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異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕
日時: 2013/04/02 00:26:38
名前: 孝(たか)

シンクロ解禁。
遂にはエクシーズ解禁?

一応GXなので…

サイバー・ドラゴン系

サイバー・ダーク系

サイバー・エンジェル系

宝玉獣系

ヴォルカニック系

化石(中生代騎士など)系

青眼の白龍系

三幻神

三幻魔

ブラマジガール。

D・HERO系

などのカードは原作キャラのみ使用出来る様にしてありますので、お気を付けください!!

特定のキャラの好感度次第でそれ系統のカードを受け取るのはありです。

以前まではモンスター・エクシーズは、召喚方法が特殊な融合モンスターカードでしたが、今幕よりエクシーズが解禁し能力覚醒によりエクシーズモンスターカードに進化しました。

そして、このリレー内では……

"表側守備表示での通常召喚"も可能です。

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Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.29 )
日時: 2013/08/12 06:53:14
名前: 孝(たか)

ガラガラと瓦礫が崩れる音だけが城内に響く。

・・・・・・デュエルをしていた筈なのに、まさかリアルに殴ってくるなどとは夢にも思うまい。

鏡夜「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・目は、覚めたかよ。」

鏡夜は肩で息をしながら渾身の一撃を氷牙に放ち、殴った拳の痺れから手応えを確かに感じ取る。

ガコッっと音がなる方へ視線を向けると、めり込んだ壁から氷牙が這い出てきた。

というか、ただの大振りのパンチで人が吹っ飛び、壁すら破壊する鏡夜も化け物だが、それを受けて立ちあがってきた氷牙も十分化け物である。

コツ・・・コツ・・・と、ゆっくりと鏡夜の元へ歩を進める氷牙。

鏡夜の前で立ち止まると・・・バキィッ!!

ノーモーションで鏡夜の右頬を殴りつけた。

鏡夜「っ!?オラァッ!!」

仰け反った鏡夜が身体を戻す勢いを乗せて再び氷牙を殴る。

バキッ!!ドゴッ!!ガッ!!ドッ!!ボグッ!!ボガッ!!

そうして繰り返される殴り合い。

ここに第三者居たらまずこう言うだろう。「おい、デュエルしろよ」・・・と。

繰り返す事20数発。お互いに肩で息をしながらも拳を構える事はやめない。

そのまま睨みあう事数分・・・

エヴァ「五月蝿いぞ!なんださっきから!!!」

バァァァンッ!と開け放たれた扉には、エヴァンジェリンが立っていた。

エヴァ「・・・・・・どういう・・・状況だ・・・?」

唖然。その一言に尽きる。

ホールの方が騒がしいと来て見れば、悪魔の様な炎の龍がにらみを利かせ、デュエルディスクを付けた2人の男が殴り合っていた。
更に周りを見渡せば城のあちこちの壁に穴が開いている。

エヴァ「っ!?氷牙!何故お前がそこに居る!」

よくよく見てみると、自分とのデュエルで消耗していた筈の氷牙が氷牙の味方である筈の男とデュエルをしていた事が判る。

鏡夜「エヴァンジェリン・・・貴様の差し金じゃないのか!?」
エヴァ「アホか!そんな事をして私に何の得がある!私は氷牙が傍に居れば他はどうでもいい!鍵の奪取だろうが三幻魔だろうがな!だが何故だ氷牙!お前はまだ目を覚ますような状態でも無かった筈!それにその服装はなんだ!」

一気に捲し立てるエヴァ。しかし、氷牙の瞳は虚ろなままでエヴァンジェリンすらも映っていない。

エヴァ「まさか・・・お前の仕業か!カミューラ!!!」

バッ!と後ろを振り向き、其処に居るであろう人物に視線を向ける。

カミューラ「失礼ね。私だって何もしてないわよ。」

遅れてやってきたカミューラも心外だとばかりに首を振る。

エヴァ「ならば何故・・・!?アレは・・・?」

そういって、エヴァはもう一度氷牙達に視線を戻す。そこで、違和感を覚えた。何かがおかしいと、自分の中の何かが訴える。

自身の第六感を信じ、エヴァは眼に魔力を込める。己が魔眼にてその正体を見破ってやろうと・・・。

エヴァ「・・・これは!?」

そうして、エヴァには見えた・・・氷牙に無数に絡みつく魔力で編まれた糸を。
それに気付いたエヴァの行動は決まった。己が右手に魔力を集め、剣の形に固定すると、氷牙の数歩後ろに振り下ろす。

ザンッ!!

僅かに手応えを感じたエヴァ。それと同時に、氷牙も前のめりに倒れる。

鏡夜「っと。」

だが、床に倒れる前に鏡夜が氷牙を抱きとめる。

鏡夜「氷牙!・・・氷牙!」

ペチペチと頬を叩いて起こそうとするが、顔を歪めるだけで目覚める気配は無い。

鏡夜「くそっ!こんなにボロボロで・・・一体誰がこんな事を!」
エヴァ「いや、明らかにその傷はお前が原因だろう。」

先程からずっと殴り合っていたのだ。ボロボロになっているのは当たり前である。

エヴァ「さて・・・正体を現せ!そこに居るのは分かっている!」

そう言って、氷牙を操っていたであろう存在が居る方へ視線を向ける。

??「ふふふ・・・あーあ。ばれちゃった。こうやって会うのは初めてかな?ご主人?」
エヴァ「お前は・・・誰だ?」
??「あらあら、酷いわご主人。さっきまで貴女が求めていたその人を手に入れる為に力を貸してあげたのに・・・くすん。」

わざとらしい声色で泣く少女が、其処に居た。

エヴァ「何を、言っている?」
??「本当に分からないの?困ったご主人。私は、貴女の分身。もう一人の貴女。[ギミック・パペット‐マスター・ドール]そうね。”ベアトリクス”とでも呼んでちょうだい♪」

雲に隠れていた月が顔を出し、その少女の姿を曝す。
その姿は、エヴァが氷牙にトドメを刺したカード。

人形使い ギミック・パペット‐マスター・ドール・・・ベアトリクスと名乗る存在だった。

エヴァ「なん・・・だと?ただのカードである筈の貴様が、何故!?」
ベア「ただのカード?ふふふ。本当にそう思ってるの?だとしたら、がっかりよご主人・・・いえ。エヴァンジェリン。」

とうとう呼び捨てに変わる。

ベア「言った筈よ。私は、もう一人の貴女だって。私は、貴女から生み出された、貴女の心の闇。ずっと貴女の心の奥底で燻ぶっていたモノ。だ・け・ど、そこのヴァンパイアが持つ闇のアイテム。そこから漏れだす力を利用して、貴女から抜け出し、カードに化けて力を蓄えていたの。」

キャハハハハっと、愉快そうに笑いながら話を続けるベアトリクス。

ベア「そして、遂に私は受肉に成功したわ。肉体を得て、外の世界に顕現出来た!だから・・・今度は貴女が苦しむ番だよ?とっても、とっても暗い闇の中で、身動きが取れない心の奥底に、今度は貴女が閉じ込められる番!」

そうして、エヴァに跳びかかるベアトリクス。
同じように魔力を剣の形に固定し、エヴァと斬り合う。

キン!キン!と、金属同士がぶつかり合う音を響かせながら攻防を続ける同じ姿の少女二人。

ベア「キャハハハハハハハ!!!さぁ!私と一つになりなよ!そうしたら、あの人間もずっと一緒に居させてあげるから!」

顔を歪に変えながらエヴァに斬りかかるベアトリクス。エヴァも負けじと応戦する。

エヴァ「ふざけるな!氷牙は誰にも渡さん!氷牙は、私を個として見てくれる人間だ!易々と渡してたまるものか!?」
ベア「キャハハハハハハ!!!で・も、貴女はその人間を、その教え子を傷付けたのよ?振り向いてもらえると思ってるの?」
エヴァ「まさか・・・貴様!?」

エヴァはハッとして気付く。自分は氷牙に自分を見て欲しかっただけそれならば、あの場面で闇のデュエルを仕掛ける必要は何処にも無かった。

ベア「キャハハハハハハ!!やぁっと気付いたぁ?そうよ!あの時、私が貴女の感情をちょこっと弄って上げたの!どう?ねぇどう!?大好きな人に憎しみの感情をぶつけられた気持ちは!?知らない間に操られていた気分は!?今明かされる衝撃の真実ぅってね!!キャハハハハハハ!!!」

舌を出しながら更に表情を歪めるベアトリクス。もはやエヴァと似ているとは思えない程に歪んでいる。

フッ!!

しかし、突如としてベアトリクスの姿がエヴァ達の前から消える。
「何処だ!?」と叫びながら視線を巡らせる。

ベア「いただきまぁ〜〜す」
カミューラ「・・・え?」ガブリッ!!!!

唐突にカミューラの背後に現れたベアトリクスは、カミューラの首筋に噛みついた。

カミューラ「あ・・・がっ!?」
ベア「あく・・・んく・・・ごく・・・ごく・・・」ちゅ〜ちゅ〜

先程とは打って変わって、少女特有の可愛らしい仕草で、しかし強烈に印象に残る衝撃の場面・・・ヴァンパイアの血を吸っているのだ。

ベア「レロ・・・御馳走様ぁ」

ぴちゃぴちゃと血を滴らせながら、手に零れた血を啜るベアトリクス。
血を吸われたカミューラも、どこか虚ろな表情になっている。

ベア「さぁ、私に従いなさい。カミューラ。」
カミューラ「・・・はい。ベアトリクス様」

実は、ヴァンパイアには自身の血を吸ったモノに服従する習性があるという一説が存在する。ベアトリクスは、それを実践して見せた。

ベア「キャハ♪これで2体1。いくら貴女でも、同じ力量を持つ者+αで勝てるかしら?」ニタァ
エヴァ「ちっ・・・」

忌々しそうにエヴァはベアトリクス達を睨みつける。

だが、突如として、ベアトリクス達に何かが投げられる。それは、床に当たると同時に破裂する。

ベア「キャッ!?な、何ごれぇ!?は、鼻が、まがる!?!?」
エヴァ「これは・・・!?ニンニク!?」

ほんの少し嗅ぎ取れた異臭は、まさしくニンニクの匂い。バッと、エヴァはそれを投げた者が居るであろう方へ視線を向けると、鏡夜が氷牙を背負ってこちらに向かって来ていた。

エヴァ「は?ちょっ!?」

そうしてエヴァが驚いていると、何を思ったのか鏡夜は氷牙を背負ったまま、エヴァを両手で抱えると、氷牙を殴り飛ばした時に出来た壁の穴から城を抜け出したのだった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.30 )
日時: 2013/08/12 21:29:38
名前: カイナ

ベアトリクス「ぬ、く……でも忘れた!? この城は湖に囲まれている! カミューラ!」
カミューラ「……」

ベアトリクスの叫びと共にカミューラの瞳が赤く輝き、彼女の眷属であるコウモリ達が城から抜け出した鏡夜に襲い掛かる。

????[とりゃー!!!]
鏡夜「これは!?」

鏡夜に襲い掛かる蝙蝠に襲い掛かる竜巻。蝙蝠達がそれに行く手を阻まれ、鏡夜が驚きのままに叫ぶ。

ウィンダ[鏡夜さん! 助けに来ました!]
鏡夜「ウィンダちゃん!? その姿は!?」

そして巨鳥ガルドスを駆る少女ウィンダ――ダイガスタ・ガルドス状態だ――に鏡夜がさらに驚きの声を上げる。精霊だったはずのウィンダの身体は実体化しているのだ。その証拠にガルドスが気絶している氷牙の頭を興味があるのかガッガッと突っついて若干流血させており、エヴァが怒っている。するとウィンダがひらりっという様子でガルドスから飛び降り……ようとして手綱に躓いて失敗、頭から草むらにダイビングしてしまった後鏡夜の前に立ちなおす。

ウィンダ[お兄様に言われて、助けに来ました!]
鏡夜「いや、なんで実体化してるんだ!?」
ウィンダ[ん〜と……お兄様は精霊が実体化するためのデュエルエナジーが濃くなっているんじゃないかと予測してましたけど……]
鏡夜「……もしかしてさっきのデュエルの影響か?……だがそうだとしたら長くは持たないか。分かった、じゃあウィンダちゃん。ここから逃げるの手伝って」
ウィンダ[了解でーす。さ、乗って乗って!]

ウィンダの言ったカイの仮説を鏡夜はさっきのデュエルでのスターダストやレッド・デーモンズのぶつかり合いの力かと判断し、そうだとしたらデュエルが終わった今その実体化の力も長くは持たないと判断。すぐに逃げようという結論に至り、ウィンダは三人を巨鳥ガルドスに乗っけると再び手綱を握った。

ウィンダ[ガルドス、しゅっぱーつ!!!]
ガルドス[クエー!]

その掛け声と共にガルドスは翼を羽ばたかせ、大空へと飛翔した。





レオ「それで、氷牙先輩を取り返してきたついでにセブンスターズの一人も連れてきちゃいましたと」

レオがなんとも言えない表情で呟く。ここは保健室。氷牙はベッドで寝かされ、エヴァは手近な椅子に座ってつーんとしか形容できない様子を見せている。

カイ「あのエクシーズモンスター……まさかマスターに成り代わろうとするなんて性質が悪いな……浄化、出来ればいいんだが……」

闇に染められた力を浄化する光の力を持つ特別な精霊――ディセンダー。カノンノ曰く「凄い力!」を持つというカイですら浄化できるか自信なさげな様子を見せていた。

鏡夜「とりあえず、まずはデュエルに勝たなきゃ始まらない……けど、僕はもう無理だ。身体が動きそうにない……」

鏡夜がふるふると首を横に振って返す。さっきのデュエル(リアルファイト含む)でさしもの鏡夜も身体はボロボロ。闇のデュエルになると命の保証が出来るかも怪しくなっている。

カノンノ「カイ、皆を連れてきたよ」

と、保健室のドアが開いてカノンノが十代達生徒メンバーを連れてくる。その後ろには凜やメリオル達が心配そうな表情で続いてきた。

カイ「よし……とりあえず相手はナンバーズ使いであることがいい加減分かった。だから、皆にもナンバーズを貸す」

十代「あれって貸し借りできるもんなのか!?」

カイ「ああ。この前の俺とバルバトスのデュエルでエクシーズは世界中で目覚めてるからな、俺達精霊の力がなくてもエクシーズは使えるようになっている。だがナンバーズはその中でも特別でな、使う相手を選ぶんだ。例えば俺が使うホープだけど……十代、持ってテキスト読んでみ」

カイはそう言って十代にホープを投げ、咄嗟に十代も受け取ってカイに言われた通りテキストを見る。

十代「な、なんだこりゃ!? 訳分かんねえ文字が書かれてるぞ!?」
ヴィヴィオ「見せて?……英語?……じゃないね? フランス語、ドイツ語、ロシア語……うーん、どれも違う……」
ライ「は? 何言ってんだ? 普通に日本語書かれてるじゃねえか?」

十代・ヴィヴィオ「「えっ?」」
ライ「えっ?」

十代の言葉にヴィヴィオもただ単に彼が英語を読めないだけじゃないかと勘繰るがそう言ってテキストを覗き込んだヴィヴィオをもってしても解読不能。しかしその後ろから覗き込んだライが眉をひそめてそう言い、十代とヴィヴィオが驚きの声を漏らすとライも驚きの声を出す。とカイはふんふんと頷いた。

カイ「ライもホープに適性があるのか。十代とヴィヴィオにはホープに対する適正なしっと……十代、大丈夫か?」

十代「は? なに……が?……」
ヴィヴィオ「代ちゃん!?」

カイの突然の問いかけに十代は聞き返そうとするが突然彼がふらつき、ヴィヴィオが咄嗟に支える。とカノンノが慌ててホープを十代から奪い取り、カイはホープを受け取りながら声を出す。

カイ「ナンバーズは使い手を選ぶ。俺達は精霊の力を宿しているからナンバーズを負担なく扱えるが精霊の力を持たず、適性がないものはそのテキストを見ても何を書いているかさっぱり分からないし、適性がない者はナンバーズを持っているだけで身体が蝕まれる。まあ持ってるだけで疲れると言えば分かるか?」
十代「さ、先に言ってくれよ……」
カイ「悪かった。ま、そういうわけでだ。今からベッドの上に俺とカノンノが持つナンバーズを並べるからテキストが読めるナンバーズを一人ずつ教えてくれ。その中からナンバーズを貸し出す」

カイの説明に十代が息絶えだえに文句を言うと彼も一言謝ってからそう言い、カノンノがカイの寝ているベッドの上にナンバーズを並べていく。そして一人ずつベッドの上のナンバーズを見て、その中で自分がテキストを読める――適性のある――ナンバーズを指していき、カイはそれをメモに取っていく。

カイ「なるほど……しかし、さっき鏡夜さんは一枚もナンバーズのテキストを読めなかったし、凜さんとメリオルさんもほとんどナンバーズのテキストを読めていない……ナンバーズは子供の方が適応できるのか?……いやでもエヴァンジェリンは……」
十代「おーい、カイー?」

カイはぶつぶつと呟くが十代が呼びかけるとおっとと呟いて話を戻す。

カイ「まあ、とりあえず一番の問題だが……誰がセブンスターズと戦う?」

その言葉に全員が一瞬黙る。

翔「……僕が行くよ」
美海「翔!?」

と、まさかの翔が一番に口を開いた。

翔「クロノス先生は僕のせいで負けたんだし、お兄さんだって負けちゃった……なら、今度は僕が戦う!」
美海「だ、だったら私も――」
アルフ「じゃ、僕も行くよ」

翔の決意を秘めた言葉に美海が次に立候補しようとするがアルフがそれを遮って立候補する。

アルフ「友達を一人で戦わせるわけにはいかないし、僕と翔君なら機械族使いでシナジーもあるしね」
カイ「よし。じゃあそういうことで……えっと二人が使えるナンバーズは……これと、これと……」

アルフの言葉にカイは頷き、さっきのメモを頼りに二人が適性を持つナンバーズを探していく。あとついでにカノンノが通常エクシーズを何枚か取り出し、ナンバーズと一緒に二人に渡す。

カノンノ「こっちはおまけね? ナンバーズ相手だと分が悪いけど、ないよりはマシだから」
翔「あ、ありがとうっす」
アルフ「じゃ、デッキを組み直そう」
翔「うん!」

カイとカノンノにナンバーズと通常エクシーズを手渡され、二人はそれらをデッキに組み込むこととタッグデュエルのためデッキを組み立て直す。

カイ「カノンノ、お前も同行してナンバーズが闇に染められていた場合浄化、浄化不可能の場合回収を頼む」
カノンノ「了解!」

カイは最後に相棒に彼らへの同行及びナンバーズの回収任務を頼み、カノンノもこくんと頷く。


そして一時間ほどで彼らの新たなデッキが組み上がり、彼らはエヴァンジェリンに成り代わろうとたくらむ闇の精霊――ベアトリクスの待つ城へと赴くのであった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.31 )
日時: 2013/08/13 12:15:02
名前: 孝(たか)

エヴァ「おい、ボウヤ。」

いざ、城に乗り込もうとする直前に、翔はエヴァに呼びとめられる。

翔「な、なんすか?」

多少ビクついているが、気丈に振る舞って返事を返す翔。

エヴァ「その、なんだ・・・すまなかった」

そっぽを向きながら翔に謝罪を述べるエヴァ。それを聞いた翔は呆気に取られてポカーンとしている。

エヴァ「む。なんだその間抜けヅラは。この私が謝罪するのがそんなにおかしいか!」
翔「あ、いやその・・・意外というかなんというか・・・」

しどろもどろになりながら取り繕う翔。

エヴァ「操られていたとはいえ、私がやった事に変わりは無い。けじめを付けるのは当然の事だ。」
翔「・・・うん。大丈夫っす!僕のお兄さんは無事に目を覚ますって信じてるっす!」

そうして、拳を握りしめてガッツポーズをとって気を引き締める。

翔「お兄さんとクロノス先生の仇は、そのベアトリクスって子を倒す事で、取るっす!」
エヴァ「・・・そうか。ならば行くが良い。行って、己の全てを賭けて臨め。恐らく奴は・・・いや、敢えて言うまい。」

今ここで余計な憶測は混乱を招くだけ。出端を挫く必要はないだろう。

翔「はいっす!行こう!アルフ君!」
アルフ「うん。勝って、必ず皆の所に帰ろう!」

互いに拳を突き合い、いざ・・・戦場へ!

ギギィィィィィ・・・

重苦しい扉が開く。扉の開いた先、ホールには、豪奢な玉座に居座るベアトリクスと、その横に控えるように立つカミューラの姿があった。

ベア「やっと来たわね。さぁ、私達の相手は誰かしら?」

左手を差し伸べる様に伸ばすベアトリクス。そこには絶対強者の余裕が見て取れる。

翔「・・・・・・」
アルフ「・・・・・・」

翔とアルフは無言で前に進む。そこに、いつもの気弱な翔は居ない。
絶対に勝つという気迫と意気込みが見て取れる。

ベア「あれぇぇ?君が来るの?あの時無様に泣いてた君に、私に勝てるの?」
翔「勝つっす!いつまでも、お兄さんやアニキの後ろに隠れてるだけの僕じゃないっす!お兄さんの為にも・・・何より、僕自身の為にも!」

思いの丈をぶつけつつ、デュエルディスクを起動させる翔。

アルフ「僕の尊敬する人達が教えてくれた。デュエルは楽しむ為にあるんだって・・・闇のデュエルなんて、あっちゃいけないんだ!・・・だから!」

アルフも、翔に倣ってデュエルディスクを起動させる。

『『僕達は、絶対に負けない!(っす!)』』

ベア「・・・キャハハハハハハハ!君達程度じゃ、私達に勝てない事を教えてあげる!行くわよカミューラ!」
カミューラ「・・・はい。ベアトリクス様。」

ベアトリクス達も蝙蝠の様なデュエルディスクを起動させる。

『『デュエル!!』』

タッグフォースルール LP8000 全プレイヤー1ターン目は攻撃できない。 フィールド・墓地・除外ゾーン共有。

ベア「さぁ・・・闇のデュエル(良からぬ事)を始めましょう!」

その言葉と同時に、城の中を闇が覆う。

翔「っ・・・僕の先攻っす!ドロー!僕は、[シャトルロイド]を攻撃表示で召喚!」

シャトルロイド攻撃力:1000

スペースシャトルをモチーフとしたロイドが翔の場に現れる。

翔「カードを2枚伏せて、ターンを終了するっす!」手札3
ベア「私のターン。ドロー!キャハッ!早速行くよぉ![ギミック・パペット‐死の木馬(デストロイ)]を攻撃表示で召喚!」

死の木馬攻撃力:1200

ベア「そのまま効果発動!私達のターンのメインフェイズにフィールドの「ギミック・パペット」と名のついたモンスター1体を選択して発動するよ。選択したモンスターを破壊する!」
翔「いきなり自分のモンスターを破壊するんすか!?」

呼び出して早々自身の効果で破壊する事に、動揺を隠し得ない翔。

ベア「死の木馬の2つ目の効果!この子がフィールドから墓地に送られた時、手札から「ギミック・パペット」を2体まで特殊召喚出来る!おいで![ネクロ・ドール]![ギア・チェンジャー]!」

ベアトリクスの場に、レベル8と1のギミック・パペットが現れる。

ベア「[ギア・チェンジャー]はデッキからは特殊召喚出来ないけど、手札からだから問題無し☆効果発動!1ターンに1度、自分以外の「ギミック・パペット」を選択し、選択したモンスターと同じレベルになる![ネクロ・ドール]を選択して、レベルを8に変更☆さ・ら・に、相手の場にモンスターが居て、私の場に「ギミック・パペット」しかいない時、この子は手札から特殊召喚出来る!おいで![マグネ・ドール]!」

キャピキャピとした仕草でおぞましい人形モンスター達を並べる様はシュールの一言に尽きる。

ベア「レベル8の[ギア・チェンジャー]と[ネクロ・ドール]と[マグネ・ドール]で、オーバーレイ!3体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
アルフ「レベル8が3体・・・まさか!?」

2人は聞いている。エヴァが自身のデッキを城に置いて来てしまった事を。だから、ある程度は予測していた。その予測は、悪い意味で当たってしまう。

ベア「”運命を背負いし獅子よ!今ここに、王者として君臨しなさい”!《No.88 ギミック・パペット−デステニー・レオ》!」

運命獅子攻撃力:3200 ORU3

玉座に坐したまま、王者の風格を纏いながら、運命の獅子はフィールドに顕現する。

ベア「[デステニー・レオ]の効果発動!私達の場に、魔法・罠が無い時、バトルフェイズを破棄して、オーバーレイユニットを1つ使い、この子に「デステニーカウンター」を1つ置く。「デステニーカウンター」が3つ乗った時、私達の勝利が確定するよ☆カードを2枚伏せて、ターンエンド☆」手札0

魔法・罠がなければ効果を発動できないのに、わざわざリバースを伏せてきたという事は、獅子を守るフリーチェーンのリバースなのは容易に予想出来る。

次のターン。アルフの行動がこのデュエルの勝敗を分ける1手になりかねない。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.32 )
日時: 2013/08/14 18:05:12
名前: カイナ

アルフ「僕のターン、ドロー!……僕は[ディープ・スペース・クルーザー・ナイン]を特殊召喚! このカードは手札の機械族モンスターを墓地に送る事で特殊召喚が出来る。僕は[D・ビデオン]を墓地に送り、このモンスターを特殊召喚!」
ディープ・スペース・クルーザー・ナイン 攻撃力:900

彼の場に異次元よりワープし姿を現すレベル9モンスター。しかしそのステータスは低く、ベアトリクスは僅かに嘲笑の笑みを浮かべるがその口から言葉が発せられる前にアルフはさらに動く。

アルフ「さらに永続魔法[ホログラム・プロジェクション]を発動! 僕の場のモンスターを一体選び、同じレベル、攻撃力・守備力となってモンスターゾーンに置かれる。僕はディープ・スペース・クルーザー・ナインを選択し、ホログラム・プロジェクションをフィールドに特殊召喚!」
ホログラム・プロジェクション 攻撃力:900

十代「おぉ! レベル9が二体!」

アルフの場に姿を現す二つの船。その光景を見た十代が歓喜の声を上げた。

アルフ「僕はレベル9のディープ・スペース・クルーザー・ナインとホログラム・プロジェクションでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」

その言葉と共に二つの船は光となり、突如空中に現れた光の渦巻の穴の中に吸いこまれていく。

アルフ「現れろ、No.9! 銀河を呑み込む巨大なる大地、その鉄槌を今振りかざさん!! [No.9 天蓋星ダイソン・スフィア]!!!」
No.9 天蓋星ダイソン・スフィア 攻撃力:2800

アルフの口上と共に光が爆発、上空に太陽をも包み込む巨大な機械が姿を現した。

ベアトリクス「な、なにこの馬鹿でっかいモンスター!? いやそれよりも、お前達はナンバーズを持たないはず!?」

アルフ「あいにく、ナンバーズ持ちのスポンサーがついてまして。さらに僕は魔法カード[ジャンクBOX]を発動! ディープ・スペース・クルーザー・ナインの特殊召喚のために墓地に送った[D・ビデオン]を特殊召喚! さらに[D・ラジカッセン]を召喚!」
D・ビデオン 攻撃力:1000
D・ラジカッセン 攻撃力:1200

十代「さらにレベル4モンスターが二体!?」

アルフはお得意の低レベルモンスター展開を見せ、十代は驚きの声を上げる。

アルフ「レベル4のビデオンとラジカッセンでオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!! 出でよ、[ギアギガントX]!!! さらにギアギガントXのオーバーレイユニットとなっているラジカッセンを使い、効果発動! デッキからレベル4以下の機械族、[D・モバホン]を手札に加える!」
ギアギガントX 攻撃力:2300 オーバーレイユニット数:2→1

アルフの場に姿を現す歯車型モンスター。それの力でアルフはディフォーマーをサーチし、さらに手札を取った。

アルフ「魔法カード[D・スピードユニット]を発動! 手札のディフォーマ―、[D・モバホン]をデッキに戻すことでフィールド上のカードを一枚破壊し、さらにカードを一枚ドローする! 僕が破壊するのは当然デステニー・レオ!」
ベアトリクス「リバースカードオープン[禁じられた聖衣]! フィールド上のモンスター一体の攻撃力を600ポイント下げることでカードの効果の対象にさせず、カードの効果では破壊させない!」
No.88 ギミック・パペット−デステニー・レオ 攻撃力:3200→2600
アルフ「く、破壊出来なかったらドローも出来ない……僕はターンエンド」手札零枚
ベアトリクス「おっと、エンドフェイズにリバースカード[強欲な瓶]を発動。デッキからカードを一枚ドロー」手札一枚

アルフの発動した魔法カードから出てきた弾丸はデステニー・レオが纏った聖衣に弾かれてしまう。これでアルフの手札はゼロ、ターンエンドを宣言するしか出来なかった。しかしエンド宣言の瞬間、ベアトリクスはブラフに伏せていたもう一枚のリバースカードを発動させ、手札を一枚だけとはいえ補充する。

カミューラ「私のターン、ドロー。私は魔法カード[死者への手向け]を発動。手札を一枚捨て、モンスター一体を破壊する。私が破壊するのはNo.9 天蓋星ダイソン・スフィア」

カミューラは虚ろな目でプレイし、そのカードから放たれた邪悪な光がダイソン・スフィアを撃破する。

カミューラ「さらに墓地に送られた[ヴァンパイア・ソーサラー]の効果発動。自分のメインフェイズ時に墓地のこのカードをゲームから除外する事でこのターンに一度だけ、自分が闇属性ヴァンパイアモンスターを召喚する場合に必要なリリースをなくす事ができる。私はヴァンパイア・ソーサラーを除外する事で、リリースなしで[シャドウ・ヴァンパイア]を召喚。そして[シャドウ・ヴァンパイア]の効果発動、このカードが召喚に成功した時、手札・デッキからシャドウ・ヴァンパイア以外の闇属性ヴァンパイアモンスター一体を特殊召喚できる。私はデッキから[ヴァンパイア・ロード]を特殊召喚」
シャドウ・ヴァンパイア 攻撃力:2000
ヴァンパイア・ロード 攻撃力:2000


十代「レベル5のモンスターが二体!?」


カミューラ「私はレベル5のアンデット族、シャドウ・ヴァンパイアとヴァンパイア・ロードをオーバーレイ、二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚、出でよ、[紅貴士−ヴァンパイア・ブラム]」
紅貴士−ヴァンパイア・ブラム 攻撃力:2500

虚ろなその言葉と共に彼女の場に紫色の鎧を纏う吸血鬼の騎士が姿を現した。

カミューラ「ヴァンパイア・ブラムの効果発動。このカードのオーバーレイユニット、ヴァンパイア・ロードを使い、相手の墓地のモンスター一体を私達の場に特殊召喚する」

翔「相手の墓地!? ってことはつまり!?」

ベアトリクス「その通り! おいで、[No.9 天蓋星ダイソン・スフィア]!!!」
No.9 天蓋星ダイソン・スフィア 攻撃力:2800

カミューラの発動した効果に翔が驚愕の声を上げ、ベアトリクスは笑いながら叫ぶ。と彼女の場に現在アルフの所有しているナンバーズが姿を現した。

カミューラ「……デステニー・レオの効果発動。オーバーレイユニットを一つ使い、デステニーカウンターを一つ置く……ターンエンド」手札三枚
No.88 ギミック・パペット−デステニー・レオ オーバーレイユニット数:2→1 デステニーカウンター数:1→2

そしてカミューラはデステニー・レオの効果を進め、ターンエンドを宣言した。と、ベアトリクスが笑い出す。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.33 )
日時: 2013/08/14 18:06:22
名前: カイナ

ベアトリクス「あはははは! どう、ナンバーズを持っていても私の力の前では無力! あとワンターン、次の坊やのターンでデステニー・レオを除去出来なければ私の勝ち――」
アルフ・翔「「それはどうかな?」」
ベアトリクス「――えっ!?」

ベアトリクスの言葉にアルフと翔が声を合わせて言い返す。それにベアトリクスは不機嫌そうに表情を歪ませ、次にニタァと笑みを見せる。

ベアトリクス「ふふ、ナンバーズをワンターンで除去された挙句奪い取られ、もうハッタリをかますしかないってことかな?」

その瞬間アルフはにやりと笑う。

アルフ「別に。ダイソン・スフィアが破壊されるのは予定範囲内だよ……ギアギガントXをフィールドに残すためにね」
ベアトリクス「えっ!? ナンバーズが、そんな雑魚モンスターを残すための囮!?」

アルフの言葉にベアトリクスが叫ぶ、と翔は自分の手札とデッキを見た。

翔「僕にはアニキやお兄さんみたいなドロー力はないっす。でもサーチなら確実に欲しいカードを手札に持ってこれる! 僕はギアギガントXのオーバーレイユニットを一つ使い、デッキからレベル4以下の機械族、[ドリルロイド]を手札に加えるっす!」
ギアギガントX オーバーレイユニット数:1→0

翔はギアギガントXの効果を使い、ビークロイドの一体を手札に加えた後さらに手札を取る。

翔「魔法カード[アースクエイク]を発動! フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターを守備表示に変更するっす!」
ギアギガントX 攻撃力:2300→守備力:1500
シャトルロイド 攻撃力:1000→守備力:1200
ベアトリクス「く!?」
No.88 ギミック・パペット−デステニー・レオ 攻撃力:3200→2300
No.9 天蓋星ダイソン・スフィア 攻撃力:2800→守備力:3000
紅貴士−ヴァンパイア・ブラム 攻撃力:2500→守備力:0

魔法を発動した直後発生した地震が全てのモンスターの体勢を崩させ守備表示へと変更させる。何故か空中にいるダイソン・スフィアも守備表示に変わった。

翔「[ドリルロイド]を召喚! ギアギガントXとシャトルロイドを攻撃表示に変更してバトル! ドリルロイドでデステニー・レオを攻撃!」
ギアギガントX 守備力:1500→攻撃力:2300
シャトルロイド 守備力:1200→攻撃力:1000
ベアトリクス「そんな!? デステニー・レオの方が守備力は高い、そもそもナンバーズはナンバーズでないと戦闘破壊出来ない!」
翔「ドリルロイドの効果発動! このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊する! ナンバーズは効果破壊には耐性がないっす!」
ベアトリクス「えっ!?」

翔の叫びと共に、ドリルロイドが運命の獅子を貫通。破壊した。

翔「ギアギガントXでヴァンパイア・ブラムを攻撃し、破壊!」
ベアトリクス「くぅっ!?」
翔「ターンエンドっす!」手札三枚

さらに翔の猛攻は続き、ヴァンパイアの騎士もギアギガントXに破壊され翔はターンエンドを宣言した。

アルフ「やったー翔君!」
翔「いえーい!」

相手の厄介なナンバーズを攻略、翔がそれをやってのけたことにアルフは嬉しそうに歓声を送り、翔も嬉しそうに掛け声を上げた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第 ( No.34 )
日時: 2013/08/16 06:39:23
名前: 孝(たか)

ベア「私のターン、ドロー!よくもやってくれたわね!スタンバイフェイズ!前のターンに破壊された[ヴァンパイア・ブラム]は守備表示で特殊召喚される!更に私は、[ジャンク・パペット]を発動!墓地から「ギミック・パペット」を1体特殊召喚出来る!おいで![ギア・チェンジャー]!更に墓地の[マグネ・ドール]を除外して、墓地から[ネクロ・ドール]を自身の効果で特殊召喚!」

ギア・チェンジャー 攻撃力:100
ネクロ・ドール 攻撃力:0
ヴァンパイア・ブラム 守備力:0

ベア「そして、[ギア・チェンジャー]の効果でこの子のレベルを[ネクロ・ドール]と同じにするよ!」

ギア・チェンジャー ☆1→8

翔「レベル8が2体。僕達の場には[ギアギガントX]が居る・・・君が召喚するのは、[ジャイアントキラー]っすね!」
ベア「その通り!よくわかってるじゃない☆レベル8のギミック・パペット2体でオーバーレイ!2体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!おいで!No.15!地獄からの使者、運命の糸を操るお人形さん!《No.15ギミック・パペット−ジャイアントキラー》!」

巨大抹殺者 攻撃力:1500 ORU2

ベア「[ジャイアントキラー]の効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、相手の場の特殊召喚されたモンスター1体を破壊する![ギアギガントX]を破壊しなさい!”デストラクション・カノン”!!」ORU2→1
翔「うわぁっ!?くっ[・・・・](ボソボソ)」

ギアギガントXが破壊され、その爆風が翔達を襲う。

ベア「そして、破壊したモンスターがエクシーズモンスターだった場合、元々の攻撃力分のダメージを与える。キャハハハハハハハ!受けてみなさい!闇のデュエルによる2000を超えるダメージを!!」

口を大きく開け、舌を出しながら顔を歪め、愉悦に浸るベアトリクス。

翔「・・・・・・」LP8000→8000
ベア「どう言う・・・事?」

確かにベアトリクスはジャイアントキラーの効果でギアギガントXを効果破壊した筈だ。しかし、翔達のライフポイントは1ポイントも削られていない。

翔「その答えは・・・これっす!」

翔は大きく手を振り、ギアギガントXが破壊された事で起きた煙を振り払う。すると、翔の場にあった伏せカードが1つ翻っていた。

ベア「それは・・・[ピケルの魔法陣]!?」
翔「そうっす。エンドフェイズまで、効果によるダメージを0にする罠カード。これで、[ジャイアントキラー]の効果ダメージを無くしたんす!」

ニッ!と自信に満ちた顔で返す翔。

アルフ「やったね翔君!」
翔「アルフ君が[ギアギガントX]を出してくれたおかげっす!」

パァンッ!とハイタッチを交わす2人だった。

ベア「・・・よ・・・・ら」
翔「・・・?」

ボソリとベアトリクスが何か呟くと、翔は首を傾げる。

ベア「ふざけんじゃねぇよ!テメェら!!なんで私に気持ち良くデュエルさせねぇんだよ!?テメェらは黙って殺られて!無様に地を這いつくばってりゃいいんだよ!?」

突然先程までの年相応の可愛らしい仕草はなりを潜め、まるでチンピラの様に喚き散らす。

カノンノ「やっと正体を現したね。アナタ・・・一体何者なの!エヴァ”ちゃん”の心の闇って言うのも、何かのカモフラージュでしょ!」
エヴァ「ちょっと待て貴様。私をちゃん付けで呼ぶとはいい度胸だな・・・」
カノンノ「今はそんな事どうでもいいの!エヴァちゃんは黙ってなさい!!!!」
エヴァ「・・・は、はい。」

あまりの凄み方についつい敬語で返してしまうエヴァだった。

ベア「私がそいつの心の闇から生まれたのは事実さ!尤も、カミューラの持つナンバーズ。ブラック・ミストの欠片が混じったモノだがな。」
カノンノ「ナンバーズが!?」

よもやナンバーズの力の一部が吸収されていたとは・・・どおりで[ギミック・パペット]限定とはいえナンバーズすらも従えてみせた筈だ。
彼女も欠片とはいえ同じ力を宿している様なものなのだから。

ベア「おしゃべりはここまでだ![ジャイアントキラー]!雑魚を叩き潰しちまえ!”ファイナル・ダンス”!!」

そう言って、カノンノとの会話を強制的に切ると、ベアトリクスはダイソン・スフィアを攻撃表示に変更し、先にジャイアントキラーでシャトルロイドに攻撃宣言を行った。

翔「罠発動![スーパーチャージ]!僕達の場に、機械族の「ロイド」と名のついたモンスターのみの場合に攻撃宣言された時、デッキから2枚ドローするっす!更に、攻撃対象となった[シャトルロイド]はフィールドから除外されるっす!」手札5
ベア「チクショーが!!!攻撃を中断![ダイソン・スフィア]!そこのモグラを叩き潰せ!!”ブリリアント・ボンバードメント”!!」

ダイソン・スフィアから高出力のレーザーの様な物が発射され、ドリルロイドを貫いた。

翔「うわあああああああああ!?」LP8000→6800
ベア「ギャハハハハハハ!!!ざまぁみろ!!カードを1枚伏せて、ターンエンドだ!!」手札0

残っているドリルロイドはジャイアントキラーよりも攻撃力が高い為、攻撃を止めるしかない。しかしダイソン・スフィアでドリルロイドを粉砕。だが、それでも苛立ちは収まらないのか、叩きつけるようにカードを伏せてターンを終えた。

アルフ「僕のターン。ドロー!スタンバイフェイズに除外された[シャトルロイド]の効果発動!フィールドに特殊召喚される。そして、この効果で特殊召喚に成功した時、相手に1000ポイントのダメージを与えるよ!”スペース・ショット”!!」
ベア「がああああああ!?」LP8000→7000

フィールドに帰還すると同時に、相手にダメージを与えるシャトルロイド。それにより、ベアトリクスはまた苛立つ。

アルフ「魔法カード[貪欲な壺]!墓地のモンスター5体を選択して、デッキに戻し、シャッフルして2枚ドローする!」

アルフは墓地から「ギアギガントX」「D・ビデオン」「D・ラジカッセン」「D・モバホン」「ディープ・スペース・クルーザー・ナイン」をデッキに戻し、2枚ドローする。

アルフ「[D・モバホン]を召喚!効果発動!」

モバホン 攻撃力:100

アルフはモバホンを呼び出すと、いつもの様に効果を発動する。
モバホンの1〜6ある数字がランダムで点滅を繰り返す。

アルフ「出た目は・・・4!デッキの上から4枚確認し、その中に「D」が居たら特殊召喚出来る。」

めくられたカードは・・・「D2シールド」「ジャンクBOX」「D・フィールド」「D・スコープン」

アルフ「あった!チューナーモンスター[D・スコープン]を守備表示で特殊召喚![スコープン]は、守備表示の時、レベルが4になる!」

スコープン 守備力:1400 ☆3→4

アルフ「更に!魔法カード[強制転移]!お互いに自分の場のモンスター1体を選択し、コントロールを入れ替える!僕は当然[モバホン]を選択する。さぁ!選びなよ!どちらのナンバーズを手放すのか!それとも、勝負に乗らず、[ヴァンパイア・ブラム]を選択して逃げるかを!」

アルフはベアトリクスを指差す。2体のナンバーズの内、どちらを手放すのか。更には、下等な人間である自分達との勝負に乗らず、無様にヴァンパイア・ブラムを手放すか。

ジャイアントキラーを手放せば、残っているオーバーレイユニットによってダイソン・スフィアかヴァンパイア・ブラムは破壊され、その元々の攻撃力2800又は2500がベアトリクス達から引かれ、ダイソン・スフィアを手放しても、ナンバーズ同士の戦闘によってジャイアントキラーは戦闘破壊される。ヴァンパイア・ブラムならば、ベアトリクス達には特に被害は出ない。

勝負に乗れば、ベアトリクス達の場からナンバーズが破壊される事は確実であり、ナンバーズ以外を選べば、下等な人間の策に屈した事になる。

ベア「クソッ!クソオオオオオオ!?(私の場に伏せられているのは、速攻魔法[禁じられた聖槍]・・・攻撃力を800下げ、魔法・罠の耐性をモンスターに付加する効果。確かにこれで回避する事は可能だが、モンスター効果には意味がない。発動したところで・・・無意味!他の伏せカードも無い。)おのれ・・・おのれええええええええ!?!!」
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.35 )
日時: 2013/08/30 20:39:09
名前: カイナ

ベアトリクス「ぐ……私は[No.9 天蓋星 ダイソン・スフィア]を選択!」

アルフ「あれぇ? わざわざナンバーズをくれるの? 普通ヴァンパイア・ブラムじゃない?」

ベアトリクス「誇り高きヴァンパイアを下等な人間の穢れた手に渡してなるものか!……覚えておけ、お前達、潰してやる」

ベアトリクスが選択するとともに二体のモンスターのコントロールが入れ替わり、アルフがくすくすと笑い挑発するとベアトリクスはその心の中にはエヴァ達ヴァンパイアのプライドが僅かなりあるのかそんな事を叫ぶ。そして彼女は二人をギロリと睨みつけ、呪詛のようにそう呟いた。

アルフ「さていくよ! バトル! ダイソン・スフィアでジャイアント・キラーを攻撃!!」
ベアトリクス「ぐあああぁぁぁぁっ!!!」LP7000→5700
アルフ「ターンエンド」手札零枚

天蓋星が巨大な人形を打ち砕き、アルフは手札もないためターンエンドを宣言した。

ベアトリクス「人間如きがぁっ!!!」
カミューラ「私のターン、ドロー。私は魔法カード[生者の書−禁断の呪術−]を発動、墓地からアンデット族モンスター[ヴァンパイア・ロード]を特殊召喚し、あなた達の墓地から[ドリルロイド]を除外。フィールド魔法[ヴァンパイア帝国]を発動」
ヴァンパイア・ロード 攻撃力:2000

カミューラの淡々とした言葉と共に、吸血鬼の貴族が彼女の場に姿を現しさらに場がヴァンパイアの潜む町並みへと変化していく。

カノンノ「この気配!」

と、その瞬間カノンノが顔を上げて声を出す。まるで頭の上でレーダーの役割を果たしている髪の毛がティンと立ったかのような反応だ。まあ実際には髪の毛は立っていないのだが。

カミューラ「ヴァンパイア・ロードとヴァンパイア・ブラムをリリースし……[地縛神 Ccarayhua]、アドバンス召喚」
地縛神 Ccarayhua 攻撃力:2800

カミューラの場の二体の吸血鬼が闇に包まれその闇が肥大化、闇の中からトカゲの地縛神が姿を現した。

カミューラ「Ccarayhuaでダイレクトアタック」

その言葉と共に地縛神は巨大な右腕を持ち上げる。直後ゴウ、と風を切る音と共に勢いよく右手が振り下ろされた。たかがソリッドビジョン、とはいえない。闇のデュエルでの痛みは現実となり、さらに地縛神の力はそれを強化する。もし押しつぶされでもしたらひとたまりもない。

アルフ「翔君伏せて!!!」
翔「わわわっ!」

咄嗟にアルフが叫び、翔は頭を抱えてしゃがみこむ。と同時にアルフは地縛神の右手を睨みながら飛び上がった。

アルフ「反行儀(アンチマナー)キックコース!!」

直後、地縛神の右手を思いっきり蹴り上げ、しかしそれは右手プレスの勢いを僅かに弱めただけでアルフは地面に叩き付けられる。

翔「アルフ君!?」

思わず悲鳴を上げる翔。しかし彼は直後、地面に叩き付けられたはずのアルフが逆立ちのような体勢で腕や足、身体を縮めているのを見る。

アルフ「木犀型斬(ブクティエール)シュート!!!」

直後再び放たれる蹴り、それはまるでバネのような勢いで地縛神の右手に直撃し、ついに右手を押し返した。しかし相手の勢いを殺しきれなかったのかアルフは再び地面に叩き付けられる。

アルフ「あててて……」LP6800→4000
翔「ア、アルフ君大丈夫っすか!?」

地面に叩き付けられたアルフは頭を押さえながら呟き、翔が心配そうに声をかけると彼はにこっと微笑んで立ちなおした。

アルフ「平気平気。結構ライフ削られちゃったけどね」
カミューラ「カードを一枚セット、ターンエンド」手札一枚

話している二人を無視し、カミューラは静かにカードを一枚セットするとターンを終える。

翔「僕のターン、ドロー! 僕は[サブマリンロイド]を召喚し、バトル!」
サブマリンロイド 攻撃力:800
ベアトリクス「甘い! 地縛神は攻撃対象にされない! この場合お前達は攻撃すら出来ない!」
翔「残念でした。サブマリンロイドはダイレクトアタックが可能っす! サブマリンロイドでダイレクトアタック! ディープ・デス・インパクト!」
ベアトリクス「な、ぐああぁぁぁっ!」5700→4900

翔の場に姿を現した潜水艦型ロイドは城の床下に潜って地縛神をやり過ごし、ミサイルでベアトリクスに攻撃を仕掛ける。そして再び翔の元に戻ってきた。

翔「サブマリンロイドは攻撃終了後表示形式を変更できるっす。サブマリンロイドを守備表示に変更! カードを三枚セットしてターンエンド!」手札二枚
サブマリンロイド 攻撃力:800→守備力:1600

潜水艦型ロイドが守備の構えを取り、彼はカードを三枚も伏せてターンエンドを宣言した。

ベアトリクス「私のターン、ドロー! 私は魔法カード[ジャンク・パペット]を発動! 墓地から[No.88 デステニー・レオ]を特殊召喚!」
No.88 デステニー・レオ 攻撃力:3200

ベアトリクスの場に黒い穴が開き、その穴の中からせり上がるように再び運命の獅子が姿を現す。

ベアトリクス「バトル! デステニー・レオでサブマリンロイドを攻撃!!」
翔「速攻魔法[援軍出撃]発動! ロイドが攻撃される時、デッキからロイドを手札に加える! 僕は[スチームロイド]を手札に加える!」

運命の獅子の一撃が潜水艦型ロイドを破壊し、しかし翔は新たなロイドをサーチしておく。

ベアトリクス「まだだ! Ccarayhuaでダイレクトアタック!」
翔「トラップカード[ガード・ブロック]発動っす! その戦闘ダメージを0にしてカードを一枚ドロー! これはCcarayhuaに影響を与える効果じゃないため問題ないっす!」手札四枚
ベアトリクス「チッ! ターンエンドだ!」手札零枚

翔の見事な防御&手札補充にベアトリクスは舌打ちを叩き、ターンエンドを宣言した。

翔は地縛神の攻撃をもしのぎつつ手札を補充していく。

アルフ「僕のターン、ドロー! 僕は魔法カード[強欲な壺]を発動し、カードを二枚ドロー! 魔法カード[ジャンクBOX]を発動! 墓地から[D・ラジカッセン]を特殊召喚! そしてD・スコープンを攻撃表示に変更!」
D・ラジカッセン 攻撃力:1200
D・スコープン 守備力:1400→攻撃力:800 レベル4→3

彼の場で二体のディフォーマーが攻撃態勢を取る。その時、彼は優しい光に覆われ始めた。その光がフィールドへと広がっていき、アルフはくすりと笑う。

アルフ「僕はレベル4のラジカッセンにレベル3のスコープンをチューニング!」

シンクロ召喚の宣言、その言葉を聞いた二体のディフォーマーが宙に浮かび、優しげな暖かい光がその二体を包み込む。

アルフ「聖なる守護の光、今交わりて永久の命となる。シンクロ召喚!」

その言葉と共に光が弾け、光の中から青い胴長の竜が姿を現す。

アルフ「降誕せよ、[エンシェント・フェアリー・ドラゴン]!!」
エンシェント・フェアリー・ドラゴン 守備力:3000

彼の場にシグナーの竜の一体が降誕した。

アルフ「エンシェント・フェアリー・ドラゴンの効果発動! 一ターンに一度フィールド上のフィールド魔法一枚を破壊し、ライフを1000ポイント回復。さらにフィールド魔法一枚をデッキから手札に加える。僕が破壊するのはヴァンパイア帝国! いけ、プレイン・バック!」
ベアトリクス「く……し、しまった!?」

妖精竜の放つ光がヴァンパイアの街並みを浄化していき、それと共にCcarayhuaの姿が歪んでいく。

アルフ「地縛神はフィールド魔法がないと姿を維持できないんだったよね? 僕はライフを1000回復し、デッキからフィールド魔法[D・フィールド]を手札に加える」LP4000→5000

アルフのドヤ顔での言葉と共に地縛神はその姿を消滅させ、さらに妖精竜の癒しの光がアルフに降り注ぎ、彼の身体に出来た傷を癒していった。

アルフ「カードを一枚セットしてターンエンド」手札一枚(D・フィールド)
ベアトリクス「エンドフェイズ、Ccarayhuaは破壊される……」

そして彼はカードをセットしてターンを終え、同時に地縛神もその姿を消していった。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.36 )
日時: 2013/08/31 23:38:33
名前: カイナ

カミューラ「私のターン、ドロー……魔法カード[天使の施し]発動、デッキからカードを三枚ドローし、手札を二枚捨てる……リバースカードオープン[リビングデッドの呼び声]、その効果で墓地から[ヴァンパイア・ロード]を特殊召喚、さらにヴァンパイア・ロードをゲームから除外し、[ヴァンパイア・ジェネシス]を特殊召喚」
ヴァンパイア・ジェネシス 攻撃力:3000

カミューラの場に真祖の名を持つ吸血鬼が姿を現し、真祖という名に反応したのかエヴァがぴくりと眉を動かす。

カミューラ「ジェネシスの効果発動、手札のアンデット族、[カース・オブ・ヴァンパイア]を墓地に送る事で墓地に送ったモンスターよりレベルの低いアンデット族モンスター、[シャドウ・ヴァンパイア]を特殊召喚。さらに墓地の馬頭鬼の効果発動、このカードをゲームから除外し、アンデット族モンスター[ペインペインター]を特殊召喚。ペインペインターの効果を発動、一ターンに一度、私の場のアンデット族二体のレベルを2にする。」
ヴァンパイア・ジェネシス レベル:8→2
シャドウ・ヴァンパイア 攻撃力:2000 レベル:4→2
ペインペインター 攻撃力:400


十代「このプレイング……」

カミューラのプレイングにデジャヴを感じた十代が声を漏らす。

カミューラ「私はレベル2のペインペインター、シャドウ・ヴァンパイア、ヴァンパイア・ジェネシスでオーバーレイ、三体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚、出でよ、[No.96 ブラック・ミスト]」
No.96 ブラック・ミスト 攻撃力:100

彼女の場に、ベアトリクスに力を与えたナンバーズが姿を現す。これで彼女らの場には二体のナンバーズが揃った。

カミューラ「バトル……デステニー・レオでエンシェント・フェアリー・ドラゴンを攻撃……」
アルフ「く……」

まずデステニー・レオの攻撃がシグナーの竜を破壊、ベアトリクスがにやりと笑う。

ベアトリクス「ハハハハハ! オーバーレイユニットの存在しないエクシーズモンスターなど恐れる必要はない!」
カミューラ「ブラック・ミストでダイソン・スフィアを攻撃……この瞬間ブラック・ミストのモンスター効果発動、オーバレイユニットを一つ使い、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力を半分にし、その分をこのカードの攻撃力に加える……シャドー・ゲイン」
No.96 ブラック・ミスト 攻撃力:100→1500 オーバーレイユニット数:3→2
アルフ「おっと! オーバーレイユニットが存在しないダイソン・スフィアが攻撃対象に選択された時、ダイソン・スフィアの効果が発動する! 自分の墓地のモンスター二体を選択し、このカードの下に重ねてオーバーレイユニットとする事ができる! 僕はラジカッセンとスコープンをオーバーレイユニットとする!」
No.9 天蓋星ダイソン・スフィア 攻撃力:2800→1400 オーバーレイユニット数:0→2

ブラック・ミストがダイソン・スフィアの攻撃力を吸収するが、ダイソン・スフィアも墓地のモンスターを自らの力の欠片――オーバーレイユニットとする。

ベアトリクス「チッ、だが今更オーバーレイユニットを増やしても無駄だ!」
カミューラ「攻撃、ブラック・ミラージュ・ウィップ」
アルフ「それはどうかな? ダイソン・スフィアの効果発動! オーバーレイユニットの存在するこのカードが攻撃されたバトルステップ時に一度だけ発動できる。その攻撃を無効にする!」
ベアトリクス「なにぃっ!?」

カミューラの指示を聞いたブラック・ミストは触手を伸ばす、がそれはオーバーレイユニットの放つ謎の障壁に阻まれてしまった。

カミューラ「……ターンエンド」手札零枚
翔「僕のターン、ドロー!」手札五枚

カミューラのターンエンド宣言を聞き、翔は勢いよくカードをドロー。その時彼は「来た!」といわんばかりに笑みを浮かべた。

翔「リバースカードオープン[ロイド納入]! このカードは手札を任意の枚数捨て、その枚数だけ墓地からロイドモンスターを手札に加える。僕は手札を二枚捨て、墓地からドリルロイドとサブマリンロイドを手札に加えるっす!」

翔は伏せていたカードを使い、ロイドを手札に補充した後、落ち着くように深呼吸をしてからダイソン・スフィアを見上げた。

翔「ダイソン・スフィアの効果発動! このカードの攻撃力より高い攻撃力を持つモンスターが相手フィールド上に存在する場合、自分のメインフェイズ1にこのカードのオーバーレイユニットを一つ使う事で、このターンこのカードは相手プレイヤーに直接攻撃できる。ダイソン・スフィアの攻撃力は1400、お前達の場のモンスターの方が攻撃力が高い! よってこの効果は発動可能だ!」
No.9 天蓋星ダイソン・スフィア オーバーレイユニット数:2→1
ベアトリクス「ふん、たかが攻撃力1400のダイレクトアタックなんて痛くも痒くもない!」
翔「それはどうかな? っす……お兄さん、力を貸して……」

翔の宣言にベアトリクスがそう返すと翔は不敵な笑みを浮かべて祈るように一枚のカード――ドローカードを見る。

翔「魔法カード、[パワー・ボンド]を発動!!!」
ベアトリクス「そ、そのカードは!?」
翔「お兄さんが使ったカード、効果は知ってるっすよね? 僕は手札のスチームロイド、ドリルロイド、サブマリンロイドを融合!! 出でよ、[スーパービークロイド−ジャンボドリル]!!! パワー・ボンドの効果によって攻撃力は倍となる!!」
スーパービークロイド−ジャンボドリル 攻撃力:3000→6000

翔の宣言と共に、床を砕いて巨大なドリルを装着したロイドが姿を現した。

翔「バトルっす! スーパービークロイド−ジャンボドリルでデステニー・レオを攻撃!! ナンバーズはナンバーズじゃないと破壊出来ない、けどダメージは通る。そしてダメージステップ時に速攻魔法[収縮]を発動! デステニー・レオの攻撃力を半減させる!」
ベアトリクス「な、に……ぐああぁぁぁっ!!」LP4900→500
No.88 デステニー・レオ 攻撃力:3200→1600

ジャンボドリルの突進をデステニー・レオは小さくなった体で受け止めるがその衝撃波がベアトリクスに大ダメージを与える。

アルフ「これで終わりだ!」
翔「ダイソン・スフィアでダイレクトアタック!」
翔・アルフ「「ブリリアント・ボンバードメント!!!」」
ベアトリクス「ぐああああぁぁぁぁぁっ!!!」LP500→0

そしてダイソン・スフィアの攻撃がベアトリクスにトドメを刺した。

ベアトリクス「がは……」

膝をついたベアトリクスが苦しそうに息を吐き、彼女がデュエルに敗北したことで呪縛が解けたのかカミューラがふらりとふらつく。

アルフ「おっと」

と、まるで宙を飛んだかのような素早い移動を見せたアルフが彼女を抱きかかえ、そのまま彼女をカノンノの近くへと運ぶ。

アルフ「カノンノさん、この人のナンバーズを」
カノンノ「うん、ありがと……うわ、酷い闇」

アルフの促しにカノンノはお礼を言ってデュエルディスクにあるNo.96のカードを見る。がその放たれている闇にまるでゴキブリでも見たかのように嫌そうな表情を見せた後浄化の光で右手を包み込んでからそのカードを慎重に取り、封印器も兼ねているパッと見鉄製の手の平サイズカードケースの中に入れておく。

カノンノ「後でカイに渡しとくね。カイの封印器の方が力強いし、本人の浄化能力も高いから」
翔「そんなもんなんすか」

カノンノの言葉に翔はぼそりとそう呟いた。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.38 )
日時: 2013/09/02 07:31:01
名前: 孝(たか)

ベア「ぐ、あ・・・お、のれぇ・・・か、下等な、人間如きが・・・ごふっ!?」

いくら攻撃力が半減していようとも、アレだけの巨体から繰り出されるナンバーズの攻撃は、闇のデュエルでは相当の力を発揮した事だろう。
更にいえば、ベアトリクスはエヴァンジェリンから産まれ出でた分身と言っていい存在だ。
しつこそうではあるが、痛みは受け慣れていないのだろう。闇のデュエルによる直接攻撃によって内臓を痛めたようで、少なくない量の血を吐き出してしまう。

ベア「くそがあああああああああああああっ!!!!?」
エヴァ「見苦しいぞ。ヴァンパイアとして誇りを語ったならば、潔く消えろ。」

エヴァンジェリンはまたまた右手に魔力で固めた剣を形成し、ベアトリクスの喉元に突き付ける。

ベア「ふざけるな!!!!!やっと、やっと自由になれたこの身!!一度の敗北で、消えてなるものか!?!?」

そう言うと、ベアトリクスも魔力で固めた剣を右手から放出させ、エヴァンジェリンへと斬りかかる。

エヴァ「甘いわ!!!」

ベアトリクスの突きを回避すると同時に、横凪に振るわれた魔力剣によってベアトリクスの魔力剣は呆気なく砕かれる。

エヴァ「・・・やはりな。あの時は気が動転していたが・・・私から産まれたと言っても、全てが同じ訳ではない様だな。」
ベア「くっ・・・う・・・っ!ぐへぇっ!?」ビチャチャッ

重傷の状態で魔力行使した為に、身体に負担がかかり再び吐血するベアトリクス。

エヴァ「貴様は産まれたばかりの赤子と同じだ。戦闘経験も未熟なら、耐性もあるまい。ならば・・・受肉したばかりで日が浅い貴様は、簡単に葬れる。消えろ!!」

エヴァンジェリンは躊躇なくベアトリクスに魔力剣を振り下ろす。

ガシィッ!!

しかし、瀕死と思われていたベアトリクスがエヴァンジェリンの魔力剣を受け止める。・・・異形の腕となった左腕で・・・。

エヴァ「なん・・・だ?その腕は!?」
ベア「漸くか・・・」

エヴァンジェリンが驚愕に目を剥くと、ベアトリクスがニタリと笑みを浮かべると、エヴァンジェリンの魔力剣を握りつぶしながら立ち上がる。

エヴァ「くっ!?」

危険だと判断し、すぐさま距離を取るエヴァンジェリン。

ベアトリクスが閉じていた眼を開けると・・・漆黒に染まり、顔には何かの刺青が走っていた。

アルフ「あ、アレは・・・」
翔「間違いないっす!あの時の、吹雪さんと一緒っす!?」
十代「ダーク・・・シグナー」

ダークシグナー吹雪を見た事のある子供達は、今のベアトリクスを見て愕然とする。
先のデュエルで、地縛神が召喚されたのだ。どちらかがダークシグナーである事は判り切っていた事だが、まさかこのタイミングでダークシグナーとなるとは思わなかったのだろう。

ベア「ダークシグナー?はっ!甘いわ。私は、その程度の存在ではない。今や、地縛神と完全融合を果たしたのだ!」
エヴァ「・・・なる程、だから腕が異形となったか。墜ちたな、ベアトリクス。貴様に、ヴァンパイアの誇りを語る資格は無い。」

忌々しそうにベアトリクスを睨むエヴァンジェリン。

ベア「そんもの、もはやどうでもいい。キサマらを亡き者にシ、私ハこの世を冥界の王にササゲル!!」

地縛神と融合した弊害か?思考が地縛神よりになっているようだ。
既に、彼女はベアトリクスでもないのだろう。

ベア「マズハ、キサマらを葬る!死ねェェェィ!!!!」

ベアトリクスが左手を振り上げると、突然ビルの様に巨大な腕へと変化。
先のデュエル相手であるアルフと翔を狙って振り降ろしてきた。

翔「ににに、逃げるっすううううううううう!!!」
アルフ「右に同じ!!!」

攻撃範囲から逃げようと2人して駆けだす。しかし・・・

ガッ

「「わあっ!?」」

2人同時に砕けた床に足を取られ、転倒してしまう。
先の、氷牙救出による鏡夜とのガチバトルで修繕されなかった一部であろう。氷牙を助けた時の負債が、子供達を危機に陥れるとは、なんと皮肉な事だろうか。

美海「しょおおおおおおおおおおおおおお!!」
風華「ダメだよ!?今行ったらみー姉も潰されちゃうよ!?」
美海「離して!ふーちゃん!翔が!翔が!!」

美海をいかせまいと風華は必死に美海を止める。

アルフ「いっけえええええええええええええ!!!」
翔「ちょっ!?アルフ君!?」

その時、アルフが雄叫びを上げる。美海を風華がそちらに視線を向けると・・・アルフが巴投げで翔を投げ飛ばしていた。

ライ「よっと。アルフ!お前も!!」

すかさず投げ飛ばされた翔をライが受け止めると、アルフに急ぐように叫ぶ。

アルフ「・・・ごめん。足、やられちゃったみたい」

転倒した時、隆起していた部分で足を切ってしまい、立ち上がれそうに無い様だった。
それゆえに、翔だけは助けて見せると残った力の全てで翔を投げ飛ばしたのだ。

苦笑しながら謝るアルフを見て、ライは駆けだす。

ライ「アルフウウウウウウウウウウウウ!!!」
アルフ「ちょっ!?兄さん!!なんで来たのさ!?」
ライ「馬鹿野郎!!弟を見捨てられるか!!それに、翔を助けてもお前が助からなかったら、翔だって責任を感じるだろうが!」
アルフ「っ!?」

友達である翔を助ける事ばかり考えていたせいで、後の事を全く考えていなかったアルフは、今更ながらに後悔していた。

ベア「もう遅い!キサマの後ニ、全員同じ場所に送って遣る!!!」
ライ「しまっ!?」
アルフ「兄さん!!」

ズシイイイイイイイイイインッ!!

遂に、空時兄弟にベアトリクスの巨大な腕が叩きつけられた。

十代「ライ・・・アルフ?」
翔「アルフ、君・・・ライ、君?」
メリオル「そんな・・・いやああああああああああああああ!?」

そんな二人の結末に、一同は絶望の淵に立たされる。

ベア「フハハハハハハ!!イイゾ!絶望シロ!!人間共!!!!・・・っ!?」

しかし、ベアトリクスがいち早く違和感を覚えた。

ベア「ナンダ?ガッ!?グアアアアアアアアアアアッ!?!?!」

ベアトリクスは突如腕に激痛が走ると、腕を元に戻す。
ベアトリクスが叩き潰した地点。空時兄弟が居たであろう場所には・・・

アルフ「エンシェント・・・フェアリー・ドラゴン?」
ライ「パワー・ツール・・・ドラゴン?」

2人のシンクロモンスターが2人を守っていたのだ。

妖精竜『この時を、待っていました。空時アルフ』
アルフ「待っていた?」

古代妖精竜がアルフを、パワー・ツール・ドラゴンがライを守る様に包み込む事で、攻撃から凌げたのだ。

そして、古代妖精竜が言葉を介した・・・それは、彼女が精霊となったことを意味する。

妖精竜『貴方は、シグナーに選ばれました。これから、貴方達には強大な困難が待ち受けている事でしょう。』
アルフ「困難・・・」

古代妖精竜の強大な困難というフレーズに、不安を募らせるアルフ。

妖精竜『ですが、貴方達には、仲間が居ます。力強い仲間達が・・・』

古代妖精竜の視線の先には、十代達が涙を流しながらアルフ達の無事を喜んでいた。

アルフ「・・・・・・うん。そうだね。仲間が一緒なら、どんな困難にも立ち向かえる。僕達は、それを・・・あの人から教わってたんだから・・・」

それと同時に、アルフの右腕に、シグナーの証:ドラゴンクローが刻まれた。

妖精竜『さぁ、速く逃げてください。ここも、長くは持ちません。』

ライ「お前が・・・助けてくれたのか?」
機械竜『・・・・・・君は、まだその時じゃない。』
ライ「まだ?どう言う事だ?」
機械竜『何れ判るよ・・・何れ。』

そう言うと、パワー・ツール・ドラゴンはカードに戻ってしまった。

アルフ「兄さん!速く逃げよう!」

古代妖精竜の聖なる力で歩けるまで回復したアルフがライを急かす。

ライ「あ、ああ!」

そうして、2人は急ぎ、仲間達の所へ駆けだしていった。

ベア「オノレ・・・逃スモノカ!!」

痛む腕を押さえながら、呪詛の如き叫びを上げるベアトリクスだが、地縛神としての力を使った影響か、城の天井が崩れ、ベアトリクスと十代達は分断され、脱出に成功するのだった。

ベア「オノレエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」

崩れた城に、ベアトリクスの怨みの籠った絶叫が響き渡った。
Re: 異世界遊戯王大戦記GX(笑)第X幕 ( No.39 )
日時: 2013/09/03 08:18:07
名前: 孝(たか)

全員が無事に脱出すると同時に、遂に城が崩れ落ちる。
瓦礫の山となり、徐々に海に沈んで消えて行くさまを一同は呆けたように眺めるだけだった。

十代「あいつ・・・無事だと思うか?」
万丈目「・・・恐らく、な。」
カノンノ「地縛神と融合したって話だから・・・多分、生きてると思う。」

なんとか3戦目のセブンスターズ戦を終え、安堵する一方・・・懸念事項は残ってしまった。何れ、彼女は再び自分達の前に立ちふさがるだろうと確信を持てる程に・・・。

メリオル「良かった・・・2人が無事で、本当に・・・」

一同が緊張を解くと同時に、メリオルは息子達を泣きながら力強く抱きしめて心の底から安堵していた。

ライ「く、苦しいって母さん。」
アルフ「心配かけてごめんね、母さん。」
メリオル「いいの。2人が無事ならそれで良いの・・・」

母子3人を見てホッとする一同だった。

それから数日。

カイ「アレから数日経ったけど・・・何か変わった事はあったか?」
カノンノ「ううん。特には無いけど・・・逆に、不気味だね。」

城が消え去って数日が経過したが、ベアトリクスが仕掛けてくる様子は無く、次のセブンスターズが現れる様子も無い。
膠着状態が逆に不気味というカノンノに、同意するカイ。

カノンノ「ところで・・・アレから96はどうなったの?」
カイ「ああ。酷い状態だった。アレほどの穢れた闇を見たのは前世以来だな。浄化仕切るのに丸4日もかかって・・・相当骨が折れたよ。」

その時の事を思い出してガックリと肩を落として項垂れるカイ。
予想以上の穢れに、病み上がりだというのに無理して浄化作業する羽目になったのだから。

2人がそうこう話している間にレッド寮に到着すると、食堂の方から食欲をそそる良い匂いが漂ってきた。

カイ「クンクン・・・この匂いは・・・レバニラ?」
カノンノ「それと・・・ニンニクかな?」

今までレッド寮で過ごしてきたが、レバニラが出てきた事は一度として無い。
しかも、外の方まで匂う程強いニンニクを使用する料理も・・・。
つい気になって食堂の方へ赴く二人・・・そこで見た物は・・・

氷牙「ガツガツガツガツガツガツ・・・ハグハグハグハグ・・・ゴックン!!!おかわり!」
凛「はい!」

頭に包帯を巻いたまま、焼肉とレバニラと豚キムチと大盛りのガーリック炒飯を某戦闘民族の如くかき込んでいる氷牙と、それを甲斐甲斐しく世話をしている凛の姿だった。

氷牙「モゴモゴ・・・ンックン!お?ようカイにカノンノ。数日ぶり!」
「「・・・・・・・・はっ!?あ、はい。えっと、一体何を?」」

重傷だった筈の氷牙が眼の前で大食いしていたせいで思考がぶっ飛んでいた2人はつい質問してしまった。

氷牙「何って・・・飯食ってんだよ。いやぁ〜セブンスターズのせいで寝込んでばっかだし、治療は大変だし眼が覚めたらボロボロだし腹は減るしでまいったまいったwww」

笑いながら自身の状況を簡単に説明してくるが、だからと言って病み上がりに食う様な物ではないと思う。

カイ「えと・・・病み上がりにガーリック炒飯ですか?」
氷牙「モグモグ。ん?あぁ、これはエヴァ対策。」

まさかの吸血鬼避けでした。それでいいのか?と思わなくもないカイだった。

氷牙「まぁ、エヴァはニンニク料理食えるからあんま意味無いけどな。」
カノンノ「そうなの!?吸血鬼なのにニンニク平気なのエヴァちゃん!?」

意外や意外。エヴァンジェリンは吸血鬼の弱点の一つとも言えるニンニクが平気な存在でした。

数分後・・・

氷牙「御馳走様でした。」
凛「お粗末さまでした。」

両手を合わせて食後の礼を尽くす氷牙と凛。2人とも満足げだ。

氷牙「うむ。2〜3日もあれば全快だ!」

サムズアップしながら現在の調子を語る氷牙は実に元気溌剌だった。
どう見ても数日意識を戻さなかった人間と同一人物とは思えない。

氷牙「さて・・・アルフがシグナーに目覚めたらしいな。」

唐突に真剣な表情で問うてきたので、カイ達も真面目な雰囲気を出して答える。

カノンノ「はい。ギリギリのギリギリで、後少し遅かったら2人とも・・・」
氷牙「・・・そうか。他の奴らはどうしてる?」
凛「・・・メリオルが、少し過保護になってしまいました。」

眼の前で息子二人が死にかけたのだ。過保護になってしまうのは仕方の無い事だろう。

氷牙「・・・他は?」
カノンノ「ベアトリクスに操られていたカミューラさんが、意識を取り戻したみたいです。話を聞いてみたら断片的にですけど、覚えているそうです。」
氷牙「ん。了解。さて、次のセブンスターズに備える必要もあるが・・・」
カイ「そうですね。さしあたっては・・・」

カイが一つの案を出そうとする前に、氷牙が口を開く。

氷牙「来週に迫った学園祭の準備だな!!」

ガッツポーズしながら立ち上がり、声高々にやる気を漲らせていた。

カイ「そっちですか!?え?セブンスターズ対策は!?」
氷牙「ドアホゥ!1度しかない高校生活!生徒達を満喫させずに何が教師か!」

生徒達の為と言うが、何処となく氷牙自身が楽しもうとしている様に見えるのは気のせいだろうか?

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