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リレー小説『エレアリア』本編一
日時: 2006/10/16 21:22:50
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

参加者以外の書き込みを禁じます
閲覧は誰でもOKです

詳細はこちら⇒ http://www.geocities.jp/takakurasyoujp/elearia.html

・参加表明は参加者募集のところまでよろしくお願いします
・書き方は第三者視点でもキャラ視点でもかまいません
・どんどん他の参加者のキャラクターと絡ませていきましょう!!

※三週間以内に次の人は話を進めてください※

現段階での参加者
晶 みせつ殿 要殿 阿是羅殿 梓原七海殿 HOPE殿 虚無殿 臨花殿 織春金殿 美音殿

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Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.1 )
日時: 2006/10/01 12:56:07
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

0章 異世界へ
〜カイルの場合〜

メイレドルの始まりの街
此処は十五までの子供やその親たちのみ住むことを許された
この世界で最も住み易く最も平和な国
そこにカイルは居た


小さな倉庫のような家
大きな屋敷のような蔵
そんなところに十数人の子供達が集まっていた

「カイル〜〜本当に行っちまうのか〜〜〜」
「まだ十四になったばかりじゃん!!なんで出て行く必要があるんだよ!!」
「もっと此処に居てよ〜〜〜」「玩具とかもっと直してくれよぉ〜〜〜」

入り口から家の中に向かって何回も同じようなことを叫ぶ
家の中に入らないのは、そこに一体どんな罠が仕掛けられているか
予想もできないからだ(この内数人は死にそうな目に合わされたといっている)
そうすること約30分

「五月蝿いですよ、みんな」

黒く長い髪をお下げにし、全身を黒で統一した一人の少女が出てきた
そうしてみてみると眼鏡ぐらいはずせば
十人中六〜七人位は振り返りそうな美人な少女なのだが、他の子供達と違うのは
その頭についた耳と腰の辺りから出ている黒く先だけが真っ白な尻尾

「カイル〜〜〜〜!!!」
「え、ちょっ、うわあっ!?」

そんな少女、カイルは
いきなり抱きついてきた子供達に押しつぶされる
もがいて出ようとしても出て行けない

「なんでまた『外』に行くなんて言うの!?」

一人の少女がカイルに泣きそうな顔で問いかける
カイルは困ったように頬を掻くとぽんぽんと少女の頭を撫でる

「『外』を見たかったんです」
Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.2 )
日時: 2006/10/01 13:00:12
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

『外』
それは此処では『この国の外』を表す言葉
この国はとても住みやすいため、大抵のものは十五までずっと此処に暮らす
けれどもカイルは違った

昨夜近所の人に『外』にいくと彼女が言ったニュースは一晩・・・否一時間ほどで大して狭くも無いこの国中に広まった

そして今に至る

「『外』を・・・見たい?」
「ええ。そうです」

彼女は子供達からの下から這い出て立ち上がった
一人の少年が家の中を覗き見ると何もかもなくなっていた

「いいですか?『外』にはこの国には無いものがたくさんあるんです」

眼鏡を掛け直して微笑む

「それをただ単に早く見たいだけなんです。勿論、これからの発明のためにも・・・」
「じゃ、じゃあもう帰ってこないの?」
「それは分かりません」

ただ、と彼女は続ける

「ただ、もっと見たいものができたら・・・そのときには私は十五になっているでしょう
  そうすれば私はこの国には戻れません。けれども・・・・」

少し言葉を切って子供達を見渡す
不安そうな顔、泣きそうな顔
いろいろな顔が彼女をただただ見つめる

「もし、みんなが十五になったとき、私のことを覚えてくれていたらきっと
  みんなと会えるようにします。約束、します」

足元に置いていた黒い鞄を肩にかける

「そのときまで、少し会えなくなるだけです。それまでの辛抱です

  それではまた、『外』で会いましょう」

そうしてカイルは振り向かず、彼女の名を呼ぶ声だけを聞いて『外』に進んだ
そして、子供達のその声はもう、彼女を呼び止めるものではなく

「またね!!カイル!!」「絶対会おうな!!」「その時は新しい発明見せてね!!」

彼女が新しい一歩を進めるためのものだった
Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.3 )
日時: 2006/10/01 13:02:12
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

子供達には言わなかったことがある
それは『外』に出る理由だ
確かに興味は有るけども、もう一つは『異世界に干渉したものが居る』
という噂を聞いたからでしかもそれは同じ発明家
彼女の好奇心をそそるには十分だった
一番の原因がそれだった

カイルが『外』の森に出て数分
ふと、自分の手を見た

最近、妙に甲が痛い
発明を作る際に支障はないので放っておいたが少し気になって手を見ると

「黒い・・・石?」

親指の爪ほどの大きさの丸い黒い石が甲に浮かんでいた
つついたりしてみてもあまり痛くは無い
刹那
ぽっかりと口を広げた黒い空間が彼女を吸い込む

「ああ、コレが『移動』ですか」

今の状況がどうでもいいように口元に手を当てて微笑んだ
そして空間は彼女を吸い込むと何事も無かったかのように消えた

・・・・・・・・

気付くとそこは似たような、けれどもまったく違う森の中だった
きょろきょろあたりを見渡すと見たことの無い色の花が咲いていた

「コレが・・・異世界?」

そのとき、ポトンと水滴が落ちてきた
見上げると空は灰色の雲で覆われ、水がぽとりぽとりと降ってくる

「雨・・・・?」

彼女の『国』でも雨は降る
けれどもそれは『国』が定期的に水を撒く行為のことであって、虹も出るのは当たり前
勿論、晴れた過ごしやすい『国』なので雨雲はおろか曇りすらない

「へえ・・・面白い・・・」

にこにこ微笑むと少女は鞄から帽子(勿論之も黒)を取り出し
意識を集中させ、尻尾を隠した
自分の容姿を見られ、化物扱いされては困る事からの判断だった
似たようなものが居れば隠すことをやめるつもりだけれども

「・・・行きますか」

そして一歩を踏み込んだ
Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.4 )
日時: 2006/10/01 13:02:42
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

〜小倉明日樹の場合〜

それはいつもと変わらぬ下校途中のことだった

「小豆〜〜〜」
「小豆ちゃうわ!!!『明日樹』や!!ブ●ーチの●護とおんなじ発音や!!」

そんなことを言われながら友人たちと小突きあう
それが彼女の『普通』の生活

「今日も家の手伝い?」
「うん、めんどくて涙がでそうや・・・」

泣く振りをすると友人の回し蹴りが決まる
どんなときでも『普通』を演じておかなくてはならない
それは彼女の家の秘密のせいだ

今はもう途絶えつつある忍びの一族
その一つが『小倉』
彼女、明日樹はその継承者の一人

それを知らされたのは三年前
自分が、自分の家が『普通』の人間では無いと薄々感づいていた
けれども、まさかそんな事実があるとは思いもよらなかった

「あ、アタシこっちだから〜ばいば〜いアズ〜」
「またな〜〜〜」

手を大きく振り分かれる
そして彼女のまとう空気が一瞬にして変わる

「まったく、なんで一体うちが・・・」

そうぶつぶつ呟きながら彼女は歩き出した

家という戦場に向かって
Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.5 )
日時: 2006/10/01 13:03:54
名前: 片倉 晶◆iZVUUdtpWZw
参照: http://starnightsky.blog68.fc2.com/

「ハァ!?出張!?」

家に帰って父親に言われたのは自分が長期出張に行くからその間よろしく☆
見たいな事だった

「・・・で、いつからなん?」
「今日」
「きょおおおおおおおおおお!?」

流石の明日樹も叫んでしまった

「それでな、その間うちにきた依頼は全部おまえがやっといてな」
「そんな『留守番中に来た電話はちゃんと取ってね』みたいな風に言うなあああああああ!!」

クナイを投げるが笑顔のまま避けられてしまう
こういうとき、父には敵わないと思う

「つーことで仕事だ」
「マジかよ・・・」

もう突っ込む気力も無い

  「 行って来い 」

その言葉と共に

明日樹は

空間に落ちていった


「さて、アイツはどうなるのかね?」

ニコニコと父親の笑う声が聞こえた


〜〜〜

・・・・・

「此処、何処や・・・・」

気付くと雨降る森の中に明日樹は居た
見たことのない花が咲き、へんな生き物の鳴き声が響く

「・・・・これってよくある『異世界トリップ☆』ってやつか・・・?」

そんな独り言は雨音に掻き消される

「・・・」

今の装備を確認する
学校帰りだったため、手元には学校指定の鞄
服装はブレザーにズボン
(校則で、女子が男子の制服を着てもいい事になっている。逆もあり)
少し底の厚い靴に入っている鍵開け道具一式を確認し、鞄に入っている武器も確認する

「・・・ちょっと、歩いてみるか」

誰か見つかるかもしれないから


明日樹は進む 新たな一歩を

――――――――――
晶の番終了!
明日樹のは少し手抜き・・・
次はみせつさん
よろしくお願いします
Re: リレー小説『エレアリア』本編一 ( No.6 )
日時: 2006/10/01 17:27:48
名前: みせつ

〜海寺響沙の場合〜

此処は、どこか和風な雰囲気が漂う国、星雪。

和風な建物が建ち並び、人々は、主に着物を好んで着ていた。

そこは、表は、とても安全で平和な国に見えた。

しかし、裏では、大きな権力争いが繰り広げられていた。

今日も、権力者同士が、殺し合う。

暗殺なんて、日常茶飯事。

そして、今日も、そんな国で暗躍する一人の少女がいた。

ある大きな屋敷。
ある一室にいかにも悪そうな顔をした男と、水色の着物を着てその口元にその場に似つかわしくない微笑みを浮かべている少女が居た。

「お、おまえ、だ、誰だ?」

男は、いつの間にか目の前に現れていた少女に言った。

「私?私は………。」

少女は、いつの間にか男の背後に移動していた。

そして、次の瞬間……男の首から赤い血が溢れ、男が倒れた。

「私は、暗殺者、海寺響沙です。……と言ってももう聞こえませんね。では、地獄で、お幸せに。」

そう言って少女、響沙は、物言わぬ死体に微笑みかけ、その場を去って行った……。

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