けようか?うん。それが良いよね?どんな罰が良いかな?最初に言われたよね?イカサマしたら飛んでも無く恐ろしい罰が待っているってクロノス教諭から口を酸っぱくして言われてたんだから?ああ、でも、君は確かそのときそんな事はしないとかなんとかほざいてたっけ?でも48回も連続でイカサマしてていい気になって調子ぶっこいてたよねぇ?女子に対して厭らしい目で胸とか尻とか肩とか眺めてたんだって?君みたいな犯罪者予備軍はやっぱりチャンスを与える必要も無いよね?じゃぁやっぱりこのまま罰を与えて」
龍牙「や、やります。やらせて下さい!チャンスを下さい!私に最後の、やりなおしの機会をををを」

 早口でしかも息継ぎ無しでマシンガンの如く言葉の羅列を聞いていてどんどん青ざめ恐ろしくなった龍牙は鏡夜の語りを遮って土下座までしてチャンスを掴み取ろうとしていた。

鏡夜「うん。良いよ。どうせ君如きじゃ勝てないし。罰を受けるのが、ほんの数分伸びただけだしね?じゃぁ、お願いね?」
???「はい。分かりました!」

 そう言って、鏡夜に呼ばれたのは、ラー・イエローの制服を着た、”女子”だった。

アスナ「”神楽坂”明日菜です。宜しくお願いしますね?」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.96 )
日時: 2016/07/07 06:01:43
名前: 孝(たか)

『『デュエル!』』

アスナ「先攻は私。ドロー!私は、[森羅の水先リーフ]を召喚!」

リーフ ATK:1500

アスナ「リーフのモンスター効果発動。召喚に成功した時、デッキの上から2枚までめくる。私は、当然2枚めくるわ。そして、めくったカードが植物族モンスターの場合はそれらを全て墓地に送り、それ以外は好きな順番でデッキの一番下に置く。」

 めくられたカードは、森羅の葉心棒ブレイド・森羅の神芽スプラウトであった。

アスナ「先に言っておくわ。森羅モンスターは全て植物族モンスター。よってこの2枚は墓地に送られる。」
龍牙「ふ、ふん。自らデッキを削るとは・・・いや、待てまさか、ライトロードモンスターと同じ墓地活用デッキ!?」
アスナ「正解。そして、森羅の展開はこれからよ!ブレイドとスプラウトの効果!このカード達は、”めくられてから墓地へ送られた場合”に効果が発動する。ブレイドは自身を手札に加える効果。そして、スプラウトは、植物限定の[ワン・フォー・ワン]!更に、スプラウトの効果にチェーンして、手札の[森羅の賢樹シャーマン]の効果発動![森羅]モンスターが墓地に送られた時、このカードを手札から特殊召喚出来る!そして、スプラウトの効果で、デッキからレベル1の植物族・・・[コピー・プラント]を特殊召喚するわ!」手札5

シャーマン ATK:2600
コピー・プラントATK:0

龍牙「コピー・プラントは、チューナーモンスター!?」
アスナ「コピー・プラントの効果発動!1ターンに1度、自分以外のフィールドの植物族モンスターのレベルをエンドフェイズまでコピーする!リーフを選択して、コピー・プラントのレベルを3へ変更!」

コピー・プラント ☆1→☆3

アスナ「☆3の植物族リーフに、☆3となったコピー・プラントをチューニング!”イバラを冠する女王よ、今こそ庭園を開け!”シンクロ召喚!レベル6!今こそ華開け![ヘル・ブランブル]!」

☆3+☆3=☆6

ヘル・ブランブル ATK:2200

アスナ「更にここで、シャーマンの効果!1ターンに1度、デッキの一番上のカードをめくる!植物なら墓地へ、それ以外ならデッキの一番下へ!」

 シャーマンの効果で、再びデッキの上のカードがめくられる。

龍牙「そう何度も都合よく植物モンスターが出る訳が・・・」

 めくられたカードは・・・森羅の姫芽君スプラウト。

アスナ「[森羅の姫芽君スプラウト]の効果!自身のレベルを1〜8の任意のレベルに変更して自己蘇生!私は、レベル7を選択!」

姫スプラウト ATK:100 ☆1→☆7

龍牙「また植物だと!?」
アスナ「これで、私の場にはレベル7のモンスターが2体・・・」
龍牙「ま、まさか・・・」
アスナ「2体のレベル7モンスターでオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!”森羅のざわめきを鎮めし神よ、今降臨せよ!”エクシーズ召喚!ランク7!出でませ![森羅の鎮神オレイア]!」

オレイア ATK:2800

アスナ「まだまだ!オレイアのモンスター効果!手札かフィールドの植物族モンスターを墓地へ送って発動!捨てたモンスターのレベル分だけデッキの上からカードを確認し、順番を入れ替える!私は手札の[ギガプラント]を捨てて発動!ギガプラントのレベルは6!よって6枚確認!ふむふむ・・・ん〜オレイアの効果がこれだから・・・この順番ね!」手札4(1枚は森羅の葉心棒ブレイド)

 確認したカードを並べ替えると、デッキの上に戻す。

アスナ「これでターンエンド。」
龍牙「くっ・・・上級モンスターが3体・・・リーフ1体召喚しただけでどうしてこんなフィールドに・・・俺のターン!ドロー!」
アスナ「あ、因みに、ヘル・ブランブルが場に表側で存在する限り、お互いのプレイヤーは、植物族以外のモンスターを手札から召喚・特殊召喚する場合、”1体につき”1000ポイントのライフを払う必要があるわ。」
龍牙「ライフ1000コストだと!?」

 ただ表側で存在するだけで、植物以外のモンスターを手札から出すにはライフを1000も支払わねばならない永続効果を持つ。攻撃力もやや高めでこの効果は非常に厄介であろう。
 しかも、ここで注目する点は”1体につき1000のライフコストが必要”である事。これは、”同時に複数特殊召喚”した場合でも、”1体毎にライフを払わねばならない”その為、2体同時に特殊召喚した場合、ライフを2000払う必要があるのだ。

アスナ「序に、ヘル・ブランブルの効果は、召喚を宣言するタイミングで発動するわ」
龍牙「くっ・・・俺は、ライフを1000支払い、[召喚僧サモンプリースト]を召喚!守備表示になる。」LP4000→3000

サモプリ DEF:1600

龍牙「手札の魔法カードを1枚捨て、デッキからレベル4のモンスターを特殊召喚する。ヘル・ブランブルの効果は手札からのみ適用するため、ライフを払う必要は無い。来い![ホルスの黒炎竜LV4]!」

ホルスLv4 ATK:1600

龍牙「更に魔法カード[レベルアップ!]発動!自分の場の表側表示で存在する[LV]モンスターを墓地へ送り、そのカードに記されているモンスターを手札またはデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する!デッキから来い![ホルスの黒炎竜LV6]!」

ホルスLV6 ATK:2300

アスナ「あちゃ〜?ヘル・ブランブルはここまでか・・・。」
龍牙「ホルスでヘル・ブランブルを攻撃だ!」
アスナ「ま、100程度は必要経費って奴かしらね?」LP4000→3900

 ヘル・ブランブルの効果を1度でも適用されたから良いやと思い、ダメージも微々たるもので気にしていない様子だ。

龍牙「俺はカードを1枚伏せ、エンドフェイズにホルスの効果発動!このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したターンのエンドフェイズに、このカードを墓地に送り、LV8へと進化する!デッキから現れろ![ホルスの黒炎竜LV8]!」手札2

ホルス『ギュワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

ホルスLV8 ATK:3000

龍牙「改めて、ターンエンドだ。そして、ホルスLV8の効果は、このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、魔法カードの発動を無効にし破壊する事ができる!お前はもう魔法カードを発動できない!」
アスナ「そ。じゃ、私のターンドロー!」
龍牙「この瞬間!罠発動!永続罠[王宮のお触れ]!このカードが表側で存在する限り、このカード以外の罠カードの効果は全て無効になる!これで、お前はもうモンスターしか扱え「構わないわ」・・・は?」
アスナ「まさか、気付いてないの?やれやれね。やっぱり、イカサマに頼ってばかりだから、頭悪いのかしら?」

 心底、ダメだコイツ。と、隠そうともしない目で見つめる。

アスナ「普通、アレだけすれば気付くもんでしょ?私のデッキが、”フルモン植物”だって事が。勝てば無罪放免とはいかなくても、罰の軽減くらいはあるかもしれない。それでもその指輪を外さない時点で、またイカサマをするかもしれないって思うでしょ普通?それを警戒せずにデュエルする訳ないでしょ?加えて、そんなイカサマするんだから、お触れが入っている事くらい予想出来て当たり前。ならどうするか?フルモンで機能するデッキを作るだけよ。」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.97 )
日時: 2016/07/09 12:16:37
名前: カイナ

龍牙「だっ、だが、しかし、ホルスの黒炎竜の攻撃力は3000……魔法も罠も無しに早々越えられるはずが……」

明日菜「はいはい。私のターンドロー」

まるで自分に言い聞かせるようにそんな事を呟く龍牙を明日菜は冷たい目で見ながらしれっとターンを進めドローフェイズを行いカードをドローする。なおその冷たい目を見た観客――騒ぎを聞きつけてやってきた野次馬だ――がその冷たい目を見て「ありがとうございます!」だの「踏んでください!」だの言っていた事を追記しておこう。

明日菜「別に攻撃力を超える必要はないわ。私は森羅の鎮神オレイアの効果を発動、オーバーレイユニットを一つ使い、自分のデッキの上からカードを三枚までめくる。その中に植物族モンスターがあった場合、それらのモンスターを全て墓地へ送り、その数までこのカード以外のフィールド上のカードを選んで手札に戻す」

龍牙「……へ?」

明日菜のあっさりとした宣言に龍牙が呆けた声を漏らす。さっきのターンに彼女はオレイアの効果を使用してデッキトップから六枚のカードを並び替えていた。つまりこのターン、オレイアの効果を最大限に発揮できるようデッキトップから通常ドローで引かれたカードを除き五枚のカードが並び替えられているはずだ。
そもそも彼女はこのデッキを「フルモン植物」と言っていた。つまり、そもそも並び替える必要もなくオレイアの効果を最大限に発揮できる構築になっている。ということである。

明日菜「めくられたカードは[薔薇恋人]、[スポーア]、[ローンファイア・ブロッサム]。全て植物族モンスター、よって全て墓地に送る」

明日菜は冷徹な視線を向けながら――さっき騒いでいた観客がさらに熱狂を始める――三枚のカードを墓地に送り、そこで三沢は「そして、三枚までのカードバウンスの権利を得た」と、翔が「これで相手の場はがら空きっす!」と合いの手を入れる。

龍牙「や、やめ、ろぉ……やめて、くれぇ……」

龍牙が涙目になりながら懇願を始める。正に「龍牙よ、これが絶望だ」と言わんばかり。それに対し明日菜は養豚場の豚を見るような視線を向けながら、龍牙の場のカードを指差す。

明日菜「私がバウンスするのは王宮のお触れのみよ」

その言葉に観客から「えぇっ!?」と声が響き、龍牙の場の王宮のお触れが彼の手札へと戻る。

龍牙「ヒ、ヒヒッ! なんだか分からないが、プレイングを誤ったな!?」

明日菜「はぁ……」

切り札であるホルスの黒炎竜が残った事でいきなり得意満面になる龍牙だが、明日菜は頭に左手をやってやれやれと頭を振って見せる。はぁ、と気だるげなため息のおまけつきだ。

明日菜「本気で言ってるのなら、とことん哀れだわ……」

そう言った時、彼女の左腕のデュエルディスクから一枚のカードが吐き出された。

明日菜「私は墓地の[薔薇恋人]の効果を発動。墓地のこのカードを除外し、手札から植物族モンスターを特殊召喚する。さあ、おいでませ[森羅の仙樹 レギア]」
森羅の仙樹 レギア 攻撃力:2700

その言葉と共に、明日菜の場に森羅の住人を見守る仙樹が出現する。

明日菜「レギアの効果発動。一ターンに一度、自分のデッキの一番上のカードをめくる。めくったカードが植物族モンスターだった場合、そのモンスターを墓地へ送り、デッキからカードを一枚ドローする。違った場合はそのカードをデッキの一番下に戻す」

また明日菜はデッキからカードをめくり、言うまでもなく墓地に送るために墓地ゾーンへとカードを置く。

明日菜「めくったカードは[森羅の番人 オーク]。植物族モンスターのため墓地へ送り、デッキからカードを一枚ドロー。オークの効果発動。デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、自分の墓地からこのカード以外の植物族モンスター一体を選択してデッキの一番上に戻す事ができる。私は[森羅の神芽 スプラウト]をデッキトップに戻すわ。
さらに墓地の[スポーア]の効果を発動、このカードが墓地に存在する場合、このカード以外の自分の墓地の植物族モンスター一体ゲームから除外する事でこのカードを墓地から特殊召喚し、この効果を発動するために除外したモンスターのレベル分だけこのカードのレベルを上げる。私が除外するのはレベル7の[森羅の賢樹 シャーマン]。よって特殊召喚されたスポーアのレベルは7上がる」
スポーア 守備力:800 レベル1→8

龍牙「レ、レベル8のモンスターがこうも簡単に二体も……」

明日菜「私はレベル8のレギアとスポーアでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚! 森羅の住人を守るため力を蓄えし精霊よ、今こそその力を解放する時! 出でよランク8、[森羅の守神 アルセイ]!!!」
森羅の守神 アルセイ 守備力:3200

明日菜はカードコンボを駆使し、森羅の最大級モンスターをいとも簡単に召喚した。

明日菜「アルセイの効果発動。一ターンに一度、カード名を一つ宣言。自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合、手札に加える。違った場合、めくったカードを墓地へ送る」

龍牙「デッキトップは既に分かり切っている……こんなの、こんなのインチキではないか!?」

明日菜は本来ギャンブルであるデッキトップのカード名宣言をコンボを駆使し、イカサマが入る余地もない確定的な成功の未来を導くドロー加速コンボに昇華。龍牙がインチキだと騒ぐが明日菜は気にも留めず、その唇からカード名を宣言する。

明日菜「私が宣言するのはそうね……[森羅の仙樹 レギア]にしましょうか」

龍牙「なに!?」

明日菜は明らかに違うカード名を宣言。デッキトップのカードをめくり、そのカード[森羅の神芽 スプラウト]を見せながらあちゃあという顔を見せた。

明日菜「残念。デッキトップのカードは[森羅の神芽 スプラウト]。違ったため、めくったこのカードは墓地へ送られる」

龍牙「な、お、お前! 俺を馬鹿にしているのか!?」

どこか煽るような彼女の挙動に龍牙は額に青筋を立てながら怒鳴り声を上げる。

明日菜「馬鹿にする? いえいえ、地獄はここからよ? アルセイのさらなる効果発動。カードの効果によって自分のデッキからカードが墓地へ送られた場合、オーバーレイユニットを一つ使い、フィールド上のカード一枚を選択して持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。私はデッキトップにホルスの黒炎竜LV8を戻してもらうわ」
森羅の守神 アルセイ オーバーレイユニット数:2→1

龍牙「な、に?……」

アルセイの力により、ホルスの黒炎竜は龍牙のデッキトップへと吹き飛ばされる。

翔「これってまさか、ドローロック!?」
三沢「ホルスの黒炎竜はLV6のレベルアップ以外、通常の方法での召喚・特殊召喚が出来ない。つまり、次のターンのドローカードは単体では使う事が出来ないも同然……恐ろしいコンボだ」

明日菜「さらにさっき墓地に送られたスプラウトの効果で[グローアップ・バルブ]を特殊召喚。ここで一つ。私はまだ通常召喚を行ってない」

龍牙「な、なんだと、そんなにモンスターを呼び出しておいてそんな、馬鹿な……な、なにぃ!?」

三沢「言われてみれば、今までの展開は全て特殊召喚。通常召喚の権利はまだ神楽坂に存在する!」

明日菜の言葉に龍牙は驚きつつこのターンの彼女の展開を思い出し、顔を青くして声を上げると三沢も同意。

明日菜「私は[森羅の葉心棒 ブレイド]を召喚し、レベル4の地属性ブレイドにレベル1の地属性グローアップ・バルブをチューニング! シンクロ召喚! 出でよレベル5、[ナチュル・ビースト]!!」
ナチュル・ビースト 攻撃力:2200

龍牙「ナチュル……ビースト……」

明日菜の呼び出したシンクロモンスターに龍牙の顔が真っ青に染まり上がる。

明日菜「あら、不勉強なイカサマ野郎もこのカードは知ってるようね。ナチュル・ビーストが存在する限り、私はあなたの魔法カードの発動と効果をデッキトップ二枚をコストに無効にして破壊出来る。あ、森羅モンスターは“デッキから効果でめくられて墓地へ送られる”事が効果発動条件だから安心してね♪」

明日菜はそう言ってわざとらしく微笑みを見せる。だが結局彼にとっては絶望しかなかった。

明日菜「さあ、持つかしら? バトルフェイズ、私はナチュル・ビーストでプレイヤーにダイレクトアタック!!」

龍牙「ひっ、て、手札の[バトルフェーダー]の効果発動! ダイレクトアタックの宣言時にこのカードを特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる!!」

明日菜「あら残念。私はこれでターンエンドよ」手札四枚
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.98 )
日時: 2016/07/09 12:17:24
名前: カイナ

龍牙「わっ、私の、ターン……ドロー……」

明日菜のターンエンド宣言を聞いた龍牙は震えた声でカードをドローするが、それは特殊召喚モンスターである[ホルスの黒炎竜LV8]。手札は三枚、しかし内二枚は既に種が割れてしまっている。実質一枚のカードだけで戦えという事と同義だった。

龍牙「私は……モンスターをセットし、カードを一枚セットしてターンエンド……」手札一枚(ホルスの黒炎竜LV8)

明日菜「私のターン、ドロー。オレイアの効果で手札のレベル6植物族モンスター[森羅の番人 オーク]を捨ててデッキトップから六枚のカードを確認し、並べ替える。アルセイの効果発動、カード名を一つ宣言。自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合、手札に加える。違った場合、めくったカードを墓地へ送る。私が宣言するのは[バトルフェーダー]……残念、カードは[森羅の水先 リーフ]。よって墓地へ送り、アルセイのさらなる効果発動。カードの効果によって自分のデッキからカードが墓地へ送られた場合、オーバーレイユニットを一つ使い、フィールド上のカード一枚を選択して持ち主のデッキの一番上または一番下に戻す。伏せカード、王宮のお触れをデッキトップに戻してもらう。
さらに墓地へ送られたリーフの効果発動、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、フィールド上のモンスター1体を選択して破壊できる。伏せモンスターを破壊」
森羅の守神 アルセイ オーバーレイユニット数:1→0

龍牙「ぐぎぃっ!?」

再びドローロック&未知のモンスターを効果によって安全に破壊。もはや嬲り殺し状態だった。

明日菜「オレイアの効果発動、オーバーレイユニットを一つ使い、自分のデッキの上からカードを三枚までめくる。その中に植物族モンスターがあった場合、それらのモンスターを全て墓地へ送り、その数までこのカード以外のフィールド上のカードを選んで手札に戻す……めくったカードは[にん人]、[森羅の実張り ピース]、[アマリリース]。全て植物族モンスターのため墓地へ送り、三枚までのカードバウンスの権利を得る。バトルフェーダーを手札に戻してもらう、ただし自身の効果によって特殊召喚されたバトルフェーダーはフィールドを離れる時、除外される。
さらに墓地へ送られたピースの効果発動、デッキのこのカードがカードの効果によってめくられて墓地へ送られた場合、自分の墓地からレベル4以下の植物族モンスター一体を選択して特殊召喚できる。私はレベル3の[ローンファイア・ブロッサム]を特殊召喚し、ブロッサムをリリースしてデッキから[ギガプラント]を召喚。さらにギガプラントを再度召喚してデュアル効果発動、墓地から植物族モンスター[森羅の仙樹 レギア]を特殊召喚」
ギガプラント 攻撃力:2400
森羅の仙樹 レギア 攻撃力:2700

唯一残っていたバトルフェーダーも異次元へと消え去る。これで龍牙の手札・フィールドのカードはホルスの黒炎竜LV8のみ。それに対して明日菜の場のモンスターカードゾーンは全て埋まっている。完全に詰んだ状態だ。

明日菜「バトルよ。全てのモンスターで一斉攻撃」

龍牙「ひ、ひぎゃああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP4000→0

そして明日菜の場のモンスターの一斉攻撃により、龍牙のライフは一瞬で0を下回り、彼を再び敗北が迎え入れるのであった。
――――――――――――――――――――
というわけで仕留めさせました。
龍牙編ラスト、孝さんお願いしますね。鏡夜を使った絶望は創造主である孝さんが一番書き慣れてるでしょうし。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.99 )
日時: 2016/07/10 06:36:13
名前: 孝(たか)

 パチパチパチパチ・・・一人分の軽い拍手が鳴る。

鏡夜「お見事。流石だね?ついさっき渡したばかりの、初めて使うデッキを使いこなすなんて。やっぱり君にはマルチデッカーの素養があるみたいだね?」
明日菜「いえいえ。確かにデッキを確認した時は驚きましたけど、効果をきちんと確認すれば回し方が容易に理解できましたから。」

 なんと、使用していたデッキは、鏡夜から渡された借り物の、しかも初めて使う類のデッキだったと言う。

龍牙「な、なん、だと!?う、嘘だ!初めて使うデッキで、あ、あんな事が出来る訳が」
鏡夜「出来るんだよ。このアカデミアの生徒で、デッキを確認するだけでその特性を理解でき、手足の様に扱う事が出来る生徒が、たった一人だけ・・・ね?」

 そこで、この会場に居た者達がふと気付く。つい最近、”デュエルキングのデッキ”を自在に操って見せたアカデミアの生徒を・・・。

龍牙「そ、そんな生徒が居るわk」
鏡夜「アカデミアの教師を目指す癖に、生徒の顔と名前も一致できないの?君、何の為に教師なんか目指してるのさ。このアカデミアに、”神楽坂明日菜”なんて名前の、女子は存在しないよ。たかだか300人ちょっとしか居ない生徒の顔と名前くらい覚えれないで教師が務まるとか思ってるの?だとしたら教師嘗め過ぎだよ。」

 神楽坂明日菜という女子は居ない。その時点で、龍牙以外の全員が、このラー・イエローの制服を着た女子?の正体に気付いた。

鏡夜「と、言うわけで。種明かし!」
神楽坂「・・・・・・じゃんじゃじゃ〜〜〜ん!今明かされる衝撃の真実ぅ!!神楽坂明日菜ぁ?誰それ?俺、神楽坂才人!俺のモノマネは、今や性別すらも誤魔化す!」

 いつぞやのベアトリクス並みの顔芸を披露しながら鬘をとり、首に巻いていたリボン・・・変声機(鏡夜作)を取り外して、その正体を顕わにした神楽坂明日菜改め、神楽坂才人。

神楽坂「いやぁ、良かれと思って!龍牙教育実習生がどの程度の記憶力と要領の良さを確認させるためにわざわざ女装して見ました!」
鏡夜「中々面白い”見世物”だったよ?素人のピエロ並みに滑稽で。」

 2人して龍牙に笑顔で傷口を抉る行為を意図も容易く行う。神楽坂も、だんだん鏡夜に毒されている様だ。

 因みに、会場の生徒で、神楽坂の変装を見破れず、明日菜の時に見せられた冷たい表情などで興奮していたバカな生徒達は、「そんな、バカな・・・」「女装だったなんて・・・」「これが、絶望なのか・・・」と、見事に泣き崩れていた。

鏡夜「さて、それじゃぁ予定通り、君に相応の罰を与えないとね?イカサマ、恐喝、視姦、窃盗。教師にあるまじき犯罪者には、生きることの素晴らしさと、”残酷さ”を知って貰おうか?クスクス」

 ニタァっと三日月の様に開いた口が、妖しく恐ろしい・・・。

龍牙「あ、ああああ・・・うわああああああああああああああああああ!!!!!」

 脱兎の如く逃げ出そうと恥も外見も投げ捨てて走り出す龍牙。だが、このアカデミアで敗走など、愚の骨頂でしかないのだ。

タニヤ「バース!!」
鏡夜「トリス!!」
剣一「ムックル!!」

 3人がとある者たちの名を叫ぶ。3つある入場口に待機していた3体の動物達が一斉に突撃してくる。

タニヤの愛虎:バース

鏡夜の愛鳥:トリス

アンヴィレント家の愛虎:ムックル

 野生動物の中でも肉食でライオンと並び称されるタイガーとホワイトタイガー。

 世にも珍しい鷹や鷲よりも大きな純白の鳥。

一般男性よりも大きな動物3体に囲まれて、平常心を保てる者など、居る訳が無い。

龍牙「ひ、ひいいいいいいいいいいいい!!?ト、トトト虎あああああああ!?!!?」
剣一「あん?お前、説明聞いてなかったのか?森の野生動物達が近づかない様に、森の主を務めるホワイトタイガーと巨鳥が居るって説明受けた筈だろうが。」
タニヤ「私のバースが追加されたのは最近だがな。」

『『グルルルルルルルルル・・・ヴォフ』』
「キュイイイイイイイ・・・」

 まるで、龍牙を餌か玩具か何かの様に眺める3体であった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.100 )
日時: 2016/07/10 19:13:10
名前: カイナ

巨大な虎二匹&鳥一羽に囲まれた龍牙は完全に恐怖に囚われてしまい、まるで足がそこに縛られたかのように動かなくなる。そこにわざとらしくカツーン、カツーンと大きな足音を立てながらゆっくり、ゆっくりと、鏡夜が歩き寄る。その口元は女性全てが魅了されそうな柔らかい笑顔を浮かべているが、目は全くもって笑っておらず、女性どころか生物全てが本能的な恐怖を覚える殺気を見せていた。

龍牙「ま、ままま待ってください! ごめんなさいもうしません! 奪い取ったカードは全てお返しします! もうイカサマもいたしませんのでどうか、どうかご容赦を!!」

恥も外聞もかなぐり捨て、涙や鼻水を流しながらガン泣き状態で土下座する龍牙。それを鏡夜は殺気塗れる冷たい目で見下していた。

鏡夜「そういう事を言う人をさ、僕達数え切れないほど見てきたんだよね……けど、それを言って本当に改心した人なんて……僕は片手で足りる程も見てこなかったよ」

要するに、「ここまでやらかした奴の口での謝罪なんて信用できるかバカヤロウ」ということである。

鏡夜「ムックル、お願いね」

ムックル「ヴォフ」

龍牙「い、いやだ、いやだああああぁぁぁぁぁっ!!!」

鏡夜の言葉と共にムックルは龍牙の着ているコートをかぷりと噛み、龍牙をずりずりと引きずって、デュエル場を出ていこうとする鏡夜の後をついていく。その後をのっしのっしとバースが、ばったばったとトリスが続いて行進のように進んでいく。両方が龍牙に意識を向け、「万一逃げようとしてみろ、どうなっても知らんぞ」的な殺気を向けていた。

翔「なんか、ほんのちょっと可哀想に思えたっす……同情する気は全くないけど」
三沢「彼には同情の余地もないが……相手が鏡夜先生だからな……無理もない」

翔は相手を見捨てきれない優しさからそう呟き、三沢も処罰を与える相手が相手だからか翔に同意。二人は形だけでも合掌を行ったのであった。

その事件から数日が経つ。なお龍牙に関しては表向きは「一身上の都合により島を出ていった」で話が済んでいる。

ももえ「アルフ様、私特性のおかゆですわ。はい、あーん」

保健室、ももえがはあはあと荒い息をしながらアルフにおかゆを差し出す。

エルフィ「貸して。風華ちゃんあーん」

ももえ「あっ」
風華「ふえ? はぐっ!?」

だがその横のエルフィがももえからおかゆを乗せたスプーンを奪い取り、隣のベッドでつい先日意識の戻った風華の口におかゆをぶち込む。

風華「か、かりゃだが、しびりぇる……」

エルフィ「何を混ぜたのかゆっくりお聞きしましょうか」
ももえ「ご、ごめんなさいですわー!」

その瞬間風華の身体がびくんびくんと痙攣を始め、エルフィはももえを引きずりながら保健室を出ていき、ももえが涙ながらに謝罪の言葉を出す。


ヴィヴィオ「うーん、万丈目君も明日香さんもどこ行っちゃったんだろう……」
三沢「ああ。二人が授業をサボるとは信じがたい……」
焔「そもそも寮にいなかったんだろ?……」

一方デュエルアカデミアの森の中。三沢とヴィヴィオと焔という異色のトリオがここを歩いていた。
数日前。龍牙の事件解決の翌日から大徳寺先生が失踪、さらには万丈目と明日香までも昨日から行方が分からなくなっており、もしかしたら最後のセブンスターズが襲撃してきたのかもしれないと警戒態勢に入っていたのだ。そして三沢とヴィヴィオと焔は三人組で捜索を行っているわけである。
なおこの三沢とヴィヴィオとチームを組みたがりそうな二人、タニヤに関してはこの森とはまた別の地点の森の管理業務のため泣く泣く同行できず、十代に関しては補修をくらってまだ学校に残っている。

焔「ん?……なんだありゃ」

と、焔が何かに気づき、突然走り出す。三沢とヴィヴィオも不思議そうな顔をしてその後を追い、先に足を止めて何かを拾うようにかがみこんでいた焔が振り向く。

焔「カードが落ちてたぜ」

三沢「見せてくれ……む、これは!?」

焔が見せてきたカードを三沢は確認。

三沢「これは[光と闇の竜]と[おジャマ・イエロー]!? 万丈目のカードではないか!?」
ヴィヴィオ「こっちは[ブリザード・プリンセス]に[サイバー・ブレイダー]! 明日香のカードだよ!」

個々のシナジーが全く存在しない四枚のカード。しかしそれぞれ二枚ずつ使用している心当たりがあるカードに三沢とヴィヴィオが反応した。

???「フフフ……」

三沢・ヴィヴィオ・焔「「「!」」」

と、突然周辺の雰囲気が変わり、さらに気味の悪い笑い声に三人が反応。そこには灰色のローブを被り、顔に真っ黒な仮面を被ってさらにその上から包帯で顔をぐるぐる巻きにした長身の人間が立っていた。

焔「お前、セブンスターズか!?」

三沢「ヴィヴィオ君! 君は学校に戻って先生に知らせるんだ!」

ヴィヴィオ「わ、分かった!」

いち早く戦闘体勢を取る焔。一歩遅れて三沢が構えつつヴィヴィオに指示を飛ばし、ヴィヴィオも頷くと氷牙達を呼ぶためその場を離れようとする。

???「させん!」

だがその前に男がデュエルディスクを構えてボタンを押す。と、デュエルディスクから光の鎖が射出され、焔、三沢、そしてヴィヴィオのデュエルディスクと連結。三人の動きを封じた。

焔「な、なんだこりゃ!?」
三沢「と、取れん!?」
ヴィヴィオ「どうなってるの!?」

???「そのデュエルアンカーは私とデュエルしない限り外すことはできない……ここから生きて帰りたくば、私との闇のデュエルに勝つしかない……面倒だ。三人一緒にかかってきたまえ」

焔「なんだと!? 上等じゃねえか!」
ヴィヴィオ「挑発のつもり? そんなの通じないよ!」
三沢「その言葉、後悔しても知らんぞ?」

男の言葉に焔が声を荒げるとヴィヴィオが冷静に続き、最後に三沢がそう言って三人同時にデュエルディスクを構える。

―― Battle Royal Mode Stand By ――

三沢・ヴィヴィオ・焔・???「「「「デュエル!!!」」」

そして四人の言葉が重なり合った。

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |