トップページ > 過去ログ > 記事閲覧
異世界遊戯王大戦記GX 第U幕
日時: 2010/10/14 08:45:41
名前: ミクニップ

・・・そろそろ新しいの出したら良いかと思い、勝手に書いて申し訳有りません孝さん。・・・えっと、この小説では、原作である「遊戯王 デュエルモンスターズGX」を元に制作しているリレー小説であり、以下の奴は原作に沿ってやるため、原作キャラのみ使用可能となっております。

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

古代の機械系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

雲魔物系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール

イービルヒーローは不可。

D・HERO系

なお、シンクロモンスターに関しては、暫くしたら出て来ますのでご了承下さい。そしてこの小説では"表側守備表示での通常召喚"が可能となっていますのでそこもご理解お願い致します。

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |

Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.321 )
日時: 2011/05/29 20:09:47
名前: カイナ

アルフ「D・ボードンの効果で僕の場のディフォーマーはダイレクトアタックが可能になる! 全軍攻撃!」
山谷「ふえぇ〜んっ」LP2300→0

エルフィとヴィヴィオがレッド寮へとやってきて――なお学校側は黙認している――から一週間が過ぎた頃。ここはアカデミアレッド寮前、ここに十数人程度のブルー女子寮の生徒がやってきておりアルフと一対一で順番にデュエルを行っていた。ちなみにアルフは今回戦った山谷理恵とのデュエルで五連勝だ。

翔「何やってんすか?」
十代「あぁ、ほら数日前からアルフがデッキの調子が悪いからって調整デュエルやってるだろ?」
ヴィヴィオ「それが有名になっちゃって、今じゃブルー女子の人達がデュエルを申し込んでくるの……で、ジュンコさんがね、負けた方は勝った方の言う事を聞くって条件つけちゃって……」

すると美海と共に購買に行っていた翔が戻ってきて尋ね、十代がああと頷いて説明、ヴィヴィオが続ける。その最後の言葉は沈んでいくが翔達は即納得する。これでアルフを自分の彼氏にしようという女子達の魂胆だろう。

ライ「で、それ以来ラルフが勝て勝てって必死こいて祈ってんだよ。もちろんアルフ全戦全勝、逆に言う事聞くってのでパックを奢ってもらいまくってるぜ。俺達もいくつかカード分けてもらったからな」
十代「凄いよなー。今度は俺も挑戦すっかな〜、勝手に俺がアルフの代理ってのでデュエルしたら後でラルフに凄い剣幕で怒られたし」
翔「ラルフ君らしいっすね……」

アルフ「よし、死者蘇生でラジオンを守備表示で特殊召喚し、地獄の暴走召喚発動! 手札とデッキからラジオンを二体特殊召喚、強化されたラジカッセンの二回攻撃で僕の勝ちだ!」
藤原「ああぁぁぁっ!!!」LP3000→0

ライ達が話している間にもアルフは連勝記録を伸ばしている。恐らく彼の心中ではラルフが必死こいて勝てー勝てーと勝利の神に祈りを捧げている事だろう。


レオ「ほいっと、レッド・サイクロプスの攻撃で守備表示のゴブリンエリート部隊を破壊、デーモン・ソルジャーでダイレクトアタックだ!」
桐岡「きゃあああぁぁぁぁっ!!」LP1500→0

一方ちょっと離れたところではレオが暇だから来てやったという桐岡に指導デュエルを行っており、丁度決着がつく。そしてさっきのデュエルを振り返ると桐岡に言った。

レオ「やっぱり上級モンスターがハ・デス一種類だときついな。悪魔族にはゴーズやネクロフィアみたいな有用な上級モンスターがいるし、入れてみたらどうだ?」
桐岡「あ、はい……さ、参考にしてあげるわ! オシリス・レッド担当とはいえ実力だけは確かなんだし! 見てなさいよ、そのアドバイスで私に勝てなくなっちゃったこと後悔させてあげるんだから!!」
レオ「おう。そうなったらこっちも勝てるよう頑張るだけだし、楽しみにしてるな」

レオのアドバイスを聞いた桐岡は素直に頷いた直後気づいたように立ち上がると普段の偉そうな口調でそう返す。それにレオは笑いながらそう返し、それを見た桐岡は顔を真っ赤に染め上げ、カバンから何かを取り出すと思いっきりレオ目掛けて投げつけた。

レオ「っと……ドローパン?」
桐岡「ス、ステーキとかハンバーグとかの肉系パンよ! 私嫌いだからあんたにあげるわ! か、勘違いしないでよね! 本当に嫌いなんだしタダで教えてもらうなんて私のプライドが許さないんだから!!」
レオ「……ありがとよ。俺、これ好きなんだ」
桐岡「っ〜……ふんっ!」

レオはその袋の中に入っていた何個かのドローパンを見てそう呟き、桐岡がそう言うとレオは笑みを浮かべてお礼を言う。それに桐岡は顔を赤くして沈黙した後ふんっと顔を背けて寮に帰っていった。
そしてアルフも女子とのデッキ調整デュエルを全戦全勝で終わらせると十代達と共に寮に戻っていく。すると寮長の大徳寺が生徒全員を集合させた、どうやらこの寮に編入生が入ってくるらしい。

大徳寺「――というわけで、今日からレッド寮に入る事になったんだにゃー。皆仲良くするんだにゃー。はい、自己紹介だにゃー」

大徳寺はいつものどこか和む声質での説明の後、帽子を深く被った少年を前に出す。そして彼はぺこりと頭を下げ、口を開く。

レイ「早乙女、レイ……です……だ。よ、よろしくな」

十代「おう! 俺遊城十代、よろしくな」
ライ「俺、空時ライ。で、こっちで寝てるのは弟のアルフ」

少年――レイの言葉に十代とライは自らの名を名乗り、さっきまでの連戦で疲れたのか珍しく机に突っ伏して居眠りをしているアルフのことも紹介する。するとレイはじーっとアルフの事を見始め、ライが首を傾げるとレイははっとなって口を開いた。

レイ「じゅ、十代にライだね、だな。よ、よろしくな!」
十代・ライ「「おう!」」

レイの言葉に二人はおうと返す、がその間にもレイはアルフの事を見続けていた。

そして次の日の朝、アルフはレッド寮裏手の崖近くにある林をジョギングしていた。そして呟くような声を出す。

アルフ「ラルフ、気づいてる?」
ラルフ[おう]

アルフの声にラルフが肯定の声を出す、アルフの後を誰かが追っている。いや、ばれないよう尾行しているという方が正しいだろうがそのずさんさたるやアルフどころかそういうのに無関心な十代でさえ違和感を感じるであろうレベルだ。そしてアルフは一気に地面を蹴り走り出すと尾行している存在もペースを上げて見失わないよう走り出す。

アルフ「誰を追ってるの?」
レイ「!?」

しかし次の瞬間後ろからかけられた声に尾行していた存在――早乙女レイはびくりとなって振り向く。そこにはいつの間に回りこんだのかアルフが腕組みをしながら立っていた。

アルフ「人の後をこっそりと追うのはあんまり感心しないね」
レイ「あ、あの、質問、いい?」
アルフ「何?」
レイ「……二年前、不良に襲われてた女の子、助けた覚えありますか!?」

アルフの言葉にレイは突然質問をしていいかと尋ね、アルフが首を傾げて促すとレイはそう続ける。それにアルフが女の子と呟いて首を傾げるとレイは被っていた帽子を突然脱いだ。それと共に帽子の中に隠れていた豊かな髪が腰元までばさりと下りる。

レイ「こんな、女の子!」
アルフ「女の子!?……あ」
レイ「心当たりあるんですか!?」
アルフ「あーいやちょっと待って、あるにはあるんだけど…(…ラルフ、ほら家族旅行に行った時に絡まれてて僕が助けに入ったら後ろから頭殴られて思わずラルフが表に出たあれ)」
ラルフ[あー、不良集団半殺しにして怒られたっけな。そういやその時にこんなのいたような……]

レイの詰め寄る姿勢にアルフは両手を前に出して制し、心中のラルフに伝えるとラルフも頷く。そしてアルフはそうそうと頷いた後目を閉じ、心を落ち着ける。そして主人格をラルフと交代した。

ラルフ「っ、あ〜……早乙女レイ、つったな?」
レイ「か、変わった!?」
ラルフ「俺は二重人格なんだ。助けるの解釈にもよるが助けたのは恐らくアルフじゃなくって俺、ラルフの方だ」

レイが驚いてる横にラルフはそう言い、助けに入ったで解釈すれば助けたのはアルフだがなと付け加えておく。するとレイはラルフの両手を掴んだ。

レイ「ラ、ラルフさん! ボ、ボクと付き合ってください!」
ラルフ「はぁ!?」

突然の告白、それにラルフが呆けた声を上げるとレイは続ける。

レイ「そ、その時のラルフさん、凄くたくましくってかっこよく見えて、もうその時からずっとずっと好きだったの! それで、アカデミアのホームページを見てたらあなたがいるのを見つけて、ここに来たの!」
ラルフ「……」

レイの言葉にラルフは黙り込む。正直に言うと断りたい、自分は今のとこ恋愛に興味はないしそもそも自分流の価値観というものを考えると断るのは無難な選択。しかし一途な女の子を傷つけずに断るなどという上手い口を彼は持っていないのもまた事実だ。

ラルフ(アルフ、悪いがしばらく記憶共有切ってくれ)
アルフ[……了解]

ラルフの言葉にアルフはそう言うとラルフとの記憶共有を遮断する。そしてラルフは背負っているカバンから自分の使用する左利き用のデュエルディスクを取り、自分用のデッキも準備した。

ラルフ「レイ、俺とデュエルしろ」
レイ「ふぇ?」
ラルフ「どこのどいつかが言ってたデュエルで思いを知るなんて言うつもりは毛頭ないが、俺は口下手だからな、この方が何かと手っ取り早い。本気で来いよ?」
レイ「あ、うん……」

ラルフの言葉にレイはこくんと頷くと持ってきていたデュエルディスクにデッキを挿して向かい合った。

ラルフ・レイ「「デュエル!!!」」

そして二人の声が重なり合う。
――――――――――――――――――――
いや〜前々から楽しみにしていた早乙女レイ編がようやく書けますよ〜、結構前から下書きしてましたからね〜これ。
レオ「前から?」
うん、もうこのデュエルの大雑把な締めとレイ編最後の部分は考えてる。で、今はセブンスターズ編のカイVSバルバトスの最初の部分の下書き途中。
レオ「気ぃ早えな!?」
最近執筆時間が取れなくなってるから書ける時に平行して書いといた方がいいんだよ、幸い保存場所には不自由しないから。ま、それでは。
ちなみにラルフはエーリアンワーム混合の爬虫類デッキです、念のため。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.322 )
日時: 2011/06/03 07:08:25
名前: 孝(たか)

レイ「ボクのターン、ドロー!よし、ボクは『恋する乙女』を攻撃表示で召喚!」

恋する乙女ATK400

ラルフ「恋する乙女!?なんだそのピンポイントな名前のモンスターは!?」
レイ「ターン終了♪」手札5

ラルフ「俺のターン、ドロー!俺は、『エーリアン・ウォリアー』を攻撃表示で召喚!バトルだ!シュトラッシュ・クロウ!」

エーリアン・ウォリアーATK1800

レイ「うわああああ!?うう…恋する乙女のモンスター効果。攻撃表示で存在する限り、戦闘では破壊されない。」LP4000→2600
ラルフ「……せめて装備魔法で多少でも攻撃力を上げてやれよ…」

レイ「う…更に、恋する乙女のもう一つの効果!このカードに攻撃したモンスターに、乙女カウンターを一つ乗せる!」


EW『ごがああああああ!!!』

エーリアン・ウォリアーが恋する乙女に攻撃する。

恋乙『きゃああああああ!?』

恋する乙女が倒れ伏すが、傷らしい傷は見当たらない。

EW『ゴ…ゴガ?』訳:だ、大丈夫か?
恋乙『はい、大丈夫です♪』
EW『ゴーー……』訳:う、麗しい。

ラルフ「………………は?」

ゴシゴシとラルフは目を擦ってからもう一度フィールドを見る。

いつものデュエルと何ら変わりなかった。

ラルフ「気のせい…だよな?俺は、カードを2枚セットして、ターンエンド。」手札3
レイ「ボクのターン、ドロー!良し!装備魔法『キューピット・キス』を恋する乙女に装備!更に、装備魔法『デーモンの斧』を装備!」

恋乙ATK400→1400

恋する乙女がその容姿からは想像できないほど禍々しく大きい斧を振りまわす。そして周囲に1体?のキューピットがふよふよ浮いている様は異様と言える。

レイ「バトルよ!恋する乙女で、エーリアン・ウォリアーを攻撃!一途な思い!!」


恋乙『エーリアンさぁぁぁん!私の一途な思い、受け止めてぇ!!』

ラルフ「いやいやいやいやいやいや!!!!!?そんな物騒な斧振り回しながら言う台詞じゃねぇだろ!?」


恋乙『ええええええええええいい!!』

ぶおん!!

EW『ゴゴゴ…』訳:おわ…

エーリアン・ウォリアーは半歩引いて攻撃を避ける。

恋乙『あああん。酷い。酷いわぁ…しくしく…』

泣き始めてしまった。

EW『ゴゴ、ゴガゴ…』訳:すまない。そんなつもりじゃなかった…

ラルフ「いやいやいやいやいやいや!!!!!今のは避けるだろ!!避けて当然だろ!?あんな斧振り下ろされたら普通真っ二つだぞ!?」

恋乙『うふ…チュッ』

恋する乙女はエーリアン・ウォリアーに投げキッスをする。
EW『ゴォォォ…』

ラルフ「な、なんだ?」

恋乙『私の言う事…聞いてくれるわよね?』
EW『ゴゴゴゴ!!ゴガーゴ!!』訳:仰せのままに、我が姫君。

ラルフ「なんかエーリアンが執事服着て仕え始めたあああああああああああああああああああ!?!?!?」

もはや、ラルフにも現状が理解出来ずにいた。

恋乙『じゃぁ、ラルフを攻撃して!』

恋する乙女がラルフを指差しながらエーリアン・ウォリアーにお願いする。

EW『ガガゴガガ!ゴゴガゴガーゴ!!!』訳:我が姫君の頼みとあらば!例え主であろうとも!!!

そうして、エーリアン・ウォリアーはラルフに一切の躊躇なくその爪を振り下ろした。

ラルフ「ぐああああああああああああ!?!?ぐぅ…エーリアン・ウォリアー……地球外生命体が、人間の少女に一目惚れって…常識破りにも程がある」LP4000→2200

レイ「乙女カウンターの乗ったモンスターに攻撃して、逆にダメージが発生したら、装備魔法キューピット・キスの効果が発動。そのモンスターをコントロールできる。カードを1枚セットして、ボクのターンは終わりだ。」LP2600→2200 手札3

ラルフ「ちっ…なんか調子狂うぜ…」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.323 )
日時: 2011/06/03 18:39:24
名前: ミクニップ

ぶひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!!ひーひひひ!?は、腹痛ぇ!?


ラルフ「俺のターン、ドロー!!・・・よし、ウォリアーには悪いが、とりあえず倒れてくれ。俺はエーリアン・ソルジャーを召喚する!!」

ES『シャァァァァ!!』


まるで爬虫類に似たソルジャーよりも、まるで魚に似たようなケンタウルスタイプで手に剣を持ったエーリアンが出現する。


エーリアン・ソルジャー
ATK1900

ラルフ「バトルだ、ソルジャーでウォリアーを攻撃!!ラーヴェン・スラッシュ!!」

ラルフの命令を受け、相手に操られているウォリアーに向かって自身の持っている剣で攻撃を仕掛けるソルジャー。だが・・・

レイ「罠カード発動!『シフトチェンジ』!!ソルジャーの攻撃対象を恋する乙女に変更!!」
ラルフ「げっ!?」


ソルジャー『シャァァァァァ!!』訳:死ねぇぇぇぇ!!
ウォリアー『ゴガッ・・・!』訳:しまっ・・・!
乙女『危ない!ウォリアーさん!!』


ザシュッ!!


乙女『キャァァァ!?』
ウォリアー『ゴ、ゴアァ!?』訳:ひ、姫君ぃ!?

何と、ソルジャーの刃がウォリアーを襲おうとした瞬間、恋する乙女が寸前でウォリアーを庇い、自身が切りつけられてしまう。そしてそれを見たウォリアーは、すぐさま乙女を抱き起こす。

ウォリアー『ゴア!ゴアゴアア!!』訳:姫君!しっかりして下さい姫君!!
乙女『ウォリアーさん・・・よかった、無事で・・・』

・・・傍から見れば一応感動的な名場面かもしれないが、ロボはともかくどーもエーリアンが男役というのは凄いシュールだ。・・・というか、切付けられても傷一つ無い乙女もある意味凄いよほんと・・・。

ウォリアー『ゴガァ!!ゴガガガギガガ!?』訳:ソルジャー!!貴様、我が姫君になんて事を・・・!!
ソルジャー『ギ、ギギィ。ギギシャシャ、ギギガギシャ・・・』訳:し、しかし
。ソイツは地球人であり、我等はエーリアンでありますし・・・
ウォリアー『ゴギガァ!!ギガガギギガガ・・・!!』訳:黙れぇ!!このお方は我が姫だ!!この方を傷つけた罪は重い・・・!!
乙女『待ってウォリアーさん。ソルジャーさんは何も悪くはないわ・・・!』
ウォリアー『ギ、ギゴガガ・・・』訳;し、しかし・・・
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.324 )
日時: 2011/06/03 21:25:01
名前: カイナ

ラルフ「……で、この寸劇はいつまで続くんだ?」
レイ「ん〜っと……デュエル続けよっか? シフトチェンジの効果で攻撃対象が恋する乙女に変更、それを攻撃した事によりエーリアン・ソルジャーに乙女カウンターが一つ乗るよ!」LP2200→1700

どこか呆れたようなラルフの言葉にレイは少し考えた後笑いながら続け、そんなこんなでエーリアン・ソルジャーに乙女カウンターが乗る。

ラルフ「お前、ライフポイント大丈夫か? カードを一枚セットしてターンエンドだ」
レイ「うふふっ、心配してくれてありがとう。ボクのターン!」

ラルフの言葉にレイは笑いながらそう返すとカードをドローする。そして手札を見るとうんと頷いた。

レイ「永続魔法、[ラブ・ウォール]を発動! 乙女カウンターが乗っているモンスターと戦闘を行う時、その戦闘によって発生する私への戦闘ダメージを半分にするよ!」

ラブ・ウォール 永続魔法 オリカ
乙女カウンターが乗ったモンスターと戦闘を行う場合、自分が受ける戦闘ダメージは半分になる。

ラルフ「ちっ、面倒な……」
レイ「バトル! 恋する乙女でエーリアン・ソルジャーを攻撃、一途な思い、キューピッド・アロー!」

ラルフの言葉にレイはそう言って攻撃を指示、それと共に恋する乙女が弓を引くような仕草をし、彼女の周りを飛んでいる天使が実際に弓を引く。そして放たれた矢はエーリアン・ソルジャーの近くを浮遊していた乙女カウンターを貫きその勢いでソルジャーの胸に突き刺さる。まるでハートを撃ち抜いたかのような絵の後エーリアン・ソルジャーはふらふらとレイのフィールドに向かっていった。

レイ「乙女カウンターが乗ったモンスターとの戦闘で私が戦闘ダメージを受けた事によりキューピッド・キスの効果でエーリアン・ソルジャーのコントロールを得るよ! どう、ラルフ様! 恋する乙女は強いんだよ! これで私の勝ち、エーリアン達、お願い!」LP1700→1450

エーリアン・ウォリアー『グガガ、グォガガ――」(訳:新たな主のため――)
エーリアン・ソルジャー『グガガ、グオァガガ!!』(訳:元主よ、覚悟!!」

その言葉と共に反旗を翻したエーリアン二体がラルフに襲い掛かる。その総攻撃力は3700、これを受けてしまったらラルフの負けだ。

ラルフ「リバースカード発動[非常食]! 俺の場の伏せカード二枚、超古代生物の墓場とエーリアン・ブレインを墓地に送って俺のライフを2000回復する! ぐおああぁぁぁっ!!」LP2200→4200→500

ぎりぎりで耐え切ったがライフは風前の灯火、それを見たレイはえっへんと胸を張った。

レイ「これが恋する乙女の力! 恋をすれば不可能なんて飛び越えちゃうんだ! ターンエンド!」
ラルフ「ちっくしょ、下手すりゃエリートエリートうるせえそこらのブルー連中より強ぇな……俺のターン!」

ラルフはそう呟きながらデッキに指をかけ、ドローする。

ラルフ「魔法カード発動、[強欲な壺]! カードを二枚ドロー!……!!」

ラルフはドローカード、強欲な壺を発動するとカードを二枚ドローし、そのドローしたカードを見ると驚いたように目を見開いた。

ラルフ「……レイ」
レイ「え?」
ラルフ「このターンだ。このターンでお前の気持ちに対し、俺なりのやり方で返させてもらう」

ラルフの静かな呼び声にレイが気づいて聞き返すとラルフは静かにだが力強くそう続ける。それにレイはきょとんとしながらもこくんと頷いた。

ラルフ「俺は永続魔法[ワーム・コール]を発動、相手フィールド上にモンスターが存在し、俺のフィールドにモンスターが存在しない時、手札から爬虫類ワームを一体セットできる。俺は[ワーム・クィーン]をセット。頼むぜ、俺は魔法カード[天よりの宝札]を発動! 互いのプレイヤーは手札が六枚になるようドローする。俺の手札は一枚、よって五枚カードドロー!」
レイ「ボクは三枚、三枚ドロー!」

ラルフの発動した魔法の効果で一気に手札が六枚に増える。そしてラルフは手札を見るとよしと頷いた。

ラルフ「魔法カード[太陽の書]を発動、裏守備となっているワーム・クィーンを表側攻撃表示に変更し、ワーム・クィーンの効果発動! クィーンをリリースし、クィーンのレベル8以下のワームを一体、デッキから特殊召喚する。俺はレベル8の[ワーム・キング]をデッキから特殊召喚! そして魔法カード発動、[死者蘇生]! 墓地からワーム・クィーンを特殊召喚! そしてぇっ!――」

ワーム星雲の王と女王が出揃った。そしてラルフは手札を一枚――さっき強欲な壺の効果で引いた一枚――を手に取る、それと共にワームの王族二体が影に包まれた。

ラルフ「冷たき暴君よ、影となりて具現せよ! ワーム・キングとワーム・クィーンをリリースし、[The tyrant NEPTUNE]をアドバンス召喚!!! NEPTUNEの攻撃力はリリースしたモンスターの攻撃力の合計となる!!」

The tyrant NEPTUNE 攻撃力;0→5400

その言葉と共に彼のフィールドの二体のワームが突如現れた影に飲み込まれ、その影は具現化すると鎧を纏い巨大な鎌を持つ。そしてラルフはNEPTUNEを見上げながらどこか寂しげな目で口を開いた。

ラルフ「俺とこいつは似たもの同士だ」
レイ「え?」
ラルフ「こいつは、リリースしたモンスターのステータスに効果、さらには名前まで奪い去る暴君。逆に言えば他のモンスターがいて初めてこいつは真に具現できる。俺も同じだ……俺は所詮魂のみの存在、アルフの身体を借りてようやくこの世に具現できるものだ。そんな奴が誰かと特別な関係になっても、そいつを幸せに出来るなんて思えない。だからレイ、俺はお前の言葉に応えることはできない」

ラルフの言葉にレイは黙り込み、ラルフは彼女のフィールドを見てすまなそうな笑みを浮かべた。

ラルフ「ごめんな、レイ。NEPTUNEで恋する乙女を攻撃! 崩壊の鎌、シクル・オブ・ルーイン!!!」
レイ「きゃあああぁぁぁっ!!!」LP1450→0

そしてNEPTUNEの大鎌が恋する乙女を吹き飛ばし、その衝撃波がレイに止めを刺した。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.325 )
日時: 2011/06/03 21:25:23
名前: カイナ

恋する乙女、早乙女レイのラルフへの告白デュエルから二、三日後。レイは女の子でありさらに学園への入学年齢に達していない事が本人の自白により判明し彼女はアカデミアの定期船によって本土へと帰る事になった。

レイ「ご迷惑おかけしました」
レオ「あーいいっていいって、気にすんなよ」

三沢「しかし、まだ小学生なのにラルフを追いかけて編入試験を合格するとは凄い実力だな……将来が楽しみを超えて恐ろしさすら感じる……」

レイの一礼しながらの言葉にレオが笑って返していると三沢はそう呟き、アルフ――ラルフは心の奥にこもっているらしい――を見るとそれにアルフは苦笑する。

十代「あーあ、見たかったなーレイとラルフのデュエル……」
翔「アニキ、レイ君が実はレイちゃんだったってのに気になるのはそこなんスか……」
氷牙「それが十代なんだろう」

十代がどこかつまらなそうに言うと翔が呆れたようにツッコミを入れ、氷牙が続ける。とメリオルがアルフに言った。

メリオル「アルフ、ラルフはレイちゃんに何か伝えとくことないの?」
アルフ「それがラルフ、心の部屋に閉じこもってて人格交代できないんだ……」
レオ「……おい、ライ、ジュンコ」

メリオルの言葉にアルフがそう言うとレオは少し考えた後ライと、やってきていたジュンコ――どうやら明日香についてきていたらしい――に声をかけ、ライとジュンコが何?と首を傾げるとレオはぼそぼそと二人に耳打ちする。それを聞いたライは少しぷっと吹き出し、ジュンコは目を輝かせる。

ジュンコ「え!? い、いいんですか!?」
レオ「おう」
ジュンコ「ありがとうございますお義父様!」
レオ・ライ「「いや、それは早い」」

ジュンコの言葉にレオが怪しく笑いながら返すとジュンコは目をキラキラさせながら言うがそれにはレオとライの二人がツッコミを入れた。そしてライはこそこそとアルフの背後に回りこむとどこからか取り出したハリセンでバシーンとアルフの頭をぶっ叩いた。

アルフ「きゅぅ……」

不意打ちにアルフは目を回して気絶してしまい、そこにジュンコがアルフの上に覆いかぶさってそっと彼に口付けしようとする。ちなみにそれにももえが声を上げていた。すると突然アルフの目がかっと見開く。

ラルフ「どわああぁぁぁ!?」

そして彼は素早くジュンコから距離を取る。いや、アルフよりも鋭く研ぎ澄まされている目――ラルフだ。すると直後彼は気づく、レオとライ、氷牙に鏡夜、さらには十代達までもがにやにやと笑いながらラルフを見ていた。

レオ「まさかここまで上手くいくとはな。ラルフはアルフが友達規準の女の毒牙に侵されるのが嫌だからアルフが気絶したり逃げ切れそうになかったら咄嗟に守るために表に出る」
ライ「もう戻れるわけないよな? アルフは気を失ってるからお前まで逃げたらアルフの身体はどうなってしまうことやら?」

ラルフ「て、てめえら……」

翔「ラルフ君、自分の事を好意的に思ってる女の子にここで何か言えないってのも問題っスよ〜」
風華「ほっぺにキスくらいは許容範囲じゃないかな〜?」
十代「これがラブコメってやつか。いいよなぁ〜」
ヴィヴィオ「うんうん、青春だねぇ〜」

ラルフ「翔と風華てめえら後で覚えてやがれ!! それと十代とヴィヴィオもてめえらそんなキャラじゃねえだろうが!?」

レオにライ、さらに十代達までもが冷やかし始め、ラルフは羞恥か怒りかで顔を真っ赤にして吼えるがやがて髪をばりばりとかくと意を決したようにレイの方に向かう。

ラルフ「あ〜……ったく……元気でな。多分、またどっかで、会えるだろう、からよ……ほれ」

ラルフは髪をかいて途切れ途切れの言葉でレイにそう言った後ポケットを探って一枚の紙をレイに手渡す。それにレイがきょとんとしているとラルフは続けた。

ラルフ「俺の、正確には俺とアルフが共同で使ってる携帯のメルアドだ。無事に帰りついて覚えてたら連絡でもよこせ。あと、できる範囲でなら相談にも乗ってやる……恋人は無理だが、友達なら喜んでなってやるからよ」
レイ「……あ、ありがとう! じゃ、またね!」

ラルフの言葉を聞いたレイは嬉しそうに表情を緩ませ満面の笑みを浮かべてその紙を受け取ると定期船に乗り込む。それをラルフは少し笑顔を浮かべながら見送った後振り返る、とその表情が固まった。

ラルフ「てめえら……」

ライ「い、い、いや、悪い、ぷふっ……」
十代「ぶ、無事に帰りついたら連絡よこせって、お父さんかよ……」
風華「それより、今時高校生にもなってお友達から始めましょうって……」

ラルフの言葉にライ、十代、風華がそれぞれ笑いを堪えながら声を出す。ちなみに翔や美海、明日香達はツボに入ったのか笑いを堪えるので精一杯という様子、ジュンコ達は違う意味で声を出す気になれない様子だ。

ラルフ「……てめえら、覚悟しろよ?」

その様子を見たラルフは未だに赤い顔のまま拳をボキボキと鳴らし始め、ゆっくりと十代達に向かって歩いていく。それに気づいた十代達も笑いを堪えながら逃げ始め、ラルフもその後を追い始めた。
――――――――――――――――――――
ふぅ♪
レオ「随分早いな!? こんなあっさりでいいのか!?」
いや、ラルフの自らの存在についての考え方というシリアスな部分を考えてたのに、戦闘がギャグ過ぎてそっちに引っ張られそうだったから+予想以上に展開が早すぎてまずかったからとっとと締めさせた……おかげでレイ専用魔法オリカがラヴ・ウォールぐらいしか出せなかったよ……でもこれ以上置いといたらラルフ負けそうだったから止むを得ないな、うん。いざとなりゃ学園祭辺りでレイをゲストで出せばいっか!学園祭は一般の方用の入場チケットがあるとか設定捏造して!
レオ「おいおいおい……」
さ、次は確か十代VS三沢でしたよね?それともまたオリジナルでもやらせます?ま、それでは。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.326 )
日時: 2011/06/04 03:52:41
名前: 孝(たか)

それからさらに数日が経過した…

3回目の月一試験も無事終わった翌日。


港にて…

トメ「早く早く。運んで運んで!それはあっちよ。あっちだってば!…うん?」

早朝の定期便で本国から入荷した荷物を運びこんでいた。

しかし、トメは何かに感づいて海を覗く…

トメ「………?気のせいかい?あ、ほらほら!足止めないで!急いで急いで!!」

トメは気のせいと思い、作業を続けた。

港からほんの少し逸れた場所…ちょうど校舎の斜め下辺りだ。

?「へへへ…デュエルアカデミア…俺様にかかれば、進入なんてちょろいもんさ。」

ダイバースーツを脱ぎながら、呟く謎の男。

?「この秘密…この"国崎康介"が暴いてやるぜ…」


会議室…

クロノス「何故ですーノ!?デュエルアカデミアノース校との友好デュエルーには、昨年と同じように、シニョール亮・丸藤が代表に決まっていたはずナノーネ!!」

校長「それが、今年のノース校の代表が、1年生らしいんですよ。」

鮫島校長は笑顔でそう告げる。

氷牙「なるほど、それで、亮ではなく、こちらも同じ1年生を代表にすると?」
校長「その通りです。どうだろう丸藤君?」

亮「俺も構いません。ですが…」
校長「ん?何かね?」

亮「1人…いえ、4人ほど推薦したい人物が居るんです。」
校長「それはちょうどいい。実は、向こうの代表も、4人だと言うのですよ。それで、誰なのかね?」

亮「1人は遊城十代。そして、雷堂焔と空時兄弟です。彼らなら、面白いデュエルを見せてくれるはずです。」
校長「ほほぉ…彼らですか…確かに、彼らなら実力も申し分ない。如何ですかな?」

大徳寺「これは大変な事になりそうだにゃぁ〜ねぇ、ファラオ?」
ファラオ「にゃぁぁ…」

氷牙「おっと、それなら俺も推薦したい生徒が居るんですが…良いですか?」
校長「ほぉ…誰ですかな?」

氷牙「……雷堂美海。そして…丸藤翔。」
亮「(ピク)」

氷牙の推薦した者に僅かに反応を示す亮。

レオ「あ、なら俺も。ヴィヴィオ・アンヴィレントを推薦します。」
鏡夜「僕は……うん。神楽坂君を推薦します。」
メリオル「では、私は雷堂風華を推薦します。」

クロノス「うぬぬぬぬぬ……(い、嫌なノーネ!ドロップ・アウト・ボーイズが代表だなんーて!!誰か対抗できるよーな…は!)ではワタシーハ!三沢大地を推薦するノーネ!!」

校長「ふむぅ…今年はどうやら豊作の様ですなぁ…よろしい!それでは、デュエルアカデミアノース校!友好デュエル代表選抜試験を行いましょう!選抜者は10人。代表は4人!上位4名をノース校友好デュエル代表者とします!」

剣一「では、参加するか否かを本人達に確認してきます。それによっては変動する可能性もありますし…」
校長「うむ。頼みましたぞ。雷堂先生。」


画して…デュエルアカデミアノース校との友好デュエル代表者選抜試験が始まる!!
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.327 )
日時: 2011/06/04 20:30:17
名前: カイナ

あの、まさか十人全員にデュエルやらせるんですか?……トーナメント方式にするとはいえ結構長くなりませんか?……でもタッグにしたらしたで人数的にトーナメント表がややこしくなるし……う〜ん……。
というか、代表四人って中途半端じゃないですか?一戦タッグデュエルを交えるなら話は別ですがそれでなけりゃ五人もしくは三人にした方がいいんじゃないですか?
――――――――――――――――――――
十代「デュ、デュエルアカデミアノース校交流デュエル代表者選抜試験!?」

剣一「ああ。昨年はカイザーが代表で今年もそうなる予定だったんだが、ノース校の代表が一年生四人でな、こっちもそれに合わせて一年生四人を代表にする事になったんだ。で、十代とライ、アルフ、で焔がカイザーから推薦されたんだ。それで出場するか聞きに――」
十代「――やるやるやる!! 絶対やる!!!」
剣一「そ、そうか……」

十代が驚いたように言うと剣一が頷いて説明、最後に出場の意思を聞こうとするとそれが終わる前に十代は右手を元気良く挙げて言い、その勢いに剣一は若干引きながら頷き、ライとアルフ、焔も頷いた。

ライ「面白そうだし、俺も参加する」
アルフ「カイザーの推薦と聞いて辞退する訳にもいかないね」
焔「俺もいいぜ、楽しみだ♪」

ライとアルフ、焔の了承を得た剣一はよしと頷いてメモを取る。するとヴィヴィオが微笑んだ。

ヴィヴィオ「それにしても、凄いね代ちゃん。代表の候補だなんて」
レオ「何言ってんだヴィヴィオ、お前も候補だぞ?」
ヴィヴィオ「……へ?」

その言葉にレオがさらっとそう言うと彼女は呆けた声を出す、それからレオが続けた。

レオ「俺が推薦してみた。後翔も候補だぜ」
翔「えええぇぇぇっ!? ボ、ボボボボクなんかが、が、学校代表のこ、候補に……」

レオの言葉に翔が驚愕を露にする。そしてぼんやりとした目でそう呟いており、剣一はそれを一瞥した後美海と風華を見る。

剣一「それと美海と風華、お前らもな」

美海「私も?……」
風華「え〜、めんどくさそ――」
カイ「――俺の情報によると三沢が候補の一人だそうだが。むしろ実力的に言えばクロノス教諭の推薦なのもあいまって既に代表確実とか……」
風華「――よっし! 絶対代表になってみせる!!!」

剣一の言葉に美海が呟き風華がだるそうに呟いているとカイが口を挟み、それを聞いた風華はぐっと拳を握り締めてそう宣言した。ちなみに前半は本当なのだがむしろから後ろは風華を焚きつけるための嘘だったりする。

レオ「後は神楽坂だな、あっちは鏡夜先輩が説明にいって今度こそ十代に勝ってみせるってやる気見せてたな」
十代「そうなのか〜……いよっし! 俺も気合入れるぜ!! 皆、頑張ろうな!!」
候補メンバー全員『おぉー!!!』

レオの言葉に十代もそう言い、メンバーに声をかけると全員がおーっと右手を挙げて答えた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.328 )
日時: 2011/06/12 12:47:15
名前: カイナ

とりあえず、前回の投稿から一週間経って誰も書く様子ないので例によって書かせていただきますね?
――――――――――――――――――――
数日後、十代達はノース校交流デュエル代表者選抜試験のためデュエルリングへとやってきていた。

クロノス「レディ〜スア〜ンドジェントルメ〜ン! ただいまよ〜り、ノース校交流デュエル代表者選抜試験を始めるノ〜ネ! 選手、入場!」

司会進行を努めるクロノスの声と共に十代達は入場口から入場する。そして当然と言おうかアルフに対してはファンクラブの黄色い声援が飛んでおり、逆に男子勢からは恨みのこもったような視線がアルフを貫いているが本人は全く気にしていなかった。

??・??「「ちょっと待ったぁー!!」」

そして彼らがデュエルリングに上ろうとした瞬間そんな声と共に男子ブルー寮の生徒が二人そう叫んで飛び降り、デュエルリングに立つと十代達を見下ろす。

高田「納得がいかん! 何故このブルー随一のエリート、高田純二朗を差し置いてレッドやイエロー如きの生徒が代表の候補になるのだ!?」
野畑「そう! アカデミアには将来華やかなデュエリスト王子となることが運命に約束されたこの野畑義賢がいる! なのにこんなレッドやイエローに代表を任せるというのは我慢がならない!」

ブルー男子二人――高田と野畑は十代達を指差しながらそう言う、とライとアルフがふっと笑みを浮かべた。

ライ「じゃ、俺とアルフの代表候補の権利をかけてデュエルする? シングルでさ」
アルフ「でも、そっちが負けたら大人しく引き下がってね?」

野畑「ふふっ、面白い。デュエル界の貴公子として君達の実力を教えてあげるよ」
高田「身の程知らずが! 速攻で終わらせてやる!」

ライとアルフの言葉に野畑と高田は笑いながらそう言ってデュエルディスクを起動し、四人はデュエルリングに上がるとライVS高田、アルフVS野畑の方式で向かい合う。そして四人のデュエルの掛け声が響き渡った。



ライ「無能と罵られる騎士が、今能を打ち消す力を持って降臨する! 天地空悉くを制せ、地天の騎士ガイアドレイク!! さらに、結束せよ絵札の三剣士! 切り札の騎士、アルカナナイトジョーカー!!」
アルフ「集まれ! ディフォーマー集合!!」

デュエルは続いていき、ついにクライマックスを迎える。ライの場に二人の騎士が姿を現し、さらにアルフの場にも五体のディフォーマー達が並ぶ。高田と野畑はぽかんとしか出来なかった。

ライ「サイクロンを発動し、スピリットバリアを破壊! ガイアドレイクでカオス・ネクロマンサーを攻撃!!」
高田「ぐぉっ!」LP4000→3500
ライ「止めだ! アルカナナイトジョーカーでダイレクトアタック! ロイヤルストレートフラッシュ!!」
高田「ぐあああぁぁぁっ!!」LP3500→0

アルフ「D・ボードンが攻撃表示の時僕の場のディフォーマーはダイレクトアタックが可能になる。ボードン、皆を導いて! ディフォーマー軍団、ダイレクトアタック!」
野畑「うわああぁぁぁっ!!」LP2600→0

あっという間に二組のデュエルは終了し、約束に対しては律儀なのかそれともショック過ぎたのか二人は文句を言う事もなくうなだれてデュエルリングを下りて退場する。

クロノス「(くっ、上手くいけばドロップアウトボーイズを二人退場させられたのに、失敗だったノ〜ネ…)…それでは挨拶と代表選抜試験の説明を、鮫島校長からお願いするノ〜ネ!」

クロノスは心中で呟いた後そう言ってマイクを校長に手渡す。それを受け取った校長はマイクの確認をした後コホンと息をついてから口を開いた。

鮫島「え〜、我がアカデミアは長年にわたりノース校とデュエルで友好を深めあい、実力を磨きあうために交流デュエルを毎年開催していました。なんでも今年はノース校の代表は全員一年生という事になり、年齢の公平をきすためにこちらの代表も全員一年生として去年の代表、丸藤亮君や先生方の推薦で候補を決定した次第です」

鮫島はそこまで言うと一旦言葉を区切り、再度口を開く。

鮫島「それでは、今回の選抜試験の説明をいたしましょう。最初は候補となっている十人にシングルデュエルを行ってもらいます、なお公平をきすためこちらでクジを用意しているためその結果で相手は決定いたします。そして二戦目は残った五人にもう一度デュエルしてもらい……例えば十代君、三沢君、翔君、ライ君、アルフ君の五人が一戦目に勝ったとしましょう。次に十代君と三沢君、翔君とライ君が戦って三沢君と翔君が勝ったとすればその時点で三沢君と翔君は代表となり、この時点で十代君とライ君が一勝一敗となり次にその二人がデュエル、十代君が勝ったとすれば十代君も代表、最後にライ君とアルフ君がデュエルをし勝った方が代表となります」

鮫島はそこまで説明するとふぅと息を吐いた。

鮫島「それでは長々とした説明で皆さんも飽きてきた頃でしょうし、相手決定のくじ引きをしてもらいましょう」

そう言うと共に氷牙が立方体の、上の方に丸い穴の空いた段ボール箱を持ってくる。そして一人ずつその箱の中に入っているクジを引いていき、一人ずつ誰と当たるかが確定していく。

対戦表
1:ヴィヴィオVS神楽坂
2:翔VS風華
3:アルフVSライ
4:焔VS美海
5:十代VS三沢


鮫島「それでは、対戦順も決まった事ですし、早速始めましょうか。クロノス教諭、お願いしますよ」
クロノス「はいなノーネ。では一戦目、シニョーラヴィヴィオVSシニョール神楽坂! なノーネ!」

十代「ヴィオ! 頑張れよな!」
ヴィヴィオ「うん、絶対代ちゃんと一緒に代表になってみせるからね!」

十代の声援を受けたヴィヴィオはそう言ってデュエルリングを駆け上がり、そこに既に相手が立っているのを見ると口を開く。

ヴィヴィオ「お待たせ、神楽、坂……君……」
神楽坂「やあ、ヴィヴィオ。早速始めようか」

神楽坂の姿を見たヴィヴィオが固まっていくのに対し神楽坂はそう返す。その姿は……

ヴィヴィオ「お祖父、ちゃん?……」
神楽坂「はい。今回は皇牙・S(スクライド)・A(エクストル)・アンヴィレントの真似をさせていただきました」

ヴィヴィオがポカーンとしながら言うのに対し皇牙のコスプレをした神楽坂――厚底の靴でも履いてるのか190センチの長身も再現している――は柔和に微笑みながらそう返した。というか口調までそっくりだ。

クロノス「両者、準備はいいノーネ?」
神楽坂「私は構いません」
ヴィヴィオ「あ、あっ、わ、私もっ、構いませんっ!」

クロノスの言葉に神楽坂が返すとつられたようにヴィヴィオも声を裏返しながら言う。

クロノス「それでは、デュエルスタート!! なノーネ!」
神楽坂・ヴィヴィオ「「デュエル!!!」」
――――――――――――――――――――
カイ「なぁ……なんでお前はいちいちタッグフォースキャラを出すんだ?」
タッグフォースファンへのファンサービス?
カイ「嘘つけ」
ま、面白いからってのが本音かな?ある程度キャラが固まってるから話を進める際のゲストとして出しやすいってのもあるし。許可を貰えればノース校交流デュエルの相手に数人入れてもらおうかとも思ってる。
カイ「誰を?」
アルフが代表になったらスキドレバルバの使い手であるジャッカル岬さんとか面白そうだなって思ってる。効果が封じられる上力押しに弱いディフォーマーをどう使うかなクックック。
カイ「悪魔……」
あ、孝さん。交流デュエル代表選抜試験の二戦目の説明ってこういう訳でいいんでしょうか?自分なりに解説してみたつもりなんですが……あ、後神楽坂が真似ている皇牙の口調もこんなんでいいですか?No230の皇牙を手本にやってみたんですが。ちなみにデュエルが盛り上がっていくごとに神楽坂は演技を忘れて素に戻っていくという設定のつもりです。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U ( No.329 )
日時: 2011/06/12 23:02:42
名前: 孝(たか)

神楽坂「先攻は私からのようじゃな。ドロー。私の場にモンスターが存在しない為、『ジャンク・フォアード』を守備表示で特殊召喚。更に、私の場に『ジャンク』と名のつくモンスターが表側表示で存在する為、『ジャンク・サーバント』を攻撃表示で特殊召喚。」

ヴィオ「やっぱり、デッキもお祖父ちゃんのジャンクデッキ…?」
神楽坂(素)「いや、流石に全く同じかは判らない。だから、俺流のアレンジが入っている。ジャンク系のカードは簡単に手に入り、それでいて展開しやすい優秀なカード軍。人によってその構成は大きく変わる。」

ヴィオ「あ、素に戻れるんだ…(汗)」
神楽坂「私は、手札のモンスターカード『レベル・スティーラー』を捨て、チューナーモンスター『クイック・シンクロン』を特殊召喚。クイック・シンクロンは、手札のモンスターを捨てて特殊召喚が出来るカード。ただし、このカードは、『シンクロン』と名のつく素材を必要とするシンクロモンスターの素材にしかできない。更に、墓地のレベル・スティーラーの効果!私の場のレベル5以上のモンスターを選択し、レベルを1下げる事で、墓地から特殊召喚出来る。クイック・シンクロンのレベルを下げる。」

ヴィオ「そんな…先攻1ターン目で、4体のモンスターが…」
神楽坂「更に、チューナーモンスター『エフェクト・ヴェーラー』を召喚。」

ヴィオ「ご、5体目!?」
神楽坂「ここからが俺流!!レベル3ジャンク・フォアードとレベル1レベル・スティーラーに、レベル4となったクイック・シンクロンをチューニング!"戦士と機械、その雌雄を統べし王よ!今こそ進軍せよ!"シンクロ召喚!突き進め!『ロード・ウォリアー』!!」

☆3+☆1+☆4=☆8

ロードATK3000

ヴィオ「攻撃力3000のモンスター!?」
神楽坂「ロード・ウォリアーのモンスター効果!1ターンに1度、自分のデッキからレベル2以下の機械族か戦士族を1体特殊召喚出来る!デッキから、『チューニング・サポーター』を特殊召喚!チューニング・サポーターは、シンクロ素材にする時、レベルを2として扱う事が出来る!」

ヴィオ「まさか…2連続でシンクロ!?」
神楽坂「行くぜ!レベル4ジャンク・サーバントとレベル2となったチューニング・サポーターにレベル1のエフェクト・ヴェーラーをチューニング!!」

☆4+☆2+☆1=7

神楽坂「"神に祝福されし剣聖よ!7つの剣を携え、神罰を与えよ!シンクロ召喚!冴えわたれ!"『セブン・ソード・ウォリアー』!!」
ヴィオ「1ターン目で2体の上級シンクロモンスターが…」

神楽坂「更に、チューニング・サポーターがシンクロ素材となって墓地に送られた時、デッキから1枚ドロー出来る。ドロー!魔法カード『強欲な壺』を発動!更に2枚ドロー!魔法カード『貪欲な壺』を発動!墓地の5枚のモンスターをデッキに戻し、2枚ドローする。俺が戻すのはこの5枚だ!」

神楽坂は墓地からクイック・シンクロン、ジャンク・サーバント、ジャンク・フォアード、チューニング・サポーター、エフェクト・ヴェーラーをデッキに戻すと、2枚ドローした。

神楽坂「手札を1枚捨て、装備魔法『破邪の大剣‐バオウ』をセブン・ソードに装備!更に、1ターンに1度、セブン・ソードに装備カードが装備された時、相手に800ポイントのダメージを与える!破邪一閃!!」

セブン・ソードが破邪の大剣を一閃して、ヴィヴィオに斬りつけた。

ヴィオ「きゃああああああ!?」LP4000→3200
神楽坂「カードを2枚伏せて、ターンエンド」手札0

セブン・ソードATK2300→2800

氷牙「ほぉ…神楽坂の奴…自分なりの戦いを身につけつつあるみたいだな…」
レオ「今までは、他人のデッキに似通ったデッキを使っていたようだが、シンクロモンスターが出てからは似通っては居ても、立ち回りが全然違いますね…」

鏡夜「凄いんだよ…まるで三沢君が2人になったみたいでさ…」
剣一「殆ど毎日と言っていいほど俺の所に来てはテストデュエルして言ったぜ?」

氷牙「…この間の一件が、いい刺激になったみたいだな」
レオ「そうっすね」

教師陣は生徒の成長に喜々としていた。

ヴィオ「うう…私のターン!ドロー!私も、魔法カード強欲な壺を発動!2枚ドロー!」手札7
神楽坂「私はこの瞬間、罠を発動!『メタル化・魔法反射装甲』!このカードはモンスター1体の攻守を300ポイントアップさせ、このカードを装備したモンスターが攻撃した時、攻撃対象の攻撃力の半分を装備モンスターに与える。セブン・ソードに装備!そして効果発動!鋼化一閃!!」

セブン・ソードATK2800→3100
セブン・ソードが、鋼化した腕を剣に見立ててヴィヴィオに一閃する。

ヴィヴィオ「きゃあああああ!?あうう…まさか、罠装備で効果を使用してくるなんて…」LP3200→2400
神楽坂「俺も、伊達に真似ばかりしていた訳じゃない。他人のデッキを見本に、どうすれば自分流になるかを研磨して来たんだ!」

ヴィオ「ふふ…じゃぁ…このデュエルが、君にとって本当のデッキでの勝負なんだね?」
神楽坂「ああ!その通りだ!けど…デッキの元になった人の真似も完璧にこなして見せる!それが俺…物真似デュエリスト・神楽坂だ!!」

ヴィオ「そ、そう…(汗)じゃあいくよ!魔法カード『二重召喚』発動!このターン、私は通常召喚を2回まで行えるよ!私は、『ゴブリンドバーグ』を召喚!」

飛行機に乗ったゴブリンが飛んできた。

神楽坂「ゴブリン!?君は、霊使いじゃ…!」
ヴィオ「私だって、いつまでも全く同じデッキじゃないんだよ?ゴブリンドバーグの効果!召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスターを特殊召喚するよ!私は、レベル3の『風霊使い‐ウィン』を守備表示で特殊召喚!この効果を使用した場合、ゴブリンドバーグは守備表示になるよ。そして、手札1枚を捨てて、『THE・トリッキー』を攻撃表示で特殊召喚!更に…チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」

神楽坂「ジャンク・シンクロンだと!?」
ヴィオ「ジャンク・シンクロンの効果発動!召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスターを効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!私は、墓地からチューナーモンスター『ナイトエンド・ソーサラー』を特殊召喚!」

なんと、ヴィヴィオも後攻1ターンで場を埋め尽くした!

神楽坂「ナイトエンド?…トリッキーの召喚コストか!?」
ヴィオ「正解!そして、私もシンクロするよ!レベル4ゴブリンドバーグとレベル3ウィンに、レベル3ジャンク・シンクロンをチューニング!"遥か太古に繁栄を導きし王の竜よ!長き眠りから醒め、その力を解き放て!"シンクロ召喚!咆哮せよ!聖王竜セイバー・ドラゴン!!」

☆4+☆3+☆3=☆10
聖王竜ATK3000

其処には…虹色の光を纏い、八つの翼を織りなし、大小様々な大きさの10個の宝玉が竜の周りを旋回し続ける、神々しい竜が降り立った。

神楽坂「レベル10のシンクロモンスターだって!?」
ヴィオ「聖王竜が場にいる限り、私の場の戦士と魔法使いは墓地のモンスター1体につき、200ポイント攻撃力がアップするよ!更に、レベル5トリッキーにレベル2のナイトエンドをチューニング!"風は空に、星は天に、輝く光はこの腕に、不屈の心はこの胸に!"シンクロ召喚!撃ち抜いて!アーカナイト・マジシャン!」

☆5+☆2=☆7
アカナイATK400

ヴィオ「アーカナイトがシンクロ召喚に成功した時、このカードに魔力カウンターを2つ乗せるよ。そして、魔力カウンターの数×1000ポイント攻撃力がアップ!更に、聖王竜の効果で、魔法使いであるアーカナイトは墓地のモンスターの数×200ポイントアップ!よって攻撃力は…」

アーカナイトATK400→2400→3400

神楽坂「攻撃力3400!?」
ヴィオ「更に、アーカナイトの魔力カウンターを1つ取り除く事で、相手場上のカードを1枚破壊する!ロード・ウォリアーを破壊!ディバイン・バスター!!」
神楽坂「この瞬間、リバースカードオープン!速攻魔法『サイクロン』!メタル化を破壊!この瞬間!セブン・ソードの第二の効果発動!1ターンに1度このカードに装備された装備カードが墓地に送られた時、相手場上の表側表示モンスター1体を破壊する!アーカナイトを破壊!鋼化破砕!!」

ヴィオ「ああ!?でも、ロード・ウォリアーも破壊されるよ!バトル!聖王竜でセブン・ソードに攻撃!セイクリッド・クラスター!!」

複数の宝玉がセブン・ソードを囲み、聖王竜が口から光線を吐き出す!

すると、その光線が宝玉にぶつかると、宝玉と宝玉の間で不規則に乱反射し、セブン・ソードの周囲で跳ね返り続けると…

ピシュンッ!!!

目では追いつけない程の加速を得て、セブン・ソード・ウォリアーを貫き、爆散した。

神楽坂「ぐああああああ!?…ぐぅ…俺の場が…がら空きに?!」LP4000→3800
ヴィオ「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」手札1

ヴィオ 手札1 LP2400
場 聖王竜攻
伏せ1枚

神楽坂 手札0 LP3800
場 無し。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX 第U幕 ( No.330 )
日時: 2011/06/18 21:01:23
名前: カイナ

ライ「お互いに一ターン目で手札ほぼ使いきったな……」
焔「しかも神楽坂の方は手札なしに場ががら空き。さーってどうすんのかねぇ?」

ライが唖然とした様子で呟くと焔は両手を頭の後ろに回して組みながらくっくっと笑ってそう続ける。

神楽坂「私のターン、ドロー! 私は魔法カード[命削りの宝札]を発動し、手札が五枚になるようにドローし、自分の五回目のスタンバイフェイズ時に手札を全て捨てる」

氷牙「このタイミングでドローソース!?」
鏡夜「他人のデッキを研究し、自らなりのアレンジを加え、自らの力で組み上げたデッキ。デッキが力を貸してくれてるんだよ」

氷牙が驚いたように声を上げると鏡夜がニコニコと微笑みながら言い、その間に神楽坂は手札を五枚に増やす。

神楽坂「魔法カード[調律]を発動、デッキから[ジャンク・シンクロン]を手札に加え、デッキをシャッフル、その後デッキから一番上のカードを墓地に送る。よし、ジャンク・シンクロンを召喚しジャンク・シンクロンの効果発動! このカードの召喚に成功した時、自分の墓地からレベル2以下のモンスターを一体守備表示で特殊召喚する。私は[マッシブ・ウォリアー]を特殊召喚!」
ヴィヴィオ「マッシブ・ウォリアー!? ま、まさかさっきの調律で落ちたの!?」

神楽坂の場に現れたオレンジ色の装甲のモンスターの横に守りの態勢を取っているウォリアーが姿を現し、さっきまで墓地に存在していなかったはずのそのモンスターの姿を見たヴィヴィオが驚きの声を上げると神楽坂はこくんと頷く。

神楽坂「その通り、偶然だったから驚いたよ。だがこれもあったからね、さらに魔法発動[ワン・フォー・ワン]! 手札のモンスター[スピード・ウォリアー]を墓地に送り、デッキからレベル1モンスター[ものマネ幻想師]を特殊召喚! ものマネ幻想師の効果発動、このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時相手の表側表示モンスター一体を選択、このモンスターの攻撃力・守備力は選択したモンスターの元々の攻撃力・守備力になる。私は聖王竜セイバー・ドラゴンを選択する」

神楽坂の場に三体のモンスターが並び、さらにその内の一体――顔が鏡になっている不思議な幻想師――の顔である鏡にヴィヴィオの聖王竜の顔が映し出され、幻想師の攻撃力が高まった。

ものマネ幻想師 攻撃力:0→3000

ヴィヴィオ「っ……」
神楽坂「さあ、いくぜ! 俺はレベル2のマッシブ・ウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング! 集いし星が絆の闘士を呼び起こす。光差す道となれ! シンクロ召喚! 立ち上がれ、[ジャンク・ウォリアー]!!」

三沢「あのカードは!?」
アルフ「皇牙さんがデュエルを決めた……」

ヴィヴィオが息を飲むと神楽坂が天井に向けて手を伸ばし、素の口調でそう言うと共に彼の場の二体のモンスターが光に包まれる。そして紫色のカラーリングが施された機械戦士が姿を現し、その姿を見た三沢とアルフが表情を歪める。

神楽坂「ジャンク・ウォリアーの効果発動! このカードのシンクロ召喚成功時、このカードの攻撃力は俺の場に存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力分上昇する。俺の場には攻撃力3000のレベル1モンスター、ものマネ幻想師が存在する。よってジャンク・ウォリアーの攻撃力は3000ポイント上昇する! パワー・オブ・フェローズ!」

ジャンク・ウォリアー 攻撃力:2300→5300

その言葉と共にものマネ幻想師の身体から発されたオーラがジャンク・ウォリアーに集まっていき、その攻撃力が爆発的に上昇する。

神楽坂「ジャンク・ウォリアーで聖王竜セイバー・ドラゴンを攻撃! 叩き込め、スクラップ・フィスト!!」
ヴィヴィオ「リバースカード発動[和睦の使者]! このターンの戦闘ダメージを0にし、私の場のモンスターは戦闘では破壊されない!」

神楽坂の指示を聞いたジャンク・ウォリアーの目が光り、背中のブースターを点火して一気に超加速、目にも止まらない速さでセイバードラゴンに肉薄しその拳を叩き込もうとするがヴィヴィオが発動したカードの効力により現れた修道服姿の女性達が攻撃を阻む。

神楽坂「くっ、カードを二枚セットしてターンエンドだ」

ヴィオ「私のターン…ドロー!モンスターとリバースを1枚ずつセット。ターンエンド!」手札0
神楽坂「私のターン。ドロー!魔法カード『壺の中の魔術書』!互いのプレイヤーはデッキから3枚ドローする!リバースカードオープン!速攻魔法『ダブル・サイクロン』を発動!自分と相手の魔法・罠を1枚ずつ破壊する!私は命削りの宝札と、君の伏せカードを破壊する!」

ヴィオ「罠発動!『威嚇する咆哮』!このターン、相手は攻撃宣言を行えないよ!」
神楽坂「ふむ。なかなかやるのぉ。破壊された『リミッター・ブレイク』の効果発動!墓地に送られた時、デッキ・手札・墓地から『スピード・ウォリアー』を特殊召喚する!私は墓地からスピード・ウォリアーを特殊召喚!」

ヴィオ「くっ…」
神楽坂「更に、チューナーモンスター『ドリル・ウォリアー』を召喚!更に、墓地のレベル・スティーラーの効果発動!レベル5のジャンク・ウォリアーのレベルを1下げて特殊召喚。」

ヴィオ「まさか…またシンクロ!?」
神楽坂「その通り!レベル1のレベル・スティーラーとレベル2のスピード・ウォリアーに、レベル3のドリル・シンクロンをチューニング!"無茶で無謀と笑われようと、意地が支えの物真似道!壁があったら殴って壊す!道が無ければこの手で創る!"シンクロ召喚!天元突破!!『ドリル・ウォリアー』!!」

☆1+☆2+☆3=☆6

神楽坂「ドリル・ウォリアーのモンスター効果!手札1枚を捨てて、このカードを次の私のスタンバイフェイズまで除外する。カードを1枚伏せて、ターンエンド。」手札0

Page: 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |