Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.61 ) |
- 日時: 2007/05/31 22:02:45
- 名前: 垣ゆうと
「白い花、は、さあ、」 と彼がぽつりと言った。いつも同じ、毎回変わらない角度で、僕は彼を見下ろしている。 ベッドに横たわる彼の細い細いしんでいるみたいな体を。
その視線の先には、素朴な白いだけの花瓶に活けられた、百合の花が。
ベッドに横たわる彼にもよく見えるようにと、わざわざ机を移動してそこに置いた。 (勿論、百合の花がお見舞いには向かない花だってこと、知ってる。)(知ってる上で僕はわざわざ)(………。)
僕は先程からその花についての彼の反応が気になって仕方がなかった。 部屋に入ったその瞬間に、とても驚かれて、泣かれるかもとさえ思っていたのに、 彼はやあいらっしゃいよく来たねえ、なんておっさんくさいことを言っただけだった。
何て言うつもりだろう。心臓が少しどきどきと煩い。(何のどきどきだろう?) 彼は僕に後頭部を向けて、白い花を見ている。(はず。)
「白い花はさあ、」彼は繰り返す。穏やかなようにも聞こえるし、怒っている様にも聞こえる。
ここで一つ、告白をしよう。僕は彼に突き放してほしい。 君には、病持ちの家族とか、恋人とか、大切な人はいるかなあ? それも死にそうで死なない人。そのくせ動くことは全くできない、なんて人。 まあいてもいなくても、どちらでもいいや。君達に一つ諭そう。 どんなに愛してたって、いつかは。
…僕は彼に、突き放してほしい。
「奇麗だよね。」
細い細い体、白すぎる肌。彼はにこりと笑った。きれいだよね。リピートリピート。
彼は細く骨だけみたいな腕を窓に伸ばす。手の平の血管が酷く浮き出る。 光に輪郭を消される彼の白い手、細い手、痛々しい点滴の跡。
「(…ひきょうもの…。)」
僕が俯くと彼は、白い花は好きなんだありがとう、と静かに笑った。
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.62 ) |
- 日時: 2007/06/03 09:57:40
- 名前: そら
- 参照: http://yaplog.jp/sora_nyanko/
- 彼は便箋を次々折って、できた紙飛行機を自慢気に私に見せた。
少し不恰好だけれど、私はなんとなくその紙飛行機が気に入った。 「これ屋上で飛ばしたら楽しいよな」 彼はそう言って無邪気に笑う。 「不法投棄」 「ゴミ扱いですか」 「うん」 「酷いよ帆波サン!」 うな垂れたように彼は俯いた。 少し可哀相になって、私は何かいい慰め言葉がないかと考える。 すると、突然彼が顔を上げた。 「まっ飛ばした後で拾いに行けばいっか。よし解決!屋上へゴー!」 「……は?え?」 ガシッと私の手を掴み、彼は廊下を走りだす。 彼の足取りについて行きながらも、彼と彼に甘い自分にほとほと呆れてしまう。 「遠くに飛んでいったらどうするつもり?」 「そこまで拾いに行けばよし。そうすればもう少し帆波といられるしさ」 「? どういう意味よ」 それに彼が答えることはなく、気がついたら屋上に出ていた。 風を感じながら私は彼の隣に立つ。 「どこまで飛びそう?」 「南極まで」 「何それ」 「そんな遠くだったらずっと帆波といられるからさ」 真剣な横顔を見て、思わずドキリとした。 彼は何を言っているんだろう。私は………バカだな、と自分を嘲た。
彼の手を離れた紙飛行機が、風を切って飛ぶ。
「あ!」 私達は同時に声を出す。 ほんの数秒で、紙飛行機は見事に墜落していった。
「5分もかからず取りに行けるね」 「嬉しそうに見えるのは気のせいですか帆波さん」 彼は不服そうに私を見る。 「だってこれから彼氏とデートなんだもん」 「……ムカツク」 「え?ね、ねえちょっと!」 呼び止める声も聞かずに彼は急に早々と歩きだす。 私は戸惑いながらも彼を走って追いかけた。
「次は絶対に南極まで飛ばすから!」 「? はいはい」
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(銀魂 沖田総悟結核ねた。) ( No.63 ) |
- 日時: 2007/06/03 17:08:41
- 名前: 黒瀬
- 明日死んでも良いように、いつも覚悟はしてきたつもり。
血飛沫の舞う戦場(いくさば)にいたって、刀を持つ手が震えることもなかった。 だって、心のどこかで俺は絶対にこんなところで死なないってわかっていたから。 だけど、だけど。 近いうちに自分は確実に死ぬんだ、って知らされて、ちっとも怖くないなんてありえない。 死が怖くないわけない。
そろそろ桜の咲く頃だった。 それはべつに誰かに教えられたわけじゃない。 ずうっと昔から決められている日付の区切りと、 日が経つにつれて段々と暖かくなっていくこの部屋と庭の様子から、それとなく感じられていた。 春告げ鳥だって、既にそこら辺をひらひらと飛んでいる。 あの鳴き声を聴くたびに、ああもうすぐ春だ、と実感する。 もうすぐ春だ。 春になれば、もっと仕事が多くなって、きっと忙しくなる。 事件だって増える。俺が。俺が行かなければ、誰が代わりに対応するっていうんだ。 俺が。俺が、行かなければ。 そう思っていても、白い布団から出ることは禁止されている。 禁止されるまでもなく、俺はここから出られない。 昨夜に吐いた血の匂いがふと蘇ってきて、気分が悪くなった。 寝返りを打って、口元に手を当てながら、不意に縁側の先を見た。 すると、黒猫と目が合った。華奢で、きれいで、だけど爛々と輝くまんまるの瞳は、まるで満月みたいで。 「………む、なくそ悪ィ……」 自由に外を駆ける猫が、自分を嘲笑っているように見えたから。 なぜか無性に腹が立った。
――斬ってやる。 黒猫相手に、本気でそんなことを思った。 あの日の剣士としての俺が、心のそこから浮かび上がってくる。 …………その為にあいつは庭に現れたのかもしれない、と、ぼんやり思った。
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.64 ) |
- 日時: 2007/06/07 19:17:15
- 名前: 栞
- 参照: http://www.geocities.jp/akatukiquartet
- その時あたしはまだ見習いの少女で、本当に能率悪い上に学もなくて、ただの機械好きなだけだった。工房で働ければ幸せだった。
何もかも失くしたあたしに居場所をくれた師匠の為に働くと決めていたから、出来る限り努力していたんだ。 そしてある日のこと。呼び出されたあたしに、師匠は短く告げた。てめぇに仕事だ、と。 物凄く嬉しかった。見習いだった自分は修理のアシスタントだけで、自分で個々の機器を担当したことなんて無かったからだ。工房に届いたのは、真紅に塗られた大型のバイク。 本当に懸命に修理をした。最後まで点検をして、依頼主に届けた。―――――けれど、やっぱり浮かれていたのかな。 その日の仕事帰り。あたしは師匠と仕事仲間と共に、家に帰る途中だった。 背後で何かが激しく擦れあうような音がして、それから破壊音と、人間のものである悲鳴がした。・・・・・・・・事故か、と思って振り返ったあたしは、目を見開いた。 そこに転がっていた、最早原型を留めていない、バイクであったものは――――深い、真紅の塗装だった。 そして、その塗装に重なるように、鮮血が流れていた。 喉の奥から、悲鳴が溢れ出た。
バイクには二人の人間が乗っていた。・・・・・・・運転手の青年は死亡、後ろの少女は重傷。 酷い事故だったな、あのバイクだったのか、大丈夫、お前の所為なんかじゃない。 仲間が沢山の言葉を投げかけたけれど、それはあたしが心に必死に言い聞かせている言葉だった。 青年の死因は前方不注意。大丈夫、大丈夫、あたしの所為なんかじゃない、あたしが悪いんじゃない。必死に動揺を隠すあたしに、師匠は短く、青年の葬儀の場所を告げた。
「・・・・・・・・・」 葬儀所の入り口に立ち、前を見つめる。すると、入り口から二人の夫婦らしき人影が出てきた。 夫婦の女の方―――青年の母親は、あたしを見ると泣き腫らした目を剥いて声にならない叫びをあげた。 「ひとごろし・・・・・!人殺し、人殺し・・・・・・・・・!」 泣き崩れる母親を隣の男が支え、他の場所へ連れて行った。 目を背けていた事実を目の前に晒され、あたしはその場から走って逃げ出したかった。 事故の原因は青年にある。けれどあたしの所為じゃないと、誰が言い切れるだろう? そのまま、裏手の崖の方へふらふらと歩み寄った。ここから落ちたら、死ねるだろうか。そう思って遥か下を覗き込んだあたしに、背後から声がかけられた。 「死ぬなんて許さない」 ゆっくりと振り返ると、月光を背にして、車椅子に乗った少女が笑っていた。 「あなた、あのバイクの整備士だね」 ゆっくりとあたしは首を縦に振る。その少女は――――後部に座っていて重傷を負った、少女だった。痛々しい程に体中に包帯が巻かれている。 恐らく、本当はまだ絶対安静だろう。 「アサト、死んじゃった・・・・・・・・・・・あたしには、アサトだけだったのに」 アサトは運転手の名前だと理解した。そしてこの少女が―――――――拾われた孤児だということも。 「アサトのお母さん、結局喧嘩別れしたまま、って言ってた・・・・・家を飛び出したままで、もう一回、話したかったって。だからさっきみたいにあなたを責めたのね」 先程のやりとりが聞こえていたのだろう。諭すように優しく少女は言う。 「アサトはそそっかしかったから。でもまさか、死んじゃうなんて・・・・・・・・あたしも・・・・・・・・・両足、無くなった」 椅子に座り、下半身を隠していた毛布をばさりと捲ると、そこに在る筈の両足は無かった。それでも少女は笑う。 「ねぇあんた、整備士なんでしょ?だったら―――――あたしの足を、機械鎧を、つくって」 罵倒されると思っていた時に思わぬ言葉をかけられ、驚いて顔をあげたあたしと少女が目が合う。 「責任とって死んじゃうとか、許さないから。ずっと、ずっと――――あたしの人生を、アサトのみたいに支えてよ」 ぼろぼろと両目から雫が溢れ出して濡れた頬に、車椅子を押して近づいた少女の掌が触れた。 少女はただ、微笑んでいた。―――――その笑顔に、一筋だけ涙を浮かべて。
それからは毎日が必死だった。機械鎧の勉強に励んで技師になって、その子に機械鎧を作って。 あの少女が再び歩いた日の事は、一生忘れないだろう。 「アサトさん・・・・・・・・・行ってきます、」 墓前で微笑んで、あたしは踵を返して歩き出した。 国の平和を護るためだとか何とかで、少女に無理矢理送り出されたんだ。別に悪い気はしなかったので行ってみることにした。少女は師匠の家に下宿中。 大丈夫。これからも、きっとやっていける。
―――――――それからあたしがオッドアイの少年や浮浪者の青年と会うことになるのは、少し後の話。
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.65 ) |
- 日時: 2007/06/17 18:12:47
- 名前: 春歌
- 下界には翠の大地の蒼の海
「え・・・・はぁぁぁぁ???なに???え??落ちてるぅ?!」 あ〜〜、、ちーじょーうーがーみーえーるー 「ははは・・プチトマト決定か??」 「なんだ?それは」 冷ややかな低い声、名は白夜 「ん〜〜〜ほら、どっちもつぶれたら真っ赤☆」 「なるほど・・・」 でも・・・・このままはいけないな 「白夜・・・・もどれ」 「は??おい!!光瑠?!」 あはは〜〜と余裕の笑み 「こらこら・・・白夜睨むんじゃないの;;」 そんな要求も無視し白夜はこちらを見つめ(睨み?) 「なぜ・・・もどした」 「あんたまで死んだら後味悪いからね・・・・」 そこまでいって光瑠は口を閉じた 言いたい事は山のようにある、が口に出さず笑って 「おい!!聞いているのか?!」 いきりたつ白夜の言葉を受け流して、珠越しにキスを送った 「元気でね・・・・・白夜」 ぎゅっとパックの中に押し込み下を見た 位置的に落ちるのは海のど真ん中だろう・・・ どちらにしろ助かる確率はほぼ0% 「あ〜〜〜水死体ってぷくって膨れててやなんだよなぁ」 いや・・・地面と激突コースでブチトマトになるのも嫌だけど 加速していく世界、迫る海、 状況の割には死ぬ気がしない・・・・・それはただの楽観か、それとも他の??? どちらにせよすぐに分かる 「さぁて鬼と出るか蛇と出るか・・・・」
唸る風は耳障りで、目を開けてるのが辛い なすすべも無く堕落している現実を実感させられる
浮かべる笑みは年齢に相応しく無いで有ろう 無邪気で、余裕な・・・妖しさと艶やかさを帯びてるであろう 多分一番【光瑠】と言う存在を表している笑み 「さて・・・・運試しだ」 その声は誰にも聞かれる事無く、風に散った
その後仲間になる者に助けられるのはもう少し後・・・ (そのときまでに生きていれるかなぁ・・・・・・)
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(銀魂 沖田結核ねた2。) ( No.66 ) |
- 日時: 2007/06/22 15:38:47
- 名前: 黒瀬
- 参照: http://id29.fm-p.jp/8/ginduki/
- 桜は満開で、其処彼処にあわい色の花を咲かせる樹が俺の眼に鮮やかに映る。
きらきらと注ぐ太陽の光は暖かで、白く、眼に眩しい。 けれど、空気はひたすら肌寒かった。 「―――できるか」 振り返って、言葉を放つ。目の前の銀髪の男は首の後ろを掻いてから、仕方ねえなといったふうに息を吐いた。 「わかった、引き受けてやるよ。その代わり報酬ははずむんだろうな」 いつもと同じ調子で、男は薄くわらいながら云う。 その表情に少し苛立ちを感じたが、現在の俺にはいままでと同じように喧嘩をしている暇もない。 この話が済んだら一刻も早く此処を発って、俺の仲間が待つ処へと戻らねばならないのだ。 ――最後に俺は、男に向かって深く頭を下げた。 「………頼む。お前にしか頼めねぇんだ。俺じゃ、あいつの傍にいてあいつを看取ってやることはできねえ……だから、」 俺の代わりに、総悟を看取ってやってくれ。 銀髪の男はいきなり頭を下げられたからか眼を丸くしていたが、次の瞬間「顔を上げろよ」と呟いた。 顔を上げて、眼が合う。男は、微笑していた。 「ま……なんだ」 男は少し眼を伏せて、腰に手をやる。それから不意に眼を開いて空を見上げた。 「………鬼の副長サンも、随分と丸くなったもんだよな。俺に頭を下げるたァ」 桜の花弁を眼で追いながら、ぼんやりと続ける。 「行けよ」 俺は眼を見開いた。その内容ではなく、その声音に。 奴の声は、何時になく真剣みを帯びていた。
「――――俺に任せて、お前は派手に戦ってこいや。 報酬は、そん時でいいからよ」 こちらを見据える相手の表情から、何を云っているかが一瞬で理解できた。
派手に戦って、派手に近藤のやつを救い出して、派手に生きて、
派手に戻ってこい。 あいつの為に、お前の為に、戻ってこい。
―――春初めの空が異常に蒼くて眩しくて、そのせいで視界が潤んだ。 それを隠す為に、俺は静かに眼を閉じた。
(>>63のつづき)
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.67 ) |
- 日時: 2007/06/11 22:32:18
- 名前: Gard
- 参照: http://watari.kitunebi.com/
- 日の光は、ただただ眩しかった。
目が眩むほど、に。
「…………痛い」
眩しすぎて、痛かった。 見上げるために傾げていた首を元の位置に戻す。 周りは何もなかった。 否、周りは瓦礫の山だった。 街、と呼べるほどの広さが瓦礫の山と化していた。そこは嘗て街だった。 からん、と瓦礫の山に音を響かせながら腰掛ける。 薄着で大凡崩壊した街に似つかわしくない格好。手には黒々とした存在感のある手枷が付いている。 子供、だった。背には小振りな翼が付いている。だが、そこに存在するはずの風切り羽はない。 溜息を吐くと、子供は足下に転がる物を見つめた。 時折呻くそれは、生きた人間だった。しかしその姿は紅く染まっている。
「ヒトを殺してそれで済んでいるんです。感謝してください」
子供が子供らしからぬ言葉でいう。 人間は何も言わず、ただ呻くだけ。
「暫くは動けませんから、安心してください」
そう言ってからまた溜息を吐く。 子供は青い空を睨みつけるように見て、更に溜息を重ねた。
「…………オレ、これからこの人をどうすればいいんでしょうかね」
とりあえず事態が動くのを待とう。 そう思う子供の元に、一人の男が現れるのはもう少し先の話。
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.68 ) |
- 日時: 2007/06/12 18:29:27
- 名前: 春歌
- めくれあがった大地、、、ぷすぷすと音を立てる、人(だったもの)
すさまじい光景に、普通の人間ならば直視できぬだろう 、、、、、話は数時間前にさかのぼる
買い物から帰ってきた、白銀は置いてきた仲間たちを迎えに来た、、、はずだった けれど、そこには半壊した公園と、変なゴスロリ服をきた女が仲間を追いかけてるところだった 「あはは〜大人しく捕まるぴょん♪」 「誰が捕まるモンですか、でか頭大丈夫ですか?」 さらりと刺を含んださわやかな(あくまで爽やかな)テノールと 「うみゃぁぁぁぁぁ〜〜!!だ・・だずげて〜」 パニック状態な(普段は)愛らしいソプラノ 「あーあ。・・・・」 戦友の白銀は仲間の「氷月」と「紫宛」に呆れ、ため息をつく手前 「あの・・その子たちh<ぷち・・・・> ゴスロリ服を着た女に注意使用とした瞬間何かが切れる音がした 「ぷち?」 不意にその音を繰り返し、あたりを見回した・・・ そこにはうずくまり、肩を震わせる「紫宛」の姿 「し・・・紫宛?」 「うふふふふふ〜〜〜」 ゆらりと立ち上がり、その濃い紅の瞳を、(ちょっと逝っちゃってる人特有のように)輝かせて 慈愛にも似た、愛らしい笑みを浮かべて・・・ 「ブチ殺スvv」
その後冒頭に上る
その後に、駆けつけた警察官に追われるのは言うまででもなかった・・・・・
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.69 ) |
- 日時: 2007/06/12 19:50:05
- 名前: 涼
- 夢と現実の境目って何処ですか?
私は普通の高校生 ある日を境に私は毎日殺人を犯す夢を見始めました 最初は怖かったけれど 夢とはっきり認識してからはソレが楽しくて 一人、二人と殺す人数が増えていきました
殺すのは毎日学校で会ってる子ばかり 嫌いとか好きとか関係なくて ただただ殺しを楽しみました
いつの間にか私は家ではなくて 暗い、狭い所にいました
毎日行っていた学校ももう行かなくなって ずっと暗い所で毎日を過ごしていました する事がなくてつまらないので 毎日ずっと寝て過ごしました
今の私には現実と夢の区別がつきません
毎日学校で殺しをしている自分が本物なのか 毎日暗い所で寝ている自分が本物なのか
誰か・・・・・教えてください
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Re: 短筆部文集 1冊目 (へたれ部長と神部員がお送りします。) ( No.70 ) |
- 日時: 2007/06/17 14:37:49
- 名前: 垣ゆうと
- ★
がたたん。ごととん。少し混んでいる車内。座れる席は無い。僕は彼と吊り革に掴まり、 電車に揺られながら、流れてゆく窓の外を見ていた。今日は良い天気だなあ、僕は空を見 上げて、ぼんやりとそんな呑気なことを思った。ふと彼を見る。吊り皮を掴む手が、強く、 なっていた。足元を見れば細い足が踏ん張って、耐えていた。(何に?)電車は、そんなに 激しく揺れていない。彼は俯き、目を瞑り、息を殺していた。時折、苦しさを吐き出すみ たいに大きく呼吸をして。「(ああそうか、彼にはすべてが恐怖なんだ。)」不意に目の前に 座るスーツ姿の中年男性を殴り倒さなければいけないという使命感に駆られたけれど、直 ぐにそれはおかしなことだと我に返った。頭がぼんやり、くらくらする。夢の中にいるよ うで、もしかしたら今、本当に、僕はこの人を殴り倒していたかもしれない。春の午後は 暖かだから、仕様のないこと、なんだろうか。(でも、少なくとも、僕的には、仕様のない こと。)怯えるように震える彼。常識を持った僕など、彼の何の役にも立たないではないか。
「(みんな殺せば、僕も君も楽になれるのかなあ。)」
そっと目を瞑って、軽く掌を握り締めた。
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