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| 蜜柑ちゃんの家庭教師 〜2〜 |
| 「はぁ」 今日は憂鬱や。 学校で蛍に「どうしたの?」て訊かれたけど、 とりあえず首を振った。 だって、この前始めてあった家庭教師の人に、 いきなりファーストキス奪われたなんて、ゆわれへんもん。 しかも小テストは20点中5問しか合ってなかったし・・・・。 もう泣きそうや。 そのうえ今日はあの家庭教師が来る日やし。 何度かお母さんにも先生のことを悪くゆうたんやけど、 全然相手にしてくれへんっていうか、今日様子を見たるとは言うてたんやけど。 これで先生はうちの家庭教師じゃなくなんねんやったら本望。 だって、またあんなキスなんかされたら・・・・。 「うがぁぁぁーー!思い出したらあかんーーー!」 うちは頭をガシガシとかいで、あの舌の動きとか、 先生の色っぽい顔とか、自分の変な声とか思い出して、顔を真っ赤にしてしまう。 すると、家のインターホンが鳴った。 ドッキーと跳ね上がった心臓を押さえて、うちは玄関に向かう。 お母さんのほうに視線を向けるとお母さんは合図するようにウィンクした。 先生とうちの授業を見張ってくれるらしい。 よし。 うちは玄関を開ける。 するとやっぱりそこに日向先生が立ってた。 先生の顔を見ると心拍数が上がってくるんやけど、 とりあえずぎこちなくやけど、先生を中に入れる。 先生はペコリとお母さんにお辞儀をして、この前みたいにうちの部屋に入った。 すると同じようにファイルを取り出して、机の上に山のようなプリントを置く。 うちはそれを見ると口元が引きつってしまった。 もしかして、この前よりもあるんちゃうん・・・・? 「今日は20分でこれを仕上げろ」 「は、はぁあ!?」 うちはこの前よりあるプリントの量+この前より短い時間でやり遂げろと言われて、 さすがに腹が立った。 「え、ええかげんにして!あのなぁ!」 「いいから、さっさとやれ」 「ぅ…」 うちが立ち上がった瞬間、先生の鋭い目つきがうちをみた。 もうめっちゃ怖かった。 助けを求めるようにドアの外にいるお母さんを見たんやけど、 お母さんはなんか感心してるみたいに手を叩いていた。 なんでぇぇぇ!?!?!? もう泣きたくなったくらいやったけど、 とりあえず先生も怖いし、やることに。 それから20分。 案の定プリント全部なんてできず。 でも先生は時間どうりにプリントを見始めてる。 うちは頭が爆発しそうで、もう一回お母さんの方を見ると、 誰かと電話してた。 お母さーーーーーーーーーーーーーーーん!! とか心の中で叫んでいると、先生がうちを睨んでた。 それに気がつくとうちはさっと頭を上げて、 ダラダラと汗が流れる。 「お前、プリント一枚につき3問くらいしか合ってねえんだけど」 「は……ぃ…」 か細い声でうちは返事をしたんやけど、 先生は睨んでるし。お母さんは電話中やし。 するといきなりうちの頭に痛い衝撃がやってきた。 バシィ! と、いい音がする。 「いっっ〜〜〜〜〜〜」 うちは先生におもいきし頭を叩かれた。 涙目になって先生を見上げると、拳を作って、 「次もこんなふざけた点数とったらこれで殴るからな」 怖いぃぃぃ! ほんま痛くて、お母さんもそれを見ていたみたい。 お母さんは驚いた表情をしていた。 やった!これできっと先生をやめさせれる! と思って、休息を取れと言われたので、 すぐにリビングに行って、お母さんに話そうとした瞬間、 お母さんの目の色が星になっていた。 「いいじゃなぁぁい!あの先生!」 「な!どこが!?見たやろ!?あのプリントの量!時間も短いし! おまけに平手でおもいきしうちの頭バシンて」 「世の中そうそういないわよ?あんな熱血家庭教師。 うーん。いいわね〜。蜜柑にはあれくらいキツイ先生でなくちゃ! それじゃあ母さん買い物に行くから、先生が帰るときはちゃんと玄関まで見送りしてね」 「え!?ちょ!ま!ええええ!お母さん!?買い物!?」 お母さんは自分の言い分をさっさと言って、 家を出て行ってしまった。 そんな……先生は熱血じゃない。ただのエッチな先生なんやぁ〜。 うちは泣き言をいいながら、また二階へと上がった。 そっとドアを開けると、先生はジッとうちのプリントを見てる。 そんなところを見てやっぱりうちのために勉強教えてくれてるってことがわかる。 そう思うとちょっと罪悪感が胸に沁みてきた。 そしたらドアの前で立っていたうちに気づいたのか、 先生が声をかけてくる。 「さっさと入れよ」 「あ、はい」 うちはか細い声で返事をすると、 先生はチラッとこっちを見てる。 なんか痛い視線に、うちは目を逸らした瞬間、 先生が口を開いた。 「さっき…、玄関が閉まる音がしたけど、誰か来たのか?」 「え、あ、違います。お母さんが買い物にって…。先生が帰る頃帰ってこないらしくて、 すみませんってゆうといてって言われてました」 「へぇ〜」 うちが素直にお母さんの伝言をゆったら、 先生は少し口元がニヤけたように見えた。 うちはそれを見て首を傾げると、 先生が小悪魔顔でうちに顔を近づけてきた。 「てことは、今から一時間三十分、俺とお前は二人きりというわけだ」 それを聞いてうちは目を見開く。 そういえば――――そうなってしまう。 って!こんなケダモノと一時間三十分も二人きりって! む、無理!嫌!犯される! うちはおびえたように顔を青くすると、 先生は少しムスッとした顔で、うちの顔に先生はこの前みたいに先生の顔を近づけてくる。 うちは抵抗しようとしたけど、 先生がうちの両肩を固定したため、腕が上がらんかった。 まだ近づいてくる先生の顔を見て、うちは悔しそうに目をつむった。 「バーーーーーーカ」 「ふぇ?」 先生の声が聞こえたから、目を開くと、 目の前に悪意感たっぷりの先生の表情が見えた。 「キスでもされるとおもったのか?」 「な!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!」 恥ずかしさのあまり、うちは耳まで真っ赤にする。 そりゃあ先週あんなことがあったからといって、 毎回毎回家庭教師が生徒にキスすると考えてしまって…。 恥ずかしすぎや!うち! 「そ、そんなことないもん!」 うちは俯いて、先生を目を上に向かせ、睨む。 その先生はというと、未だうちの肩を放してくれへん。 ええかげん放してよ!この変態! うちは吠えるライオンのように心の中で唸っていると、 先生は急にうちの肩を握る握力を強くした。 え? 「お前…さっきも言っただろ?今俺とお前は二人きり。 お前の親は俺を信じきってる。まぁ、東大生なんだから信じても当たり前だな」 と、東大!?うそ!先生そんな頭いい大学生やったん!? 「まぁ、俺の年齢は18だし?お前は14で年齢はかけ離れてるけど、 いや、たった5歳違いだ。25歳と20歳が結婚したって可笑しくない時代だろ?」 「どういう……意味…?」 うちは先生を凝視する。 先生の視線と、うちの視線はかさなりあった。 「……なんでもねえよ。ただの社会の勉強だ」 先生はそう言って、うちを解放した。 それから一時間三十分。 うちらは二人っきりやけど、あれからなんも会話せず、 玄関でうちは先生を見送って、先生は帰っていった。 -------------------------- あとがき Xです。 今回棗先生の無理やりキスなど期待していた方すみません。 次回はここまでの話の棗視点でいきます。 |
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