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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕
日時: 2012/01/06 13:14:25
名前: 孝(たか)

とうとうシンクロ解禁。

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガールは不可。

雲魔物系はOK

ブラックマジシャンはOK

古代の機械系は神楽坂編が終了したので使用可能。

エレメンタルヒーロー系はOK

イービルヒーローは不可。

D・HERO系不可

モンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードとしています。

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを"魂のカード"として受け取るのはありです。


そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"が可能です。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.193 )
日時: 2013/03/30 06:58:37
名前: 孝(たか)

氷牙「・・・って!ハチドリの癖にデカ過ぎんだろうが!?どこが”小さな鳥”だよ完全に詐欺じゃねぇか!?」

しかし、この期に及んで文句を言う程度の余裕を見せる氷牙。
デカけりゃいいってもんでもないと憤る。

ピスク『ふふふ・・・その余裕もいつまで続くかな。我ら地縛神は共通の効果として、フィールド魔法がなければ真の力を発揮できず、エンドフェイズに破壊される。しかし、フィールド魔法がある限り我は攻撃対象にされず、相手に直接攻撃でき、更には相手の魔法・罠の効果を受け付けないのだ!!』
氷牙「んな!?最上級クラスの癖に直接攻撃持ちで攻撃対象にならないだけでは飽き足らず魔法・罠も受け付けないだと!?インチキ効果も大概にしやがれ!?」

フィールド魔法がなければ無力とはいえ攻撃対象に出来ずしかも相手からの魔法・罠無視とはインチキ以外の何物でもないだろう。

ピスク『なんとでも言うが良い!!バトルだ!』
氷牙「させるかボケが!メインフェイズ終了時に手札から[エフェクト・ヴェーラー]の効果発動だ!相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にしてやる!」

しかし、モンスター効果は受ける事に気付いた氷牙はすぐさまそれを実行。
いきなり地縛神の効果を無効にした。

ピスク『だが普通の攻撃は防げまい!我自身でデストロイヤーに攻撃!”ダークネス・ピアー”!』

その巨大な嘴でデストロイヤーを突き潰そうと迫りくる。

氷牙「罠発動!次元幽閉!攻撃モンスターを除外する!」
ピスク『莫迦め!!この瞬間、我の効果が発動する!表側表示の我自身が我自身の効果以外でフィールドから離れた時、相手の場の表側表示モンスター全てを破壊し、その数×800のダメージを与える!”エアー・プレッシャー”!!』

氷牙「しまっ・・・ぐああああああああ!?」LP2200→600

効果ダメージにより、本来の四倍ものダメージを受けてしまう氷牙。
相手の効果を無効にしていたとしても、フィールドを離れてから発動する効果では防ぎようがなかったようだ。
スターダストやならず者傭兵部隊だったならばフィールドで発動する効果扱いなので、エフェクト・ヴェーラーで無効になるのだが、どうやらアスラピスクはその対象ではなかったようだ。

ピスク『ふふふ・・・無様だな!我は手札1枚をコストに、魔法[D・D・R]を発動。除外されている我自身を攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する。カードを1枚伏せて、ターンエンドだ。』手札1(黒竜)

‐氷牙のターン‐

氷牙「ぐ・・・がはっ・・・ぜぇ、ぜぇ・・・くっそがぁ!!俺は、負けれねぇんだよ!」
ピスク『ふん!その傷でどうやって続けるつもりだ?我自身の効果でその身は既にボロボロではないか』

アレほど巨大なモンスターの効果ダメージだ。
同じ効果ダメージ量の昼夜の大火事二枚分とは雲泥の差である。

氷牙「関係・・・ねぇん、だよ。デュエルってのは、なぁ・・・子供達が楽しむ為に・・・見る者を楽しませる為にあるんだ・・・てめぇらみてぇな、屑共の・・・闇のゲームの媒体なんかに、させるもんじゃねぇんだ!!!」

氷牙の思いを込めた強き意思。
氷牙の左腕に仄かな熱が帯びる。

ピスク『ふん。戯言を・・・貴様らの未来など、我ら地縛神が食いつぶしてくれるわ!』
氷牙「させねぇって・・・言ってんだろ!!俺は負けねぇ!まだ娘の花嫁衣装も見てねぇ・・・孫も見てねぇ・・・世の中の飢えで苦しんでる奴らが幸せになる様も見てねぇ・・・そんな明るい未来が来るかもしれねぇのに、それを見る事も出来ないで・・・闇のゲーム如きで無様に負けて、消える訳にはいかねぇ・・・消えて、たまるかぁぁぁぁぁっ!子供達の未来へ導けねぇで・・・大人が務まるかあああああああああああああああ!!!!」

ピカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!

ピスク『なんだ!?この光は!?』
氷牙「ぐぅっ!?う、腕が・・・あちぃ・・・」

ビリィッ!!

氷牙は腕の熱さに耐えられず、思わず袖を引き裂く。

そこには・・・竜の頭の様な赤い痣が浮かび上がっていた。

ピスク『き、貴様・・・まさかシグナーに覚醒したと言うのか!?あり得ん!たかがその程度の覚悟で、赤き竜に選ばれたと言うのか!?』

氷牙の腕に浮かび上がった痣に驚愕の表情を隠せないアスラピスク。

氷牙「はぁ、はぁ・・・お、治まった・・・のか?」

腕の熱は治まったが、その左腕にはしっかりと痣が浮かび上がっていた。
その痣に触れると、何かの意志が氷牙の中に伝わってくる。

氷牙「・・・・・・なる程・・・詳しくはまだ分からんが、なんとなくだが理解した。」

それと同時に、デッキトップが光り輝く。

氷牙「俺のターン!ドロー!!」

氷牙の引いた逆転のカードとは一体・・・。

氷牙「リバース発動![無謀な欲張り]!2ターンの間ドローフェイズをスキップする代わりに、2枚ドロー!魔法カード[天使の施し]!3枚ドロー!・・・そして2枚捨てる!更に魔法カード[貪欲な壺]を発動!墓地の5枚のモンスターをデッキに戻し、シャッフル!」

『ジャンク・シンクロン』『ジャンク・バーサーカー』『C・ドラゴン』『スポーア』『ジャンクシンクロン』の五枚を戻してシャッフルする氷牙。

氷牙「そして2枚ドロー!行くぜ!まずは魔法カード[死者蘇生]!墓地から[ジャンク・デストロイヤー]を特殊召喚!魔法カード[シンクロ・チェンジ]!俺の場のシンクロモンスターをゲームから除外し、エクストラデッキから除外したシンクロモンスターと同じレベルのシンクロモンスターを特殊召喚出来る!ただし、効果は無効化される。デストロイヤーのレベルは8!」


ライ「レベル8のシンクロモンスターって言ったら・・・」
アルフ「うん。氷牙さんの新フェイバリット・・・スターダスト・ドラゴン!」
明日香「だ、だけど・・・この状況で、スターダストを出しても・・・攻撃力が下がるだけで特に意味はないわ。」
ヴィオ「・・・・・・違う。多分パパは・・・スターダストを使って何かをしようとしてるんだよ!」


氷牙「来てくれ相棒!シンクロ・チェンジの効果で『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚!!!」

スターダスト『ギャオオオオオオオオオオオオオ』ATK2500

星屑を煌めかせる竜・・・スターダスト・ドラゴンが顕現する。

ピスク『莫迦な?!シグナーの竜だと!?奴には最初からシグナーの素質があったとでも言うのか!?』

アスラピスクがさらなる出来事に驚愕を隠せない。
しかし、そんな事は関係ないと氷牙は次の手を出す。

氷牙「そして、スピリットモンスター[金華描]を召喚!その効果により、墓地からレベル1のモンスターを特殊召喚する!俺はこのターンで最初にドローし、施しの効果で捨てたこのカード・・・チューナーモンスター[救世竜 セイヴァー・ドラゴン]を特殊召喚!!」

金華描が墓地から連れ出したのは、赤い身体を持つ竜の幼生体だった。

ピスク『なん・・・だと!?赤き竜を従えると言うのか!?』
氷牙「俺は!レベル1の金華描とレベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル1の救世竜セイヴァー・ドラゴンをチューニング!!」


ライ「す、スターダストを」
アルフ「シンクロ素材にするだって!?」
明日香「ヴィヴィオの予想的中・・・ね」
エルフィ「親子の成せる勘と言う奴かしらね?」
ヴィオ「パパ!!やっちゃええええええええ!!」

氷牙「”集いし星の導きが、新たな未来を照らし出す。光さす道となれ!シンクロ召喚!未来へ導け!《セイヴァー・スター・ドラゴン》”!!」

赤き竜の力を借り受け、スターダスト・ドラゴンは新たな力を呼び起こした。

ピスク『あ、あり得ない・・・あり得る筈がない!!』
氷牙「セイヴァー・スターの効果発動!相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にし、そのモンスター効果をコピーする!”サブリメイション・ドレイン”!!」

セイヴァー・スター・ドラゴンが強烈な光を発すると、地縛神が苦しみ出し力を失っていく。
逆に、失った力はセイヴァー・スター・ドラゴンの力となっていく。

氷牙「これが最後の手だ!装備魔法「ジャンク・アタック」をセイヴァー・スター・ドラゴンに装備!装備モンスターが相手モンスターを戦闘で破壊し、墓地へ送った時、破壊したモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手に与える!バトルだ!!効果を無効化された今なら、地縛神を攻撃できる!セイヴァー・スター・ドラゴンで、地縛神 Aslla piscuを攻撃!!」
ピスク『や、やめろ・・・!?』

力を失った自身の本体が攻撃されると聞き、恐怖に慄くアスラピスク。

氷牙「”シューティング・ブラスター・ソニック”!!」

セイヴァー・スター・ドラゴンが地縛神に向けて強化技シューティグ・ブラスター・ソニックを叩き込む。

ピスク『ぐああああああ!?』LP1500→700
氷牙「吹雪を・・・俺の生徒を返して貰う!ジャンク・アタックの効果ダメージも食らえ!」
ピスク『あ・・・ああ・・・やめろ!?ギャアアアアアアアアアアアアア!?!?』LP700→0
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.195 )
日時: 2013/04/01 06:17:06
名前: 孝(たか)

セイヴァー・スター・ドラゴンの放つ光のブレスがアスラ・ピスクを呑み込み、更にその光が十代達の視界を白く染め上げていった。

隼人「ここは…」
翔「火山?」

それから最初に口を開いたのは隼人、その次に翔が呟く。ここは彼らがいるのは火山の中腹辺り、十代達も訳が分からぬ表情できょろきょろしていた。

明日香「兄さん!」

そしてその次に明日香が声を上げて、倒れている吹雪に駆け寄る。しかし吹雪は完全に気を失っており、レオが駆け寄ると脈を取ったり触診の真似事をする。

レオ「…氷牙先輩と鏡夜先輩に医務室で診察してもらわないとなんとも言えないが、多分気絶してるだけだ」
明日香「よかった…」

レオの診察に明日香は安堵の表情を浮かべてへたり込む。そんな中氷牙は自分の左腕に出来ている龍の頭のような痣を眺めていた。

氷牙(この痣は一体?…奴はシグナーと言っていた。シグナー、赤き竜…シグナーの竜、スターダストはそれと何か関係があるのか?……)
ヴィオ「どうしたの、パパ?」
氷牙「え?あ…いや、なんでもない。帰ったら服を縫わなきゃなと思っただけだ。お前も十代についててやれ」
ヴィオ「は〜い」

考え事をしている氷牙にヴィヴィオが声をかけ、氷牙は少し黙ると首を横に振って返しすと、先程自分で破いた服を見せて冗談っぽく笑う。もちろん竜の痣は見せないように気を遣うのも忘れてはいなかった。

鏡夜「皆! 大丈夫!?」

そこに何かを察知したのかそれとも山の方を捜索していたのか鏡夜が駆けつけ、その後を三沢や万丈目、亮達も続く。
そして捜索隊メンバーが集合したところで氷牙とレオが状況を説明、セブンスターズの刺客が行方不明の吹雪であったことを説明すると亮が目を見開き、吹雪の方に駆け寄る。
そしてシグナーなどまだよく分かっていない事については生徒達には伏せておき、一行はまだ眠っている十代はライとアルフが肩を貸し、気を失っている吹雪は亮が背負ってそれぞれ山を下山していった。


カイ「……」

一方月夜が照らす廃寮の中。カイはそこで月明かりに照らされながら二枚のカードを両手に一枚ずつ持ち両手を合わせて重ね合わせ、目を閉じていた。
床では不可思議な魔法陣が光を放っており、まるで神に祈りを捧げるかのような姿勢。そして突然月明かりが差し込んでいた窓から眩い光が放たれるとカイは姿勢を崩し、両手にあったカードをデッキケースに戻した。

カノンノ「カイ!」
カイ「ああ…氷牙さん、まさかあの人がシグナーに…閃光竜様に選ばれるなんて…」

カイの後ろで跪いていたカノンノが声を上げるとカイも頷いてそう呟く。そして僅かに何か考えるように目を閉じた後踵を返した。それと同時に魔法陣の光が消えていき、魔法陣そのものもゆっくりと消失していく。

カイ「帰るぞ。そろそろ寝ないと明日に響く」
カノンノ「は〜い」

カイの言葉にカノンノもそう返し、二人は人目につかないよう廃寮を出ていくとそれぞれの寮に帰って行った。


翌朝・・・レッド寮‐副寮長室‐

氷牙「痛いでござる」

氷牙は昨夜の地縛神との戦いで受けたダメージが思いの外強かったのか、全身筋肉痛の様な痛みが襲っていた。
しかし、口から出る言葉には余裕が感じられるが指一本動かす事も出来ないというアンバランスな状態だ。

鏡夜「どれどれ・・・つんつん」

ツンツンと言いつつゴリゴリと指を突き刺してくる鏡夜。

『ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああ!?!?!?!!』

その日、朝食の時間帯にデュエルアカデミア全体に轟く程の大絶叫が響いたのだった。

氷牙「あが、あがが…」

全身筋肉痛で動けないと言っているのにゴリゴリと指を突き刺され激しい痛みに襲われる。
更にはピクピクと痙攣を起こしてそれが益々筋肉痛の痛みを呼ぶと言う悪魔の連鎖が続く。

レオ「鬼ですか貴方は」汗

シンプルながら極悪な仕打ちにレオは大きな冷や汗を流しながら鏡夜を見つめる。

鏡夜「いい気味だよ。熱くなり過ぎて本来のプレイングを忘れて攻め過ぎて守備疎かにして闇のデュエルで大ダメージを受けるなんて…氷牙の本来のプレイングは守護&抑制系の鉄壁ゲーでしょうが。」

肉体的に苛めたら今度は精神的に痛めつけるのが鏡夜流である。

氷牙「しくしく…もう無理でござる。ライフもメンタルも0を超えてマイナスでござる。」
鏡夜「…で?そんな事はどうでもいいけど…?」

弄くり倒しておいていきなり真剣な表情に切り替える鏡夜。

氷牙「…地縛神。地に縛られし神、三幻神や三邪神とはまた違うベクトルの強大な力を持っている。」
鏡夜「フィールド魔法がなければ力を発揮できず自身を維持できない。しかし、最上級クラスの攻撃力を持ちながら直接攻撃能力・攻撃対象不可能力・相手からの魔法&罠の耐性持ち。」
レオ「それでいて、個別に特有の能力を持っている…しかも発言からして複数体存在している。」

地縛神…神の名を冠するだけあってデメリットこそあるが余りある破格の能力持ちのカード群。

氷牙「そして、奴らの言っていたシグナー・シグナーの龍・赤き竜。奴らに対抗もしくは抑止力と成り得る存在の事を指すんだろうが…」
鏡夜「その内の一人に、君が覚醒したって事?」

そう言って氷牙の左腕の痣‐今は痣が見えない様に包帯で隠してある‐を見る鏡夜。

氷牙「どうやらそうらしい。んで、俺のスターダスト・ドラゴンがシグナーの龍の1体って事なんだろう。」
レオ「けど、スターダストはつい最近おやっさんが開発したカードの筈。関連がある様にはとても…確かに特別なカードとは言っていましたが」
鏡夜「もしも関連があるとしたら、製作者が同じでドラゴン族のシンクロモンスター”レッド・デーモンズ・ドラゴン”を受け取った僕も、シグナー候補になるのかな?」

ふと、氷牙のスターダスト・ドラゴンと同じ経緯で手に入れた自身のレッド・デーモンズ・ドラゴンもその類の可能性があるのでは思った鏡夜。

氷牙「無い。とは言い切れんな。だが、そうだとすると」
レオ「風華の”ブラックフェザー・ドラゴン”、アルフの”エンシェント・フェアリー・ドラゴン”」
鏡夜「それから、メリオルの”ブラックローズ・ドラゴン”もその可能性が出てくるね。」
氷牙「下手すりゃ、ライの”パワー・ツール・ドラゴン”、カイの”ダイガスタ・ウィンド・ドラゴン”、ヴィヴィオの”聖王竜セイバー・ドラゴン”も選択肢に含まれてるかもな?」

次々と候補なのでは?と思われるドラゴンと所持者を挙げていく一同。

鏡夜「もしかしたら、美春君の”氷結界の龍ブリューナク”だって入ってるかもよ?」
氷牙「ま、今あれこれ憶測を述べてもあまり意味はないが…出来れば、子供達が選ばれる事がない事を祈りたい所だな。」
レオ「そうっすね。闇のデュエルなんてモノが関わっているなら尚更です。」

別に子供達に戦うなとは言わない。しかし、出来れば危険な事には極力関わってほしくないと言うのが正直な気持ちである。

氷牙「その為にも、絶対に勝つぞ。セブンスターズに…地縛神共に!」

そう言って一同は頷くのだった。

因みに、本日のレッド寮の食事を用意したのは妻の凛である。綺麗なお姉さんの作ってくれた食事にレッド寮生は心の中で狂喜乱舞している。
しかも、氷牙と寸分違わずに美味い食事だ。涙が出るのも仕方ない事だろう。

これにより、更にやる気の出たレッド寮生は授業への取り組みも積極的になり、成績は徐々にだが右肩上がりに伸びている。
中にはイエロー生徒(主に三沢や神楽坂)に頼み込んで試験デュエルに付き合って貰うものも出てきている。

人を良くするにはまず食事からという氷牙の取り組みは成功と言えるだろう。

その頃、保健室では…

シャリシャリシャリ…

十代「……動けねぇ…デュエルしたい。走りたい。飛び跳ねたい。」
ヴィオ「ダメだよ。パパや鮎川先生にも1週間は絶対安静って言われたんだから。」
十代「ううう…でもよぉ」

既に十代も目を覚ましていた。まぁ普段から体力が有り余っている十代には1週間絶対安静とは酷な話である。

やはり彼は同年代から見ても身体の作りが化け物じみているのだろう。初めての闇のデュエルで、しかも強烈なダメージを受けたのに全身筋肉痛で済んでいるのがその証拠だ。

ヴィオ「我慢我慢。はい。リンゴ剥けたよ?はい。あ〜ん♪」
十代「あむ…しゃくしゃくゴックン。美味い」

カイとカノンノに負けないくらいイチャラブしてました。
しかし、本人達は無自覚である。

明日香「・・・兄さん。」
サラ「吹雪・・・」
吹雪「・・・・・・」

吹雪が心配で見舞いにきた明日香とサラは少し暗い表情で吹雪を見つめるしかできなかった。

吹雪の方は特に身体に異常は見られない為、数日もすれば目が覚めるだろうとの事だが・・・ダークネスや地縛神という怪しげなモノに憑りつかれていたのだ、あまり油断はできない。

因みに、なぜサラが此処に居るのかとういうと、やはり以前話していた探し人は吹雪であったからだ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.196 )
日時: 2013/04/01 17:21:36
名前: カイナ

それから数日が過ぎ、デュエルアカデミアでは今も十代達のセブンスターズとの戦いが行われている。ここはアカデミアの人気のないとある地点、そこではデュエルが行われていた。だがそれはただのデュエルではない、辺りに漂う闇の霧、闇のデュエルだ。

レオ「ば、かな……」

戦っている一人はオシリスレッド寮所属教師、空時レオ。彼の場には彼の切り札の一体、プラネットシリーズの一枚PLUTOがあるが彼の表情は険しいもの。それもそうだ、彼は今絶対的なピンチに陥っている。

?????「くっくっく、その程度か?」
レオ「なんだ、これ?……力が……出ない……」

黒いローブに身を包んだ、声からして間違いなく男性の言葉にレオはぜえぜえと荒い息をしながら呟く。闇のデュエルの体力消費は普段のデュエルの比ではない、それは彼も当然の事と知っているが今回はその消費量が言うなれば異常、既にまともにデュエルを行えるほどの体力すら彼には残されていなかった。

?????「俺のターンだ、ドロー!!」
レオ「……」

もはや相手がドローしたのを黙って見ている事しかレオには出来ない。そしてその相手はローブの中でニヤリと微笑んだ。

?????「終わりだ!――」
レオ「……」

目も耳も効かなくなってきた。相手が何を言っているのか、何を呼び出したのかも分からない。レオはそう考えながら目の前にたたずむPLUTOが何かに斬られたのを黙って見ていた。そしてその衝撃がレオをも襲う。

レオ「が、あっ……」LP1000→0

その衝撃波は刃となってレオの身体を袈裟懸けに斬り裂き、レオの体から真っ赤な鮮血が吹き出る。そしてレオが力なく倒れたのを見た男性はふんと鼻を鳴らした。

?????「もろい、もろすぎる。ここにいるのは分かっているのだぞ、とっとと出てこい! ディセンダー!!」

男性は空を見上げながらそう声を上げる。そしてぶるああぁぁぁという怒号がその場に響き渡った。
翌日、アカデミアの保健室。前日から行方不明となっていたレオがここに緊急搬送されたという知らせを聞き十代達は保健室へと駆け込んでいた。そこには医者らしい白衣に身を包んだ氷牙と鏡夜、ベッドで死んだように眠っているレオ、そして一足先にやってきていたメリオルとレオを慕っていた女生徒――桐岡麻季の姿がある。麻季はいつもの強気な性格からは考えられないほどに泣きじゃくっており保険医の一人である鮎川が落ち着かせている。

ライ・アルフ「「氷牙先生! 父さんは!?」」
氷牙「なんとか命に別状はない……だが身体を深く斬りつけられていて、もうちょっと発見が遅かったら、あるいは発見したのが俺達じゃなかったら危なかったかもしれん……」
鏡夜「定期船から医療道具を受け取った帰りだったのも不幸中の幸いだったね、すぐに応急処置が出来たから……」

ライとアルフの言葉に氷牙はふぅと息を吐きながら返す、それに鏡夜もレオを真剣な目で見ながら続ける。

氷牙「だが一体どういう事なんだ? レオを発見した時の痕跡から考えてデュエルを行っていたのは間違いないんだが……」
十代「まさか、セブンスターズが闇のデュエルを!?」
鏡夜「でも闇のデュエルにしても外傷が酷すぎるんだよ……」

氷牙の言葉に十代が気づいたように言うと鏡夜がそう返す。するとその場に突然一人の気配が入った。

全員『っ!?』
カイ「悪い、ちょっと入るぞ」

ライ達はもちろん氷牙と鏡夜すら一瞬気づいていなかった。まるで風のように入ってきた青年――カイはそう言うとレオの元に歩き寄り、袈裟懸けに斬られている彼の胴体を見た。

カイ「やっぱり……」

カイはそう呟くとギリッと歯を鳴らす、そして拳を握り締めて一旦その場を離れるとまるで怒りを解き放つようにガンと保健室の壁を殴った。

十代「カイ!?」
カイ「迂闊だった、俺としたことが、セブンスターズの闇のせいであいつの闇を感じ取れなかった……カノンノ」
カノンノ「うん。あの、鮎川先生、麻季ちゃん、悪いけど席を外してくれるかな?」

十代が驚いたように叫ぶとカイはそうぶつぶつと呟きながら壁を殴り続け、カノンノを呼ぶと彼女はうんと頷いて二人に席を外すようお願い、二人はただ事でない事を察したのかこくんと頷いて部屋を出て行った。

氷牙「それで、どういう事なんだ?」
カイ「……まず、お前らは精霊って存在を信じてるか?」
十代「せ、精霊って!?」
万丈目「何故お前がその存在を知っている!?」

氷牙の言葉にカイが静かにそう言うとその存在を視認できる十代と万丈目が驚きの声を上げ、カイはふっと笑うと静かに口を開く。

カイ「ウィンダ、ライコウ」
ウィンダ[はいはーいっ]
ライコウ[わうっ!]

万丈目「精霊が二体も!?」
十代「お前も精霊を知ってたのか……」

カイの言葉の直後彼とカノンノの所有する精霊――ウィンダとライコウが姿を現し、その姿を見た万丈目と十代は驚きを露にするが精霊が見えない翔達はきょとんとしかする事が出来ず、カイはまた口を開く。

カイ「ライコウはカノンノの所有してる精霊だが、ウィンダは俺の昔馴染みでな。昔ガスタの民にはお世話になっていた」
十代「昔って、お前俺達と同い年だろ!? どういうことだ!?」

カイの言葉に十代が驚きの声を上げるとカイはくくっと笑う。

カイ「ああ。今の俺の肉体年齢は16歳、それは間違いないけどな……」

その言葉と共にカイをつむじ風が覆う。そして風が止むとカイはさっきまで着ていたレッド寮の制服から赤と黄を基調にした東洋服に衣装を変えていた。ちなみにその横でカノンノも光に包まれたと思うとサイドポニーの髪形はそのままに袖が赤い長袖となっている白色の服に身を包んでいる。

カイ「俺とカノンノの前世は精霊、所謂転生者ってやつだ。不思議がる事はない、アークティックにも転生者の記憶を持つ奴がいたからな。中には装備魔法の転生者だっていたんだぜ?」

カイの言葉に生徒全員がポカンと口を開ける、すると氷牙が口を開いた。

氷牙「それで、お前が転生者だというのは分かった。だがそれと今回の事と何の関係がある?」
カイ「俺とカノンノの前世は闇を払い浄化する光の力を持つディセンダー。そして精霊界での戦いにおいて俺とカノンノはある男と戦っていた。その名はバルバトス・ゲーティア」
十代「バルバトスってあの時俺とヴィオが戦った!?」
カイ「そう、転生したあいつがデュエルアカデミア、つまりここに現れるという事が分かったから俺とカノンノはここに転校してきた。そしてお前らが偽りの闇のデュエルをした廃寮に向かったんだが一足遅くてな。ただ逃がしただけじゃなくまさか闇のデュエリストの力まで得ちまうなんて誤算だった……ただでさえ厄介な奴なのに……」

氷牙の問いにカイは真剣な表情でそう返し、その名前を聞いた十代が驚いたように叫ぶとカイは静かに頷いて返す。

カイ「俺達が闇を払う光とすればあいつは光を塗り潰す闇、そして俺とあいつには前世の因縁もある。俺達は今度こそあいつを滅するためにここにやってきたんだ……だが、俺の力が及ばずレオ先生に怪我を……」

カイはギリギリと歯軋りをしながらうつむいて呟く。それに十代達は何も言えずにいたがメリオルはふぅとため息をつくと立ち上がってカイに歩き寄り、彼の頬にパンと平手打ちを叩き込む。

メリオル「落ち込んで結構、でもそれだけでぐだぐだ進まないのは見ててうっとおしいわよ?」
カイ「う……」
メリオル「大丈夫よ、レオはこの程度の事でくたばったりしない。生まれてからもう40年近く付き合ってる私が断言するから間違いないわ」

平手打ち直後のメリオルの言葉にカイは唸り声を出すが彼女の微笑みながらの言葉にカイは小さくこくんと頷く。するとカノンノが寒気を感じたようにぞくりと身体を震わせた。

カノンノ「カイ!」
カイ「気づいてる! 出やがったなバルバトス!!」

カノンノの呼び声にカイもこくんと頷き、そう叫びながら保健室を出て行く。それを見た氷牙達もレオをメリオルに任せてカイの後を追った。そしてメンバーはアカデミア島にある岸壁へとやってくる、そこには青いウェーブがかった髪を伸ばした男性――バルバトスが立っていた。

バルバトス「久しいな、ディセンダー」
カイ「ああ、随分永い年月会ってなかったな」

二人はそう言い合うとこれから行う事を理解しているのかデュエルディスクを構える。ちなみにカイのデュエルディスクは形こそアカデミアのものだが全体的に鮮やかな紅色で占められており、バルバトスのデュエルディスクは黒く不気味な印象を与えるものだ。

カイ「俺とお前の永い因縁、今ここで決着をつける!!」
バルバトス「上等だ! 俺の渇きを癒してみせろ!!」

カイ・バルバトス「「デュエル!!!」」

そして二人の声と共にその場に光と闇が走った。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.197 )
日時: 2013/04/01 17:22:11
名前: カイナ

カイ「全員、カノンノの近くに集まれ!!」

バルバトスが闇を発すると同時にカイが真剣な声質で言い、咄嗟に全員がそれに従ってカノンノの近くに集まるとカノンノは胸の前で両手を組む。それと同時に彼らを光の結界が包み、バルバトスの放つ闇を防ぐ。

十代「うっ……」
翔「き、気分が……」

すると突然十代と翔がふらつき、ヴィヴィオ達も膝を折る。カノンノを除くと立てているのは氷牙と鏡夜のコンビだがそれでも僅かに表情をしかめている。

カノンノ「バルバトスの闇は周囲に存在するものを敵味方関係なく蝕む。転生して力が下がってるからどうにか私一人でほとんど防げるけど、カイは戦う必要があるから結界を張れないし、いくらバルバトスの闇には慣れてるって言っても……」

カノンノはそう呟き、心配そうな表情でカイを見た。

カイ「俺の先攻、ドロー! 俺はモンスターをセット、カードを二枚セットしてターンを終了する!」手札三枚
バルバトス「クックック、ゆくぞ、俺のターン! ドロー! 俺は[インヴェルズの先鋭]を攻撃表示で召喚! インヴェルズの先鋭でセットモンスターを攻撃ィ!!」
インヴェルズの先鋭 攻撃力:1850

カイ「守備モンスターは[ガスタの希望 カムイ]! そのリバース効果によりデッキから[ガスタ・ファルコ]を特殊召喚!」
ガスタ・ファルコ 守備力:1400

カイの場のガスタの民はインヴェルズにやられる前に指笛を吹き、ガスタの仲間である小鳥を呼び出す。

バルバトス「ちぃっ、カードを一枚伏せてターン終了だ」手札四枚
カイ「おっと! エンドフェイズにリバースカードオープン[奇跡の残照]! このターン戦闘によって破壊されたモンスター一体を特殊召喚する! 戻って来い、カムイ!」
カムイ[俺、復活!]
ガスタの希望 カムイ 守備力:1000

カイの言葉と共にカムイが元気よく姿を現す。

カイ「そして俺のターン、ドロー!」

十代「カイの場にはチューナーと非チューナーがいる」
翔「今ならレベル四のシンクロモンスターに繋げられるっす!」

十代と翔の言うとおりの状況、しかしカイはふっと笑って声を上げた。

カイ「レベル二のガスタの希望カムイとガスタ・ファルコをオーバーレイ!!」

子供達『オーバーレイ!?』

カイ「二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 羽ばたけ、[ダイガスタ・フェニクス]!!!」
ダイガスタ・フェニクス 攻撃力:1500

カイの聞いた事ない言葉に子供達が声を上げ、カイの場の二体のモンスターが光となって渦を描き、地面に描かれた魔法陣に吸い込まれていく。そして魔法陣から溢れる光の爆発と共に生まれた鳥はクアアァァァっと鳴き声を上げた。

十代「エ、エクシーズ召喚!? カ、カイ! なんだよそれ!?」

カイ「これが精霊の力、エクシーズ。複数の同レベルモンスターがフィールドに存在する場合エクストラデッキよりモンスターを特殊召喚する召喚方法。まあ、同じレベルのモンスターを揃える必要があるがチューナーの必要ねえシンクロ召喚とでも理解してればいい」

十代の驚きの声にカイは静かにそう説明、ダイガスタ・フェニクスの周りを旋回している二つの小さな光の球体を見た。

カイ「エクシーズモンスターはこの世界のモンスターの常識を覆す存在。全てのモンスターに存在するレベルと言う概念を持たず、その力はランクによって示される。そしてエクシーズ召喚の素材となったモンスターは墓地へはいかずオーバーレイユニットとしてエクシーズモンスターをサポートする!」

十代「な、なんだってー!?」

カイ「そしてダイガスタ・フェニクスの効果発動! オーバーレイユニットを一つ取り除き、俺のフィールドに存在する風属性モンスター一体をこのターン二回攻撃可能にする! 俺はオーバーレイユニット、ガスタ・ファルコを取り除きダイガスタ・フェニクス自身に二回攻撃能力を付与させる!」

その言葉と共にフェニクスが光の球を一つ食べ、緑色のオーラがフェニクスを覆う。

カイ「さらにリバースカードオープン永続罠[リミット・リバース]! 墓地から攻撃力1000以下のモンスター、ガスタ・ファルコを特殊召喚し、ファルコをリリースして[ガスタの賢者ウィンダール]をアドバンス召喚!!」
ガスタの賢者 ウィンダール 攻撃力:2000

カイ「バトルいくぜ! ウィンダールでインヴェルズの先鋭を攻撃!!」
バルバトス「ちっ!!」LP4000→3850

カイの指示と共にウィンダールは手に持った杖でインヴェルズを殴り破壊、その直後ウィンダールは杖を構えて詠唱を始め、その場に風が起きたと思うと墓地にいたガスタ・ファルコがフィールドに舞い戻る。

カイ「ウィンダールは相手モンスターを戦闘破壊した時、墓地のレベル3以下のガスタを守備表示で特殊召喚できる。ガスタ・ファルコを守備表示で特殊召喚。そしてダイガスタ・フェニクスで二回攻撃!」
ガスタ・ファルコ 守備力:1400
バルバトス「そうはさせん! リバースカードオープン[リビングデッドの呼び声]! 墓地からインヴェルズの先鋭を特殊召喚!」
カイ「攻撃中止! リバースカードを一枚セットしてターンエンドだ」手札二枚

一気にカイが攻め切ると思ったがバルバトスはさっきやられたインヴェルズを蘇生、それを見たカイはちっと舌打ちを叩くと攻撃中止を命じてターン終了を宣言した。

バルバトス「俺のターン、ドルォー! 俺はインヴェルズの先鋭をリリースし、[インヴェルズ・ギラファ]をアドバンス召喚!! こいつはレベル7モンスターだがインヴェルズをリリースとした時、表側攻撃表示でアドバンス召喚が出来る!」
インヴェルズ・ギラファ 攻撃力:2600

バルバトスの叫び声と共にバルバトスの場の蜂のようなインヴェルズが突如現れた上級インヴェルズに捕食され、クワガタのようなインヴェルズがバルバトスの場に立つ。

バルバトス「さらにギラファのアドバンス召喚に成功した時、相手の場のカード一枚を墓地に送り、ライフを1000ポイント回復する! 俺はウィンダールを墓地に送り、ライフを回復だぁ!!」LP3850→4850

さらにクワガタ型インヴェルズがウィンダールを捕食し、さらにバルバトスもライフを回復する。

バルバトス「バトル! インヴェルズ・ギラファでダイガスタ・フェニクスを攻撃!!」
カイ「トラップ発動[ゴッドバードアタック]! 鳥獣族ガスタ・ファルコをリリースしてフィールドのカード、インヴェルズ・ギラファとリビングデッドの呼び声を破壊する!」
バルバトス「ならばそれにチェーンして速攻魔法[侵略の一手]! アドバンス召喚に成功したインヴェルズ、インヴェルズ・ギラファを手札に戻し、カードを一枚ドロー!」

カイとバルバトスは一回のバトルでも直凄まじい攻防を見せつける。

バルバトス「カードを二枚セットしてターンエンドだ!」手札三枚(内一枚ギラファ)
カイ「俺のターン、ドロー! [強欲な壺]を発動し、カードを二枚ドロー。俺は魔法カード[ワン・フォー・ワン]を発動! 手札のガスタ・グリフを墓地に送り、デッキからレベル1モンスター、[ガスタ・イグル]を特殊召喚! さらにガスタ・グリフが手札から墓地に送られた場合、デッキからガスタの民[ガスタの疾風 リーズ]を特殊召喚!! レベル6、ガスタの疾風リーズにレベル1のガスタ・イグルをチューニング! もう何も怖くない! シンクロ召喚! [ダイガスタ・スフィアード]!!」
ダイガスタ・スフィアード[ふんっ、はああぁぁぁっ!!!]
ダイガスタ・スフィアード 攻撃力:2000

カイの場に新たな力を得たガスタの民が姿を現し、それを見たバルバトスが表情を歪める。

バルバトス「忌々しいヴァイロンが……」
カイ「ダイガスタ・スフィアードのシンクロ召喚に成功したことにより墓地からガスタのカード、ガスタ・ファルコを手札に加える。さらにダイガスタ・フェニクスの効果発動! オーバーレイユニット、カムイを墓地に送ることで風属性のスフィアードに二回攻撃の権利を与える!」

バルバトスの呟きの後カイは一気に総攻撃態勢を整える。

カイ「バトルだ! ダイガスタ・スフィアードでバルバトスにダイレクトアタック!」
バルバトス「そうはいくかぁ!!! リバースカードオープン[サンダー・ブレイク]!! 手札一枚をコストとし、ダイガスタ・スフィアードを破壊する!!」
ダイガスタ・スフィアード[ぐああぁぁぁっ!!!]

バルバトス目掛けて突進するガスタの女戦士を天から降り注ぐ雷が討ち、撃破する。

カイ「悪い、姐さん……ならダイガスタ・フェニクスでダイレクトアタック!」
バルバトス「もう一枚のリバースカードを発動! [侵略の波紋]!! ライフ500をコストに墓地からレベル4以下のインヴェルズ、[インヴェルズを呼ぶ者]を特殊召喚!」LP4850→4350
インヴェルズを呼ぶ者 攻撃力:1700
カイ「サンブレのコストかくそ……メインフェイズ2に[ガスタ・ファルコ]を守備表示で召喚! カードを二枚セットしてターンエンドだ」手札零枚
ガスタ・ファルコ 守備力:1400

カイの総攻撃をバルバトスは防ぎきり、カイは防御を固めるように手札を全て使用してターンを終える。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.198 )
日時: 2013/04/01 17:22:42
名前: カイナ

バルバトス「俺のターン、ドロー! 俺は[インヴェルズを呼ぶ者]をリリースし再び[インヴェルズ・ギラファ]をアドバンス召喚! その効果でそうだな……俺から見て右の伏せカードを墓地に送り、俺のライフを1000回復する!」LP4350→5350
カイ「くそ……」

バルバトスが再び呼び出したクワガタ型インヴェルズによってカイの場の伏せカードが捕食される。

バルバトス「さらにインヴェルズを呼ぶ者を使ってアドバンス召喚に成功した時、デッキからレベル4以下のインヴェルズ、[インヴェルズの歩哨]を特殊召喚! さらに俺は速攻魔法[スター・チェンジャー]を発動! インヴェルズ・ギラファのレベルを一つ上げる!」
インヴェルズの歩哨 攻撃力:1100
インヴェルズ・ギラファ レベル7→8

さらにもう一体下級インヴェルズが姿を現した。ついでにギラファのレベルが一つアップする。

バルバトス「まだだぁ! 俺は魔法カード[星に願いを]を発動ぉ! 俺の場のモンスター一体を選択し、そいつと同じ攻撃力もしくは同じ守備力を持つモンスターのレベルは選択したモンスターと同一のレベルとなる! インヴェルズ・ギラファの守備力は0、よって守備力0のインヴェルズの歩哨のレベルも8となる!」
インヴェルズの歩哨 レベル3→8

カノンノ「レベル8が二体……」

バルバトスのプレイングにカノンノが絶句する。

バルバトス「レベル8の闇属性、インヴェルズ・ギラファとインヴェルズの歩哨をオーバーレイ!! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築ゥ!!!」

その言葉と共に二体のインヴェルズが闇に覆われていき、その闇がどんどん濃くなっていく。するとバルバトスの左手の甲に何かの数字が浮かび上がった。

バルバトス「エクシーズ召喚!!! 来い、[No.22 不乱健]!!!」
No.22 不乱健 攻撃力:4500

十代・翔「「こ、攻撃力4500!?」」

カイ「や……やべえ……」

バルバトスの呼び出したモンスターは一言で言えば巨人のフランケンシュタイン。身に着けているフードの前面にはバルバトスの手の甲に浮かび上がった文字と同じ「22」の文字が刻まれている。その圧倒的な攻撃力に十代と翔は気分が悪いのも忘れて叫び声を上げ、カイはそのモンスターに声を漏らす。

バルバトス「バトルだぁ!! 不乱健でダイガスタ・フェニクスを攻撃ィ! 不乱拳!!!」
カイ「くそ! リバースカードオープン[聖なる鎧―ミラーメール―]! このカードは自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが攻撃対象に選択された時に発動する事ができ、攻撃対象モンスターの攻撃力は攻撃モンスターの攻撃力と同じになる!!」
ダイガスタ・フェニクス 攻撃力:1500→4500

十代「よし! これで相打ちだぜ!」

バルバトスの指示と共にダイガスタ・フェニクス目掛けて突進していくフランケンシュタイン。それに対しカイも残ったリバースカードを使って応戦し、聖なる鎧を身にまとったダイガスタ・フェニクスの攻撃力が急上昇。同時にフランケンシュタインの拳がフェニクスを殴り、フェニクスも羽ばたいて発生させた風の衝撃波で対抗する。その風にフランケンシュタインはのけぞり、拳の勢いにフェニクスも吹き飛ばされ粉砕される。

不乱健[……]

翔「えっ!?」

しかしフランケンシュタインは体勢を戻すとバルバトスの場に戻っていき、翔は声を漏らす。

十代「う、嘘だろ!? なんで不乱健が破壊されないんだ!?」

バルバトス「教えてやろう小僧!! ナンバーズは、ナンバーズ以外での戦闘によっては破壊されない!!!」

万丈目「何!? なんだそのインチキカードは!?」
カノンノ「ナンバーズはモンスター・エクシーズの中でも上位の存在。それを戦闘で破壊するには同じナンバーズで倒すしかない」
氷牙「ダイヤモンド・カット・ダイヤモンドって理屈か……」

十代の叫びにバルバトスは妙に律儀に説明し、それに万丈目が声を上げるとカノンノはそう説明、説明を聞いた氷牙は腕を組んで呟いた。

鏡夜「あ、でも効果破壊やバウンス、除外とかは効くんだよね? なら対処は簡単じゃない?」
カノンノ「え、ええ、まあ……」

しかし次に鏡夜はあっさりそう言い、カノンノは頬を引きつかせながら頷いた。

バルバトス「……お、俺はこれでターンエンドだ!!!」手札零枚

その言葉が聞こえたのかバルバトスは少し黙った後どもってターンエンドを宣言、カイも乾いた笑みを漏らしていた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.199 )
日時: 2013/04/28 09:39:49
名前: カイナ

カイ「俺のターン、ドロー! 俺は魔法カード[壺の中の魔術書]を発動! 互いのプレイヤーはデッキからカードを三枚までドローする! 三枚ドロー!」
バルバトス「俺も三枚ドロー!」

カイとバルバトスは互いに手札を三枚まで引き上げる。

カイ「俺はモンスターをセットし、カードを一枚セットしてターンエンドだ!」手札一枚
バルバトス「俺のターン、ドロー! 俺は[インヴェルズの門番]を攻撃表示で召喚し、バトル! インヴェルズの門番でガスタ・ファルコを攻撃!!」
インヴェルズの門番 攻撃力:1500

バルバトスの呼び出したダンゴムシ型と思われるインヴェルズの突進がガスタ・ファルコを破壊する。

バルバトス「不乱健で守備モンスターを攻撃! 不乱拳!!」

そして彼の指示と同時に不乱健が守備モンスターに突進、守備モンスター――ガスタ・サンボルトを殴り飛ばす。

カイ「バトルフェイズ終了時に、戦闘破壊されたガスタ・サンボルトの効果を発動! 墓地のガスタの民、カムイをゲームから除外することでデッキから守備力1500以下のサイキック族かつ風属性モンスター……[ガスタの静寂 カーム]を特殊召喚!」
ガスタの静寂 カーム 攻撃力:1700
バルバトス「カードを一枚セットし、ターンエンドだ!」手札一枚

カイの場に新たなガスタの民が姿を現し、バルバトスはカードを一枚セットするとターンエンドを宣言する。

カイ「俺のターン、ドロー! 俺はカームの効果を発動! 墓地のガスタの民、リーズとガスタ・サンボルトをデッキに戻すことでデッキからカードを一枚ドロー! [サイコ・ウォールド]を攻撃表示で召喚!」
サイコ・ウォールド 攻撃力:1900

十代「レベル4モンスターが二体!」

カイの呼び出した二体のモンスターに十代が目を輝かせる。

カイ「俺はレベル4のカームとウォールドをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!」

その言葉とともにカームとウォールドが地上に現れた不可思議な渦に吸い込まれていき、その渦の中心の穴の中から塔が上っていく。そしてその塔が突然変形を始め、一人の戦士の姿となっていく。その左肩のプロテクターには39の文字が書かれており、カイの左手の甲にも39の文字が浮かび上がる。

カイ「エクシーズ召喚!! 夢と希望の戦士、[No.39 希望皇ホープ]!!!」
ホープ[ホオォォーップ!!!]
No.39 希望皇ホープ 攻撃力:2500

カイの宣言と共に戦士――ホープが雄叫びを上げた。

カイ「バトル! 希望皇ホープでインヴェルズの門番に攻撃! ホープ剣スラッシュ!」
バルバトス「ぐうぅぅっ!」LP4350→3350

ホープの斬撃がダンゴムシ型インヴェルズを斬り裂き、その衝撃波がバルバトスを襲う。

カイ「ターンエンドだ」手札二枚

そしてカイはそのままターンエンドを宣言する。

バルバトス「俺のターン、ドロー!……俺は不乱健で希望皇ホープを攻撃!! 不乱拳!!!」
カイ「希望皇ホープの効果発動! 自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのエクシーズ素材を一つ取り除いてそのモンスターの攻撃を無効にする!! カームを取り除いて効果発動! ムーンバリア!!!」

バルバトスの操る不乱健の巨大な拳とカイの操るホープの背部パーツが展開した防壁がぶつかり合い、光と闇が辺りに拡散する。

全員『うわああああぁぁぁぁぁっ!!??』

目の前どころか世界中にまで広がる勢いの光と闇の波動に思わず全員が声を上げる。

カイ・バルバトス「「ぐ、ぐぅっ!? あああぁぁぁぁっ!?」」

カノンノ「カイ!?」
十代「う、気分が……」
カノンノ「あ、ごめん!」

同時に突然カイとバルバトスが左手を押さえながら苦しげな声を上げ始め、カノンノが駆け寄ろうとするがその瞬間バルバトスの邪気にあてられた十代が苦しみだし、翔も今にも気絶しそうにくらくらし始めるとカノンノは慌てて結界を張り直してカイ達の状態を探る。とはっとしたように目を開いた。

カノンノ「二枚のナンバーズがぶつかりあったせいでこの場に溜まった精霊の力が拡散してる……この感じ、まさか、エクシーズの力が……世界で目覚めていく!?」

カノンノが感じ取ったのはカイのホープとバルバトスの不乱健がぶつかりあったことで二つのナンバーズの力とそれに力を宿していたカイとバルバトスという強大な二人の精霊の力が拡散していくところ。カノンノはそれがきっかけとなって世界中からエクシーズの力が目覚めていくことを感じ取っていた。




鳴人「ぬ……」
メイド「どうかなさいましたか?」

ある場所。アンヴィレント・ファイナンシャルの仕事でここにやってきていた鳴人は突然自分のデッキが不思議な光を放っているのに気づくとデッキからカードを取り出す。

鳴人「これは、カードが変わっていく?……クリムゾン・シャドーが、なんだ、これは?……No.20?……」

鳴人は自分のデッキにある特殊融合モンスターが変わっていくのに驚いたように目を見開きそんな声を漏らしていた。



エデン「……始まったのね、カイ」

またその頃、レディアント・コーポレーション社長室。エデンは目を細めて何か思うような表情でそう呟き、社長室の窓から見える絶景に目を向ける。

クラトス「エデン、次はこの書類に目を通してサインをしろ」

エデン「クラトスー、真面目なのがあんたのいいとこなんだけどちょっとは空気読んでよ今私息子の新たな戦いを思う母親やってんだからさー」

そこに書類を持ってきたクラトスがそう言うとエデンは口を尖らせてぶーぶーと声を漏らす。

クラトス「ああ……カイとカノンノが言っていた精霊がどうのというやつか」
エデン「正直私も半信半疑だったんだけどね。ほらこれ」

クラトスの漏らした言葉にエデンはそう言い、自分のデッキからカードを数枚取り出す。それは特殊融合モンスターである魔導モンスター。それらは全て黒色が基調となり背景にまるで星が輝いているようになったカード――エクシーズモンスターとなっていた。特にビッグ・アイは名前にNo.11という新たな文字が浮かんでいる。

エデン「これを見せられたら信じざるを得ないわよ。カイとカノンノはちょっとした冗談はともかくここまで手の込んだ悪戯をする子じゃないしね……まあ、私はあの二人の無事を屋上で祈ってくるわ」

エデンは慈愛に溢れた笑みを浮かべながら席を立ち、クラトスに向かってそう言いながら社長室を出ていこうとする。

クラトス「逃がすか。仕事をしろ」
エデン「ちっ」

しかしクラトスは素早く彼女の肩を掴んでそう言い、エデンは舌打ちを叩いた。



カイ「つっ……なんだったんだ?……」
バルバトス「ぬう……メインフェイズ2に[インヴェルズの斥候]を守備表示で召喚。ターンエンドだ」手札一枚
インヴェルズの斥候 守備力:0

痛みが治まった二人は、カイは左手の甲を押さえながら声を漏らし、バルバトスは新たなインヴェルズで守備を固めてターンを終えた。

カイ「俺のターン、ドロー! 俺は魔法カード[ガスタの交信]を発動! 墓地のガスタの民、フェニクスとカームをデッキに戻すことで相手カードを一枚破壊する! 不乱健を破壊させてもらう!」
バルバトス「そうはいかんわ! 不乱健の効果発動! 手札を一枚捨て、エクシーズ素材インヴェルズ・ギラファを取り除き、不乱健を守備表示に変更することで相手のカード一枚の効果を無効とする! ガスタの交信の効果を無効にする!」
No.22 不乱健 攻撃力:4500→守備力:1000

カイ「ちっ……なら、[ガスタの巫女 ウィンダ]を攻撃表示で召喚! 出番だ、ウィンダ!」
ウィンダ[はいはーいっ!]
ガスタの巫女 ウィンダ 攻撃力:1000

カイの発動したガスタの魔法フランケンシュタインは防ぎ、しかし守備の体勢となってしまう。その次にカイは自らの所有する精霊を呼び出し、精霊――ウィンダも杖を構えて戦闘態勢になった。

カイ「この機を逃さん! バトル! 希望皇ホープで不乱健を攻撃! ホープ剣スラッシュ!!」
バルバトス「くっ、くくく……攻撃宣言をしたな?」

カイの攻撃指示と共に不乱健に剣を構えて突進するホープ。するとバルバトスは突然くっくっくっと笑い出した。

バルバトス「縮こまってんじゃねえ! トラップ発動[ガムシャラ]!! 自分の場の守備表示モンスターが攻撃対象となった時その表示形式を攻撃表示に変更! さらに、その戦闘によって攻撃モンスターを破壊し墓地に送った時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!!!」
No.22 不乱健 守備力:1000→攻撃力:4500

バルバトスがそう言うとともにフランケンシュタインは巨体を揺らしながら立ち上がり、攻撃態勢をとる。

翔「やばいっす! この反撃とガムシャラの効果ダメージを受けたらカイ君が負けちゃうよ!!」

カイ「ホープ効果発動! ムーンバリア!!」

翔の声を聞いてか聞かずかカイはホープに攻撃無効効果の発動を命じ、ホープの剣が背部パーツに押さえられ動きを止める。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.200 )
日時: 2013/04/28 09:41:47
名前: カイナ

ヴィヴィオ「しのいだ!」
ライ「でも、これじゃ次のターン不乱健の攻撃をしのげない!」
アルフ「しかもウィンダを攻撃されたら大ダメージは必至だよ!」

カイの咄嗟の機転を見たヴィヴィオが嬉しそうな声を漏らすが続けて空時兄弟が叫ぶ。しかしカイはふっと笑って最後の手札を取った。

カイ「この瞬間手札から速攻魔法発動! [ダブル・アップ・チャンス]!! 俺の場のモンスター一体の攻撃が無効となった時、そのモンスターの攻撃力を倍にしてもう一度攻撃を行う!!!」
No.39 希望皇ホープ 攻撃力:2500→5000

子供達『攻撃力5000!?』

カイ「ゆけ、ホープ!! ホープ剣ダブルスラッシュ!!!」

カイの言葉を聞いたホープの目が光り輝き、その左手にもう一本剣が握られる。そしてその双剣から放たれる連続斬りがフランケンシュタインを斬り崩した。

バルバトス「ぐおおおぉぉぉぉっ!!!」LP3350→2850
カイ「さらにウィンダでインヴェルズの斥候を攻撃し、破壊! ターンエンドだ!」手札零枚

翔「カイ君が相手のナンバーズを攻略したっす!」
十代「よし! このまま押し切れ、カイ!!」

相手の協力モンスター、ナンバーズを倒し、自分の方はナンバーズが残っているという有利な状況に翔と十代が嬉しそうに声援を送る。

バルバトス「俺のターン、ドロー! ククク……メインフェイズに墓地のインヴェルズの斥候の効果発動! 俺の場に魔法・罠がない時メインフェイズ1の開始時にこのカードを墓地から特殊召喚する! ただしこの効果を発動したターン俺はモンスターを特殊召喚出来ず、斥候はインヴェルズ以外のリリースには使えずシンクロ素材とも出来ない!」
インヴェルズの斥候 守備力:0

その言葉と共に小型のインヴェルズが彼の場に姿を現す。

バルバトス「さらに魔法カード[悪夢再び]を発動! 墓地の守備力0の闇属性モンスター、インヴェルズ・ギラファとインヴェルズの先鋭を手札に加える! インヴェルズの斥候をリリースし、[インヴェルズ・ギラファ]をアドバンス召喚!!」
インヴェルズ・ギラファ 攻撃力:2600

十代「しつけーなあいつ!」
風華「ってかやばいよ!」

バルバトスがまたもや呼び出したクワガタ型インヴェルズに十代が声を上げると風華が焦った声を出す。とバルバトスはくっくっと笑い出した。

バルバトス「奴の言っていた通りナンバーズは効果破壊等には無力! こういう手段での強敵の除去はあまり気が進まんがインヴェルズ・ギラファの効果で希望皇ホープを墓地に送り、俺のライフを1000回復させる!」LP2850→3850
カイ「ホープ!」

バルバトスの言葉と共にギラファがホープを捕食、さらにバルバトスもライフを回復させた。

バルバトス「バトルだぁ! インヴェルズ・ギラファでガスタの巫女ウィンダを攻撃!」

ウィンダ[う……怖くない、怖くない! 私が倒れても、お兄様のために……ピィーッ!]

バルバトスの声と共にウィンダに突進するギラファ、それを真正面から見据えるウィンダは震えながらも愛する兄のような存在であるカイを助けるためにガスタの友達を呼ぶ指笛を吹く。そしてギラファの突進でウィンダは砕け散った。

カイ「ぐああぁぁぁっ!……ウィンダの効果発動! このカードが相手モンスターの攻撃によって破壊され墓地に送られた時、デッキからガスタのチューナーを特殊召喚する! 来い! [ガスタ・ガルド]!!」LP4000→2400
ガスタ・ガルド 守備力:500
バルバトス「ちぃっ! 俺はこれでターンエンドだ!」手札一枚(インヴェルズの先鋭)

ウィンダが倒れてもカイの場には新たなガスタの仲間が姿を現す。

カイ「俺のターン、ドロー!……俺はリバースカードを一枚セットしてターンエンドだ」手札零枚
バルバトス「俺のターン、ドロー! 俺は[インヴェルズの斥候]を特殊召喚し、手札から魔法カード[闇の誘惑]を発動! デッキからカードを二枚ドローし、手札から闇属性モンスター、[インヴェルズの門番]をゲームから除外する。[インヴェルズの先鋭]を攻撃表示で召喚し、バトルに入る!」
インヴェルズの斥候 守備力:0
インヴェルズの先鋭 攻撃力:1850

カイがリバースカードを伏せただけでターンを終えたのに対しバルバトスは一気に攻めるように動き出す。

バルバトス「インヴェルズの先鋭でガスタ・ガルドを攻撃!」
カイ「ちっ、だがガスタ・ガルドが墓地に送られた時デッキからレベル2以下のガスタの民を特殊召喚できる! 再び頼むぜ、ウィンダ!」
ウィンダ[私、再び参上!]
バルバトス「ならばギラファで小娘を攻撃!」
ウィンダ[くぅっ!]
カイ「ウィンダが相手モンスターとの戦闘で破壊されたことにより、デッキからガスタのチューナー、[ガスタ・ガルド]を再び特殊召喚!」
ガスタ・ガルド 守備力:500
バルバトス「しぶとい! ターンエンドだ!」手札一枚

バルバトスの猛攻をカイはガスタの絆の力で耐えきり、バルバトスは声を上げる。

カイ「俺のターン、ドロー! 来た! 魔法発動[ミラクルシンクロフュージョン]! このカードはフィールドまたは墓地から融合素材をゲームから除外することで、シンクロモンスターを融合素材とする融合モンスターを融合召喚する! 墓地のサイキックシンクロモンスター、[ダイガスタ・スフィアード]とサイキック族、[ガスタの巫女 ウィンダ]を同調融合! こいつが究極の念導兵器だ!! [アルティメットサイキッカー]!!!」
アルティメットサイキッカー 攻撃力:2900

十代「来たぜ、カイの切り札!!」

カイ「バトル! アルティメットサイキッカーでインヴェルズ・ギラファを攻撃!!」
バルバトス「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP3850→3550
カイ「さらにアルティメットサイキッカーが戦闘によってモンスターを破壊し墓地に送った時、そのモンスターの攻撃力分、俺のライフを回復する。ターン終了だ」LP2400→5000 手札零枚

カイは究極の念導兵器で一気にバルバトスの切り札を撃破し、ライフも一気に回復してターンエンドを宣言した。

バルバトス「俺のターン、ドロー! 俺は魔法カード[強欲な壺]を発動! カードを二枚ドロー!……ふふふ」
カイ「なんだ?……」

バルバトスは一気に三枚に増えた手札を見ながら怪しい笑みを浮かべはじめ、カイも怪訝な表情を見せる。

バルバトス「俺は魔法カード[死者蘇生]を発動。墓地から[インヴェルズを呼ぶ者]を特殊召喚」
カイ「……最上級インヴェルズに繋げるつもりか?」
バルバトス「そんな軟弱なカードではない! 俺はフィールド魔法[ダーク・ゾーン]を発動!!」

氷牙「フィールド魔法!? まさか!?」

バルバトスが発動したのはフィールド魔法。それを見た氷牙はついこの間、自分が戦ったデュエルを思い出す。

バルバトス「俺の力は今、神をも従える!!! インヴェルズの先鋭とインヴェルズを呼ぶ者を生け贄に捧げ、この俺に従うがいい!!! [地縛神 CcapacApu]!!! ダーク・ゾーンの効果で攻撃力アップ!!!」
地縛神 CcapacApu 攻撃力:3000→3500

その言葉と共にバルバトスの背後の崖、その底から巨大な闇のオーラが噴き出し始め、崖から姿を現すのはカイ達はもちろんさっきの巨人不乱健すらもアリにしか見えないだろうと言えそうな大きさを誇る巨人。氷牙を苦しめた地に縛られる神、地縛神だ。

カノンノ「地縛神を力ずくで従えるなんて……バルバトス、一体どれだけの力を得たというの……」

バルバトス「バトル!!! CcapacApuでアルティメットサイキッカーを攻撃!!!」
カイ「ぐぅっ!!」LP5000→4400
バルバトス「さらにCcapacApuが戦闘で相手モンスターを破壊した時、そのモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!!!」
カイ「な、ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP4400→1500

カノンノ「カイッ!!!」

バルバトス「ターンエンドだぁ!!!」手札零枚

地縛神を見たカノンノはかたかたと震えを隠せず恐怖に怯えるような瞳で地縛神とバルバトスを見上げ、地縛神の巨大な手のひらが究極の念導兵器を握りつぶすとさらにその破片をカイに投げつけ、一気に大ダメージを与えていく。それにカノンノが悲鳴を上げ、バルバトスは得意気な笑みを見せながらターンエンドを宣言した。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.201 )
日時: 2013/04/28 09:42:15
名前: カイナ

カイ「俺のターン、ドロー! 俺は魔法カード[天よりの宝札]発動!! 互いのプレイヤーは手札が六枚になるようにドローする! 俺の手札は零枚、よって六枚ドロー!」
バルバトス「俺の手札も零枚、よって六枚ドロー!」

お互いに一気に手札を増強する。しかしカイの場に存在するのはガスタ・ガルド一体と伏せカード一枚に対しバルバトスの場にあるのは地縛神。状況は圧倒的にカイが不利だ。しかしカイは不敵な笑みを浮かべていた。

カイ「バルバトス、悪いが神には出落ちの役目を担ってもらう。リバースカードオープン[ガスタへの祈り]! 墓地のガスタの民、ガスタ・ファルコとカームをデッキに戻すことで墓地から[ガスタの巫女 ウィンダ]を特殊召喚!」
ウィンダ[私三度目の登場! いくよ、ガルド!]

カイは一気に二体のガスタを揃え、ウィンダは横で羽ばたく友ガルドに声をかける。

カイ「レベル2のガスタの民ウィンダにレベル3のガスタ・ガルドをチューニング! 羽ばたけ、羽よ。優しい風に乗って今、主と共に大空に飛び立て! シンクロ召喚!! 飛翔せよ、[ダイガスタ・ガルドス]!!!」
ダイガスタ・ガルドス 攻撃力:2200
ウィンダ[いくよ、ガルドス!!!]
ガルドス[キュィー!!!]

カイの口上と共に優しい風が彼の場に走り、大空から巨鳥とそれに乗ったウィンダが姿を現す。そしてウィンダの声に彼女の相棒である巨鳥――ガルドスが雄々しい鳴き声で返すと彼女は満足気に頷いた後地縛神をびしっと指さす。

ウィンダ[覚悟しなさい地縛神! ガスタの地を守る誇り高きガスタ族長跡継ぎの名に懸けて――]
カイ「ダイガスタ・ガルドスの効果発動! 墓地のガスタの民、ガスタの巫女ウィンダとガスタ・ガルドをデッキに戻すことで相手モンスター一体を破壊する!」
ウィンダ[――お兄様! まだ口上の途中!!]
カイ「長くなるから却下! それより詠唱しろ!」
ガルドス[クエーッ!]

ウィンダの口上を遮ってカイはダイガスタ・ガルドスの効果発動を宣言、それに横槍を入れられたウィンダが文句を出すとカイはきっぱりそう言い切り、ガルドスもカイの意見に賛成するように一鳴きする。友達二人――正確には一人と一羽――に言われては仕方ないのかウィンダはむ〜と一度ほっぺを膨らませた後精神を集中するように目を閉じた。

ウィンダ[我ら風の民。風よ、我らに加護を、その力、今我らの矛となりて敵を貫け……]

ウィンダの口から紡ぎだされる詠唱、それが進んでいくごとに彼女を優しい風が纏い、彼女のローブが風ではためき、魔力なのだろう光が彼女の身体を優しく照らし出す。そしてウィンダは右手を上に掲げ、人差し指を立ててすうっと小さく円を描くように振る。とウィンダの頭上を小さな風の渦が巻いた。

ウィンダ[いっけー!! サイクロンスピアー!!!]

そしてウィンダが雄叫びと同時に勢いよく右腕を振り下ろし、地縛神の方を指さすように右手を向けると風の渦が槍となって地縛神に向かっていき、それを貫く。

地縛神[グ、グオオオォォォォッ!?]

カイ「モンスター効果への耐性がない。そいつが地縛神の弱点だ」
ウィンダ[ダイガスタの称号を得た私からすればカモですよ! べーっだ!]

巨人の地縛神はあっけなく倒れていき、カイがにやりと笑みを浮かべながらそう言うとウィンダも得意満面の表情でそう言うと最後にあっかんべーと舌を出す。

バルバトス「き、貴様らぁ!! 強力な敵を力で倒そうとせんとはぁっ!!!」
カイ「こいつがガスタの戦い方でな。バトルだ、ダイガスタ・ガルドスでダイレクトアタック!」
バルバトス「ぐぅっ!?」LP3550→1350
カイ「メインフェイズ2に[ガスタ・スクイレル]を守備表示で召喚し、リバースカードを二枚セット。ターンエンドだ」手札三枚
ガスタ・スクイレル 守備力:1800

ライ「すげー、地縛神を一瞬で倒しやがった……」

バルバトスは巨鳥ガルドスの突進をくらい、カイはリバースカードを伏せてターンを終える。ライも強大な敵である地縛神を一瞬で倒したことに唖然とした様子を見せている。

バルバトス「俺のターン、ドロー!! 俺の場にモンスターが存在しない時、[インヴェルズの魔細胞]を手札から特殊召喚! そして魔細胞をリリースし、[インヴェルズ・マディス]をアドバンス召喚!! インヴェルズ・マディスがインヴェルズをリリースしてアドバンス召喚に成功した時、ライフを1000ポイント支払うことで墓地のインヴェルズ一体を特殊召喚する! 来い、[インヴェルズ・ギラファ]!!」LP1350→350
インヴェルズ・マディス 攻撃力:2200→2700
インヴェルズ・ギラファ 攻撃力:2600→3100

バルバトスは豊富な手札を駆使して一気に戦線を立て直し、にやりと笑う。

バルバトス「ゆくぞ! インヴェルズ・ギラファでダイガスタ・ガルドスを攻撃!」
カイ「トラップカード[風霊術―雅]を発動! 風属性モンスターであるスクイレルをリリースし、相手の場のカード一枚を相手のデッキボトムに戻す! ギラファをデッキに戻してもらう!」
バルバトス「ちぃっ! ならばマディスでガルドスを攻撃だ!!」
カイ「くっ……」LP1500→1000

スクイレルが不思議な風に包まれ、その風がギラファを押し消すがマディスの鎌にガルドスが斬り倒され、カイも声を漏らす。

バルバトス「リバースカードを二枚セットし、ターンエンドだ!」手札三枚

十代「ついにお互いのライフが1000以下に……」

バルバトスはリバースカードを二枚セットしてターンを終え、十代は凄まじい激闘にごくりと唾を飲んだ。

カイ「俺のターン、ドロー!……俺はモンスターをセットし、ターンエンドだ」手札三枚

バルバトス「俺のターン、ドロー!」

カイはカードを一枚セットしてターンエンドを宣言、バルバトスはカードをドローするとにやぁ、と怪しい笑みを見せた。

バルバトス「くっ、くくくくく、はーっはっはっはっは! やはり貴様との決着はこのカードがふさわしい、ということか! 我が駒であるインヴェルズでも外から手に入れたナンバーズでも地縛神でもなく、このカードが!!!」

カノンノ「ま、まさか!?」

高笑いを始めたバルバトスにカノンノは気づいたように声を上げる。

バルバトス「リバースカード発動[闇次元の解放]! ゲームから除外されている闇属性モンスター、[インヴェルズの門番]を攻撃表示で特殊召喚! さらに[インヴェルズ万能態]を召喚し、魔法カード[二重召喚]を発動! このターンもう一度通常召喚を行える! 俺は[インヴェルズ・マディス]、[インヴェルズの門番]、[インヴェルズ万能態]の三体を生け贄とする!!」

子供達『さ、三体生け贄!?』

バルバトスの場に並んだ三体のインヴェルズが突然現れた闇の穴に吸い込まれていく。そしてその闇の穴からズゥン、ズゥン、という重い足音が聞こえてきた。

バルバトス「俺は、俺自身!! [英雄キラー バルバトス・ゲーティア]を召喚!!!」
バルバトス 攻撃力:4000→4500

十代「こ、攻撃力4500!?」

バルバトスの場に彼の精霊時代の姿が現れ、その攻撃力に十代が声を上げる、とバルバトスは最後の手札を取った。

バルバトス「俺は装備魔法[ディアボリックファング]を俺自身に装備! こいつは俺の愛用の斧でなぁ、相手が増えるほどに血が滾り切れ味が鋭くなる。このカードは俺自身にしか装備できないが装備モンスターの攻撃力を1000ポイントアップさせ、さらに相手モンスター一体につき攻撃力を300ポイントアップ! さらに装備モンスターが守備表示モンスターとバトルを行う時、そのモンスターを強制的に攻撃表示へと変更させる!」
バルバトス 攻撃力:4500→5800

万丈目「なに!? 攻撃力5000オーバーでバトルを行う相手を強制的に攻撃表示にするだと!?」

モンスターバルバトスは愛用の斧を握るとその身体から邪気にも似たオーラを発し始め、心なしか辺りの木の葉が枯れていくような錯覚を感じる。

十代「気分が……」
翔「気持ち悪い……」
カノンノ「まずい、このままじゃもたない……」

強まった闇に十代と翔が再び膝をつき、カノンノも苦しそうな表情を見せる。

バルバトス「これで最後だ! ディセンダー!! 俺自身で守備モンスターを攻撃! この瞬間守備モンスターはディアボリックファングの効果で攻撃表示へと強制変更される!!!」
カイ「守備モンスターは[ガスタの希望 カムイ]! ディアボリックファングはリバース効果までは無効にしない! よってリバース効果は有効となり、俺はデッキから[ガスタ・ファルコ]を特殊召喚!!」
ガスタ・ファルコ 守備力:1400
バルバトス「攻撃続行だ! 希望よ消え去れぇい!! ジェノサイドブレイバー!!!」
バルバトス 攻撃力:5800→6100

その言葉と共に放たれる闇の光線、極太いその一撃にカムイが呑み込まれ、それでもなお勢いが消えないままカイ目掛けて突っ込んでいく。

カイ「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP1000→0

全員『カイ!!!』

ジェノサイドブレイバーの爆発と同時にカイの悲鳴が響き、観戦していた全員が声を上げた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.202 )
日時: 2013/04/28 09:42:59
名前: カイナ

バルバトス「……なにぃ!?」

しかし爆発の煙が消えた後、カイの場には一枚のカードが翻っていた。カイも身体中が傷だらけになり血が流れ、制服は焼け焦げているのにまだ二本の足で震えながらも立っている。

バルバトス「ば、馬鹿な!? 貴様のライフは確かに0を示したはず!!」
カイ「ああ。だが、この瞬間俺はライフが0になっても負けなくなった……トラップカード[魂のリレー]! このカードは俺のライフが0になる直前に発動でき、このカードが発動した時俺のライフが0になっても俺はデュエルに敗北しない!! 俺は今、奇跡を起こし不可能を可能とする!!!」

バルバトスの叫びにカイはボロボロの姿ながらも力強く宣言、さらに手札を一枚取った。

カイ「魂のリレーの効果はまだ続いている。俺は手札からモンスターを一体特殊召喚し、そのモンスターがフィールドから離れた時俺はデュエルに敗北する。俺の魂はこれから召喚されるカードに託される。俺が召喚するのは……」

カイはそこまで言ってデュエルディスクにカードを叩き付ける。そしてソリッドビジョンにその魂のカードの姿が映し出された。

カイ「俺自身、[ガスタの忍者 カイ]だ!!!」
カイ 攻撃力:1800

彼の場に姿を現すのは赤を基調とした東洋風の衣服に身を包んだカイの姿。

十代「ガ、ガスタ?」
風華「にしちゃあ、なんか服装が……」
カノンノ「え、えとね、私達は生み出されてからそれぞれの地域に飛んだの。私はライトロードの戦士、レディアントの称号を持ってるし、カイはガスタの民に力を借りて戦ってたの。だから、姿がガスタっぽくなくってもカイはガスタの民なんだよ?」

カイ「そう! 俺の魂はガスタの民と共にある!!!」

万丈目「なんか、すさまじく勢いで誤魔化してる気がするんだが……」

明らかにガスタらしくない衣装に十代と風華がそう漏らすとカノンノが必死に説明し、カイも力強く叫ぶ。それに万丈目はそんな声を漏らしていた。

バルバトス「ふ、くっくっく……だが永い年月を経て忘れてはいないか!? 俺自身の効果発動! 相手が魔法・罠を発動した時相手ライフに500のダメージを与える!! もはやライフへのダメージは意味を成さないが闇のデュエルの苦痛は受ける! くらえい、殺戮のブラッディ・クロス!!!」
カイ「があっ!!」

バルバトスの言葉と共にカイの真下に闇が集まり、その闇から突き出た十字架がカイを貫く。それにカイは悲鳴を上げた。十字架で切れたのか身体から鮮血が流れ始める。

氷牙「リアルダメージでデュエル続行不可能にするつもりか!」
鏡夜「闇のデュエルならではの手段だね……いくら僕でも真似したくない手段だけど」

バルバトス「今日の俺は紳士的だぁ、このまま黙って貴様が力尽きるのを待つという真似はしない。ターンエンドだ」手札零枚
カイ「俺の、ターン……ドロー。俺は魔法カード[魔法石の採掘]を発動! 手札二枚をコストに墓地の魔法カード、[天よりの宝札]を手札に加え、発動! 手札が六枚になるようにドロー!」
バルバトス「ドロー! そして俺自身の効果発動! 相手が魔法・罠を発動した時相手ライフに500のダメージを与える!! 合計1000ダメージ、くらえい、殺戮のブラッディ・クロスニレンダァ!!!」
カイ「ぐぅ!……[死者蘇生]を発動! 墓地から[ガスタ・グリフ]を特殊召喚する! 彼の者を死の淵より呼び戻せ……レイズデッド!」
バルバトス「俺自身の効果発動! くらえい、殺戮のブラッディ・クロス!!!」
カイ「ぐぅ……さらに魔法カード[タンホイザーゲート]を発動! このカードは俺の場の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター二体を選択して発動。選択した二体のモンスターは、そのレベルを合計したレベルとなる! 俺の場には攻撃力600のガスタ・ファルコと攻撃力800のガスタ・グリフがいる。両者とも種族は鳥獣族! よって二体のレベルはファルコのレベル2+グリフのレベル2で4となる!」
バルバトス「俺自身の効果発動! くらえい、殺戮のブラッディ・クロス!!!」
カイ「がふっ……レベル4となったガスタ・グリフにレベル4となったガスタ・ファルコをチューニング!!」

カイはバルバトスから殺戮の十字架を幾度も受けながらも精神力でその攻撃に耐え、二体のレベル4モンスターを並べる。しかもチューナーと非チューナー、それによりシンクロ召喚が始まり、彼の頭上に一筋の閃光が走る。

カイ「ぜえ……雲海を切り裂く一筋の閃光よ! 魂を震わし世界に轟け!! シンクロ召喚!!……輝けっ……せ、[閃光竜 スターダスト]!!!」
スターダスト[ギャオオオオォォォォォッ!!!]
閃光竜 スターダスト 攻撃力:2500

氷牙「黒い……スターダスト・ドラゴン?……」

カイが呼び出した新たなる切り札、それは氷牙の呟き通り黒いスターダスト・ドラゴンとでも言うべきドラゴンだった。

バルバトス「な、なに……決闘竜だと!?」
カイ「この前儀式で呼び出した。と言っても、簡易のものだから……このデュエルが終われば決闘竜様の力を宿したカードは力に耐えきれず消滅するがな」

バルバトスの驚愕の声にカイは静かにそう言う。とバルバトスはくっくっと声を漏らした。

バルバトス「しかし、残念だったな。まさか貧弱な閃光竜しか呼び出せていないとは。炎魔竜や魔王龍の力ならばまだ俺に対応できたかもしれんのに」
カイ「閃光竜様の御力は深き加護の力だ。俺は装備魔法[忍刀血桜]を俺自身に装備。こいつは俺の愛刀、俺の攻撃力を1000ポイントアップさせる」
カイ 攻撃力:1800→2800
バルバトス「俺自身の効果発動! くらえい、殺戮のブラッディ・クロス!!!」
カイ「ぐはっ……ぐ、ごふっ!」手札三枚

モンスターカイの手に彼の愛刀である血のように赤い刀身をした刀が握られる。と幾度もバルバトスの攻撃を受けたカイは苦しそうにごふっと咳き込むと口から血まで吐いた。

カノンノ「カイ!」
カイ「っ、カノンノ! 皆を闇から守るのに集中しろ! 今お前が結界を解いたらただの人間である十代達の命がない!」
カノンノ「っ!」

吐血を見たカノンノが涙声になって結界を解除しカイに走り寄ろうとするがカイは力強い声でそれを静止、カノンノは息をのむと結界を維持した。そしてカイは立ちなおすと血に汚れた手を制服で拭いて血を拭い、手札を取る。

カイ「神よ、我らを守りたまえ……フィールド魔法[霞の谷の祭壇]を発動! フィールド魔法が上書きされることによりダーク・ゾーンは破壊される!」
バルバトス「ぬうっ!? 我が闇の空間が!? だが魔法カードの発動により、殺戮のブラッディ・クロス!!」
バルバトス 攻撃力:6100→5600

フィールドから闇の気配が弱まり、代わりにガスタの地の祭壇がカイの背後に出現する。ちなみにきっちり闇の十字架が彼を斬る。

カイ「ぐ……こいつが俺の切り札だ! 手札から魔法カード[忍術禁忌 魔魂憑依の術]を発動! このカードは俺の手札全てをゲームから除外することで発動し、俺の場の忍者と名の付くモンスターともう一体、計二体のモンスターを選択。忍者と名のつかないモンスター一体をゲームから除外することで忍者の攻撃力を除外したモンスターの攻撃力分アップさせ、同じ効果を得る! しかし、禁忌の術は術者の身体を蝕み、このターンのエンドフェイズにその忍者はゲームから除外される」
バルバトス「ふん、殺戮のブラッディ・クロス!!」

カイの発動したカードの説明の後、バルバトスが放つ闇の十字架がカイを襲う。

カイ「がっ……」

ザシュッという音が響き、ついに限界が来たのかカイの身体がふらつく。

カノンノ「カイ!」

もう十代達を守れという指示を忘れたかのように、カノンノがカイに駆け寄るため結界を解除しようとする、その瞬間カイの足が踏みとどまった。

カイ「……」

そして僅かな沈黙の後、彼は首をぶんぶんと横に振る。

カイ「危ねえ、一瞬意識飛んでた……だが俺は負けるわけにはいかねえんだよ……俺の場の忍者、俺自身ともう一体は閃光竜様を選択。閃光竜様の魂を俺に憑依させ、閃光竜様の御力を得る! はああぁぁぁぁっ!!」
カイ 攻撃力:2800→5300
バルバトス「ふん、タイマンということか。ぬううぅぅぅっ!!」
バルバトス 攻撃力:5600→5300

カノンノ「攻撃力が並んだ!」
十代「魂のリレーの効果により今カイはモンスターであるカイがフィールドにいることで敗北を免れている」
ヴィヴィオ「実質このターンのエンドフェイズに勝敗が決まるってわけだね……」

カイとバルバトスの攻撃力が並び、プレイヤーの二人からも凄まじいオーラが見え始める。このデュエル、ラストバトルのスタンバイだ。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第W幕 ( No.203 )
日時: 2013/04/28 09:43:29
名前: カイナ


カイ「ラストバトルだ! 俺でモンスターバルバトスを攻撃!」
バルバトス「自棄になったか!? 俺と貴様の攻撃力は同等! しかし相殺すると貴様の負けは確定する!!」

カイの宣言と共にモンスターのカイがモンスターのバルバトス目掛けて正に風になったかのような速さで向かっていき、バルバトスがそう叫ぶと同時にモンスターのカイとモンスターのバルバトスがぶつかり合った。

カイ[はぁっ!]

まず突進の勢いを込めて忍刀血桜を振り下ろし、バルバトスがそれをディアボリックファングで受け止める。しかしそれはほんの挨拶代り、そういうように二人は刀を振るい斧を振るいぶつけあっていた。

バルバトス[ふんっ!]
カイ[ふっ!]

バルバトスは斧を振るってカイの忍刀を押し返した後回転、その勢いを使った回転斬りを見舞うがカイはそれをジャンプしてかわし、縦に回転した勢いを込めて忍刀を振り下ろす。

バルバトス[ぐ、ぬぅっ!]
カイ[ぐっ……]

それがバルバトスの肩を僅かに斬りつけるがバルバトスは空いている方の手でボディブローを打ち、カイは腹に拳を受けて少し吹っ飛ばされるがどうにか着地する。しかしボディブローの勢いか僅かに後ろに滑った。

カイ[うおおおぉぉぉぉっ!!!]

しかしカイの闘争心はとどまるところを知らず、またもやバルバトス目掛けて突進すると振り上げていた忍刀を袈裟懸けに振り下ろす。

バルバトス[骨まで砕けろぉ!!!]

それに対しバルバトスも武器が鏡写しの軌道を描くように斧を振り下ろし、二つの武器は当たると同時に互いの勢いで押し返される。その直後、カイとバルバトスの視線が交差。バルバトスは弾かれた斧の柄を空いていた方の手で握りしめ、相手よりも早く振り下ろした。それを見た子供達が息を呑む。

カイ「閃光竜様よ、この哀れな愚者に加護を!!」
バルバトス[ぬぅっ!?]
バルバトス「何!?」

その瞬間カイが声を出し、直後バルバトスの驚愕の声が響き渡る。バルバトスが振り下ろした斧は間違いなくカイを捉えていた。しかしその斧はまるで強固な鎧に弾かれたかのごとく押し返され、バルバトスは体勢を崩す。

カイ[うおおおおぉぉぉぉぉっ!!!]

直後、カイが先ほど忍刀が弾かれた勢いを利用して回転、遠心力の勢いを込めた回転斬りをバルバトスに叩き込む。その一閃を受けたバルバトスは信じられんといわんばかりの顔を見せた後その身を散らせていった。

バルバトス「ど、どういうことだ!?」
カイ「閃光竜様の効果、それは俺の場のカード一枚をこのターン全ての破壊から守る加護の力。閃光竜様を弱いと侮っていたお前は知らなかったみたいだがな」

バルバトスが目を見開いて声を上げるとカイは不敵な笑みを浮かべて説明。次に目を研ぎ澄ませた。

カイ「俺自身の効果発動! 俺が戦闘によってモンスターを破壊した時、墓地からガスタの民二体をデッキに戻すことによりもう一度だけ続けて攻撃が可能となる! ダイガスタ・ガルドスとガスタの巫女ウィンダをデッキに戻し連続攻撃! 俺自身でバルバトスにダイレクトアタック!! 秘奥義、封魔九印剣!!!」
カイ[はああああぁぁぁぁぁっ!!!]

カイの言葉と共にモンスターカイが凛々しい声を上げ、一瞬でバルバトスに肉薄、すれ違いざまに斬りつける。そして放たれるは言霊の力を借りた四方八方からの連続斬り、その最後の回転しながらの斬り下げがバルバトスの身体を縦に斬りつけた。

バルバトス「ぐあああぁぁぁぁぁっ!!!」LP350→0

そしてその斬撃がバルバトスに止めを刺した。


カイ「覚悟しろ、バルバトス」

カイが静かにそう言って一枚のカード――装備魔法、忍刀血桜――を取り出すと突然そのカードからカードに描かれた刀が現れる。そしてカイがゆっくりバルバトスの方に歩いているとバルバトスは笑いながら立ち上がった。その手には装備魔法、ディアボリッグファングのカードがあり、その斧も具現化する。

十代「カイ!?」
氷牙「大丈夫だ、あいつはもう戦えない……はずだが……」
鏡夜「むしろ十代君達が飛び込んで人質にでもされたら危険だ、下がってて……いざとなれば僕達がいく」

それを見た十代が飛び出そうとすると氷牙がそれを治め、鏡夜と共に前に立つ。するとバルバトスはくっくっと笑う。

バルバトス「カイ、貴様如きが、俺様を、殺す、だとぉ?……ふざけるな……俺様は誰にも、殺せない、殺せないのだぁ!!!」

バルバトスはそう叫ぶと斧を振り上げる。それを見た十代達が息を飲んだ次の瞬間、バルバトスは自分の腹へと斧を突き刺し、それは背中へと貫通する。そしてバルバトスは口から血を吐きながら呟いた。

バルバトス「俺様は誰にも、殺せ、ない……」

そう呟くのを最後にバルバトスは倒れ、闇のデュエルに敗北したからかそれとも精霊の転生者というのが関係あるのかその姿をゆっくりと消滅させていきこの世から去る。それを見たカイは静かに血桜を消して踵を返した。

カイ「自害とは……最後まで勝手な野郎が……」

カイはそう呟くとすたすたと歩き出し、カノンノの横に立つと口を開く。

カイ「帰るぞ」

そう言っただけでカイはまた歩き出し、カノンノもその後を追う。すると十代が口を開いた。

十代「カ、カイ! こ、これからどうするんだ!? お前、確かあいつを倒すためにここに来たって……」
カイ「ああ。これで俺達の目的は達した……」

十代の言葉に対しカイは歩きながら静かにそう言い、少し黙ると空を見上げながら続けた。

カイ「ま、ここは居心地がいい。転校手続きとかも面倒だし、もうしばらく居ついててもいいかな?」

そういうカイの言葉を聴いた十代達は嬉しそうに笑みを浮かべ、カイはふんと鼻を鳴らすとカノンノと共にすたすたと歩き去っていく。すると突然氷牙の携帯が鳴った。

氷牙「もしもし? ああ鮎川先生……ああ、分かった! すぐに向かう!」

氷牙は慌ててそう言うと電源を切り、一つ安堵の息を吐く。そして十代達の方を向いて嬉しそうな表情を見せた。

氷牙「レオの意識が戻った! これから詳しく診察するが今のところ異常は見当たらないそうだ!」

その言葉を聞いた十代達は歓声をあげ、そこに太陽の光が差し込んだ。

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