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短筆部文集 // 3冊目 (マイペースに製作中!)
日時: 2007/09/17 15:49:49
名前: 黒瀬
参照: http://id29.fm-p.jp/8/ginduki/

短筆部文集もついに3冊目。さすが!
みんなイベントとか忙しいと思うけど、短筆部も見捨てないでくださいね?

さてさて。
連載も突発もオッケーな自由度高い企画なんだけど、一応ルールは守ってもらわないと。
じゃあとりあえずここでのルール、いきます!(箇条書きで)

・参加できるのは短筆部部員のみ。書きたいよ! って子は、まず入部届け(笑)を出してください。
・台本書き(情景を書いていない文章)禁止。
・文章は文字数がオーバーしない範囲。
・リクを貰ったり募集したりするのも可。ばんばんしちゃってくださいな。
・ギャル文字などは厳禁。誰でも読める文を書いてくださいね。
・一次創作・二次創作どちらでも。ただ、(ないと思うけど)年齢制限のかかるようなものは書かないこと。
・リレー小説のキャラ、自分のオリキャラを出すのは一向に構いません。でも、他の方のキャラを借りるときはちゃんと許可を貰ってからにしてくださいねー!

間違ってもこちらには参加希望などを書かないでくださいますよう。
ではでは、どうぞー!

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Re: 短筆部文集 3冊目 (行事があってもマイペースに製作中!) ( No.4 )
日時: 2007/10/06 21:45:09
名前: 深月鈴花
参照: http://yaplog.jp/nocturno/

降る続ける雨はあまりにも残酷で冷たかった。
その雨の冷たさが・・・異常なまでに心地いい。
そんな雨に、おぼれたい。


- 風変わり -


「うっわ、雨降ってるし。最悪。」
「傘持って来てないよ?」
そんな同級生の言葉を聞きながら、依咲 零那はぬれるのも気にせず走り出した。向かう場所は人通りのほとんどない空き地。

雨が好き。

そんな人間はあまりいないが、特別珍しいことでもないだろう。
ただ、私の場合は。
「ちょっと、早く出てきなさいよ。ヘリコニア。」
呼べば金髪碧眼の少年が現れた。学ラン着ていて、普通の学生・・・のように見えるのだが、皆様よく見ていただきたい。
彼の背中に薄い、天使の羽があるのを。
「へへっ、今日の雨は格別気持ちいーな♪」
無邪気に笑う彼は羽から想像していただけるように人間ではない。
人間の言葉で言えば、幽霊であると彼は言う。そして精霊でもある、と。
雨の日にしか姿を見せることができない彼に、私は3ヶ月前酷く魅了されてしまった・・・、というか平たく言えばとり憑かれてしまった。雨の日に、突然現れた彼に。
「それはよかった。・・・・・・どうでもいいけど何で肩に手をまわすのよ。」
「いいじゃん別にぃ。誰も見てないんだし?」
「・・・・・・。」
気分が悪くないのは触られた感触がないからなのか・・・それともこの男だからなのか。それはぶっちゃけた話私にも分からない。
「いい空だなぁ・・・」
彼が呟く。
「いやいやいや、雨なんだけど。」
「雨は最高の晴れだよ。」
「・・・意味わかんない。」
本当は、わかってる。雨の日だけにしか私に姿を見せることのできない彼を、私は愛しいと思ったのだから。




花屋で見たヘリコニア。
それは少しだけ雨に濡れていた。
そんなヘリコニアの花言葉は・・・




《   風変わり   》



これから始まる物語にまさにぴったりだ。
Re: 短筆部文集 3冊目 (行事があってもマイペースに製作中!) ( No.5 )
日時: 2007/10/07 22:04:39
名前:

「ある男の暗殺を」

目の前の男があまりにも淡々と言ったので、瞬時にその意味を判断することは出来なかった。
多少の間をおき、少年は眉を潜め問い返す。

「暗殺だと……?」

はい、とやはり笑みを絶やさず男は返事をし、組んでいた両手を外すと懐から一枚の写真を取り出した。
テーブルの上に置き、滑らせるように少年の前まで寄せてくる。
少年はそんな男を一瞥した後、テーブルの上に置かれた写真に視線を向けた。
傍から見ると写真は闇色で統一されていて、人物が写っていると判断することが出来ない。
だから少年は写真を手に取り、目を凝らして見たのだった。

――男……? 冗談。まだ少年じゃないか。

少年は当然、自分もまだ若いことを理解していたが、写真に写っている人物はそれよりも一、二歳幼く見られた。
漆黒の髪に隠れた、これまた真っ黒に染められた瞳はけれどどこか不思議な光を放っていて。
立てられた片膝の上に載せられた手に収まっている銃は大きすぎて、まだ幼いその少年には不相応だった。
その時、丁度定員がルイボスティーを運んできた。
それを少年の前に置き、ごゆっくりと言葉を残して去って行った。
綺麗に装飾された取っ手を摘み、少年はゆっくりと茶を口に運ぶ。それから、言った。

「おっさん、俺が誰だか解って依頼してんのか」

「ええ、知ってますよ。
 請け負った依頼は全て迅速且つ正確に行う、凄腕の万屋がいると。
 最近巷で評判ですよ。リエン・ディ・セイリアさん」

にっこりと微笑み、男は言った。

「そいつはどーも。で、知ってるってんなら訊くぜ。何故俺を選んだ」
「何故、とは」
「知っての通り俺は万屋だ。依頼された仕事なら自分の出来る範囲で請け負う。今までも色々とこなしてきたしな。
 ……けど。こんな依頼をされたのは初めてだぜ」

暗殺ならば殺し屋に任せればいい。彼らはそれを専門に生きている。
わざわざ失敗する確立の高い自分の所に来る必要などないのだ。

「それがですね」 ここにきて初めて男は笑みを崩しハの字に眉を吊り下げた。
「逃げられてしまったんですよ」
「何……?」
「貴方の元へ来る前に一度、別の方にも依頼したんです。それこそ専門の方に。
 しかし一昨日の夜急に姿を消されてしまって。それで、近くに腕利きの万屋と名高いセイリア氏が来ていると知りこうして面会しているんですよ」

――請負人が逃げた……?

それは果たして何を意味するのか。
ただ金欲しさに殺し屋と偽った下賤の犯行か。
或いは、それ程までに手ごわい目標(ターゲット)なのか。
或いは……。
そこまで思考を巡らせると、男は再び微笑を取り戻しリエンに尋ねてきた。

「さて、この件、請け負ってもらえますかね」

リエンは写真の少年と、目の前の男を交互に見やると足を組んで身を前に乗り出した。

「報酬は」

このくらいでどうでしょう、と男は指を広げて掌をリエンに向けた。
それを見たリエンは鋭い視線を変えないまま満足そうに口の端を吊り上げると、持っていた写真と共にテーブルを叩く。

「いいぜ。乗った」

男も満足げに笑みを深めると、薄い唇で目標の名を、口にした。


「彼の名は、アーキュラン・モーリヒィ・ブルドン」
Re: 短筆部文集 3冊目 (行事があってもマイペースに製作中!) ( No.6 )
日時: 2007/10/22 22:00:19
名前: 色田ゆうこ

 10個のキャンディーのうち8個をオレが持ってるからって、なんだ。聞き飽きたんだそんなの。自然
界の掟だろう。人間が自然から切り離されてどうするんだ。お前自分も地球の一部だって忘れて
るんじゃねえの。
 ああ、もう、バカ。あいつはどこいったんだよ。お前がバカ言ってるからどっか行っちゃっただろ、バカ! 
ていうかお前誰だよ。オレ? 知るかよ、オレだれだよ。名前は名札に書いてあるんだ。どこにつけ
たか忘れたけど。そういえばオレのカバンは? 中身見られたらやばいんだ。でも中に何入れたか覚
えてない。でも見ないで。

 月の色みたいな金みたいな銀みたいな髪の毛をリボンで小さく束ねた男は、キッチンから出てき
てオレを見るなりすうと目を細めた。何だよその顔。それ以前にお前の持ってるその皿の上のやつは
何だ。食い物か? 何だその青い物体は。食べられそうにないぞ。どうしたんだよ、家庭科だけが
取り柄のくせに。何やってんだ。お前がそんなことやってるからあいつがどっか行っちゃっただろ。あいつ
は寂しがり屋なんだ。お前はしらないかもしれないけど、オレがいなきゃ何もできないんだあいつは。
ネクタイも結べないんだぞ。泣いてるかもしれない。

「どこ行くんだよ」
「あいつ探しに行くに決まってんだろ、さっきまでいたんだ、そこに、」

 男がそのしゃべらなければ美しい顔をひどく悲しそうにゆがめて、オレの腕をぎしぎし掴む。痛い。
痛い、です。
 本当だってば。あいつはさっきまでここにいたんだぞ、いつも通り笑ってオレの名前呼んで、オレの
名前はなんだっけ。オレは誰だ。お前も誰だ? だからその皿の上の物体はなんなんだよ。青いじゃ
ないか。オレは? ねえ、オレは誰なんだよ。名札はどこだ。

 足りない足りない足りない、満たさなきゃ。

「あいつがいるわけないだろ、夕べからここには俺とお前しかいない」
「嘘つけ! 見たんだ。オレ、さっき、あいつ」

 お前あいつのことを幻覚だなんて言い始めるのか、だったらあいつに触れて変なこと教え込んであん
なクソガキ要素増やしたお前も幻覚じゃないか。消えろ。消えろ幻覚。お前までそんなこと言うのか。
妖精だって、いるんだ、本当に、お前に見えないだけで。いるんだぞ。いつもオレの味方。そんな顔す
るなよ。お前は、誰だ。

「現実を見ろよ、あいつはお前からは離れたんだ。子どもはすぐに大きくなるんだよ」
「げんじつ? 現実、うん。見てる。現実、オレ」

 オレも現実。お前も現実。
 ならあいつだって現実だぞ。オレの名前呼んだあいつは幻覚なんかじゃないんだ。ユニコーンだって。
全部。現実。夢だけど。夢も現実。オレが見てるのは現実。
 さっきから鼻をつく気味悪いにおいがしてる。お前、なんつう香水してるんだよ。もしかして女の香水
が移ったのか? そういうのが好みだったのか。センスだけが取り柄のくせに。なにやってんだよ。バカ! 
バカ! だから、だからあいつが、泣いてるかもしれないんだ。
 ああ、目眩がする。あれ、お前、いつからそんな奇抜な色の髪の毛になったんだ。お前の金髪結構
好きだったのに。そうやってオレに何も言わないで、ああ、もう、みんな、バカ。

「こら、歩けないんなら座ってろ。お前、いいからシャワー浴びてこいよ、くさいぞ」

 くさい? くさいのはお前だろ! 叫ぶ気力もない。声がかすれるんだ。脳みそがアザだらけ。歩けな
いなんてそんな、オレは赤ん坊じゃないんだ。子どもじゃないんだぞ。大人。
 ああ、あいつがいない。今朝、確かに会ったんだよ。オレの子ども。ちゃんと育てたのに。どこいったん
だよ。勝手にどっかいくなって、教えたのに。教えたのです。
 お前も、さっきからなんだよ、その顔。今日、おかしいぞ。視界がちかちか点滅している。いつから世界
はこんな色になったんだよ。

「なあ、お前、おかしいぞ。受け入れろよ、現実を。お前の子どもは自立したんだ、もうお前のとこには帰っ
 てこないんだ、わかるだろ。だからそんな物騒なモン吸うのやめろ、ボロボロじゃないか、お前がそんな簡
 単に死んでどうするんだ」

 お前、何言ってるかぜんぜんわかんねえよ。面白い髪の色だな。だからその青い物体は何だよ。ああ、く
さい。目眩がする。にぶい痛み。痛い。痛いんだ、押さないで。
 あいつが泣いてるかもしれないんだ。迷子になって、かえってこれない。探しにいかないと。親なんだオレ
は。あいつの。キャンディーをあげるから。許して。もう許してください。ねえ、謝るから。オレになったのがオ
レでごめん。
 オレは誰なんだ。名札、名札を探さないと。あいつが泣いてるんだ。あいつが。
 ほらお前、いい加減それ作り直せよ! 今すぐ! 腹減った。足りない。からっぽだ。
 満たさなきゃ。


・阿片と金髪

Re: 短筆部文集 3冊目 (行事があってもマイペースに製作中!) ( No.7 )
日時: 2007/10/24 00:27:29
名前:
参照: http://www.geocities.jp/akatukiquartet

とある少女の独白、「 you 」

親愛なる、愛している、あなたへ。
お変わりないですか。元気で、やっていますか。
・・・こんな言い方、変ですね。

だって、あなたはもう死んでしまっているのですから。

どうしてなんでしょうね。
私はまだわかりません。
どうして、どうしてあなたのような、世界に生きているべき、綺麗な人間が死ななければならないのでしょう?
私にはわかりません。
あなたがいなくなってしまった今、私がこの世界に在る意味などありません。
あなたの存在全てが、私のこの世界の全てだったのですから。
いっそこのまま、私もあなたと同じ場所へゆきたいです。
けれどそれは出来ません。

「ずっと生きていて。僕が死んでも・・・ずっと。僕のこと忘れないで、覚えていて」

「時々思い出すだけで・・・いいから」

「君の記憶の存在だけでも、僕はこの世界に存在していたい」

あなたとの、最後の約束です。
あなたが最後に私に言った、約束です。
決して自分から、強い望みなど言わないあなたの、たったひとつの我が侭です。

わかりません。
あなたはなぜ、こんな約束をしてしまったのですか。
あなたは狡いです。
あなたのいない世界で、私は永遠に生き続けなければなりません。
あなたを想って、ずっと。
あなたを、あなたを――――――――――

あなたのいない世界に、どんな意味があるというのでしょう。
なのに、どうして。
あなたという光を、輝きを失ってなお、この世界の空は、こんなにも綺麗なのですか。
私には、わかりません。

あなたを失った世界の、空を眺める私の。
とめどなく、頬を流れ落ちていく粒の意味さえも。
わかりません。
わたしには、まだ。

あなたを失ったこの世界で、生き続けなければならないのなら――――――――――

あなたが綺麗だと言って笑った、その空を見ながら。

・・・あなたを失った空が、綺麗で輝いてる理由を考えながら、生きてゆきます。



親愛なるあなたへ。

愛していた、

愛している、

あなたへ。

coyote,colored darkness ( No.8 )
日時: 2007/10/24 10:22:58
名前: 竜崎総久◆OMBM0w5yVFM

(当方主催会話式リレー「C0Y0T3」ネタ。)


「母上が行くんなら、僕も行く!」
 そう駄々をこねた日を、今でも覚えている。
 僕は重度のマザコンだった。普通、家族と離れ離れを強いられるC0Y0T3にとって、両親ともにC0Y0T3で一緒にいた僕は特別だった。
 僕には家族がいる。他の子とは違うんだ。それは今思えば、「子供だったから」では済まない傲慢な驕りだ。冷酷だと、残酷だと罵る人があっても僕は何も言い返せない。でもそうすることでしか、僕は自分の存在を定義できなかった。
 所詮僕は――僕たちは、「C0Y0T3」。人であり、人にあらざる化け物。僕はそう言われてきた人たちの気持ちはわからないけれど。でも、自分が「化け物」であること、普通の「人間」とは違う「C0Y0T3」であることは、だいぶ早くから自覚していた。
 ――僕が戦地に行く母を引き止めたのは、自分が化け物だと認めたくなかったのからかもしれない。少なくとも僕には家族がいて、他の「化け物」とは違ったのだから。
 本当の化け物は僕だ。僕を慕い、敬ってくれた子供たちを、いつも見下していた。オマエたちは所詮化け物、僕はオマエらとは違うんだ。……自分の醜さが、あのとき、全部出たように思った。

 ……あの時の母の言葉を、今でも覚えている。

「リュウ、おまえは結界師でしょう?
 おまえがあの子たちを守らずに誰が守るの。
 大丈夫。ちゃんと母さんは帰ってくるから。
 だからね。自分の故郷を、母さんの帰ってくる場所を、なくさないで……。」

 母は結局、戻っては来なかったけれど。
 その言葉は今でも、僕にとって大きな力になっている。
薄明の紫と青 ( No.9 )
日時: 2007/10/24 22:00:48
名前: 黒瀬
参照: http://id29.fm-p.jp/8/ginduki/

「……首が吹っ飛ぶよ」

動くな。

紫が混じる綺麗な(少年の出で立ちの彼の容姿からすれば少しだけ長めなくらいの)黒髪を風に流しながら、そう、彼は僕に銃口を向けていた。喉元に、鈍く紫に光る銃。美しい武器だと思った。(それで僕を撃ち抜くつもり?)彼の鎖骨にかかる蝶のチョーカーがちかりと、夜明け前の蒼い空気を反射した。

「ころせば?」

彼の夜明け色の瞳が水面のようにさざめく。惑うような、迷うような、そんな逡巡が見えた気がした。だいじょうぶ、逃げたりしないよ。どんな魚だって釣られてしまえば逃げられやしないんだ。生かすも殺すも、食うも逃がすも、それは釣り師の自由。僕はきみに捕らえられたわけで、だからつまり逃げる術なんてないわけで、
(でも、彼は)きっと殺せないだろう。僕を。きっと、彼が心に秘める果てしない寂寞を誰かが拭い去ってくれるまで。彼は仲間を失うことだけは絶対にしないと決めている。なぜなら彼は、寂しがりやだからだ。


「………ばーか!」


(ほらね?)
彼が弾けたように言って銃を下ろした。物騒な光が彼の瞳から消えうせる。
夜が、明けようとしていた。
U-GF ( No.10 )
日時: 2007/10/28 16:51:47
名前: 飛亜

私立美柳学院。
幼等部から大学院まで設置されているこの巨大校は、屈指の名門校として名を馳せていた。
部活動も盛んで、数々の部活動が全国大会へ出場する実績を持つ。

5月7日 私立美柳学院高等部 正門

キャーキャーキャー
「“翠星王子”の蓮水 漣<ハスミ レン>君よ!!かっこいーvv」
「“金糸雀姫”の藤咲 來雫<フジサキ ユキナ>さんも!かわいいよな〜」
「あっvU-GFの会長 “蜻蛉王子”の神木 黒羽<カナギ クレハ>先輩もいるわ!あの微笑みがいいのよね〜vv」
「“薔薇姫”の御剣ユウ<ミツルギ ユウ>もいいんじゃね?キレイ系でさ〜」
「でも…やっぱ最年少“白銀王子”の三枝 知依<サエグサ トモエ>クンでしょ!?」
「なにいってんの!やっぱ“蒼星王子”の玖堂翼<クドウ ヨク>くんよ!!」


“U-GF”

アンダーグランドファミリーと呼ぶ
…まぁいわゆる…生徒会。
上でも言ってるけど、一応一員(メンバー)紹介。

まず俺。玖堂翼。美柳学院高等部2年A組の生徒。
俺のこと“蒼星王子”とかなんとか呼ばれてる…らしい

次に金髪っぽいやつ(実は茶色)。
蓮水漣。隣のB組の生徒で俺の友人。
翠星王子と呼ばれてるとか
何故かピンをつけてるヘンなやつ(漣:変じゃねぇよ!これはれっきとした…(強制終了)

次。紫の髪のやつ。
藤咲來雫。漣と同じクラス。
あいつは漣のこと好きとか…噂が流れてる
明るいからという理由で金糸雀姫て呼ばれてる

次に眼鏡かけたあの人。
神木黒羽(先輩)。U-GFの会長。院長とはチェスで遊ぶ仲だとか。
いつもニコニコしてるけどほんとはすんげー怖いという理由で蜻蛉王子。

次。銀髪のやつ。
三枝知依。高1の現在最年少。
実はコイツ、ホントは女。なんか理由があって男装している。
銀髪だから白銀王子(姫)。

そして最後。黒髪ロングの女。
御剣ユウ。俺と同じクラス(実は幼馴染)。
薔薇姫て呼ばれてる。薔薇が似合うからだろうか

「あーウザい…毎回なんなんだよこの男女の群れ」
「しょーがねぇだろ…」
「教室に行くのも大変なんだぜ?」
「あーそれは分かる…」
「蓮水君 玖堂君 書類は完成しましたか?」
「あ はい なんとか…」
「それじゃ 陽燈館で」
「あ はい…会長」
「堅苦しいなぁ 普通に呼んでよ」
「…じゃあ 先輩…」
「…ま いっか それじゃ」
「翼 お先に」
「おう 後でな ユウ」


これが、当たり前の日常。

※某会話式小説で玖堂翼と御剣ユウというキャラがいますが、全く無関係です。ご注意を
あと、登場人物に関してはふぁんサーチのトップで飛亜と検索すれば出てくると思います
願い (BL要素含(土沖)/前編) ( No.11 )
日時: 2007/10/30 20:06:03
名前: 黒瀬
参照: http://id29.fm-p.jp/8/ginduki/




ある昼下がりに起こった、殺人未遂。

かぶき町在住の女性が真選組一番隊長沖田総悟の休息する部屋へ押し入り、刃物で危害を加えた。女性は取り押さえられたが、沖田は重傷。直ちに病院へ移送される大惨事となった―――。




「……総悟の容態が急変した。視神経が傷ついていたようで、失明。

……打ち所が悪かったせいで意識不明。このままだと、完全に植物状態になるそうだ」




総悟は悪くない。憎むべく加害者は、勘違い女。いや……
悪いのは、俺だ。








そろそろ桜の散る頃だった。
蒼い空に淡い桃色の花弁が映えて、ひらひらと舞い落ちていく。
だけど。
毎年その光景に感嘆の声を上げる男は、いま、病室の中。





(ピ、ピ、ピ、ピ、……)



近藤さんの連絡を受け、重い足取りで、現れた先は白い病室。

規則的な電子音が、辛うじて総悟が生きているということを証明していた。
様々な管で繋がれた彼は瞳を閉じて、その長い睫を晒している。
肌は陶器のように白く、まるで人形と見まごうほどだった。
春先のやわらかな光が、あまりにもその少年の姿に合いすぎて。



……昨日交わした会話が、脳裏に蘇る。





「総悟、すまねェ。アイツは……」
「気にしてやせん、よ。大丈夫でさァ」
「本当か?」
「えェ。だから土方さん、とっとと帰ってくだせェ。仕事溜まってるんでしょう」
「……あァ。じゃあ、明日、また来る」





ぶっちゃけてしまえば、昨日の俺の謝罪は本心ではない。
まるっきり嘘というわけではないが、総悟は大丈夫だと笑っていたから。



(なのに)
(これは、……)



昨日までの、(疲れて、息絶え絶えではいても)生気のある総悟は何処へ行ったのか。
温かいながらも何処か冷たさを含んだ光に包まれて横たわる総悟の前で、俺は呆然と突っ立っているしかできなかった。



俺のせいだ。
俺の。
俺のせいでこいつは傷つけられた。
(俺と少しばかり仲の良かった女は、よりにもよって、嫉妬という汚い感情の矛先を総悟へと向けたのだ。)
………おれの。



ぎゅう、と、爪が手のひらに食い込んで血が滴るほどに手を握った。
そのとき。
窓の外で雲雀が囀って………




総悟の瞳が、ゆっくり、花が咲くように開かれた。



ASHES ( No.12 )
日時: 2007/10/31 10:39:40
名前: 竜崎総久◆OMBM0w5yVFM

 どうして彼らの曲は、私の心をここまでゆさぶるのだろう。
 今日発売したばかりの新曲を聴きながら、尚(すなお)は、自分の中に芽生える感情を抑えることができなかった。
 ギターの切ない音色が。ドラムが刻むリズムが。ベースの奏でる調べが。そして、ボーカルの泣きそうなシャウトが。なぜ、こんなにも愛しいのだろう。
 そういえばそうだった。どんなに辛いときも、そばにいてくれたのは彼女――夏音(なつの)や、親友の乙香(いつか)ではなく、彼らの曲だった。そして今、夏音や乙香は、自分のそばに居はしない。

 ……そう、人の心は移りゆくものなのだ。

 尚は激しくも哀しいその曲を聴きながら、ふと、離れ離れになってしまった友達を思った。
 卒業してもう半年。夏音は、乙香は、元気にしているだろうか。
Re: 短筆部文集 3冊目 (行事があってもマイペースに製作中!) ( No.13 )
日時: 2007/10/31 17:29:19
名前: そら
参照: http://yaplog.jp/sora_nyanko/

抗うことはできない。

抗うことをしない。

抗うことを、したくない。


ただ傷つくのが怖い、それだけだった。



まるで毛布でくるまれるような柔らかで温かな風が頬を撫で、髪をそよがせた。
目の前にはどこまでも広がる真っ白の花。
しかし、そのどれもがまだ蕾のまま、その花びらを固く閉ざしている。
「…………」
一輪の花に触れると、その花は少し揺れる。
純白で、純粋な花。
たしか名があったような気がするが、どうしてだか思い出すことができない。
「るな?」
俯いていた顔を、幼い顔が覗き込んだ。
肩に掛かるほどの髪に、そしてまるで災いを現すような赤い瞳。
少女はまだ舌足らずの幼い喋り方で、にこりと無邪気な笑顔を見せた。
「るな、いたー」
「よくここに居るのがわかったね」
そっとその頭を撫でてあげながら、戸惑いが消えずにどこかぎこちなく微笑む。
けれど少女はそんなことも気にせずにその場に座った。
「るな、いつもここにいるよ」
そう言われてみれば、そうだったかも知れない。

「きれいな花ー、こんなちかくでみたのね、はじめてだよ」
花の1つにそーっと指を伸ばし、風に揺れて花が動くとパッとその指を離す。
少女は何度もそれをくり返した。
キラキラと輝くその瞳を見つめながら、ふと口に溢れてきた言葉が零れた。
「……この花が好き?」
いつもより小さく、霧の中に消えてしまいそうなか細い声だっただろう。
聞こえなかったかも知れない、返事が欲しいというわけではなかった。
「すき」
だけどハッキリと聞き取れる声で少女はそう言って、にこりと笑った。
「……そう」
またぎこちない微笑み。
「この花はね、特別なんだ。咲かないんだよ」
少女はキョトリとした表情をして、同じ言葉を聞き返した。
その表情がどこか寂しそうに見えたのは気のせいだろうか、花達がまたそよぐ。

「……咲かないんだよ。だってこの花は、……咲かない」

時は廻る、何をしてもいずれあの時はやってくる。
抗えない、抗わない、抗いたくない。

「じゃああたし、さいてくれるようにおねがいするね」
「え……?」
思ってもいなかった少女の言葉に、突然頭の中に巡っていた考えが飛んでいく。
少女は真剣に花に何かを語りかけ始めた。
その横顔にふっと誰かの横顔が重なったように見えて、瞬きをするとそれは見えなくなってしまった。
誰だっただろう、とても大切な人だった気がするのに。
「おはなさん、きっとさいてくれるよね」
純粋な笑顔。
「……そうだね、君の為にも……努力してみるよ」
思わず零れてしまった微笑みと一緒に、花が揺れる。
キョトンとした少女の頭を撫でながら風を感じるように目を瞑る。
風はいつもより心地よいように思えた。

「……やってみようか、最期の賭けを。最大限を、尽くしてみようか」


抗うことはできない。

抗うことをしない。

抗うことを、したくない。


ただ傷つくのが怖かった、でも今ならば抗うことができるだろう

傷つけることの方が、余程怖いと思ったから



「名のない君と白い花」end

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