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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕
日時: 2014/05/28 23:29:47
名前: 孝(たか)

シンクロ解禁。
エクシーズ解禁。

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール。

D・HERO系

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを受け取るのはありです。

以前まではモンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードでしたが、前幕よりエクシーズが解禁し能力覚醒により本来のエクシーズモンスターカードに進化しました。

そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"も可能です。
展開の都合上、”一部アニメ効果”のカードも使用しています。


遂にY幕か・・・・・・セブンスターズまだ半分も残ってるorz

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.1 )
日時: 2014/06/19 22:14:03
名前: 孝(たか)

 学園祭から明けて翌日。

 なのは達もはやてを連れて自分達のアカデミアへと帰還し、十代達も学園祭の片づけを終え、本日は振り替え休日。

 そんな朝・・・

ライ「いけぇ![アルカナナイトジョーカー]で、[豊穣のアルテミス]に攻撃!”ロイヤル・ストレート・スラッシュ”!」
氷牙「甘い!カウンター罠[攻撃の無力化]!よって攻撃は無効!バトルフェイズも終了!更にアルテミスの効果で1枚ドロー!
そして、カウンター罠が発動された事で、俺の場のモンスター全てをリリースし、[裁きを下す者‐ボルテニス]特殊召喚!
俺がリリースしたモンスターは全て天使族。その数3体!よって、ライのフィールドのカードを3枚まで破壊可能!俺はアルカナと伏せ二枚を破壊だ!」

 攻撃力が4000近いアルカナを3000近い程度のボルテニスの裁きによってリバース毎破壊する氷牙。

 しかも、どうやらボルテニスは先程のアルテミスの効果でドローした際に手札に加わっていたようだ。
更に言うならば、氷牙のフィールドにあった伏せカードは今発動した攻撃の無力化のみ。

 せめて、ライの手札に除去カードがあればライは氷牙に勝利していただろう。

ライ「あ〜また俺のアルカナがやられた!?」
氷牙「例え相手のリバースが1枚だからとて迂闊に突っ込むのも考えモノだぞ?つーわけで俺のターンドロー。ふむ・・・死者蘇生を発動。
[智天使ハーヴェスト]を召喚。ふむ・・・召喚反応型ではないか・・・なら、大嵐で。」
ライ「あちゃぁ・・・ミラーフォースが・・・」
氷牙「ミラーフォースは仕事しないのが世の常だ。」

 酷い言われようであるが、事実アカデミアでのミラーフォースの発動成立確率は相当に低かったりする。

氷牙「と、言う訳で二体の攻撃で止めだ。」
ライ「うああああああああ」LP3000→0

 昨日も散々外部からの客とデュエルしていたのにまだデュエル出来るとは恐るべき体力である。

氷牙「ふぅ〜む・・・これだけアルカナが出せるならいっそ三銃士のサポートや新カードでも頼んで見るかねぇ・・・切り札の・・・」
ライ「何故か分かりませんが苦情が来る気がするんで止めといた方がいい気がします!全力で!」

 何か氷牙が不穏な事を仕出かしそうなので何故かわからないがライは全力で止めなければならない気がしたとか・・・。

 時間が過ぎてお昼過ぎ・・・レッド寮地下広場。

鏡夜「さてと・・・それじゃあそろそろ教えてもらえないかな?ベアトリクスが使用したエクシーズモンスターをランクアップさせたっていう[RUM]の事を・・・」

 どこかの新世紀な髭のポーズを決める鏡夜に、冷や汗を流すカイ。
何故だかそこはかとない威圧感が感じられるのだ・・・。

カイ「・・・[RUM]。それは、文字通りエクシーズモンスターをランクアップさせる魔法カードの事です。と、言っても全てのエクシーズモンスターに対応している訳じゃないんですけどね。」

 そう言って、カイは自身の持っている[RUM]を複数テーブルに並べていく。

バリアンズ・フォース リミテッド・バリアンズ・フォース アージェント・カオス・フォース レディアント・フォース リミテッド・レディアント・フォース。

カイ「俺とカノンノが持っているのはこの5種類で全部です。」
レオ「それはつまり、これ以外にも存在してる可能性もあるのか?」

 レオが2人が持っている”のは”の部分に引っ掛かりを覚え、質問する。

カイ「あのデュエルを見ていた人達なら分かると思いますけど、これ以外にも、ベアトリクスが使っていたブラッド・フォースもRUMですね。アレはあの後ベアトリクスと共に消滅していましたが・・・」

 ベアトリクスの名を出すと皆一様に表情を暗くする。
アレは思い出すだけでもおぞましい相手であったのだから仕方がないが・・・。

鏡夜「一応聞くけど・・・これって、僕達も使えるものなの?」
カノンノ「RUMは普通の人間が扱うには少し力が強いカードなんです。私やカイの様に、精霊の力を持っていたり、強靭な精神力があれば使うのは難しくないと思います。」

 鏡夜の質問に言葉を選んでいる様な仕草で説明するカノンノ。
ナンバーズですら使い手を選ぶのだ。それをランクアップさせるカードとなれば強い力を持っていても、何ら不思議はない。

カノンノ「ですから、氷牙先生やアルフ君の様なシグナーの力を持っていたり、十代君や万丈目君の様に精霊と強い絆を持っているなら、大丈夫だと思います。」

 一応、何人かは扱いに関しては問題はない様だ。そこへ、カイが二つのRUMを指差す。

カイ「シグナーではなくとも、多少なりともナンバーズを扱えるなら、問題無いのは確かです。でも、エクシーズは使うが、ナンバーズを扱えないなら、使用出来るRUMはこの2種類だと思います。」

 カイが差した2枚のRUM・・・バリアンズ・フォースと、レディアント・フォース。

カイ「ただし、結構負担があるので乱用は避けた方がいいですね。」
美海「この、CXと言うのは・・・何?」

 美海はRUMに記載されているCXの文字が気になった。

カノンノ「CX・・・カオスエクシーズだね。主に、ナンバーズ以外のエクシーズモンスターをカオス化させた意味があるの。そして、CXは、ナンバーズのナンバーズ以外では戦闘破壊できない効果を無視できる。
言うなれば、ナンバーズに対抗するためのワクチンみたいなものかな?」

 つまり、ナンバーズ以外をもランクアップ出来るという事なのだろう。

カイ「因みに、これは余談ですが・・・一番古い歴史があるのはこのバリアンズ・フォースと、レディアント・フォースです。二つとも、精霊界に古くから存在していた世界で・・・その昔、誇り高き戦士達、バリアン七皇が治めていたところと、俺達レディアントの開祖達が治めていたところにあったものです。」

 バリアンとレディアント。精霊界に存在していた二つの世界の遺産と言ったところだろうか?

カノンノ「と言っても・・・バリアン世界は別の地域にあったアストラル世界との戦争で両者共倒れになったという歴史がありますけどね・・・」

 戦争・・・精霊界でもその様な出来事はそれなりにあるのだとか。
どの様な世界であっても、負の連鎖は起こるという事なのだろう・・・。

カイ「では、実践形式で使い方の説明をしましょうか?」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.2 )
日時: 2014/06/29 16:04:30
名前: カイナ

カイ「それじゃ、いくぞカノンノ」
カノンノ「うん、いくよ!」

そう言い合った瞬間、隣同士にいたはずの二人は一瞬でデュエリスト同士の距離を取っていた。

カイ・カノンノ「「デュエル!!!」」

そして二人の声が重なり合う。

カイ「俺の先攻、ドロー! 俺はモンスターをセット。カードを一枚セットしてターンエンドだ」手札四枚
カノンノ「いつもの手だね。私のターン、ドロー。私は魔法カード[ソーラー・エクスチェンジ]を発動! 手札の[ライトロード・プリースト ジェニス]を墓地に送り、デッキからカードを二枚ドローし、その後デッキから二枚カードを墓地に送る」

カイは堅実な守備の手を打ったのに対しカノンノは手札交換と墓地肥しを行う。と、にやりと笑った。

カノンノ「[ライトロード・ビースト ウォルフ]がデッキから墓地に送られた時、そのウォルフを特殊召喚! さらに[ライトロード・パラディン ジェイン]を召喚!」
ライトロード・ビースト ウォルフ 攻撃力:2100
ライトロード・パラディン ジェイン 攻撃力:1800

一気に彼女の場にライトロードの戦士が二体並ぶ。

カノンノ「バトル行くよ! ジェインで守備モンスターを攻撃し、ダメージステップにジェインの効果発動! このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップの間、このカードの攻撃力は300ポイントアップする!!」
ライトロード・パラディン ジェイン 攻撃力:1800→2100

カノンノが指示をするとともに光の騎士がカイの場のセットモンスターに突進、守備モンスターの姿が露わになり、その緑色の鳥が光の騎士の剣に斬り裂かれる。

カイ「[ガスタ・ガルド]の効果発動! このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、デッキからレベル2以下のガスタの民を一体特殊召喚できる! 来い、[ガスタの巫女 ウィンダ]!!」
ガスタの巫女 ウィンダ 守備力:400
カノンノ「まだまだいくよ! ウォルフでウィンダちゃんを攻撃!!」

カイはガスタの民である鳥の力によりウィンダを呼び出し、しかしカノンノはウォルフに追撃を命令。ウォルフの爪がウィンダの構えていた杖を破壊し、さらなる一撃がウィンダを薙ぎ払う。

カイ「引け、ウィンダ! ウィンダの効果発動! このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからチューナーであるガスタの民を一体特殊召喚できる! 再び来い、[ガスタ・ガルド]!!」
ガスタ・ガルド 守備力:500
カノンノ「エンドフェイズにジェインの効果によりデッキの上から二枚のカードを墓地に送る。ターンエンドだよ」手札五枚

カイはやられそうになったウィンダに退却を命じウィンダは墓地へと逃げ、その合間にウィンダが指笛を吹くと現れたガルドがカイの場に現れる。それを見たカノンノもリバースカードを伏せてターンエンドを宣言した。

カイ「俺のターン、ドロー! 俺は[沈黙のサイコウィザード]を召喚し、効果発動! このカードが召喚に成功した時、自分の墓地に存在するサイキック族モンスター1体を選択してゲームから除外する事ができる。俺はウィンダを除外! レベル4のサイコウィザードにレベル3のガルドをチューニング! シンクロ召喚!! 我らを癒す異能の光、[サイコ・ヘルストランサー]!! サイコウィザードのさらなる効果発動! このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、このカードの効果で除外したモンスターを特殊召喚する! 戻れ、ウィンダ! さらにヘルストランサーの効果発動! 墓地のサイキック族、サイコウィザードをゲームから除外する事でライフを1200ポイント回復する!」LP4000→5200
サイコ・ヘルストランサー 攻撃力:2400
ガスタの巫女 ウィンダ 守備力:400

カイは瞬く間に二人のサイキックの女性モンスターを呼び出し、ついでにライフも回復する。

カイ「さらに永続魔法[ホログラム・プロジェクション]! このカードは発動後俺の場のモンスター一体の効果以外全てのステータスを写し取り、モンスターとなって特殊召喚される! ただし特殊召喚したこのカードは攻撃できず、攻撃対象及びカードの効果の対象になった時に破壊される。俺が写し取るのはサイコ・ヘルストランサー!」
ホログラム・プロジェクション(サイコ・ヘルストランサー) 攻撃力:2400 レベル:7

カイが発動した魔法カードからサイコ・ヘルストランサーの映像が映し出され、魔法カードもモンスターゾーンへと移動。

十代「レベル7のモンスターが二体!」
カイ「俺はレベル7のサイコ・ヘルストランサーとホログラム・プロジェクションをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 現れろ、No.74! 不思議な剣と魔術の使い手たる異能の存在、[マジカル・クラウン−ミッシング・ソード]!!!」
No.74 マジカル・クラウン−ミッシング・ソード 攻撃力:2700

十代が叫び、カイが声を轟かせて新たなナンバーズを呼び出す。それは74と刻まれたターバンを頭に巻き、無数のナイフを携えた男性。どこかアラビアンナイトの盗賊を思わせる姿だ。

カイ「バトルだ! ミッシング・ソードでジェインを攻撃!! ミッシング・スラッシュ!!」
カノンノ「うぐ……」LP4000→3100

ミッシング・ソードの斬撃がジェインを討ち、カノンノにも僅かにダメージが通る。

カイ「ターンエンドだ」手札三枚
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.3 )
日時: 2014/06/29 16:07:00
名前: カイナ

カノンノ「私のターン、ドロー!」

カイは冷静にターンエンドを宣言し、カノンノは勢いよくカードをドロー。ドローカードを見るとにやりと笑った。

カノンノ「いくよ、カイ! 私は[ライトロード・ウォリアー ガロス]を攻撃表示で召喚して、レベル4のウォルフとガロスでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 羽ばたけ、ランク4、[フェアリー・チア・ガール]!!」
フェアリー・チア・ガール 攻撃力:1900

カノンノの場のライトロードが光となり、彼女の場にチアガールの格好をした妖精が現れる。その周囲で先ほど光となった二体のライトロードが球体状の光でくるくる旋回している。なお本作に置いてフェアリー・チア・ガールはアニメ版のエクシーズ素材指定なしとして扱います。ご了承ください。

カノンノ「フェアリー・チア・ガールの効果発動! 一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使う事でデッキからカードを一枚ドロー!!」
フェアリー・チア・ガール オーバーレイユニット数:2→1

カノンノはカードを一枚ドローした後、ドローフェイズでドローしたカードをデュエルディスクに差し込む。

カノンノ「いくよ! 魔法カード[RUM−バリアンズ・フォース]を発動! ランク4のフェアリー・チア・ガールをランクアップし、カオス化する! カオス・エクシーズ・チェンジ!!」

カノンノがそういうと同時、フェアリー・チア・ガールが紫色と黒がところどころ混じったような色の光となり、天空へと上がったかと思うと宙を巻く黒い渦巻に呑み込まれ、そこから光が爆発する。

カノンノ「出でよ、ランク5!! [CX ダーク・フェアリー・チア・ガール]!!!」
CX ダーク・フェアリー・チア・ガール 攻撃力:2500

そしてその光の中から黒いドレスのような衣服に身を包み、闇のようなオーラに身を包んだチアガールが姿を現した。先程まで球体状だったオーバーレイユニットも十字の結晶型になっている。

カノンノ「さらにバリアンズ・フォースの効果! 相手フィールド上にオーバーレイユニットが存在する場合、相手フィールド上のオーバーレイユニット一つを、この効果で特殊召喚したエクシーズモンスターの下に重ねてオーバーレイユニットとする!! ミッシング・ソードのオーバーレイユニットを貰うよ! これでダーク・フェアリー・チア・ガールのオーバーレイユニット、いいえ、カオスオーバーレイユニットは二つ!」
CX ダーク・フェアリー・チア・ガール カオスオーバーレイユニット数:1→2
カイ「げ……」
No.74 マジカル・クラウン−ミッシング・ソード オーバーレイユニット数:2→1

ミッシング・ソードのオーバーレイユニットがダーク・フェアリー・チア・ガールの方に吸い込まれるように向かっていき、彼女のカオスオーバーレイユニットとなる。

カノンノ「まだ終わらないよ! 装備魔法[エクシーズ・ユニット]をダーク・フェアリー・チア・ガールに装備! 装備モンスターの攻撃力をランク×200ポイントアップする。ダーク・フェアリー・チア・ガールのランクは5!」
CX ダーク・フェアリー・チア・ガール 攻撃力:2500→3500

一気に攻撃力が跳ね上がった。

カノンノ「バトル、いっくよー! ダーク・フェアリー・チア・ガールでミッシング・ソードを攻撃!!」
カイ「ぐうぅぅっ!」LP5200→4400
00

ダーク・フェアリー・チア・ガールの放った闇の弾丸がミッシング・ソードを撃ち砕く。

カノンノ「さらにダーク・フェアリー・チア・ガールの効果発動! このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した時、このカードのカオスオーバーレイユニットを一つ使い、自分の手札の数×400ポイントダメージを相手ライフに与える! 私の手札は四枚! よって1600ポイントのダメージを与える!!」
CX ダーク・フェアリー・チア・ガール カオスオーバーレイユニット数:2→1
カイ「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP4400→2800

鏡夜「へ〜。CXは本当にNo.を打ち倒せるんだね……」
氷牙「しかもなんて強力な効果を持つんだ……」

カノンノは一気にカイに大ダメージを与え、鏡夜はNo.でしか倒せないはずのNo.を倒してしまう事に、氷牙は強力なバーン効果に驚く。

カノンノ「リバースカードを一枚セットしてターンエンド!」手札三枚

そしてカノンノはカードを一枚伏せるとターンを終えた。


簡易状況説明
カイ
LP:2800
手札:三枚
モンスター:ガスタの巫女ウィンダ守備表示
魔法・罠:一枚

カノンノ
LP:3100
手札:三枚
モンスター:ダーク・フェアリー・チア・ガール攻撃表示
魔法・罠:エクシーズ・ユニット発動中(装備対象ダーク・フェアリー・チア・ガール)、伏せカードなし
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.4 )
日時: 2014/06/30 04:00:36
名前: 孝(たか)

カイ「行くぜ!俺のターン。ドロー!」手札4枚

 ドローしたカードを確認し、ニヤリと笑うカイ。どうやら今度はカイの番の様だ。

カイ「俺は、手札1枚を捨て、装備魔法[D・D・R]を発動!除外されているモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する!来い![沈黙のサイコウィザード]!」

サイコウィザード:ATK1900

カイ「更に、今手札から捨てたのは[ガスタ・グリフ]!コイツは手札から墓地へ送られた場合、デッキからガスタの民を1体特殊召喚する!来てくれ![ガスタの静寂 カーム]!」

静寂カーム:ATK1700

 装備魔法を1つ発動しただけで2体のモンスターを揃えて見せたカイ。
しかも、2体のモンスターのレベルはどちらも・・・4。

カイ「カームの効果!1ターンに1度、墓地のガスタの民を2体デッキに戻す事で、1枚ドロー出来る!墓地の「ガスタ・ガルド」2体を戻し、1枚ドローだ!」手札3

 全体を見れば手札消費1枚でフィールドを整えた事になる。
しかも、カイはまだ通常召喚権を残しているのだ。

三沢「レベル4のモンスターが2体。・・・来るか?」
神楽坂「カイの持ってるランク4のナンバーズは確か、希望皇ホープだったか?」

 イエローの2大トップがカイの次の手を予想する。
元々、ランクアップやカオス化の説明なのだ、ここでエクシーズしない訳が無い。

カイ「このターンで決める![サイコ・ウォールド]を召喚!更に、魔法カード[最古式念導]を発動!
俺のフィールドに、サイキック族モンスターが表側表示で存在する時、相手フィールド上のカード1枚を破壊し、俺は1000ポイントのダメージを受ける!
俺が破壊するのはエクシーズ・ユニット!ぐうううううう!?」LP2800→1800

ダーク・チア:ATK3500→2500

 カイは最古式念導によって装備魔法を破壊すると同時にダメージを受ける。
そのプレイングに疑問を持った者もいるだろう。

ライ「・・・?なんでわざわざエクシーズ・ユニットを?チア・ガールを破壊した方が速い気がするけど・・・?」
鏡夜「多分、あくまでナンバーズやCXモンスターで決着を付ける為じゃないかな?一応、カオス化やランクアップの説明デュエルでもあるんだし・・・?」

 一見、プレイングミスにも見えるが、カイの表情を見るとどうも故意にそうしたのが伺えると、鏡夜が答える。

カイ「サイコ・ウォールドの効果発動!ライフを800払い、このカードの攻撃権利を破棄する事で、他のサイキック族モンスター1体は、このターンのバトルフェイズ中に2回攻撃できる!
俺は、この効果をガスタの静寂カームを選択して発動だ!
そして、レベル4のサイコ・ウォールドと沈黙のサイコウィザードでオーバーレイ!2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」LP1800→1000

 サイコ・ウォールドがカームに念を送ると、カームはプロボクサーの様にステップを踏み始めた。
そして、役目は終えたとばかりに脱力したサイコ・ウォールドに、サイコウィザードが肩を貸す。
すると、2体はそれぞれ赤と青のアシンメトリーの光を発しながらフィールドに発生した渦の中心へと飛び込んだ。

カイ「現れろ!No.39!”サイキック達の美しき友情が!新たな希望を生み出す力となる!”顕現せよ![希望皇ホープ]!」

ホープ「ホオオオオオオオオオオオオオプ!!!!」

 左肩のプロテクターに自身の象徴となる39の文字を赤く輝かせた希望の皇がカイのフィールドに現れる。

カイ「そして、これが・・・ホープの力だ!希望皇ホープでオーバーレイネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!!」

 すると、エクシーズ召喚されたばかりのホープを、何のカードも使わずにオーバーレイネットワークを再構築させるカイ。

レオ「単体で?しかも、ランクアップじゃないだと・・・?」
メリオル「カオス・エクシーズ・チェンジはランクアップだけではないって事かしら?」

 空時夫婦も首を傾げながらも注意深くカイとホープの行動を見る。

カイ「伝説に語り継がれし希望の皇よ!今、混沌の力を身に付け我が前に示せ!盟友たる我と共に歩め!来たれCNo.39!混沌を光に変える使者!《希望皇ホープレイ》!!」

ホープレイ:ATK2500 CORU3

 デュエリストとカードの絆が生み出すカオスの力。
その力は、ランクアップマジックにも勝るとも劣らない神々しさを宿していた。

十代「黒い・・・ホープ?」
アルフ「でも、闇の黒じゃなくて、黒いけど温かい力を感じる。」

 十代もアルフも進化したホープ・・・ホープレイの存在感に暖かさと頼もしさを覚える。

カイ「ホープレイは、俺のライフポイントが1000以下でなければその力を発揮できない。ホープレイの効果発動!カオスオーバーレイユニット1つを使い、このカードの攻撃力を500アップさせる!俺は3つをそのまま使用!オーバーレイ・チャージ!」

ホープレイ:CORU3→0 ATK2500→4000

ヴィオ「攻撃力4000!?」
美海「・・・違う。それだけじゃない。見て、チア・ガールの様子が、変。」

 美海の言葉に従い、一同はカノンノのフィールドに居るCXダーク・フェアリー・チア・ガールに視線を向けると、脱力して座り込んでいる。

カイ「ホープレイのもう1つの効果!自身のCORUを使う度に、相手モンスター1体の攻撃力を1000ポイントダウンさせる!3つ使用した事により、チア・ガールの攻撃力は3000ポイントダウンだ!」

ダーク・チア:ATK2500→0

カノンノ「チア・ガール!?」

 ダーク・フェアリー・チア・ガールが力を失うと、カノンノが心配気に
声を張り上げる。

風華「自分は1500アップで、相手は3000ダウンだから・・・」
明日香「同士打ちを含めれば攻撃力7000まで対処出来るって事じゃない!?」

 万全の状態で自身をカオス化させるだけでも7000まで対処できるという事は、カオス・オーバーレイ・ユニットを増やす事が出来れば1つにつき1500ずつ差が開くという事だ。

亮「だがそれも、自身のライフポイントが1000以下の時にしか発動できないという諸刃の剣でもある。」
吹雪「つまり、効果を使われる前にカウンターするか、逆にライフを与えるのも手って事だね。」

 カイのホープレイを見てその弱点を探る事も忘れないアカデミアのカイザーとキング。

カイ「行け!ホープレイ!ダーク・フェアリー・チア・ガールに攻撃!”ホープ剣・カオススラッシュ”!!!」
カノンノ「きゃあああああああああああああ!?」LP3100→0

 攻撃力4000と0。更には迎撃できるリバースもないとくれば、抗う術など無い。

ホープレイの三刀流によってダーク・フェアリー・チア・ガールは無残にも切り裂かれ、その衝撃はカノンノにほぼダイレクトに突き刺さるのだった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.5 )
日時: 2014/08/13 03:49:02
名前: 孝(たか)

 カイとカノンノによる、RUMとエクシーズモンスターのカオス化の説明デュエルから1週間・・・もう11月も目と鼻との先まで来ている頃。

鏡夜「おかしい・・・」
氷牙「・・・・・・」カリカリカリ・・・

 保健室で作業している氷牙の横で鏡夜が眉間に皺を寄せてブツブツと呟いている。
別に珍しくもないので氷牙は無視して作業を続ける。

 ペラリ・・・カリカリカリカリ・・・

氷牙「・・・・・・」カリカリカリカリカリ・・・

 静かな保健室でペンを走らせる音と鏡夜の呟きだけが繰り返される。

鏡夜「ねぇ?君もそう思わない?」
氷牙「・・・・・・」カリカリカリカリカリ・・・

 話しかけられても聞く耳持たないかのように続ける氷牙。

鏡夜「・・・・・・」ブチ
氷牙「ん?何の音だ?」

 グシャッ!!!

氷牙「ペコポンッ!?!」

 何かの切れる音を聞いて振り向こうとした氷牙の左側頭部に衝撃が走り、強制的に椅子の上から壁に吹き飛ばされる。

氷牙「いっつぅ〜・・・何しやがる!?鏡夜!?」
鏡夜「人が質問してるのに無視する氷牙が悪い!」

 確かに質問しているのに無視するのはいけない事ではあるが、蹴り飛ばすのはどうかと思う。

氷牙「誰のせいで俺の仕事が増えてると思ってんの!?今やってる書類だって本来はお前の仕事だからな!?なんでか俺の方に回って来てるけど、これ、お前の仕事だからな!?」

 大事なことなので2度声を張り上げて繰り返す氷牙。
因みに、彼は説明デュエル終了数分後に仕事が入ったので出張せざるを得なかったのだ。
なので、彼が居なかった凡そ6日間に何があったのかは知らなかったのである。

鏡夜「そんな事はどうでもいいんだよ。」
氷牙「どうでもよくねぇよ!?なんで俺がおまえの分の仕事までやらなあかんのじゃ!?ただでさえ昨日出張から帰って来て疲れてるのに3倍の量の仕事処理せにゃならなくなったんだぞ!?つーかこんなところで暇してるなら今ここで関節極めるなあああああああああああああああああ!?!?」

 目の前にいる人物の仕事を代わりにやらされているのにどうでもいいと返されて怒鳴り返す氷牙の腕を取って間接技に移行して黙らせようとする鏡夜。
 どうしてこんなに手が出る男が教職に付けたのか教えてほしい位だ。

鏡夜「で、さっきの質問なんだけど、ライ君含むアカデミア在中の生徒と教師が10数人単位で行方不明なんだよ」
氷牙「そう言う大事な事は昨日帰って来た時に言えよ!?馬鹿なのお前!?なんでそんな大事な俺の腕ええええええええええええええ!?」

 うっかり馬鹿と言ってしまったせいで氷牙は腕の関節を外されてしまった。
まぁ、折られなかっただけまだマシだろう。

鏡夜「だって君が帰って来たの真夜中じゃん。寝てるにきまってるでしょう。」
氷牙「帰って来たの20時ですけど!?普通に起きてても違和感ない時間帯だろう!?いつでも連絡する暇あったよな!?お前の就寝時間が早すぎるだけだろうが!?せめて寝る前にメールでもしておけば済む事だろう!?」

 ゴキリと器用に関節を繋げながら再び怒鳴り返す氷牙。
子供達の安否も心配だが、彼を寝不足にさせてしまうと後々面倒でもあるのだが、ホウレンソウくらいはしてほしいと切に願う氷牙だった。

 ひとしきり怒鳴り散らしてから落ち着きを取り戻し、詳細を聞くと氷牙が出張に出てから1人、また1人と行方不明者が続出。
確認できただけでも30人ほどだそうだ。

氷牙「この決して狭くはないが広くもない島で、1週間近く行方不明者が見つからない・・・セブンスターズか!?」
鏡夜「それが一番可能性が高いね・・・だけど、ライ君がそう簡単に負けるとも思えないし・・・」

 ドンドンドンドンッ!!!

 そうこう話し合いをしていると扉をやや乱暴に叩かれる。

十代「あ、ここに居たのか鏡夜さん!あ、氷牙さんも!」
氷牙「どうした?もしかして、何か手掛かりが見つかったのか?」

 十代が慌てて保健室に入室すると、息切れを起こしながら2人を呼ぶ。

十代「確証はないけど、イエローの生徒が森を抜けたところで奇妙な建物が見えたって!」
鏡夜「カミューラさん達の時と同じパターンかな?」

 因みに、カミューラは夜勤で警備担当になり、エヴァンジェリンは購買部でトメさんの手伝い(売り子)をしていたりする。

 既に、エヴァンジェリンのその容姿とドSな性格から結構な数のファン(という名の信者)が出来ている。
変な性癖に目覚めてしまった生徒達の将来が心配になっているのが昨今の悩みである。

氷牙「う〜む・・・とりあえず、確かめに行くしかないな。十代、お前はレオとメリオルの方に連絡入れとけ。俺と鏡夜は先にそこまで行く。」

 言って、十代の返事を待つことなく2人は駆けだして行った。

鏡夜「あ、そう言えば・・・」
氷牙「今度はなんだよ?」

 まだ何かあるのかと木の上を忍者の様にタンタンッと飛び移りながら2人は会話を続ける。

鏡夜「3日前からムックルを見てない。」
氷牙「ぬあんだとおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!??!!!!?」

 自身がヴィヴィオ達の次に可愛がっているペットのホワイトタイガー・ムックルまでもが行方不明と聞いて大絶叫を挙げる氷牙。

 その音量で周りの木々は突風に煽られたかのように揺らぎ、小鳥たちが飛び立っていく程に・・・。

氷牙「まさか、ムックル・・・ライ達を助けようと匂いを追ってセブンスターズに囚われたのか!?もしや見世物にされる為にサーカスに売り払われたのか!?もしくは・・・」

 顔に手を当てて考え得る限りの最悪の状況を挙げていく。
嫁や息子、娘達と同様に、ペットも家族同然に扱う氷牙である。
何かされたのではないかと思うと気が気で無くなり、冷静さを失いかけている。

鏡夜「落ち付け」

 ズガンッ!!!

何処からともなく取り出された100tハンマーによって木の上から叩き落とされそのまま地面に熱いキスを強制させられる氷牙。

 ズボッ!!

地面にめり込んだ顔面を引っこ抜き、首の骨の調子を確かめる氷牙。

氷牙「悪い。取り乱した。だが出来ればもう少し普通に出来ませんかねぇ!?」

 よもや100tハンマーで殴り倒されるとは思いもしないだろう。
それでも土が付いた程度で無傷な彼はやはり頑丈過ぎると思う。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.6 )
日時: 2014/08/21 16:51:01
名前: カイナ

「氷牙先生! 鏡夜先生!」

と、そこに突然そんな声が聞こえ、二人は声の方を見る。少年少女の二人組が走り寄ってきた。

氷牙「アルフ、エルフィ」
鏡夜「何してるの?」

エルフィ「ライをこの森に行くのを見た人がいるらしくって……探しに来たんです」

氷牙と鏡夜の言葉にエルフィが説明、二人は成程と頷くとアルフとエルフィを伴って森を歩いていく。そしてやがて切り立った崖が両端に聳える岩地が見える森の出口へとやってきた。

鏡夜「……あれはいったい?」

鏡夜がぼそりと呟く。岩地に、この前まではなかった円柱状の建物が出来ているのだ。その外見は古代ローマのコロッセウムといえば分かりやすい、というかそのまんまだ。

氷牙「アルフ、PDAでレオ達に連絡を取ってくれ」

アルフ「やってます」
エルフィ「メールでここの座標を送っておきました」

氷牙の指示に対し二人は長い付き合い故に予想していたのかやっていると答え、鏡夜は「有能だねえ」と呟いた。そしてやがてレオとメリオル、十代に翔、ヴィヴィオに三沢や風華他、セブンスターズに対抗するメンバーが合流した。と言っても一網打尽を防ぐため&連絡係のために全員集合というわけではないのだが。

三沢「まるで古代ローマのコロッセウムのようだな……だが、ここからでは人がいるのかどうかは分からない」
十代「だったら行ってみりゃ早いだろ!」
ヴィヴィオ「だ、代ちゃん!」

双眼鏡で覗きながらの三沢の言葉に十代がコロッセウムに乗り込もうと走り出し、ヴィヴィオや氷牙達も慌ててその後を追う。そしてコロッセウムの中に入ると、そこにいた全員が目を見開く。そこには行方不明になっていたアカデミア生徒がいた。

氷牙「クロノス教諭!」

クロノス「マンマミーア! 氷牙先生! 助けに来てくれたノーネ!?」

万丈目「助けに?……」

そこにいたたった一人の大人――クロノスを見つけた氷牙が叫ぶとクロノスが嬉しそうに歓声を上げる。それに万丈目が怪訝そうに呟いた。

??「みんなー! もうちょっとだー! 頑張ろうぜー!!」

と、疲労困憊な労働者の中にそんな一際元気な声が聞こえてきた。それにアルフとエルフィがぴたりと止まり、ゆっくりとした動作でそっちを見る。

ライ「お、アルフにエルフィ。何やって――」
アルフ・エルフィ「「どっせーいっ!!!」」
ライ「――ぐふぉあっ!!??」

そこに立っていた少年――ライ目掛けてアルフとエルフィは同時に駆けだしたと思うと息ピッタリのドロップキックを叩き込んだ。それによりライは吹っ飛ばされると壁に叩きつけられる。

エルフィ「あんたこそ何やってるのよ!? いきなり行方不明になって私達がどれだけ心配したと思ってるの!!」

そして倒れているライの目の前に仁王立ちをしてエルフィがお説教を開始した。と言ってもライはダブルドロップキックのダメージで白目を剥いているため多分聞いていないと思う。

鏡夜「どういうことなの?……」

鏡夜がそう呟く。と、その時グルルと猛獣が喉を鳴らすような音が聞こえてきたと思うと彼らの前に、右目に傷がある虎が現れる。

翔「と、虎だあああぁぁぁぁっ!!!」
ヴィヴィオ「ムックルじゃない……」

翔が悲鳴を上げ、ヴィヴィオが残念がる。見事に対照的な反応だ。

クロノス「そ、その虎にみーんな連れてこられちゃったノーネ……」

申し訳なさそうに言うクロノスに氷牙と鏡夜とレオが呆れたようにため息をつく。だが虎に対して三人が殺気を送る事による足止めも忘れない。

???「そう。おかげでこの通り、コロシアムは完成した」

そこに突然、そんな女性の声が聞こえてきた。

???「者ども、感謝するぞ!」

そう声を上げるのは褐色の傷だらけの肌に赤い髪をポニーテール風に長く結い、露出の多い格好をした女性だ。その出で立ちはまるで女性のみの部族――アマゾネスを思わせる。そして彼女はリアルファイト三強であろう男性教師三人組の放つ殺気に対抗している虎を自らの近くに呼び戻した。と、女性はいつの間にか整列していた生徒達&クロノス――まだ起きていないライの代わりにエルフィが整列している――の方に向いて満面の笑顔を浮かべる。

???「皆さ〜ん。ありがとうね協力してくれて。おかげで立派なコロシアムができたわ〜」

そう言って「これほんの気持ち」、「ありがとね〜」、「今日はゆっくり休んでね〜」と一人ずつ丁寧にお礼を言いながらバイト代でも入れているのだろうか紙袋を手渡していく。その途中でエルフィに、ライの代わりにとバイト代を渡すとくすっと笑った。

???「心配したのは分かるけど。そんなに怒ったら嫌われちゃうわよ?」

エルフィ「!?」

女性の言葉にエルフィはぼんっと顔を赤くする。

クロノス「カンツォーネ、ご褒美ナノーネ」

そして最後にクロノスが手を差し出すが、女性はふんっと鼻を鳴らした。

???「お前は気色悪いからやんない!」

好き嫌いで給料を決め、クロノスが「不公平ナノーネ」と叫ぶが虎が吼えて威嚇をするとクロノスはその場を逃げ出した。

十代「って、何者なんだお前は!?」

なんかいきなりの展開にフリーズしてしまっていた十代が再起動して声を上げる。と、女性はさっきまでの気前のいい女性から一気に女戦士な風格を漂わせる顔つきに変化し、その風格に相応しい凛とした声を出す。

タニヤ「私はタニヤ。偉大なるアマゾネス一族の末裔にして長。そしてセブンスターズの一人」

十代「やっぱり……」

翔「アマゾネスって確か……」
三沢「ギリシア神話に登場する女性だけの部族だ……まさか、実在するとは」
アルフ「吸血鬼がいるんだし、今更じゃない?」

女性――タニヤの名乗りに十代が呟き、三沢がむぅと唸るとアルフがはっきりとそう言う。その指摘を聞いた全員が「確かに」と頷いた。

タニヤ「このコロシアムで七星門の鍵を賭けた神聖なる戦いを行う」

凛々しい声でそう言うタニヤ。すると、突然その声が猫なで声に変化した。

タニヤ「でもね〜。私と戦えるのは、男の中の男だけ〜」

風華「何それ!?」

タニヤの言葉に風華がツッコミを入れる。が、タニヤはそれを無視して「男の中の男と言えるものは出てこい」と叫んだ。

レオ「……俺パス」

と、強い相手とのデュエルになりそうなのに好戦的なレオは一瞬でパスを選択。その後ろではメリオルが髪を逆立たせて怒りのオーラを放っており、レオは冷や汗を流していた。

鏡夜「なんかめんどくさい事になりそうな気がする」
氷牙「同感……」

鏡夜と氷牙も嫌な予感を感じ、さてどうするかと考え出すがその間に十代、万丈目、三沢が対戦相手に立候補していた。

タニヤ「……面構えは誰も悪くない……けど、ユー!!」
三沢「俺か」

タニヤは対戦相手を吟味し、三沢を指名。十代と万丈目はすごすごと後ろに下がった。十代は「ちぇ〜」とまで言っており、その姿にヴィヴィオがふんっと顔を背ける。

十代「? どうしたんだ、ヴィオ?」
ヴィヴィオ「代ちゃんのバカ」
十代「はぁ?」

女の子の焼きもちに気づかない十代だった。

タニヤ「お前、名前は?」
三沢「俺は、三沢大地」

タニヤに対し三沢も堂々と名を名乗り、後ろからの十代達の声援を聞きながら彼は絶対に勝つという気迫を込め制服を開き、六つのデッキケースを露わにする。と、タニヤも二つのデッキを取り出した。

タニヤ「ここに、お前の明暗を分ける二つのデッキがある。一つは知恵のデッキ、一つは勇気のデッキ……お前に自分の運命を選択させてやろう」
三沢「もちろん、知恵のデッキと勝負だ!」
タニヤ「よろしい」
三沢「俺は動かざること地の如し、地のデッキで相手をしよう!」

タニヤと三沢は互いに自らのデッキのコンセプトを名乗り、そのデッキをデュエルディスクに差し込む。

タニヤ「言い忘れていたが、このデュエルは闇のデュエル……ではない」
三沢「何!? どういうことだ!?」

突然のセブンスターズでありながら闇のデュエルではないという宣言に三沢が驚いたように叫ぶ。と、タニヤの声が再び猫なで声に変化した。

タニヤ「魂なんていらな〜い。私はお前自身が欲しいの〜♪」
アカデミア勢『ずこー!!!』

タニヤの告白にアカデミア勢の全員が昭和のコントのようにずっこける。その間にタニヤは「つまり〜、私が勝ったらお前を婿として村に連れて帰る」と続けた。

三沢「訳の分からん事を……ならば、俺が勝ったらどうする!?」
タニヤ「そしたら〜。私三沢っちのお嫁さんになったげるー!!」

風華「絶対却下ー!!! そのデュエル無効ー!!!」
ヴィヴィオ「風華ちゃん落ち着いてー!!!」

ハートマークを乱舞させながら言うタニヤに対し我慢の限界が来たのか風華がブチキレ、しかしヴィヴィオが後ろから羽交い絞めにしてどうどうと落ち着かせる。

レオ「……やんなくてよかった」
鏡夜「賛成」
氷牙「エヴァ……こういうやつがいるなら前もって教えとけよ……」

既婚者or婚約者のいる男性教師三人組はため息をつく。その間にも話は進み、二人はデュエルディスクを展開。

三沢・タニヤ「「デュエル!!!」」

そして二人の声が重なり合った。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.7 )
日時: 2014/08/22 05:25:00
名前: 孝(たか)

タニヤ「先攻は三沢っちからよ〜ん!さぁ貴方の勇士を私に見せてぇ〜ん♪」
風華「三沢!!!そんなゴリラ女コテンパンにしちゃええええええ!!」

 図体に似合わず、甘ったるい猫なで声で三沢に告げるタニヤ。
それにカチンと来たのか風華が三沢に檄を飛ばす。

三沢「ああ。任せてくれ!”動かざる事地の如く!不動のデュエル”を見るがいい!俺のターン。ドロー!」

 風華の応援?に当然だと返してドローする。
彼の言う不動のデュエルとはどのようなものなのか・・・?

三沢「俺は、[巨大ネズミ]を攻撃表示で召喚。カードを2枚伏せて、ターンを終了する」手札3

巨大ネズミ:ATK1400

 地のデッキというだけあって、地属性のリクルーター代表格である巨大ネズミとリバース2枚でターンを終える三沢。

 ここからどう動くのか・・・

タニヤ「私のターン。ドロー!これは面白い・・・私も、[巨大ネズミ]を召喚する。」

 なんと、タニヤも巨大ネズミを召喚してきた。
恐らく、狙いは自爆特攻からの展開に繋げる様に構築されているのだろう。

タニヤ「行け!”きりさく”!」
三沢「迎え撃て!”かみつく”!」

 2体の巨大ネズミは互いに噛みつき攻撃と切り裂き攻撃で互いを攻撃する。
全く互角の戦いは共倒れとなり、最後の力を振り絞って仲間を呼ぶ。

「「巨大ネズミの効果発動!戦闘で破壊され、墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下の地属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚出来る!」」

 2人同時にモンスター効果を説明し、デッキに手を伸ばす。

タニヤ「私は[アマゾネスの剣士]を!」
三沢「俺は、[超重武者ビッグベン−K]を!」

「「特殊召喚!」」

アマゾネスの剣士:ATK1500
ビッグベン−K:ATK1000

 片や、巨大ネズミで呼べる最大数値の攻撃力を持つアマゾネスの剣士。
 方や、攻撃力は1000だが、レベル8という最上級モンスター超重武者ビッグベン−K。

三沢「この瞬間、[ビッグベン−K]の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時、このカードの表示形式を変更する!守備表示に変更!」

ビッグベン−K:ATK1000→DEF3500

十代「守備力3500!?」
翔「あれなら殆どのモンスターの攻撃を防げるッす!」

 三沢の出した超重量級の守備力を持つビッグベン−Kに驚き、三沢が優勢だと思った。

鏡夜「マズイね・・・」
氷牙「ああ。予想通りというか、やはり[アマゾネスデッキ]」

 逆に、教師である鏡夜達はアマゾネスがどう言ったカテゴリーか知っている為、安易に喜べないでいた。

アルフ「えっと、何がまずいんですか?」
鏡夜「アマゾネスの剣士は、以前万丈目君が使っていた[地獄戦士]の上位互換と言えるモンスターなんだ。」

 十代が初めて万丈目とデュエルした時、使用していた地獄戦士(ヘルソルジャー)その効果は・・・

万丈目「地獄戦士が戦闘で破壊され、墓地に送られた時、その戦闘で発生した自分へのダメージは相手も受ける。それの上位互換と言うと・・・」

 自身が使っていたカードの効果を思い出し、それを上位化した物を考えると、おのずと答えが出た。

万丈目「まさか・・・相手だけにダメージを与える効果か!?」
タニヤ「アマゾネスの剣士でビッグベン−Kを攻撃!”首狩りの剣”!」

 万丈目が気付いた時には、タニヤは攻撃命令を終えていた。

三沢「甘い!罠発動![ブレイクスルー・スキル]!相手フィールド上のモンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!」
タニヤ「!?見事だ・・・」LP4000→2000

 ここで三沢は仕掛けていた罠を発動し、アマゾネスの剣士の反射効果を無効にし、タニヤのライフを半分に減らして見せた。

風華「よっしゃあああ!!!流石三沢!全然余裕じゃん!」

 それに気を良くしたのか風華のテンションはウナギ登りである。

タニヤ「いや〜〜ん!!三沢っちったらぁ!即座に私のデッキを見抜いてそんな物を仕掛けていたのねぇん!何が何でも、お前を我が婿に迎えて見せる!」

 三沢のプレイングを素直に称賛し、猫なで声から一変して真面目な表情になるタニヤ。

タニヤ「メインフェイズ2に移り、カードを2枚伏せよう。ターンエンドだ」手札3
三沢「称賛は素直に受け取ろう。だが、婿に行くのは断らせてもらおう。俺のターン。ドロー!・・・俺はフィールド魔法[アシッドレイン]を発動!このカードは、フィールドの地属性モンスターの攻撃力を500下げ、守備力を400上昇させる!」

アマゾネスの剣士:ATK1500→1000
ビッグベン−K:DEF3500→3900

三沢「ビッグベン−Kは、[超重武者]に守備表示のまま攻撃できる能力を付与させる力がある、その場合、守備力を攻撃力として扱い、ダメージ計算を行える!」

アルフ「まるで[絶対防御将軍]を強化した様なモンスターだね。」
鏡夜「その分、デメリットもあるよ。守備力を攻撃力として扱ってダメージ計算を行うって事は、相手のモンスターに超重武者が自爆特攻したら、結局ダメージを受けてしまうからね」

 そう、これこそがビッグベン−Kのメリットにしてデメリット。
守備表示のまま攻撃が行えると言う事は、攻撃表示を対象とするミラーフォースなどが効かないメリットがあり、低攻撃力を曝さない事にあるが、自爆特攻した場合、通常通りにダメージを受けるというデメリットもあるのだ。

 と言っても、ビッグベン−Kの基礎守備力は3500なので他のカードのサポートが無ければそうそう超える事はないだろう。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.8 )
日時: 2014/08/25 04:36:26
名前: 孝(たか)

三沢「まずは、墓地の[ブレイクスルー・スキル]を除外して効果を発動!」
タニヤ「墓地からトラップだと!?」

『『『『墓地からトラップだとおおおおおおおおおお!?』』』』

 何故か観戦している者たちがタニヤの発言と連鎖して驚きの声を挙げる。
驚いている者の中には墓地からトラップを発動した事がある者がいると言うのにも関わらず。

三沢「いや、なんで皆驚いてるんだ!?何人か使ってる人もいるじゃないか!?」
「「「いや、ここは空気を呼んで驚くのが良いかなぁと・・・」」」

 公式非公式問わずに数えると、カイ、カノンノ、氷牙は墓地からトラップを発動した事が一番多かったりする。

三沢「まぁ良いですけど・・・ブレイクスルー・スキルは墓地から除外する事で、このターンのエンドフェイズまで相手モンスター1体の効果を無効にする!この効果は、自分のターンでしか使用できないがな。」

 つまり、1枚の罠が2度も発動できるのと同義である。
更には、片方の効果は墓地から発動されるため、妨害されにくいという利点がある。

三沢「この効果で、アマゾネスの剣士の効果を再び無効にする!」
タニヤ「墓地からのトラップ発動には驚いたが、その程度ではまだまだだ!罠発動![救出劇]!フィールドのアマゾネスモンスターが効果の対象となった時に発動できる。そのモンスターを手札に戻し、手札から別のモンスターを特殊召喚出来る。」

 アマゾネスの剣士を虚空から襲う腕が迫ると思われた瞬間、何処からか弓による牽制と、ロープによる救出によって、アマゾネスの剣士は難を逃れ、新たに別のモンスターがタニヤの手札から現れる。

タニヤ「私はこの効果で、[アマゾネスの女王]を守備表示で特殊召喚だ!アマゾネスモンスターは全て地属性モンスターの為、アシッドレインの効果により、守備力がアップする。」

アマゾネスの女王:DEF1800→2200

三沢「逃げられたか・・・俺は、[超重武者ソード−999]を攻撃表示で召喚!効果により、守備表示に変更する!」

ソード−999:DEF1800→2200

三沢「カードを1枚伏せて、ターンエンドだ」手札2

 三沢はブレイクスルーが不発に終わってしまうと、モンスターとリバースを1つずつ増やすだけでこのターンを終える。

アルフ「あれ?三沢君、どうして攻撃しなかったんだろう?ビッグベン−Kなら十分対処できそうなものだけど・・・?」
鏡夜「多分、三沢君は知ってたんだと思うよ?アマゾネスの女王のモンスター効果を。」

 アルフの疑問に答えるかのように鏡夜が口を開く。
その表情は少々苦笑気味だ。

十代「あのモンスターの効果って?」
鏡夜「アマゾネスの女王のモンスター効果は、アマゾネスモンスター全部に”戦闘破壊耐性”を付ける効果。守備表示で出せば、貫通効果モンスターが来ない限り、戦闘ではほぼ無敵だね。」

 いくら数値が上回っていても、戦闘で破壊できないなら意味が無いと、三沢は場を整えるだけで終わらせたのだろう。

 アマゾネスシリーズには厄介な魔法・罠もあるので、下手に攻撃しないのも手である。

タニヤ「いや〜ん!三沢っちったらぁ!アマゾネスの事を知っているのねぇ〜ん!ますます婿にしたくなっちゃうわぁ!」

 タニヤは周囲にハートを散りばめながらクネクネ身体を揺らしながら頬を染める。

風華「・・・イラァッ」
ヴィオ「風ちゃん、どぅどぅ・・・落ち着いて。お願い。」

 タニヤのその行動に更にイラツキを覚えた風華は額に青筋を幾つも発生させてタニヤを更に睨む。
その横でヴィヴィオが風華を落ちつけようとするが、いつ飛び出してもおかしくないくらいである。

タニヤ「私のターン。ドロー!・・・このままでは、我らアマゾネスが真の力を発揮できぬ、故に、このカードを発動させてもらおう。フィールド魔法[アマゾネスの里]!」

 宣言と共に、酸の雨が降り続けていたフィールドが破壊され、アマゾネスの住む里に早変わりする!

三沢「1ターンしか持たなかったか・・・アシッドレインが破壊された事で、ステータスが元に戻る。」

ビッグベン−K:DEF3900→3500
ソード−999:DEF2200→1800
アマゾネスの女王:DEF2200→1800

タニヤ「そして、アマゾネスの女王を攻撃表示に変更。アマゾネスの里の効果により、アマゾネスモンスターの攻撃力は200ポイント上昇する!」

アマゾネスの女王:DEF1800→ATK2400→2600

三沢「アマゾネスモンスターは基本的に攻撃力は1500前後。それに伴い、そのサポートカードはステータス変化系が多い。だが、俺の超重武者達は基本的に低攻撃力・高守備力モンスター群。それゆえにアマゾネスサポートカードの半分はその力を殆ど発揮できない!」

 代表的な物を挙げるのならば、アマゾネスの呪詛や闘志であろう。
呪詛はアマゾネスと相手モンスターの攻撃力入れ替える事の出来る魔法。
闘志は相手のモンスターの攻撃力がアマゾネスを超える場合に、1000ポイント攻撃力を挙げる永続魔法。

 だが、低攻撃力の超重武者に取って、その二枚はほぼ無意味であろう。
入れ替えてしまえば逆にアマゾネスの攻撃力が下がってしまうからだ。
と言っても、アマゾネスの剣士に使えばそれはそれで美味しい効果ではある。

 だとしても、アマゾネスモンスター達では超重武者の守備力を超えるのは一苦労であるのだが・・・

タニヤ「ならば、これでどうだ?手札1枚(アマゾネスの剣士)を墓地に送り、魔法カード[カード・フリッパー]を発動する。相手フィールド上のモンスター全ての表示形式を変更する!」
エルフィ「まずいわ!表示形式を変更されたら、低攻撃力を曝す事になる!?」

 エルフィの危惧する通り、超重武者はその高い守備力で守りながら攻めるカテゴリー。
攻撃表示にされてしまえば簡単に崩されてしまう。

ビッグベン−K:DEF3500→ATK1000
ソード−999:DEF1800→ATK1000

タニヤ「私は、[アマゾネスの格闘戦士]を召喚し、里の効果で200上昇する。」

アマゾネスの格闘戦士:ATK1500→1700

タニヤ「バトルに入ろう!格闘戦士でビッグベン−Kに攻撃!」
三沢「そうはさせない!罠カード発動![砂漠の光]!俺のフィールドの表側表示モンスターを全て守備表示に変更する!」

ビッグベン−K:ATK1000→DEF3500
ソード−999:ATK1000→DEF1800

翔「やった!変更されたのは三沢君のモンスターだけ!相手の攻撃は止まらないから、反射ダメージが1800!」
鏡夜「残念だけど、そうはならないよ。アマゾネスの格闘戦士が戦闘を行う事で発生するコントローラーへの戦闘ダメージは0になるから、この場合、反射ダメージは発生しない。」
レオ「・・・なるほど、だからこそ攻撃力の高い女王ではなく、格闘戦士からの攻撃か・・・三沢の超重武者の特性を理解した上での攻撃って訳か・・・」

 タニヤの見た目とは裏腹に、そのプレイングは慎重の様だ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.9 )
日時: 2014/09/05 22:01:38
名前: ミクニップ

三沢「中々やるな!さっきの攻撃は流石にヒヤッとしたぞ」
タニヤ「あらぁ〜♪三沢っちに褒められる何て私感激ぃ〜♪」
三沢「別に褒めてなどいないからな。…それと格闘戦士の攻撃宣言時に言い忘れていたが、999の効果を発動宣言する。このモンスターがフィールドに存在する時、フィールド上の[超重武者]と戦闘を行ったモンスターの攻撃力、守備力は0になる」


アマゾネスの格闘戦士 ATK1700 → 0


タニヤ「凄いわ三沢っちって所ね!タニヤ感心しちゃう!…私はこのままターンエンドだ!」手札0


 タニヤのプレイングを褒める三沢に対し、素直に喜んだ後に、また同じように真面目な態度になるタニヤ。そして三沢は少し眉をひそめるも、無視してドローに入る。


三沢「俺のターン、ドロー!…よし、俺は手札から装備魔法[流星の弓−シール]の効果発動!このカードは装備モンスターの攻撃力を1000ポイントダウンさせる代わりに、直接攻撃を行えるようにできる!俺はこのカードをビッグベン−K装備!」


 宣言と同時に空から降ってきた弓矢を掴み取り、構えるビッグベン−K。その姿も様になっている。


エルフィ「成程ね。シールには攻撃力を下げる効果はあるけれど、守備表示で攻撃できるビッグベン−Kには問題無いわね」
三沢「バトルだ!ビッグベン−Kでお前にダイレクトアタック!」


 ビッグベン−Kが弓を構え、矢を穿つ。その矢はアマゾネス達の間を潜り抜け、タニヤを貫かんとする。だが…


タニヤ「甘い!私は罠カード[ディメンジョン・ウォール]を発動!この戦闘で受けるダメージを代わりにお前が受けてもらうぞ!」
三沢「だったら俺は、少々勿体無いが罠カード[ホーリーライフバリアー]発動!手札1枚をコストにあらゆるダメージを無効にする!俺は手札(ブレイク・アーマー)を1枚墓地に送り、ダメージを無効にする!」


 三沢が攻撃してくるのを予測していたらしく、伏せていたカードで攻撃を跳ね返すタニヤ。しかし三沢も負けじと攻撃を無効化して応戦する。


タニヤ「さっすが三沢っち!この手も防ぐなんて!やっぱり私のお婿さんに相応しい男だわぁ〜♪」
風華「…(ギリギリ」

三沢「…俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ」手札0



 流石に慣れたのか、真顔でタニヤにターンを譲る三沢。…その後ろで風華が大猿化サ○ヤ人顔負けの物凄い形相で歯ぎしりし、その隣でヴィヴィオが涙目になっているのは見なかった事にして置いた方がいいだろう。


タニヤ「私のターン、ドロー!…ふむ。良いカードを引いたな。私は魔法カード[天よりの宝札]を発動!」
氷牙「此処にきてドローソース…!」


 プレイングのセンスも良いが、どうやらタニヤは引きも強いらしい。


タニヤ「さて。流石にこのカードの効果は知っているな?」
三沢「あぁ。十代達が良く使うからな」

タニヤ「なら良いわね。それじゃあタニヤからの贈り物、三沢っちに受け取って…ッ!」
三沢「…?どうした?」
タニヤ「い、いや何でも無いわよぉ〜三沢っちぃ〜!私の事心配してくれる何て、タニヤ嬉しいぃ〜〜♪」


 バキベキベキッ!!


 天よりの宝札でドローしたカードを確認した途端、一瞬嫌そうな顔をしたタニヤに対し声をかける三沢。そしてタニヤも一瞬慌てたものの、直ぐに猫なで声で答えた。

…後ろで石か何かが握り潰された音と、音源から漏れる大量の殺気に関しては多分気のせいでありたい。


タニヤ「(…ッチ。よりによって[アレ]を引いたか…)私は手札から[アマゾネスペット虎(タイガー)]を召喚!」


ペット虎:ATK1100


氷牙「アマゾネスペット虎…厄介なモンスターが出たな」
翔「あの虎って、そんなに危険なモンスターなんですか?」
レオ「危険っつーより面倒なんだよ。自分のフィールド上に1枚しか表側表示で存在できないっつー制約はあるが、アイツが居る限り他のアマゾネスに攻撃できないし、何よりアマゾネスモンスターの数だけ攻撃力が400ポイント上がる効果があるからな」


タニヤ「その通り!現在私のフィールドにはペット虎を含め三体のアマゾネスが存在する!そしてアマゾネスの里の効果でさらに200ポイントアップする!つまり…」


ペット虎: ATK1100 → 2500


エルフィ「攻撃力2500…!」
風華「で、でも三沢のフィールドには守備表示のモンスターしか居ないからダメージは…」

タニヤ「ならば奮い立たせるまでだ!永続罠[最終突撃命令]!このカードがフィールド上に存在する限り、全てのモンスターは攻撃表示になり、表示形式は変更できなくなる!」
三沢「しまっ…!?」


ビッグベン−K:DEF 3500 → ATK 0
ソード−999:DEF 1800 → ATK 1000


十代「マズイ!また超重武者達が攻撃表示に!?」
万丈目「しかも今度は効果で表示形式を変更しても強制的に攻撃表示に戻される[最終突撃命令]…砂漠の光を発動したところで意味が無い!」
風華「三沢っ!!」

タニヤ「さらに手札から装備魔法[デーモンの斧]を発動!アマゾネスの格闘戦士に装備し、攻撃力を1000ポイントアップ!」


アマゾネスの格闘戦士 ATK0 → 1000


タニヤ「バトルだ!先ずは格闘戦士でソード-999を攻撃!」


三沢「チッ!罠カード[ダメージ・ダイエット]!このターン俺が受けるダメージは半分になる!さらに、[ソード-999]の効果発動!自分フィールドの「超重武者」モンスターが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に、相手モンスターの攻撃力・守備力は0になる!」LP4000 → 3650


アマゾネスの格闘戦士 ATK1000 → 0


タニヤ「格闘戦士の攻撃力が下がったが、まだ女王とペット虎がいるぞ!ペット虎でビッグベン−Kを攻撃!そしてアマゾネス女王でダイレクトアタックだ!!」
三沢「がぁぁぁぁっ!?」LP3650 →1100



タニヤ「私はカードを2枚セットしてターンエンドだ!」手札2
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第Y幕 ( No.10 )
日時: 2014/09/07 18:43:24
名前: カイナ

三沢「俺のターン、ドロー!……どうにかしのいだとはいえ、俺の布陣を、戦略を上回って来るとはな…(…こいつ、単純そうに見せかけてその実慎重。かと思いきや攻める時は臆せずに攻めてくる……厄介な相手だ)」

三沢はタニヤが見た目通りの脳筋どころか知恵を巡らせ計算し尽くした戦略的なプレイング、しかしそれでいて押し引きの見極めも鋭いかなりの使い手であると認める。

タニヤ「ふふふ、恋の駆け引き。それは時に押して時に引く、しかし引いてばかりでは相手は手に入らない。押せる時には押しの一手、だが押しても無駄なら引いてみる。その境目を見極める。そういうものなのよ」

エルフィ・ヴィヴィオ「「なるほど……」」

タニヤの恋愛指南にエルフィとヴィヴィオがなるほどと頷く。その横ではライと十代が首を傾げていた。

三沢「意味が分からん……」

三沢は恋愛には興味がないのかぼそりと呟き、先ほどのターンの天よりの宝札とこのターンのドローにより七枚に増えた手札を見て戦略を立てる。

三沢「まずは速攻魔法[サイクロン]を発動! 最終突撃命令を破壊する!!」

竜巻が巻き起こり、最終突撃命令のカードを破壊。これで超重武者の得意な守備陣形を再び敷く事が出来る。が、さらに三沢は手札を取る。

三沢「さらに速攻魔法[サイクロン]を発動! アマゾネスの里を破壊する! アマゾネスの里が消えたためアマゾネスの攻撃力は200ポイントダウン!」
タニヤ「二枚目だと!?」
アマゾネス女王 攻撃力:2600→2400
ペット虎 攻撃力:2500→2300

さらなる竜巻によってアマゾネスの里の自然が壊滅。アマゾネスの攻撃力がダウンした。

三沢「俺は手札を一枚捨てて魔法カード[死者転生]を発動! 墓地から[超重武者ビッグベン−K]を手札に加える! さらに俺は[超重武者テンB−N]を特殊召喚! テンB−Nは相手フィールドにモンスターが二体以上存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる。さらにテンB−Nが召喚・特殊召喚に成功した場合、テンB−N以外の自分の墓地のレベル4以下の超重武者モンスター一体を守備表示で特殊召喚する! 戻ってこい、[超重武者ソード−999]! そしてテンB−Nと999をリリースし、[超重武者ビッグベン−K]を守備表示でアドバンス召喚!!!」
超重武者ビッグベン−K 守備力:3500

三沢は超重武者を操り、再び切り札ビッグベン−Kに繋げる。

三沢「バトルだ! ビッグベン−Kが存在する時、超重武者は守備表示のまま、守備力を攻撃力として扱い攻撃する事が出来る! ビッグベン−Kでアマゾネスペット虎を攻撃!!」
タニヤ「アマゾネス女王が存在する限り、アマゾネスは戦闘では破壊されない……だが、ダメージ計算は通用する……ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP2000→800

ビッグベン−Kの一撃を虎は耐えきるが、その力によって発生した衝撃波がタニヤを襲う。

翔「大ダメージっす!!」
三沢「俺はリバースカードを二枚セットして、ターンエンドだ!…(…俺の伏せカードはバーン対策のピケルの魔法陣と、魔法・罠対策の禁じられし聖槍、モンスター効果封じの禁じられし聖杯。万一魔法陣が破壊されようと、墓地にはダメージ・ダイエットという保険もある。ビッグベン−Kの守備力をアマゾネスデッキ、さらにこの状況で超えるのは至難の業。アマゾネスの剣士で攻めてくれば聖杯で効果を無効にし、返り討ち……俺に死角はない…)…さあ、動かざること地の如く! 俺の不動のデュエル、その戦略を崩せるものなら崩してみろ!!」手札零枚

一気に攻め勝った三沢に翔が歓声を上げ、三沢は残る二枚の手札を伏せるとターンを終了。タニヤに向けて啖呵を切る。

タニヤ「私のターン、ドロー!!」

タニヤは勢いよくカードをドローする。と、彼女は楽しそうに「うふふ」と笑い始めた。

三沢「何がおかしい!?」
タニヤ「ん〜ん。なんだか、楽しいなぁって」

三沢の言葉にタニヤがそう言うと三沢は「楽しい?」と眉をひそめる。

タニヤ「この状況、まるでそのモンスターやリバースカードが三沢っちの固く閉じられた心で〜、タニヤのモンスター達でこの状況を突破して、三沢っちの心を開くって考えたら。なんだかわくわくしちゃったの〜」
三沢「……」
タニヤ「だからね〜三沢っち。その固く閉じられた心のリバースカード、オープンしてもらうわね〜」

タニヤは目視できるほどのハートマークを乱舞させるような勢いで三沢に向けてそう言い、その言葉を受けた三沢の頬が気のせいか赤くなる。

翔「あれ? なんか三沢君の様子が?……」
ヴィヴィオ「だ、代ちゃん! 風華ちゃん止めるの手伝ってー!!!」

翔がぼそりと呟いた瞬間ヴィヴィオの声が響く。風華はなんか人ならざるものにでも変質しそうなほどに真っ黒いオーラを背負って、例えば「キシャー!」とかいう感じの奇声を出しそうになりながら今にもデュエルフィールドに乗り込まんとばかりに突撃体勢を取っており、ヴィヴィオが必死こいてそれを止め、エルフィや十代達が大慌てでデュエル中断を阻止すべく風華を押さえつけ始めた。

タニヤ「私は装備魔法[アマゾネスの秘宝]をアマゾネスの格闘戦士に装備! これはアマゾネスにのみ装備が許された秘宝! 装備モンスターは一ターンに一度だけ戦闘では破壊されず、さらに装備モンスターが攻撃した場合、その攻撃を受けたモンスターをダメージ計算後に破壊する!」

万丈目「つまり、アマゾネスの格闘戦士とのコンボにより、自分からの攻撃ならば自らは戦闘ダメージを受けることなく相手モンスターを確実に破壊する事が出来ると言うわけか!?」

タニヤのコンボに万丈目――彼は風華制止チームに入っていない――が声を上げる。

タニヤ「バトルだ! アマゾネスの格闘戦士で超重武者ビッグベン−Kを攻撃!!」
三沢「そう来ることは読んでいた! リバースカードオープン! 速攻魔法[禁じられた聖杯]!! アマゾネスの格闘戦士の攻撃力を400ポイントアップさせる代わりに、効果を無効にする!! よって、アマゾネスの格闘戦士の戦闘ダメージを0にする効果は無効となり、自爆ダメージを受けてもらう!!」
タニヤ「う……」
アマゾネスの格闘戦士 攻撃力:0→400

ビッグベン−Kに向かう格闘戦士に聖杯から聖水が降り注ぎ、彼女の力を底上げする代わりにその固有能力を失わせてしまう。それにタニヤは一瞬驚いた眼を見せるが、すぐにリバースカードを一枚に目を向けた。

タニヤ「リバースカードオープン[攻撃の無敵化]! このカードはバトルフェイズ時にのみ、異なる二つの効果の内一つを選んで発動できる! 私が発動する効果は、このバトルフェイズ中自分への戦闘ダメージは0になる効果!」

タニヤは三沢の反撃を打ち崩す手を見せる。が、その時三沢もまたカードを発動した。

三沢「俺は墓地からモンスター効果を発動する!!」
タニヤ「また墓地からだと!?」
三沢「その通り! このモンスターの効果トリガーは、自分フィールドに守備表示の超重武者が存在し、かつ相手がバトルフェイズに魔法・罠・モンスターの効果を発動した時! 墓地の[超重武者装留ビッグバン]を除外し、効果発動! 効果トリガーとなった魔法・罠・モンスターの効果の発動を無効にし、破壊! さらにその後、フィールドのモンスターを全て破壊し、お互いのプレイヤーは1000ダメージを受ける!!」

翔「タニヤのライフは800、それに対して三沢君のライフは1100! ギリギリで持ちこたえたっす!!」

三沢「タニヤ! 見せてやるぜ、俺の想い!! ビッグバン! 恋の炎で全てを焼き尽くせ!!」

三沢が叫ぶと共にビッグバンの炎がフィールドを焼き尽くし、大爆発を起こす。ちなみに三沢が最後に叫んだ技名によって風華の理性がプッツーンと音を立てて切れ、十代達はさらに必死こいて止める羽目に陥っていたのは別のお話。そして爆発によって起きた煙が消え去る。

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